添付一覧
法別表 |
障害の程度 |
障害の状態 |
法別表第一 |
一級 |
身体の機能に、労働することを不能ならしめ、かつ、常時の介護を必要とする程度の障害を残すもの |
二級 |
身体の機能に、労働が高度の制限を受けるか、又は労働に高度の制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの |
|
三級 |
身体の機能に、労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの |
|
法別表第二 |
障害手当金 |
身体の機能に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの |
二 認定要領
(一) 肢体の機能の障害は、原則として、「第一 脊柱の障害」、「第二 上肢の障害」及び「第三 下肢の障害」に示した認定要領に基づいて認定を行うが、脳卒中などの脳の器質障害、脊髄損傷などの脊髄の器質障害、多発性関節リウマチ、進行性筋ジストロフイーなどの多発性障害の場合には、関節個々の機能による認定によらず、身体機能を総合的に認定する。
(二) 肢体の機能の障害の程度は、運動可能領域のみでなく、筋力、運動の巧緻性、速度、耐久性及び日常動作の状態から総合的に認定を行うが、各等級に相当すると認められるものを一部例示すると次のとおりである。
障害の程度 |
障害の状態 |
一級 |
一 一上肢及び一下肢の用を全く廃したもの 二 体幹及び四肢に著しい機能障害を残すもの |
二級 |
一 両上肢に著しい機能障害を残すもの 二 両下肢に著しい機能障害を残すもの 三 一上肢及び一下肢に著しい機能障害を残すもの 四 体幹及び四肢に機能障害を残すもの |
三級 |
一 一上肢に著しい機能障害を残すもの 二 一下肢に著しい機能障害を残すもの 三 体幹に著しい機能障害を残すもの 四 両上肢に機能障害を残すもの 五 両下肢に機能障害を残すもの 六 一上肢及び一下肢に機能障害を残すもの |
障害手当金 |
一 一上肢に機能障害を残すもの 二 一下肢に機能障害を残すもの 三 体幹に機能障害を残すもの |
(三) 日常動作と身体機能との関連は、厳密には区別することができないが、おおむね次のとおりである。
ア 手指の機能
(ア) つまむ
(イ) 握る
(ウ) タオルを絞る
(エ) ヒモを結ぶ
イ 上肢の機能
(ア) さじで食事をする
(イ) 顔を洗う
(ウ) 便所の処置をする
(エ) 上衣の着脱
ウ 下肢の機能
(ア) 立ち上がる
(イ) 歩く
(ウ) 片足で立つ
(エ) 階段を登る
(オ) 階段を降りる
エ 体幹の機能
(ア) ズボンの着脱
(イ) 靴下を履く
(ウ) 座る
(エ) 立ち上がる
(オ) 最敬礼をする
(四) 身体機能の障害の程度と日常動作の障害との関係を参考として示すと、次のとおりである。
ア 「用を全く廃したもの」とは、日常動作のすべてが一人で全くできない場合の状態をいう。
イ 「著しい機能障害を残すもの」とは、日常動作のほとんどが一人で全くできない場合又は一人でできてもうまくできない場合の状態をいう。
ウ 「機能障害を残すもの」とは、日常動作の一部が一人で全くできない場合又は一人でできてもうまくできない場合の状態をいう。
(五) (三)で示した手指の機能と上肢の機能とは、切り離して評価することなく、手指の機能は、上肢の機能の一部として取り扱う。
第六節 精神の障害
精神の障害による障害の程度は、次により認定する。
精神の障害は、内因性精神病又は器質精神病に区分する。
第一 内因性精神病
一 認定基準
内因性精神病の障害については、次のとおりである。
法別表 |
障害の程度 |
障害の状態 |
法別表第一 |
一級 |
精神に、労働することを不能ならしめ、かつ、長期にわたる高度の安静と常時の監視又は介護とを必要とする程度の障害を有するもの |
二級 |
精神に、労働が高度の制限を受けるか、又は労働に高度の制限を加えることを必要とする程度の障害を有するもの |
|
三級 |
精神に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を有するもの |
二 認定要領
