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○厚生年金保険及び船員保険の法令の一部改正に伴う事務の取扱い等について

(昭和四八年一一月一六日)

(庁業発第五六一号)

(各都道府県民生主管部(局)保険課(部)長あて社会保険庁年金保険部業務課長通知)

厚生年金保険法等の一部を改正する法律(昭和四八年法律第九二号)(以下「改正法」という。)の施行については、昭和四八年九月二六日庁保発第一四号をもつて社会保険庁年金保険部長及び、昭和四八年九月二六日庁保発第一五号をもつて社会保険庁医療保険部長、同年金保険部長から、船員保険法施行令の一部を改正する政令(昭和四八年政令第三一九号)の施行については、昭和四八年一〇月二四日庁保発第二三号をもつて社会保険庁医療保険部長から、また厚生年金保険法施行規則の一部を改正する省令(昭和四八年厚生省令第四〇号)及び船員保険法施行規則の一部を改正する省令(昭和四八年厚生省令第四五号)の施行については、昭和四八年一〇月三〇日庁保発第二七号をもつて社会保険庁年金保険部長から、それぞれ都道府県知事あて通達されたところであるが、当該厚生年金保険及び船員保険の法令の一部改正に伴う年金たる保険給付に関する事務の取扱い等については、前記通達によるほか、次により取扱われたく通知する。

1 年金額の引上げについて

昭和四八年一一月一日において、厚生年金保険及び船員保険の年金たる保険給付の受給権を有する者(以下「受給権者」という。)については、改正後の厚生年金保険法、船員保険法及び改正法の附則の規定、並びに船員保険法施行令の一部を改正する政令によつて、同日から年金額の引上げが行なわれることとなつたので、厚生年金保険法施行規則第八二条第一項及び船員保険法施行規則第九九条ノ三の規定により、当該受給権者に年金更訂通知書(別添一―一)または年金更正通知書(別添二―一)及び年金額の引上げ等に関するしおり(別添三・四)を昭和四九年一月一一日に送付する予定であること。

また、貴課あるいは社会保険事務所に対して年金額の引上げにかかる計算基礎等を記載した年金更訂者一覧表(別添五)または年金更正者一覧表(別添六)を昭和四八年一二月下旬に送付するので、受給権者から照会があつた場合は、次の点を留意するとともにこれを適宜活用されたいこと。

(1) 年金額の更訂または更正は昭和四八年一〇月一〇日までに当課に到着した年金額の改定、年金の支給停止、受給権の消滅及び住所・氏名の変更等にかかる届書等(以下「諸変更届」という。)に基づく処理を行なつた後の裁定原簿により、昭和四八年一一月一日現在の受給権者について処理をするものであること。

(2) 昭和四八年一〇月一一日以後同年一二月七日までに当課に到着する諸変更届のうち、年金額の改定及び年金の支給停止にかかるものは、年金額の更訂または更正後の裁定原簿に基づきそれらの処理を行なうものである。したがつて、これら改定または支給停止により支給額が変更となるものについては、更訂または更正後の支給額等を記載した年金支給額変更通知書を本年中に受給権者に送付するので、昭和四九年一月一一日に送付する予定の年金更訂通知書または年金更正通知書は不用となること。

なお、この旨については、当該受給権者に年金支給額変更通知書を送付する際に通知するので、念のため申し添える。

2 引上げ後の年金の支払いについて

本年一一月分以降の月にかかる引上げ後の年金額による支払いは、通算老齢年金及び特例老齢年金にあつては、昭和四八年一二月支払期から、その他の年金にあつては、昭和四九年二月支払期からそれぞれ行なうので、受給権者から照会のあつた場合は、その旨回答すること。

