○国民年金法等の一部を改正する法律等の施行に伴う船員保険及び厚生年金保険の適用関係等の事務の取扱いについて
(昭和六一年三月三一日)
(庁保険発第一二号)
(各都道府県民生主管部(局)保険主管課(部)長あて社会保険庁医療保険部船員保険・厚生年金保険課長連名通知)
国民年金法等の一部を改正する法律(昭和六〇年法律第三四号。以下「改正法」という。)等による改正後の国民年金法等の施行については、昭和六一年三月三一日庁保発第一二号をもつて社会保険庁医療保険部長・同年金保険部長から通知されたところであるが、標記の船員保険及び厚生年金保険の適用関係等の事務については、この通知によるほか、次の事項に留意のうえ遺憾のないよう取り計らわれたい。
第一 六五歳資格喪失に関する事項
六五歳到達による被保険者の資格の喪失(以下「六五歳資格喪失」という。)の事務処理については、昭和六一年三月六日庁文発第八五八号をもつて通知したところであるが、この通知によるほか、別添1「六五歳資格喪失の実施に伴う適用関係の事務処理」により行うこと。
第二 船員である被保険者に関する事項
船員保険の職務外年金部門の厚生年金保険への統合に伴い、昭和六一年四月一日(以下「施行日」という。)以後六五歳未満の船員保険の被保険者は同時に厚生年金保険の第三種被保険者としての適用を受けることとされているが、これに係る事務処理は、次により行うこと。
1 施行日に厚生年金保険へ移行する被保険者の取扱いについて
(1) 改正法附則第四二条第一項の規定により施行日に厚生年金保険の資格を取得する者については、船舶所有者の被保険者資格取得の届出は不要であること。
(2) 被保険者の資格等の管理は、引き続き船員保険の被保険者名簿により行うこと。
(3) 年金手帳の厚生年金保険の記号番号については、既に払い出されている船員保険の年金番号を施行日以後においても船員の厚生年金保険の記号番号として引き続き使用すること。
2 施行日以後における事務処理について
施行日以後における船員である厚生年金保険の被保険者に係る事務処理については、別添2「厚生年金保険の船員である被保険者の適用等に関する事務処理」によること。
第三 高齢任意加入被保険者に関する事項
改正法の施行により高齢任意加入被保険者制度が創設されたところであるが、その事務処理については、別添3「高齢任意加入被保険者の適用等に関する事務処理」によること。
第四 第四種被保険者及び船員任意継続被保険者に関する事項
1 第四種被保険者について
(1) 施行日以後においては、改正法附則第四三条第一項、第二項又は第五項の規定に該当する者が第四種被保険者になることができること。
(2) 法律によつて組織された共済組合の組合員(国家公務員等共済組合法(昭和三三年法律第一二八号)附則第一三条の三に規定する特例継続組合員及び地方公務員等共済組合法(昭和三七年法律第一五二号)附則第二八条の七に規定する特例継続組合員を除く。以下「共済組合の組合員」という。)は、第四種被保険者になることができないこと。
(3) 改正法附則第四三条第一項の規定により、施行日の前日に第四種被保険者であつて、施行日に共済組合の組合員であるものについては、施行日に第四種被保険者の資格を喪失することとなるので該当者が申出をするよう周知を図ること。
(4) 第四種被保険者として加入できるのは、被保険者期間が二〇年(中高齢者の被保険者期間の特例により、一般男子は四〇歳以後、女子及び坑内員・船員は三五歳以後一五年)に達するまでの間とされていることから、老齢基礎年金の受給資格期間が二一年から二五年を必要とする者(昭和二七年四月二日以後生まれの者)については、受給資格期間満了前であつても被保険者期間が二〇年に達したときは第四種被保険者の資格を喪失するものであること。
(5) 第四種被保険者に係る事務は、被保険者の住所地を管轄する社会保険事務所で取り扱われることとされており、最後に被保険者の資格を喪失したときに船員である被保険者であつた者についての取扱いも同様であること。
2 船員任意継続被保険者について
(1) 改正法附則第四四条第一項の規定により、施行日の前日に改正法による改正前の船員保険法(以下「旧船保法」という。)第二〇条の規定による被保険者であつた者は、施行日に厚生年金保険の船員任意継続被保険者としての資格を取得すること。
