アクセシビリティ閲覧支援ツール

添付一覧

添付画像はありません

○沖縄及び国外に在住する厚生年金保険法による保険給付の受給権者等に関する事務手続について

(昭和三一年一二月二五日)

(保発第五九号)

(各都道府県知事あて厚生省保険局長通知)

沖縄及び国外に在住する厚生年金保険法(以下「法」という。)による保険給付の受給権者等に対しては、従来、保険給付の支払等の事務を保留してきたのであつたが、関係当局と折衝の結果、左記のとおり、沖縄及び国外に在住する法による受給権者等に関する事務手続を定めたから、了知のうえ、これが実施に遺憾なきを期せられたい。

一 沖縄に在住する法による保険給付の受給権者等に関する事務手続について

(一) 保険給付の裁定又は障害年金額改定の請求

(1) 伊平屋島並びに北緯二七度以南の南西諸島(大東諸島を含む。)(以下「南西諸島」という。)に在住する法による保険給付の受給権者(最後に被保険者として使用された事業所又は事務所の所在地が南西諸島にあつた者を除く。)(以下「受給権者」という。)は、法第三三条の規定による保険給付の裁定又は法第五二条第二項の規定による障害年金額の改定の請求をするときは、那覇日本政府南方連絡事務所長(以下「南方連絡事務所長」という。)を経由して、法施行規則に定められた裁定請求書又は障害年金額改定請求書を法施行令第二条及び第三条に規定する管轄都道府県知事(以下「都道府県知事」という。)に提出すること。

(2) 法施行規則に定めるところにより、受給権者が、保険給付の裁定請求書又は障害年金額改定請求書に添付すべき書類については、左のとおりとすること。

1 戸籍抄本又は戸籍謄本は、南西諸島に施行されている戸籍整備法(一九五三年一一月一六日立法第八六号)により作成されたものをもつて代えることができること。

2 市町村長の証明書は、琉球政府の管轄下にある市町村長の証明書をもつて代えること。

3 医師又は歯科医師の診断書は、南西諸島における開業医師法(一九五一年四月一一日布令第三七号)又は開業歯科医師法(一九五一年四月一一日布令第三三号)により登録された医師又は歯科医師の診断書をもつて代えること。

4 その他の書類については、法施行規則に定めるところによるが、南方連絡事務所長の確認を受けなければならないこと。

(3) 南方連絡事務所長は、前記(1)による裁定請求書又は改定請求書を受けとつたときは、当該請求書並びに添付書類を確認のうえ、都道府県知事に送付すること。

(二) 保険給付の裁定又は障害年金額の改定

都道府県知事は、年金たる保険給付の裁定又は障害年金額の改定を行つたときは、別紙様式による年金裁定報告書又は障害年金額改定報告書を厚生省保険局長に提出すること。

年金裁定報告書には、厚生年金保険事務取扱規定(案)様式第一七号に準ずる様式による保険給付額計算書を添附すること。

(三) 支払の請求

(1) 年金たる保険給付の受給権者は、年金の支払を請求するときは、年金の毎支払期月の前月二〇日(五月の支払期月については、三月三一日とする。)までに到達するよう、南方連絡事務所長を経由して、法施行規則に定められた様式による年金支払請求書を都道府県知事に提出すること。

(2) 年金たる保険給付受給権者が、三月三一日までに提出する年金の支払請求書に添付すべき書類については、前記(一)(2)に定めるところによること。

(3) 南方連絡事務所長は、前記(1)による支払請求書を受けとつたときは、当該請求書並びに添附書類を確認のうえ、都道府県知事に送付すること。

(四) 支払

(1) 都道府県知事は、年金支払請求書又は一時金たる保険給付の裁定請求書を受理したときは、当該受給権者に対し、その期に支払うべき年金又は一時金の支払額を決定し、別紙様式による保険給付支払額決定報告書を支出官たる厚生省保険局長に提出すること。

年金たる保険給付の保険給付支払額決定報告書には、受給権者の提出した年金支払請求書を一時金たる保険給付の保険給付支払額決定報告書には、受給権者の提出した裁定請求書及び厚生年金保険事務取扱規定(案)様式第一七号又は第二〇号に準ずる様式による保険給付額計算書を添附すること。

(2) 厚生省保険局長は、都道府県知事より提出された保険給付支払額決定報告書に基き、支出官事務規程(昭和二二年九月大蔵省令第九四号)第二〇条に規定する外国送金の方法によつて受給権者に対し保険給付の支払を行い、その旨を都道府県知事に通知するものであること。