(一) 内因性精神病による障害の程度の認定は、基本的には認定基準に掲げられている障害の状態を考慮するものであるが、各等級に相当すると認められるものを一部例示すると次のとおりである。
障害の程度 |
障害の状態 |
一級 |
一 人格の崩壊が高度で、全く疎通性を失い、常時の監視又は介護を必要とするもの 二 思考障害が高度であり、かつ、もう想、幻覚その他の異常体験が著明なため、常時の監視又は介護を必要とし、精神病院に入院させなければ医療及び保護が困難なもの |
二級 |
一 感情鈍麻及び意欲減退が高度であり、又は内閉傾向が著しく、労務に服すことができないもの 二 思考障害及びもう想、幻覚その他の異常体験があるため、労務に服すことができないが、家庭における看護は可能で自用は弁ずることができるもの 三 そう状態又はうつ状態が頻回に表れ、又はその病相期が長期間にわたるため、年間の半ば以上医療及び保護を必要とし労務に服すことができないもの |
三級 |
一 感情鈍麻及び意欲減退が認められ、人格崩壊の程度は著しくないが、労働に制限を加えることを必要とするもの 二 思考障害及びもう想が認められ、家庭における生活は可能であるが労働に制限を加えることを必要とするもの 三 そう状態又はうつ状態が短期間、かつ、軽度に認められ、労働に制限を加えることを必要とするもの |
(二) 内因性精神病とは、精神分裂症、そううつ病等をいうが、器質的脳疾患である覚醒アミン中毒、脱髄疾患、内分泌異常(バセドー氏病、粘液水腫等)、慢性酒精中毒、進行麻痺、退行期精神病、老年期精神病、脳炎後遺症、てんかん性精神病等でもう想、幻覚のあるものについては、内因性精神病に準じて取り扱う。
(三) 内因性精神病の原因は、多種であり、かつ、その症状は、同一原因であつても多様である。したがつて、認定に当たつては、現状及び予後の判定を第一とし、次に原因及び経過を考慮する。
(四) 内因性精神病の予後の判定に当たつては、次の点を考慮の上慎重に行う。
ア 精神分裂病は、一般的に予後不良であり、法別表に定める障害の状態に該当すると認められるものが多い。しかし、罹病後数年ないし十数年の経過中に予想以上の症状の好転を見ることもあり、また、その反面急激に憎悪の状態を持続することもある。したがつて、精神分裂病として認定を行つたものに対しては、特に年金支給開始後も発病時よりの療養及び症状の経過を考慮して予後の判定に留意する。
イ そううつ病は、本来症状の著明な時期と症状の消失する時期をくり返すものである。したがつて、現状により認定することは不十分であり、症状の経過及びそれによる労働制限の状態等も考慮する。
(五) 残存労働能力の判定に当たつては、身体的能力及び精神的能力特に知情意面の障害も考慮の上、社会的な適応性の程度によつて判断するよう努める。また、現に仕事に従事している者については、その療養状況を考慮し、その仕事の種類、内容、従事している期間、就労状況及びそれらによる影響も参考とする。
(六) 精神病質は、原則として認定の対象とならないものとする。
(七) 神経症にあつては、その症状が長期間持続し、一見重症なものであつても、障害の状態とは評価しない。(その臨床症状から判断して精神病の病態を示しているものについては、内因性精神病に準じて取り扱う。)
第二 器質精神病
一 認定基準
器質精神病の障害については、次のとおりである。
法別表 |
障害の程度 |
障害の状態 |
法別表第一 |
一級 |
精神に、労働することを不能ならしめ、かつ、常時の監視又は介護を必要とする程度の障害を残すもの |
二級 |
精神に、労働することを不能ならしめる程度の障害を残すもの |
|
三級 |
精神に、労働に著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの |
|
法別表第二 |
障害手当金 |
精神に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの |
二 認定要領
(一) 器質精神病による障害の程度の認定は、基本的には認定基準に掲げられている障害の状態を考慮するものであるが、各等級に相当すると認められるものを一部例示すると次のとおりである。
障害の程度 |
障害の状態 |
一級 |
