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○厚生年金基金制度の施行に伴う政府管掌厚生年金制度の改正について

(昭和四一年一〇月二四日)

(庁保発第二三号)

(各都道府県知事あて社会保険庁年金保険部長通知)

厚生年金基金制度の施行については、さきに昭和四一年九月二七日厚生省発年第二九号厚生事務次官通達及び昭和四一年九月二九日年発第三六二号厚生省年金局長通達をもって通達されたところであるが、同制度の発足に伴い、厚生年金基金(以下「基金」という。)の加入員である被保険者と加入員でない一般被保険者とは保険給付、保険料等において単なる取扱いを受けることとなったので、次の事項を十分了知のうえ、改正制度の実施に遺憾のないようにされたい。

おつて、事務処理の詳細については、別途通知する。

第一 厚生年金保険法の改正に関する事項

1 被保険者の区別

第一種被保険者のうち基金の加入員であるものは特例第一種被保険者と、第二種被保険者のうち基金の加入員であるものは特例第二種被保険者と、第三種被保険者のうち基金の加入員であるものは特例第三種被保険者とそれぞれ基金の加入員でない被保険者と区別されること。

(厚生年金保険法の一部を改正する法律(昭和四〇年法律第一三〇号)による改正後の厚生年金保険法(以下「法」という。)第三条第一項第一号から第六号まで)

なお、被保険者の区別は被保険者の種別ではないので、一般被保険者が特例被保険者となった場合においても被保険者の種別の変更の確認は要しないものであること。(法第一八条、第一九条の二)

2 被保険者期間と加入員期間

(1) 加入員であった期間は常に被保険者期間に算入されること。(法第一二二条)

(2) 被保険者が加入員になった月は加入員期間に算入され、加入員でなくなった月は加入員期間に算入されないこと。(法第一九条の二)

(3) 加入員の資格を取得した月にその資格を喪失した場合においては、その月は被保険者期間の算定上は一箇月として取り扱われるが、加入員期間には算入されないこと。(法第一九条第二項、第一二五条)

3 基金の加入員期間にかかる年金額

被保険者であつた期間のうち加入員であつた期間については、老齢年金及び通算老齢年金の基本年金額の算定にあたつて、報酬比例部分は算入されないこと。(法第四四条の二第一項)

ただし、解散した基金の加入員であつた期間(連合会が年金給付の支給義務を承継している期間を除く。)又は解散した連合会が基金から年金給付の支給義務を承継していた期間については、報酬比例部分も算入されること。(法第四四条の二第二項から第四項まで)

4 加入員の保険料

加入員の保険料率は、次のとおりであること。

31

(ア) 特例第一種被保険者(31/1000)

(イ) 特例第二種被保険者(19/1000)

(ウ) 特例第三種被保険者(31/1000)

なお、加入員が二以上の事業所に勤務する場合においては、その勤務する事業所のうち設立事業所以外の事業所においても、当該事業所の事業主が納付すべき保険料額は、この保険料率に基づき算定されるものであること。(法第八一条第五項及び第一四〇条第七項、厚生年金基金令(昭和四一年政令第三二三号)第三六条)

5 基金又は連合会の解散に伴う責任準備金相当額の徴収

基金又は連合会が解散したときは、当該基金又は連合会が解散した日において年金給付の支給義務を負つている者にかかる責任準備金に相当する額が解散した基金又は連合会から国庫に徴収されること。(法第八五条の二)

第二 厚生年金保険法施行規則の改正に関する事項

1 設立事業所を含む二以上の事業所に勤務する被保険者の届出事項

(1) 都道府県知事の選択の届出の際に、当該被保険者が勤務する事業所につき基金が設立されているときは、その基金の名称を届け出なければならないこと。(厚生年金保険法施行規則の一部を改正する省令(昭和四一年厚生省令第三七号)による改正後の厚生年金保険法施行規則(以下「規則」という。)第一条第二項第五号)

なお、健康保険法施行規則においても同様の改正が行なわれたこと。(厚生年金保険法施行規則の一部を改正する省令附則第二項による改正後の健康保険法施行規則(以下「健康保険法規則」という。)第二条第三項)

(2) 当該被保険者が同時に二以上の設立事業所に使用されるに至つた場合において基金の選択(法第一二六条第四項の規定による法定選択を含む。)をしたとき、又は設立事業所以外の事業所と一の設立事業所に使用されるに至つた場合において基金の加入員とならない旨の申出をしなかつたときは、直ちに当該基金の名称を規則第一条又は第二条の規定による届出をした都道府県知事に届け出なければならないこと。(規則第二条の二第一項)

また、1の設立事業所と設立事業所以外の事業所に使用されるに至つた場合において基金の加入員とならない旨の申出をしたときも、同様にその旨を届け出なければならないこと。(規則第二条の二第二項)

2 被保険者台帳の記録事項

被保険者が基金の加入員であるかないかの区別及び加入員であるときは加入している基金の名称が記録されること。(規則第八九条第三号及び第五号)

3 被保険者資格取得届等の様式

被保険者の区別を明らかにする等のために、任意単独被保険者資格喪失申請書、被保険者資格取得届、被保険者報酬月額算定基礎届、被保険者報酬月額変更届、被保険者種別変更届、被保険者氏名変更届、被保険者資格喪失届及び年金受給選択申出書の様式が改められたこと。(規則様式第二号、第七号から第一一号まで、第一四号の二)

なお、健康保険法規則の被保険者報酬月額算定基礎届、被保険者報酬月額変更届、被保険者資格取得届、被保険者資格喪失届及び被保険者氏名変更届の様式においても、同様の趣旨により改正が行なわれたこと。(健康保険法規則様式第一号、第一号の二、第四号、第五号、第五号の六)

4 その他

(1) 設立事業所以外の事業所と1の設立事業所に勤務する加入員の設立事業所以外の事業所と設立事業所が都道府県の区域を異にする場合において、当該設立事業所が設立事業所でなくなつたために加入員の資格を喪失したときは、当該設立事業所の所在地の都道府県知事(当該被保険者の管轄都道府県知事を除く。)は、すみやかに、その旨を管轄都道府県知事に通知しなければならないこと。(規則第七八条第二項)

(2) 今回の改正の機会に、老齢年金又は障害年金の選択の申出、業務上障害補償の該当の届出等に関する規定の整理が行なわれたこと。(規則第三〇条の二第一項及び第二項、第三四条第一項、第四四条の二第一項、第四九条第二号)

第三 事務処理上留意すべき事項

1 基金の設立、解散等が行なわれた場合の関係社会保険事務所長への通知

厚生省年金局長から基金の設立、合併、分割、設立事業所の増減若しくは解散又は名称の変更の認可に関する通知があつたときは、すみやかに、当該基金にかかる設立事業所又は事業所を管轄する社会保険事務所長に対し、設立、解散等の認可の年月日及び基金の名称又は基金番号に変更があつたときは変更後の名称又は基金番号を通知されたいこと。

2 二以上事業所勤務者にかかる報酬月額算定基礎届等の提出先

二以上事業所勤務者にかかる報酬月額算定基礎届、報酬月額変更届、被保険者資格喪失届、事業主の氏名等変更届及び事業主の変更届は、規則第一条又は第二条の規定による届出に基づきその者に関する事務を行なうこととなつた社会保険事務所長に提出するよう指導を徹底されたいこと。