(五) 各届書等の提出

(1) 南西諸島に在住する被保険者であつた者(最後に被保険者として使用された事務所又は事業所の所在地が南西諸島にあつた者を除く。)(以下「被保険者であつた者」という。)及び受給権者は、南方連絡事務所長を経由して、法施行規則の定めるところによる届書等を都道府県知事に提出すること。

(2) 被保険者であつた者及び受験権者が、届書等に添附すべき書類については、前記(一)(2)に定めるところによること。

(3) 南方連絡事務所長は、前記(1)による届書等を受け取つたときは、当該届書等並びに添附書類を確認のうえ、都道府県知事に送付すること。

(六) 都道府県知事の通知等

(1) 都道府県知事は、南方連絡事務所長を経由して、法施行規則第八〇条第四号、第八二条、第八五条及び第八六条の規定による通知、証書の交付等を被保険者であつた者又は受給権者に行うこと。

なお、都道府県知事は、法施行規則第八二条の規定による通知を行つたときは、その旨を、厚生省保険局長に報告すること。

(2) 南方連絡事務所長は、当該通知書、証書等の写を保管し、年金支払請求書等を受けとつた際照合確認すること。

(七) その他

(1) 都道府県知事は、受給権者等の住所が不明であるため、裁定請求書並びに支払請求書の提出等を行わせることができないときは、南方連絡事務所長と緊密な連絡のうえ、住所の発見に必要な措置を講じ、保険給付の確実な履行に努めなければならないこと。

(2) 南西諸島に在住する者の法による第四種被保険者の資格の取得については現在のところ保険料の納入等に関し琉球列島米国民政府の了承が得られていないため、その取扱を保留せざるを得ない状況であること。

なお、右のことについては、琉球列島米国民政府の了承を求めることについての折衝を総理府南方連絡事務局長に依頼中であること。

二 国外に在住する法による保険給付の受給権者等に関する事務手続きについて

(一) 保険給付の裁定又は障害年金額改定の請求

(1) 受給権者は、法第三三条の規定による保険給付の裁定又は法第五二条第二項の規定による障害年金額の改定を請求しようとするときは、法施行規則に定められた裁定請求書又は障害年金額改定請求書を、法施行令第二条及び第三条に規定する管轄都道府県知事(以下「都道府県知事」という。)に提出すること。

(2) 法施行規則に定めるところにより、受給権者が保険給付の裁定請求書又は障害年金額改定請求書に添附すべき書類については、左のとおりとすること。

1 受給権者が、日本に国籍を有する者である場合

(イ) 市町村長の証明書は、受給権者の居住する地域を管轄する日本国領事官(以下「日本国領事官」という。)の証明書をもつて代えること。

(ロ) その他の書類については法施行規則の定めるところによるが、その真正について、日本国領事官の確認を受けなければならないこと。

2 受給権者が、居住する国に国籍を有する者である場合

(イ) 戸籍抄本、戸籍謄本又は市町村長の証明書は、受給権者の居住する国における官公署又はこれに準ずるものの発行した証明書であつて、日本国領事官が、その真正を確認したものをもつて代えることができる。

(ロ) その他の添附書類(印鑑票は、サイン票又はこれに準ずるものをもつて代えることができること。)については、法施行規則の定めるところによるが、その真正について、日本国領事官の確認を受けなければならないこと。

3 受給権者が、居住する国に国籍を有しない外国人である場合

(イ) 戸籍抄本、戸籍謄本又は市町村長の証明書は、受給権者の居住する地域を管轄する受給権者の属する国の領事官若しくはこれに代るべき代表機関の証明書であつて、日本国領事官がその真正を確認したものをもつて代えること。

(ロ) その他の添附書類(印鑑票は、サイン票又はこれに準ずるものをもつて代えることができること。)については、法施行規則に定めるところによるが、その真正について、日本国領事官の確認を受けなければならないこと。

(二) 保険給付の裁定又は障害年金額の改定

都道府県知事は、年金たる保険給付の裁定又は障害年金額の改定を行つたときは、別紙様式による年金裁定報告書又は障害年金額改定報告書を厚生省保険局長に提出すること。

年金裁定報告書には、厚生年金保険事務取扱規定(案)様式第一七号に準ずる様式による保険給付額計算書を添附すること。

(三) 支払の請求

(1) 年金たる保険給付の受給権者は、年金の支払を請求するときは、年金の毎支払期月の前月二〇日(五月の支払期月については、三月三一日とする。)までに到達するよう、法施行規則に定められた様式による年金支払請求書を都道府県知事に提出すること。