一 極めて高度の痴呆及び人格崩壊のため、常時の監視又は介護を必要とするもの 二 著しく高度の性格変化があり、公安上危険なため精神病院に入院させなければ医療及び保護が困難なもの 三 てんかん性発作に対する治療を必要とし、かつ、高度の痴呆及び性格変化があり、常時の監視又は介護を必要とするもの |
二級 |
一 痴呆が高度で労務に服すことができないもの 二 高度の性格変化があり、労務に服すことができないもの 三 高度の巣症状のため、労務に服すことができないもの 四 てんかん性発作に対する治療を必要とし、かつ、痴呆及び性格変化があり、労務に服すことができないもの |
三級 |
一 痴呆のため労働に著しい制限を加えることを必要とするもの 二 性格変化があり、労働に著しい制限を加えることを必要とするもの 三 巣症状のため、労働に著しい制限を加えることを必要とするもの 四 てんかん性発作に対する服薬の継続を必要とし、かつ、性格変化があり、労働に著しい制限を加えることを必要とするもの 五 上記に掲げるもののほか、脳の器質障害により、労働に著しい制限を加えることを必要とするもの |
障害手当金 |
一 痴呆のため労働に制限を加えることを必要とするもの 二 性格変化が認められ、労働に制限を加えることを必要とするもの 三 巣症状のため、労働に制限を加えることを必要とするもの 四 上記に掲げるもののほか、脳の器質障害により、労働に制限を加えることを必要とするもの |
(二) 脳の器質障害については、精神障害と神経障害を区別して考えることは、その多岐にわたる臨床症状から不能であり、原則としてそれらの諸症状を総合し、全体像から総合的に判断して認定する。(第七節 神経系統の障害 参照)
(三) 器質精神病は、主として脳に明らかな器質的変化を認め得るものであるが、その主なものを列記すると次のとおりである。
老人痴呆(プレスビオフレニー、アルツハイマー氏病及びビツク氏病を含む。)進行麻痺、脳梅毒、頭部外傷後遺症、てんかん及びその近縁疾患、脳腫瘍及びその手術後の障害、脳膜炎、脳炎後遺症、パーキンソン氏病、脳卒中、脳動脈硬化症、高血圧症、肝脳疾患、脱髄疾患、中毒(一酸化炭素、鉛、酒精その他)、晩発性の黒内障性白痴等
(四) 器質精神病の原因は、多種であり、かつ、その症状は、同一原因及び経過を考慮する。
(五) 精神障害としての巣症状は、失語症、失認症、失行症等を指す。
ア 失語症の判定に当たつては、次のことに留意して認定する。
(ア) 言語理解 A 口頭命令による選択動作ができるか
B 口頭命令による行為ができるか
(イ) 言語表現 A 自発語ができるか
B 順唱、逆唱が不能か
C 復唱ができるか
D 色名、色別の分類ができるか
イ 失認症の判定に当たつては、次のことに留意して認定する。
(ア) 視覚認知 A 日常物品の認知
B 人物の認知
C 色の認知
D 文字、記号の認知
E 空間の認知
F 幾何学的図形の認知
(イ) 聴覚認知
(ウ) 触覚認知
(エ) 身体の認知
ウ 失行症の判定に当たつては、飲食、着衣、脱衣等に障害がないかなどを考慮に入れて認定する。
(六) 残存労働能力の判定に当たつては、身体的能力及び精神的能力特に知情意面の障害も考慮の上、社会的な適応性の程度によつて判断するよう努める。また、現に仕事に従事している者については、その療養状況を考慮し、その仕事の種類、内容、従事している期間、就労状況及びそれらによる影響も参考とする。
第七節 神経系統の障害
神経系統の障害による障害の程度は、次により認定する。
一 認定基準
神経系統の障害については、次のとおりである。
法別表 |
障害の程度 |
障害の状態 |
法別表第一 |
一級 |
身体の機能に、労働することを不能ならしめ、かつ、常時の介護を必要とする程度の障害を残すもの |
二級 |
身体の機能に、労働が高度の制限を受けるか、又は労働に高度の制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの |
|
三級 |
身体の機能又は神経系統に、労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの |
|
法別表第二 |
障害手当金 |
身体の機能又は神経系統に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの |
二 認定要領
