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○厚生年金基金の年金信託契約等の一部変更について

(昭和六〇年一一月二二日)

(年企発第八七号)

(各都道府県民生主管部(局)長あて厚生省年金局企画課長通知)

厚生年金基金が厚生年金保険法第一三〇条第四項の規定に基づき、信託会社(信託業務を営む銀行を含む。)と締結している信託の契約及び生命保険会社と締結している保険の契約については、各厚生年金基金とも同一内容の標準的な契約書により締結されているところであるが、今般、厚生年金基金連合会、各信託銀行及び各生命保険会社から、別紙1のとおり、変更する旨の申し出があつたので通知する。

これに伴う事務処理については、左記事項に御留意のうえ貴管下厚生年金基金の指導について遺憾のないよう配慮されたい。

なお、厚生年金基金に対しては、この通知の写を添え、厚生年金基金連合会より別途連絡することとなつているので併せて了知されたい。

1 年金信託契約等を変更した場合における届出については、別紙2により行うこととし、年金信託契約の変更契約書等の謄本の添付は、省略しても差し支えないこととしたこと。

2 原則として年金信託契約等の変更は、代議員会の議決を経て行うこととなるが、当該事項については各厚生年金基金とも同一内容の標準的な契約書等により締結していること及び信託報酬の支払時期等の関係から速やかに変更する必要があること等に鑑み、代議員会の議決が困難な場合には、理事長専決処分として取り扱うことも止むを得ないものであることとしたこと。

別紙1

今回の変更の概要

今回の変更は、別紙1から5までのとおりであるが、その概要は次のとおりである。

1 年金信託契約書関係

(1) 運用の基本方針の提示

厚生年金基金は、受託者に対し、信託財産の運用に関する基本方針を提示することができるものとし、提示があつた場合は協議のうえ運用することとする。

(2) ディスクロージャーの徹底

現行契約に定める報告書のほか、受託者は厚生年金基金から信託財産の運用状況に関し、報告を求められたときは、正当な理由がない限り、その指示に従い報告を行うこととする。

(3) 解任権の新設

厚生年金基金は、正当な理由があるときは、受託者の全部又は一部を当該受託者に対する二か月前の予告により解任することができることとする。

(4) 損害金の規定の削除

現行契約では、契約解除の場合には、厚生年金基金は損害金を支払うことがあるものとされているが、この規定を削除する。

(5) 最終計算書の内容改善及び信託終了日の協議

信託が終了した場合の最終計算書については、受託者は正当な理由がない限り厚生年金基金の指示するところに従い作成するものとする。

なお、受託者の一部の辞任又は解任の場合も同様とする。

また、信託終了の日は、厚生年金基金と受託者の協議のうえ定めるものとし、信託財産交付日はその翌日とする。

(6) 忠実義務の強化

受託者の忠実義務を明確化し、信託の本旨に従い、もつぱら受益者の利益のために信託事務を処理する旨の規定を追加する。

(7) 「個別指図の禁止」の内容の明確化

現行契約上その内容が必ずしも明確でなかつた個別指図の禁止について、その内容を例示し、明確化する。

(8) 信託報酬の計算書の事前提示

受託者が信託報酬を受け取る場合には、事前に計算書を厚生年金基金に送付のうえ受け取ることとする。

(9) 協議

契約の実施に関し、疑義を生じたときは、厚生年金基金と受託者との協議により決定することとする。

2 年金信託契約に関する協定書関係

(1) 年金信託契約の変更に伴う条文整理を行う。

(2) 信託報酬の改定について

(1) 業務委託報酬

従来の掛金額の一定比率とされていた方式を定額又は加入員及び受給者比例とする次の新体系に改める。

なお、新体系による計算結果が従来の方式による計算結果を上回るときは、従来の方式による。

 