(2) 船員任意継続被保険者は、厚生年金保険の適用事業所となる船舶に使用されるに至つた場合には被保険者資格の喪失をすることとされているが、船舶以外の事業所に使用される場合には被保険者が資格の喪失の申出をした場合を除き資格を喪失しないこと。
(3) 共済組合の組合員は、第四種被保険者と同様、船員任意継続被保険者になることができないこと。
(4) 改正法附則第四四条第一項の規定により、施行日の前日に旧船保法第二〇条の規定による被保険者であつて、施行日に共済組合の組合員であるものについては、施行日に当該被保険者の資格を喪失することとなるので、該当者が申出をするよう周知を図ること。
(5) 船員任意継続被保険者として加入できるのは、第四種被保険者と同様、被保険者期間が二〇年(中高齢者の被保険者期間の特例により三五歳以後一五年)に達するまでの間とされていること。
(6) 改正法附則第四七条第四項の規定により施行日から昭和六六年三月三一日までの船員任意継続被保険者であつた期間については、五分の六を乗じて得た期間をもつて被保険者期間とすることとされたことから、当該期間に船員任意継続被保険者であつた期間を有する者の受給資格期間満了日がこれに応じて延長されることとなるので、その旨の周知を図ること。
(7) 船員任意継続被保険者に係る事務は、従来どおり船員保険を取り扱う社会保険事務所又は都道府県保険主管課で取り扱うこと。
(8) 船員任意継続被保険者の資格等の管理は、従来の被保険者名簿により引き続き行うこと。
3 保険料の前納について
(1) 改正法附則第八〇条第四項及び第五項の規定により、第四種被保険者及び船員任意継続被保険者は、保険料の前納ができること。
(2) 保険料を前納することができる期間及び前納すべき額は、昭和六一年三月二九日付けで公布された別添4社会保険庁告示第九号「厚生年金保険の第四種被保険者の保険料を前納する場合の期間及び納付すべき額を定める等の件」(以下「前納告示」という。)のとおりであり、その内容及び留意すべき事項は次のとおりであること。
(1) 保険料を前納することができる期間は、昭和六一年五月から昭和六四年三月までの三五月間であること。
(2) 保険料の前納は、次の場合に行うことができること。
ア 保険料を前納しようとする日(施行日以後の日をいう。以下同じ。)の属する月の翌月から年を単位として前納する場合
イ 保険料を前納しようとする日の属する月の翌月から昭和六四年三月までの期間のすべての保険料をまとめて前納する場合
ウ 昭和六四年三月までに改正法附則第四三条第九項の規定に該当するに至る者にあつては、保険料を前納しようとする日の属する月の翌月から、その該当するに至る日の属する月までの期間のすべての保険料をまとめて前納する場合
(3) 前納告示中別表第一は第四種被保険者について、別表第二は船員任意継続被保険者について、それぞれ前納しようとする日の属する月の翌月を始期とする場合の保険料の前納額を定めたものであること。したがつて、前納しようとする日の属する月分の納付すべき保険料の額は、それぞれの表により割り引きされない一月分の保険料の額であること。
第五 脱退手当金に関する事項
1 改正法の施行により脱退手当金は廃止されることとされたが、経過措置として昭和一六年四月一日以前に生まれた者は、改正法による改正前の厚生年金保険法(以下「旧厚年法」という。)の規定による脱退手当金の支給を受けることができること。
2 施行日の前日において、船員保険の被保険者期間が三年以上である者(旧厚年法の規定による脱退手当金を受けることができる者を除く。)は、旧船保法による脱退手当金を受けることができること。
なお、この脱退手当金は、厚生年金保険の給付として支給されること。
3 1及び2の脱退手当金を裁定する権限は都道府県知事に委任されること。
4 旧船保法による脱退手当金であつて、施行日にまだ支給していないものについては、なお従前の例によることとされているが、この脱退手当金は、社会保険庁長官により裁定され、厚生年金保険の給付として支給されること。
別添1
別添2
別添3
別添4 略