(一) 神経系統の障害による障害の程度の認定は、基本的には認定基準に掲げられている障害の状態を考慮するものであるが、各等級に相当すると認められるものを一部例示すると次のとおりである。
障害の程度 |
障害の状態 |
一級 |
脳又は脊髄の器質障害のため、次のいずれかの状態にあるもの 一 両上肢又は両下肢の用を全く廃したもの 二 一上肢及び一下肢の用を全く廃したもの 三 体幹及び四肢に著しい機能障害を残すもの |
二級 |
脳、脊髄又は神経叢の器質障害のため、次のいずれかの状態にあるもの 一 一上肢又は一下肢の用を全く廃したもの 二 両上肢又は両下肢に著しい機能障害を残すもの 三 一上肢及び一下肢に著しい機能障害を残すもの 四 体幹及び四肢に機能障害を残すもの |
三級 |
脳、脊髄、神経叢又は末梢神経の器質障害のため、次のいずれかの状態にあるもの 一 一上肢又は一下肢の三大関節のうち、二関節の用を廃したもの 二 一上肢又は一下肢に著しい機能障害を残すもの 三 体幹に著しい機能障害を残すもの 四 両上肢又は両下肢に機能障害を残すもの 五 一上肢及び一下肢に機能障害を残すもの |
障害手当金 |
脳、脊髄、神経叢又は末梢神経の器質障害による運動麻痺のため、次のいずれかの状態にあるもの 一 一上肢に機能障害を残すもの 二 一下肢に機能障害を残すもの 三 体幹に機能障害を残すもの |
(二) 肢体の障害の認定は、「第五節 肢体の障害」に示した認定要領に基づいて認定を行う。
(三) 脳の器質障害については、神経障害と精神障害を区別して考えることは、その多岐にわたる臨床症状から不能であり、原則としてそれらの諸症状を総合し、全体像から総合的に判断して認定する。(第六節 第二器質精神病 参照)
(四) 頭部外傷後遺症、脳又は脊髄の疾病、頚部自律神経の障害等に起因する失調、めまい及び平衡機能の障害は、次のように取り扱う。
ア 閉眼で起立不能又は開眼で直線を歩行中に一○メートル以内に転倒若しくは著しくよろめいて歩行を中断せざるを得ない程度のものは、二級と認定する。
イ 中等度の失調又は平衡機能障害のため、労働能力が明らかに半減している程度のものは、三級と認定する。
(五) 疼痛は、原則として認定の対象としないが、四肢その他の神経の損傷によつて生ずる灼熱痛、脳神経及び脊髄神経の外傷その他の原因による神経痛、根性疼痛、悪性新生物に随伴する疼痛等の場合は、疼痛発作の頻度、強さ、持続時間、疼痛の原因となる他覚的所見等により、次のように取り扱う。
ア 軽易な労働以外の労働に常に支障がある程度のものは、三級と認定する。
イ 一般的な労働能力は残存しているが、疼痛により時には労働に従事することができなくなり、就労可能な職種の範囲が相当な程度に制限されるものは、法別表第二に該当していると認定する。
第八節 呼吸器疾患
呼吸器疾患による障害の程度は、次により認定する。
呼吸器疾患は、肺結核、じん肺又は心肺機能の障害に区分する。
第一 肺結核
一 認定基準
肺結核については、次のとおりである。
法別表 |
障害の程度 |
障害の状態 |
法別表第一 |
一級 |
身体の機能に、労働することを不能ならしめ、かつ、長期にわたる高度の安静と常時の介護とを必要とする程度の障害を有するもの |
二級 |
身体の機能に、労働が高度の制限を受けるか、又は労働に高度の制限を加えることを必要とする程度の障害を有するもの |
|
三級 |
身体の機能に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を有するもの |
二 認定要領
(一) 肺結核による障害の程度は、病勢判定及び機能判定により認定する。
(二) 肺結核の病勢判定による障害の程度は、一般状態、理学的所見、自覚症状(咳、痰、血痰、発熱、胸痛、悪感、呼吸困難等)、他覚症状(栄養状態、体温、脈はく、赤沈等)、胸部X線所見(病巣の性質、部位及び範囲、必要に応じての断層撮影、肺尖撮影等の特殊撮影所見等)、排菌状態(喀痰の塗抹、染色、必要に応じての喀痰の培養又は胃液培養による菌検索等)、治療及び病状の経過、年齢、性別、合併症の有無等により総合的に認定するが、各等級に相当すると認められるものを一部例示すると次のとおりである。
障害の程度 |
障害の状態 |
一級 |