3 年金証書の様式改正について

(1) 年金証書の記載事項が改められたことに伴い、年金証書の様式は、厚生年金保険については別添一―二、船員保険については別添二―二のとおり改められたこと。

なお、本年一一月以降において年金の裁定をうける受給権者に対しては、新様式による年金証書を交付することとし、既裁定の年金受給権者に対しては昭和四九年一月一一日に年金更訂通知書または年金更正通知書を送付する際に新様式の年金証書をあわせて交付する予定であること。

(2) 既裁定の年金受給権者が、新様式の年金証書をうけとつた以降は、郵便局での年金受領の際の呈示あるいは諸変更届の添付等は新様式の年金証書によるものであるが、昭和四九年三月三一日までの間は、年金受給権者への周知の点を考慮し、郵便局で年金の支払いをうける場合に旧様式の年金証書によつても支払いを行なうよう郵政省と協議済であるので申し添える。

なお、旧様式の年金証書について受給権者からの返納は要しないこととすること。

4 諸変更届等にかかる年金証書の添付について

諸変更届のうち、年金の支給停止、支給停止解除及び年金額の改定にかかる次の届書等について、年金証書の添付を要しないこととされたことに伴い、これらの届書等の用紙については昭和四八年度下半期管理換分より、年金証書の添付を要する旨の説明は削除したこと。

年金の選択の申出書、胎児出生、加給年金額または加給金の対象者の不該当、支給停止事由該当、支給停止事由消滅、改定事由該当にかかる届書、改定請求書、所在不明による支給停止または支給停止解除の申請書

なお、前記の届書等で年金証書の添付を要する旨の説明が記載されている旧用紙を受給権者に交付するときは、同説明を抹消するか、添付を要しないことを説明のうえ交付されたいこと。

また、前記の届書等に年金証書を添付して提出があつたときは、その年金証書を受給権者に返付されたいこと。

以上のほか次の点につき配意願いたいこと。

(1) 老齢年金、通算老齢年金または特例老齢年金(以下「老齢年金等」という。)の受給権者が被保険者資格を取得し、「被保険者資格取得届」に年金証書が添えられて提出されてきたときは、当該受給権者の年金受給権が被保険者資格取得により、消滅するか、または支給停止となるかを生年月日及び被保険者資格取得年月日により、これを確認し、消滅する場合は従来どおり「老齢年金・通算老齢年金・特例老齢年金受給権者の被保険者資格取得報告書」に年金証書を添え進達し、支給停止となる場合は同報告書を作成後、その年金証書は事業主または船舶所有者を経由し、受給権者に返付されたいこと(別紙の1参照のこと。)。

(2) 老齢年金等の受給権者が被保険者資格を喪失したことにより提出する「老齢年金・通算老齢年金・特例老齢年金受給権者改定事由該当届」の様式に受給権者が記入する事項として「被保険者であるため年金額の全部または一部が支給停止されていた期間」(以下、「停止期間」という。)の記入欄を設けたので、同届に記入する被保険者資格記録については、停止期間のうち、支給停止されるようになつた年月の前月以後の資格記録を記入のうえ進達されたいこと。

なお、資格記録を記入するにあたつて、その記入を必要とする被保険者期間の的確な把握を考慮し、停止期間が記載されている年金裁定通知書または支給額変更通知書を同届に添え提出することとしてあるので、これにより同届の「停止期間」欄に記載されている停止期間のうち、支給停止されるようになつた年月を確認したうえ、これら通知書は受給権者に返付されたいこと(別紙の2参照のこと。)。

5 低等級者にかかる在職老齢年金等の取扱いについて

六〇歳以上六五歳未満の被保険者に支給される老齢年金、通算老齢年金または特例老齢年金(以下、「低等級者にかかる在職老齢年金等」という。)の支給範囲の拡大等に伴う事務の取扱いについては、次のとおりとすること。

(1) 低等級者にかかる在職老齢年金等の受給権者が六五歳に達した後において、六五歳に達したことによる年金額の改定を請求する場合の請求書として、「老齢年金・通算老齢年金・特例老齢年金額改定請求書」(別添七及び別添八)の様式を新たに設け、近日中にこの用紙を管理換する予定であるので、該当する受給権者については、この用紙により請求を行なうよう指導または周知されたいこと。