Ⅱ型

ⅠB型

ⅠA型

基礎報酬

①加入員数5,000人以下の場合

「代行型」=190万円+加入員1人当り550円

「加算型」=300万円+加入員1人当り850円

①加入員数5,000人以下の場合

「代行型」=190万円+加入員1人当り420円

「加算型」=300万円+加入員1人当り650円

①加入員数5,000人以下の場合

「代行型」=190万円+加入員1人当り95円

「加算型」=300万円+加入員1人当り140円

②加入員数5,000人超10,000人以下の場合

「代行型」=285万円+加入員1人当り360円

「加算型」=450万円+加入員1人当り550円

②加入員数5,000人超10,000人以下の場合

「代行型」=255万円+加入員1人当り290円

「加算型」=405万円+加入員1人当り440円

②加入員数5,000人超10,000人以下の場合

「代行型」=202.5万円+加入員1人当り70円

「加算型」=320万円+加入員1人当り100円

③加入員数10,000人超30,000人以下の場合

「代行型」=375万円+加入員1人当り270円

「加算型」=570万円+加入員1人当り430円

③加入員数10,000人超30,000人以下の場合

「代行型」=335万円+加入員1人当り210円

「加算型」=505万円+加入員1人当り340円

③加入員数10,000人超30,000人以下の場合

「代行型」=222.5万円+加入員1人当り50円

「加算型」=345万円+加入員1人当り75円

④加入員数30,000人超の場合

「代行型」=435万円+加入員1人当り250円

「加算型」=690万円+加入員1人当り390円

④加入員数30,000人超の場合

「代行型」=365万円+加入員1人当り200円

「加算型」=595万円+加入員1人当り310円

④加入員数30,000人超の場合

「代行型」=237.5万円+加入員1人当り45円

「加算型」=360万円+加入員1人当り70円

変動報酬

1 加入員数部分〔逓次適用〕

 

 






 

代行型

加算型

5,000人以下の部分

300円

460円

5,000人超10,000人以下の部分

200

310

10,000人超30,000人以下の部分

150

240

30,000人超の部分

140

220

2 年金受給者数部分〔逓次適用〕

1 年金受給者数部分〔逓次適用〕

同左

 

代行型・加算型とも

1,000人以下の部分

3,000円

1,000人超2,000人以下の部分

2,000

2,000人超3,000人以下の部分

1,500

3,000人超の部分

1,400

(注)

1 上記の表の定額及び加入員・年金受給者の1人当り単価は58年度価格である。59年度以降は、総務庁が発表する年度(4月~3月)平均の全国消費者物価指数により補正する。(ただし、インフレ等により当該指数の上昇幅又は下降幅が異常に大きかつた場合には、別途検討する。)また、上記の定額及び単価は報酬額を算出する年度の前年度の数値を用いる。従つて、60年度の報酬額を算出する際用いる定額及び単価は、上記の表のそれぞれの定額及び単価を59年度の消費者物価指数により補正した額とする。

2 「代行型」「加算型」の区分は、業務報告書の「給付体系」によるものとする。なお、共済型は、加算型として取扱う。

3 加入員数及び年金受給者数は報酬額を算出する年度の前年度の決算時の数値を用いることとし、その数は各基金と受託機関各社とが確認したものとする。なお、期超えの人数訂正等は考慮しない。また、年金受給者は基本部分、加算部分の如何を問わず当該決算時において年金を受給している者(差止者を含む。)とする。したがつて、受給待期者及び一時金受給者は、年金受給者に含まれないが、在職受給者及び一時金年賦払者は年金受給者に含まれる。

(2) 固有報酬

信託財産区分及び信託報酬率を次のとおり改める。

信託財産(除く財投協力運用部分)

信託報酬率(年率)

二重受託割引率

貸付信託受益証券等

動産信託受益権等

 

一〇億円以下の部分

六・七〇

六・七〇

四・九五

一〇億円超二〇億円以下の部分

六・三〇

六・三〇

四・五五

二〇億円超三〇億円以下の部分

五・九〇

五・九〇

四・一五

三〇億円超五〇億円以下の部分

五・五〇

五・五〇

三・七五

五〇億円超一〇〇億円以下の部分

五・一〇

五・一〇

三・三五

一〇〇億円超二〇〇億円以下の部分

四・八〇

四・八〇

三・〇五

二〇〇億円超三〇〇億円以下の部分

四・五〇

四・五〇

二・七五

三〇〇億円超五〇〇億円以下の部分

四・三〇

四・三〇

二・五五

五〇〇億円超一〇〇〇億円以下の部分

四・一〇

四・一〇

二・三五

一〇〇〇億円超二〇〇〇億円以下の部分

三・九〇

三・九〇

二・一五

二〇〇〇億円超の部分

三・七〇

三・七〇

一・九五

(注) 財投協力部分は千分の一・七五とする。

3 年金信託契約に関する付属協定書関係

年金信託契約の変更に伴う条文整理を行う。

4 厚生年金基金保険契約協定書関係

業務委託に係る保険事務費について前記2の(2)の(1)と同様の改定を行う。

5 年金信託契約および厚生年金基金保険契約の実施に関する協定書関係

(1) 年金信託契約の変更に伴う条文整理を行う。

(2) 信託報酬の規定は、「年金信託契約に関する協定」に明記することにより削除する。

別紙2