胸部X線所見が、日本結核病学会病型分類(以下「学会分類」という。)Ⅰ型(広汎空洞型)で長期にわたり排菌の状態にあるもの |
二級 |
一 胸部X線所見が、学会分類Ⅰ型で排菌状態が陰性のもの 二 胸部X線所見が、学会分類Ⅱ型(非広汎空洞型)で排菌状態は陰性であるか、積極的抗結核剤による化学療法を施行しているもの 三 胸部X線所見が、学会分類Ⅲ型(不安定非空洞型)で次のいずれかに該当するもの (1) 排菌状態が長期にわたるもの (2) 「病巣の拡がり」が「三」のもの |
三級 |
一 胸部X線所見が、学会分類Ⅱ型で排菌状態が陰性のもの 二 胸部X線所見が、学会分類Ⅲ型で排菌状態が陰性のもの 三 胸部X線所見が、学会分類Ⅳ型(安定非空洞型)で排菌状態が陰性であるが積極的抗結核剤による化学療法を施行しているもの 四 孤在薄壁空洞で排菌状態が陰性のもの |
(三) 胸部X線所見と排菌状態による病勢の診査基準を参考として表示すれば次のとおりである。
排菌状態 学会分類 |
長期多量排菌 |
長期排菌 |
微量排菌 |
排菌陰性積極的化学療法 |
排菌陰性 |
Ⅰ型 |
一級 |
一級 |
二級 |
二級 |
二級 |
Ⅱ型 |
二級 |
二級 |
二級 |
二級 |
三級 |
Ⅲ型 |
|
二級 |
三級 |
三級 |
三級 |
Ⅳ型 |
|
|
三級 |
三級 |
不該当 |
(四) 病勢の現状を表現するのに安静度が用いられているが、認定に当たつては、安静度は参考資料として用いる。
(五) 肺結核に他の結核又は他の疾病が合併した場合は、その合併症の軽重、治療法、従来の経過等を勘案した上、残存労働能力等を考慮して、総合的に認定する。
(六) 加療による胸廓変形は、それ自体は認定の対象としないが、肩関節の運動障害を伴う場合には、その程度に応じて認定の対象とする。
(七) 肺結核の機能判定による障害の程度は、「第三 心肺機能の障害」の認定要領により認定する。
第二 じん肺
一 認定基準
じん肺については、次のとおりである。
法別表 |
障害の程度 |
障害の状態 |
法別表第一 |
一級 |
身体の機能に、労働することを不能ならしめ、かつ、長期にわたる高度の安静と常時の介護とを必要とする程度の障害を有するもの |
二級 |
身体の機能に、労働が高度の制限を受けるか、又は労働に高度の制限を加えることを必要とする程度の障害を有するもの |
|
三級 |
身体の機能に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を有するもの |
二 認定要領
(一) じん肺による障害の程度は、胸部X線所見、心肺機能、合併症の有無及び程度等から、各等級に相当すると認められるものを一部例示すると次のとおりである。
障害の程度 |
障害の状態 |
一級 |
一 X線写真像の大陰影の大きさが、一側の肺野の三分の一以上のもので、かつ、長期にわたる高度の安静と常時の介護とを必要とするもの 二 ヒユー・ジヨーンズ分類のⅤ度に該当し、かつ、予測肺活量一秒率が測定不能のもの又は二〇以下のもの 三 いかなる負荷にも耐え得ないもの |
二級 |
一 X線写真像の大陰影の大きさが、一側の肺野の三分の一以上のもの 二 X線写真像に活動性の肺結核が認められるもの 三 ヒユー・ジヨーンズ分類のⅢ度又はⅣ度に該当し、かつ、予測肺活量一秒率が二〇を超え三〇以下のもの 四 二段昇降試験は不能であるが、一段昇降試験において発汗、頻脈(一二〇以上)等のため三分間の負荷試験が継続不能と認められるもの 五 二段昇降試験は不能であるが、一段昇降試験において三分間の負荷終了後五分経過しても脈はく数が安静値に比し、一〇%以上の増加を示し、かつ、呼吸促進を認めるもの |
三級 |
一 X線写真像に粒状影又は不整形陰影が極めて多数あり、かつ、大陰影がないと認められるもの 二 ヒユー・ジヨーンズ分類のⅡ度に該当し、かつ、予測肺活量一秒率が三〇を超え四〇以下のもの 三 二段昇降試験において発汗、頻脈(一二〇以上)等のため四分間の負荷試験が継続不能と認められるもの 四 二段昇降試験において、四分間の負荷終了後一〇分経過しても脈はく数が安静時に比し、一〇%以上の増加を示し、かつ、呼吸促進を認めるもの |
(二) じん肺による心肺機能の障害の程度は、「第三 心肺機能の障害」の認定要領により認定する。
第三 心肺機能の障害