(2) 受給権者より前記(1)の年金額改定請求書の提出があつたときは、同請求書の「管轄課所において記入する被保険者記録」欄に、当該受給権者の被保険者資格記録のうち、同請求書の「支給開始年月」欄に記入されている年月の前月から、当該受給権者が六五歳に達した月の前月までの資格記録を記入し、進達されたいこと。

なお、六五歳到達による年金額改定についての受給権者への周知を考慮し、当分の間、低等級者にかかる在職老齢年金等の受給権者が六五歳に達したときは、年金額改定の請求ができる旨の説明及び請求書の様式を記載した別添九または別添一〇の通知文を当課から当該受給権者に送付する予定であること。

おつて前記通知による年金額改定請求書には、右下部の「最終記録」欄に、当該受給権者の年金の受給権発生年月日をあらかじめ当課で印字してあるので、当該受給権者の被保険者資格記録を記入するにあたつては、「最終記録」欄の年月から当該受給権者が六五歳に達した月の前月までの資格記録を記入し、進達されたいこと。

(3) 改正法の施行日前において、標準報酬月額が二万円以上になつたため、年金の全額が支給停止となつている低等級による在職老齢年金等の受給権者が、改正法の施行日において、標準報酬月額が四万八〇〇〇円以下であるときは、年金の一部について支給が行なわれることとなるので、施行日において年金の全額が支給停止となつている該当受給権者に対しては、当課から別添一一または別添一二の通知文を近日中に送付する予定であること。

6 障害年金の失権緩和の取扱いについて

障害年金受給権者の廃疾の状態の程度が厚生年金保険法別表第一または船員保険法別表第四に定める廃疾の状態の程度(以下「障害年金支給の程度」という。)に該当しなくなつたときは、年金は支給停止とされることになつたことに伴う事務の取扱いは次のとおりとすること。

(1) 「障害年金廃疾不該当届」の提出、または「障害年金受給権者廃疾現況届」の審査の結果により、年金の支給が停止されている受給権者が、廃疾の状態の程度が再び障害年金支給の程度に該当するようになつたときの支給停止事由消滅の届出は、従来の「障害年金受給権者支給停止事由消滅届」の様式による用紙によつて行なうものであること。

(2) 障害年金支給の程度に該当しなくなつたことにより支給停止となつている障害年金について、その該当しなくなつた日より起算し、三年間支給停止の状態が続いたときは、三年を経過したときにおいて自動的に受給権消滅の処分を行ない、当該受給権者に通知するものであること。

おつて、改正法の施行に伴い「障害年金受給権者現況届未提出者等の取扱いについて」(昭和四四年八月二二日庁業発第一八四号)中、「年金の打切」とあるは「年金の支給停止」と、「支給打切」とあるは「支給停止」と、それぞれ改める。

7 第四種被保険者または任意継続被保険者の差額保険料未納の場合の進達記録票等への表示について

厚生年金保険の第四種被保険者または船員保険の任意継続被保険者であつて、当該被保険者期間に昭和四八年一一月以後の保険料を前納した期間があり、追加して納付すべき保険料の納付が行なわれなかつた期間があるときは、当該第四種被保険者または任意継続被保険者にかかる次の表の進達記録票等を進達、または作成する場合、同表右欄に定める箇所に、追加して納付すべき保険料の納付が行なわれなかつた期間を記入し、「差額未納」と表示すること。