(2) 年金たる保険給付の受給権者が、三月三一日までに提出する年金支払請求書に添附すべき書類については、前記(一)(2)に定めるところによること。

(四) 支払

(1) 都道府県知事は、年金支払請求書又は一時金たる保険給付の裁定請求書を受理したときは、当該受給権者に対し、その期に支払うべき年金又は一時金の支払額を決定し、別紙様式による保険給付支払額決定報告書を支出官たる厚生省保険局長に提出すること。

年金たる保険給付の保険給付支払額決定報告書には、受給権者の提出した年金支払請求書を、一時金たる保険給付の保険給付支払額決定報告書には、受給権者の提出した裁定請求書及び厚生年金保険事務取扱規定(案)様式第一七号又は第二〇号に準ずる様式による保険給付額計算書を添附すること。

(2) 厚生省保険局長は、都道府県知事より提出された保険給付支払額決定報告書に基き、支出官事務規程(昭和二二年九月大蔵省令第九四号)第二〇条に規定する外国送金の方法によつて受給権者に対し保険給付の支払いを行い、その旨を、都道府県知事に通知するものであること。

(五) 各届書等の提出

国外に在住する被保険者であつた者及び受給権者が、法施行規則の定めるところにより、都道府県知事に提出する届書等に添附すべき書類については、前記(一)(2)に定めるところによること。

(六) 第四種被保険者の資格に関する申し出等

国外に在住する者は、法施行規則第七条から第一〇条までの規定による第四種被保険者の資格に関する申出書等を、都道府県知事に提出するときは、申出書等の真正について日本国領事官の確認を受けなければならないこと。

(七) 第四種被保険者からの保険料の徴収

(1)1 保険料徴収に関する歳入徴収官が、本邦と外国郵便為替を交換している国に在住する第四種被保険者に対し、保険料納入告知書を送付するときは、納入告知書に、郵便為替により保険料を納付すべき旨を附記すること。

2 国外に在住する保険料の納付義務者は、在住する国の郵便局を通じ、収入官吏を受取人とした郵便為替によつて保険料を納付すること。

3 保険料収納に関する収入官吏は、郵便局から外国郵便為替規則(昭和二六年一〇月二三日郵政省令第二〇号)第六二条第二項、第六三条又は第七六条第二項の規定により、本邦と外国郵便為替を交換している国に在住する保険料納付義務者を送金人とし、収入官吏を受取人とした国際郵便為替の証書、外国郵便為替の証書、国際電信為替の証書、又は外国電信為替の証書の送付を受けたときは、出納官吏事務規程(昭和二二年九月二七日大蔵省令第九三号)第二条及び第一二条の規定により、これを収納のうえ、歳入手続きを行うこと。

(2)1 保険料徴収に関する歳入徴収官が、本邦と外国郵便為替を交換していない国に在住する第四種被保険者に対し、保険料納入告知書を送付するときは、納入告知書に、外国貨幣払為替券により保険料を納付すべき旨を附記すること。

2 保険料収納に関する収入官吏は、本邦と外国郵便為替を交換していない国に在住する保険料納付義務者より外国貨幣払為替券の納付を受けたときは、「外国貨幣其ノ他ノ返納金又ハ歳入金ノ払込ヲ受ケタル場合ノ整理方(大蔵大臣達官房秘乙第八七六号大正一一年四月二八日)」の規定及び出納官吏事務規程第二条及び第一二条の規定により、収納及び歳入手続を行うこと。

(八) 都道府県知事の通知等

都道府県知事は、法施行規則第八〇条第三号及び第四号、第八二条、第八五条並びに第八六条の規定による通知、証書の交付等を国外に在住する被保険者であつた者又は受給権者に行うときは、通知、証書等の写(法施行規則第八二条の規定による通知については二部)を厚生省保険局長に送付すること。

(九) その他

都道府県知事は、受給権者等の住所が不明であるため、裁定請求書並びに支払請求書の提出等を行わせることができないときは、各日本国領事官と緊密な連絡のうえ、住所の発見に必要な措置を講じ、保険給付の確実な履行に努めなければならないこと。

三 本通知の施行に伴い、昭和二一年七月一日保発第五四〇号厚生省保険局長通知は廃止する。

別紙様式

別紙様式

別紙様式