一 認定基準
心肺機能の障害については、次のとおりである。
法別表 |
障害の程度 |
障害の状態 |
法別表第一 |
一級 |
身体の機能に、労働することを不能ならしめ、かつ、長期にわたる高度の安静と常時の介護とを必要とする程度の障害を有するもの |
二級 |
身体の機能に、労働が高度の制限を受けるか、又は労働に高度の制限を加えることを必要とする程度の障害を有するもの |
|
三級 |
身体の機能に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を有するもの |
二 認定要領
(一) 心肺機能の障害による障害の程度は、スパイログラム、階段昇降試験及びヒユー・ジヨーンズ分類による活動能力から、各等級に相当すると認められるものを一部例示すると次のとおりである。
障害の程度 |
障害の状態 |
一級 |
一 ヒユー・ジヨーンズ分類のⅤ度に該当し、かつ、予測肺活量一秒率が測定不能のもの又は二〇以下のもの 二 いかなる負荷にも耐え得ないもの |
二級 |
一 ヒユー・ジヨーンズ分類のⅢ度又はⅣ度に該当し、かつ、予測肺活量一秒率が二〇を超え三〇以下のもの 二 二段昇降試験は不能であるが、一段昇降試験において発汗、頻脈(一二〇以上)等のため三分間の負荷試験が継続不能と認められるもの 三 二段昇降試験は不能であるが、一段昇降試験において三分間の負荷終了後五分経過しても脈はく数が安静値に比し、一〇%以上の増加を示し、かつ、呼吸促進を認めるもの |
三級 |
一 ヒユー・ジヨーンズ分類のⅡ度に該当し、かつ、予測肺活量一秒率が三〇を超え四〇以下のもの 二 二段昇降試験において発汗、頻脈(一二〇以上)等のため四分間の負荷試験が継続不能と認められるもの 三 二段昇降試験において、四分間の負荷終了後一〇分経過しても脈はく数が安静値に比し、一〇%以上の増加を示し、かつ、呼吸促進を認めるもの |
(二) ヒユー・ジヨーンズ(Hugh‐Jones)分類による活動能力の判定は、次によるものとする。
Ⅰ度 同年齢の健康人と同様に歩行、階段の昇降ができる。
Ⅱ度一 階段を人並みの速さで登れないが、ゆつくりなら登れる。
Ⅱ度二 階段をゆつくりでも登れないが、途中休み休みなら登れる。
Ⅲ度 人並みの速さで歩くと息苦しくなるが、ゆつくりなら歩ける。
Ⅳ度 ゆつくりでも少し歩くと息切れがする。
Ⅴ度 息苦しくて身のまわりのこともできない。
(三) 階段昇降試験は次のとおり行い、原則として運動負荷による脈はく数の上昇及び負荷終了後の脈はく数の経過をもつて測定する。
ア 肺活量予測値に対し、肺活量実測値が五九%以下である者(じん肺にあつては、パーセントのいかんにかかわらずすべての者)について実施する。
イ まず一段昇降試験を行い、その結果、負荷後の増加率が一○%に満たない場合は、改めて二段昇降試験を行う。
ウ 脈はく数の変動の測定に際しては、適正な安静時脈はく数を厳に保つた上で行う。
エ 運動負荷の一段昇降試験は、高さ二五cmの一段階において四秒に一回程度三分間の昇降を行い、二段昇降試験は、高さ二五cm及び五○cmの二段階において四秒に一回程度四分間の昇降を行う。
(四) 予測肺量一秒率とは、肺活量予測値に対する一秒量の百分率で、次の算式による。
予測肺活量1秒率=(1秒量/肺活量予測値)×100(%)
ア 肺活量予測値とは、性別、年齢及び身長の組合せで、正常な状態ならば当然あると予測される肺活量の値をいう。
なお、ノモグラムを使用すれば簡単に算出することができる。
イ 一秒量とは、最大に吸い込んだ空気を最大の努力で吹き切るときの、最初の一秒間における空気の量をいう。
第九節 心疾患
心疾患による障害の程度は、次により認定する。
一 認定基準
心疾患については、次のとおりである。
法別表 |
障害の程度 |
障害の状態 |
法別表第一 |
一級 |
身体の機能に、労働することを不能ならしめ、かつ、長期にわたる高度の安静と常時の介護とを必要とする程度の障害を有するもの |
二級 |
身体の機能に、労働が高度の制限を受けるか、又は労働に高度の制限を加えることを必要とする程度の障害を有するもの |
|
三級 |
身体の機能に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を有するもの |