区分

記入及び表示する箇所

進達記録票

右上部余白

第四種被保険者資格喪失申出書

第四種被保険者資格喪失報告書

任意継続被保険者資格喪失申出書

任意継続被保険者資格喪失報告書

被保険者資格記録事項報告書

備考欄

老齢年金・通算老齢年金・特例老齢年金受給権者改定事由該当届

右下部余白

8 その他

(1) 今回の、厚生年金保険及び船員保険の法令の一部改正に伴う、昭和四七年三月一五日庁業発第三三四号「厚生年金保険給付裁定請求書の進達事務について(通知)」の別添「厚生年金保険年金給付裁定請求書等進達事務の手引」及び昭和四四年一二月一〇日庁業発第三一三号「船員保険年金給付裁定請求書等の様式変更並びに船員保険年金給付裁定請求書等進達事務の手引」の改正については別途通知する。

(2) 老齢年金、通算老齢年金または特例老齢年金をうけるに必要な被保険者期間を満たしている満六五歳以上の被保険者で、年金制度の知識に乏しいことにより、これらの年金の裁定請求を行なつていない者があることも予測されるので、裁定請求もれの防止のため、広報、相談業務等の機会をとらえ、積極的に周知の徹底を重ねてお願いいたしたい。

別添 略

別紙

1 老齢年金等受給権者の被保険者資格取得による当該年金の受給権の消滅または支給停止の区別

(1) 厚生年金保険の老齢年金等受給権者の被保険者資格取得

 

被保険者となつた制度

厚生年金保険

船員保険

備考

 

資格取得時の年齢

六五歳未満

六五歳以上

六五歳未満

六五歳以上

年金種別

 

老齢年金

消滅

支給停止

(一部)

消滅

支給停止

(一部)

 

通算老齢年金

特例老齢年金

消滅

支給停止

(一部)

支給停止(全額)

支給停止

(一部)

 

(2) 船員保険の老齢年金等受給権者の被保険者資格取得

 

被保険者となつた制度

船員保険

厚生年金保険

備考

 

資格取得時の年齢

六五歳未満

六五歳以上

六五歳未満

六五歳以上

年金種別

 

老齢年金

消滅

支給停止

(一部)

消滅但し船員保険法第三四条第一項第二号該当については全額停止

支給停止

(一部)

老齢年金の受給権者が満六五歳未満で厚生年金保険の被保険者となつたときにおいては、一応すべて消滅として年金証書は資格取得報告書に添え進達のこと。

(全額停止となる者については業務課より年金証書を当該受給権者に返付)

通算老齢年金

特例老齢年金

消滅

支給停止

(一部)

支給停止

(全額)

支給停止

(一部)

2 「老齢年金・通算老齢年金・特例老齢年金受給権者改定事由該当届」への被保険者資格記録の記入について

(1) 資格記録の記入例

例1

(5) 被保険者であるため年金額の全部または一部が支給停止されていた期間

昭和四六年一二月から昭和 年 月まで

例2

(5) 被保険者であるため年金額の全部または一部が支給停止されていた期間

昭和四八年三月から昭和四八年一二月まで

同届の停止期間欄に前記のように記入されているとき、例1の場合は昭和四六年一一月以降の被保険者資格記録を、例2の場合は昭和四八年二月以降の被保険者資格記録を同届の所定の欄に記入する。

(2) 留意事項

イ 同届に記入されている停止期間と同届に添付されている年金裁定通知書等に記載されている停止期間が相違しているときは、年金裁定通知書等に記載されている停止期間に基づき被保険者資格記録を記入する。

年金裁定通知書等が添付されていないときは、同届に記入されている停止期間に基づき被保険者資格記録を記入する。なお、同届に停止期間が記入されておらずまた年金裁定通知書等も添付されていないときは、当該受給権者に照会等を行ない停止期間を確認のうえ、被保険者資格記録を記入する。

ロ 停止期間の記入欄がない旧様式の同届が提出されたときは、年金裁定通知書等が添付されているときは同通知書等に記載されている停止期間に基づき被保険者資格記録を記入する。年金裁定通知書等が添付されていないときは、当該受給権者に照会等を行ない停止期間を確認のうえ被保険者資格記録を記入する。