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○厚生年金保険法等の一部を改正する法律の施行に伴う実施事務の取扱いについて

(平成九年三月二八日)

(庁保険発第九号)

(各都道府県民生主管部(局)保険・国民年金主管課(部)長あて社会保険庁運営部保険・年金指導課長連名通知)

厚生年金保険法等の一部を改正する法律(平成八年法律第八二号)(以下「改正法」という)の施行に関しては、平成九年三月二八日庁保発第一〇号をもって社会保険庁運営部長から都道府県知事あて通知されたところであるが、標記については、左記のとおりとしたので、遺憾のないよう取り扱われたい。

第一 移行時の取扱いについて

1 厚生年金保険の被保険者資格取得の取扱いについて

(1) 日本たばこ産業共済組合、日本電信電話共済組合及び日本鉄道共済組合(以下「三共済組合」という。)の厚生年金保険への統合(以下「統合」という。)に伴う旧適用法人共済組合員の厚生年金保険被保険者の資格取得処理については、社会保険業務センターにおいて一括して行うものであること。

(2) (1)の資格取得による厚生年金保険被保険者資格取得確認及び標準報酬決定通知書については、社会保険業務センターで作成し管轄社会保険事務所あて送付することとしていることから、当該管轄社会保険事務所から適用事業所に交付すること。

(3) (1)の資格取得による年金手帳については、社会保険業務センターで作成し、存続組合を経由して適用事業所あて送付するものであること。

2 移管記録の取扱いについて

旧適用法人共済組合員期間は、厚生年金保険の被保険者であった期間とみなされることから、昭和三一年七月以降の旧適用法人共済組合員期間(ただし、恩給公務員期間、旧長期組合員期間、脱退一時金及び退職一時金の計算の基礎となった期間を除く。)を被保険者ファイルに収録し、被保険者記録照会を可能とすること。

3 育児休業の取扱いについて

平成九年四月一日前から引き続き育児休業中の者に係る育児休業保険料免除の申出は、要しないこととしていること。

ただし、三共済組合からの記録の移管は平成八年一二月末時点の記録で行われるため、平成九年一月から三月までの間に三共済組合に対し育児休業に伴う保険料免除の申出を行った者であって、平成九年四月三〇日以降も引き続き育児休業中である者については、あらためて社会保険事務所に育児休業保険料免除申出書が提出されるものであること。

育児休業保険料免除の申出を要しないこととした者に対する厚生年金保険における育児休業による保険料免除該当通知書については、社会保険業務センターで作成し当該被保険者を管轄する社会保険事務所に送付することとしていることから、事業主を経由して交付すること。

4 統合に伴う同月得喪の取扱いについて

平成九年四月一日に統合に伴い厚生年金保険の被保険者資格を取得した者が同月にその資格を喪失した場合は、厚生年金保険法第一九条第二項の規定が適用されないことから当該月に係る保険料は徴収しないこととなるが、機械上は自動的に徴収決定がなされることから、保険料調整伺により平成九年四月分保険料額の減額又は翌月分の保険料額に充当する等により保険料額の調整を行うこと。

なお、当該事務処理に当たっては、適用事業所から対象となる被保険者に関し別紙様式1の一覧表が提出されるので、内容を確認の上資格喪失届の写しを添付し、保険料額の調整について徴収担当課に依頼すること。

5 船員保険被保険者の取扱いについて

統合に伴い、平成九年四月一日に船員保険及び厚生年金保険の船員被保険者の被保険者資格を取得する者に係る船舶所有者及び被保険者資格取得の取扱いは、三共済組合からの記録の移管が行われないため、現行の船舶所有者の届出等と同様、平成九年四月一日以降に船舶所有者から行われる各種関係届出により処理すること。

なお、日本電信電話共済組合に係る適用法人については、厚生年金基金が設立され、平成九年三月三一日において当該共済組合の船員たる共済組合員であった者は当該厚生年金基金に加入することとされている。

これに伴い、船舶所有者の届出については、厚生年金基金に加入することができる被保険者に係る船舶所有者と、平成九年四月以降に新たに採用となったため、厚生年金基金に加入できない被保険者に係る船舶所有者の二通りの届出がなされるので留意すること。

6 国民年金第三号被保険者の種別確認の取扱いについて

(1) 統合に伴い、三共済組合の組合員の配偶者である国民年金第三号被保険者の種別は当該共済組合種別から厚生年金保険の種別に変更することとなるが、従前の種別を厚生年金保険の種別と読み替えることとし、種別確認の届出は要しないこととしていること。

なお、現在収録されている「D」、「E」、「F」の種別記号は、各共済組合を通じて行っている共済組合員の被扶養配偶者の基礎年金番号の照会により把握した三共済組合に係る第三号被保険者情報に基づき、社会保険業務センターにおいて機械的に「A」に変更することとしているが、この処理が完了するまでの間に第三号被保険者の資格喪失処理を行う場合は、種別確認処理により種別記号を「A」に変更した上で資格喪失処理を行うこと。

(2) 第三号被保険者の基礎年金番号の収録処理により機械的に種別記号を「A」に変更した者については、該当者の一覧表を社会保険事務所あて送付し、社会保険事務所から当該市町村あて送付することとしているが、種別記号の変更時期等については別途通知することとしていること。

7 記録移管に伴う補正処理について

1及び2により作成された被保険者記録は、原則として平成八年一二月末時点において三共済組合が管理する記録により作成されることから、平成九年一月から三月までの間に生じた資格の得喪等及び移管処理エラーにより当該被保険者記録に補正が生じる場合があるが、その取扱いについては、次によるものであること。

(1) 平成九年三月以前の記録の補正処理

三共済組合からの補正情報により、社会保険業務センターにおいて補正処理を行うものであること。

なお、平成九年三月以前の記録の補正に係る届出が社会保険事務所に提出された場合は、社会保険業務センターに進達すること。

(2) 平成九年四月以降の記録の補正処理

適用事業所の事業主からの届出に基づき、管轄社会保険事務所において処理すること。

なお、移管処理エラーにより記録移管がなされなかった記録に係る事業主からの届出には「移管エラー分」と記載することとしているので、当該届書の処理に当たって基礎年金番号ファイル等の既存記録の氏名、生年月日等の訂正が必要となる場合は、当該被保険者資格取得届等により訂正処理を行い、その旨当該届書の余白に記載しておくこと。

第二 移行後の取扱いについて

1 適用・徴収関係

(1) 新設事業所の取扱いについて

平成九年四月以降に新たに設立される事業所については、支店又は工場等同一法人内における臨時職員等に係る事業所の設立以外は、原則として適用種別を持たない一般の厚生年金保険の適用事業所として新規適用すること。

なお、旧適用法人の分社等による新規法人設立のため、適用種別を要する事業所の新規適用が生じた場合については、社会保険庁運営部年金指導課から随時連絡するものであること。

(2) 臨時職員等に係る適用事業所の健康保険組合への加入について

日本たばこ産業共済組合及び日本鉄道共済組合に係る旧適用法人において平成九年四月一日以降に臨時職員等を採用したことに伴い設立する適用事業所については、それぞれの旧共済組合に係る健康保険組合に加入することとなるため、当該事業所の新規適用に当たっては、旧適用法人名を確認のうえ上組合管掌の事業所として取り扱うこと。

なお、当該適用事業所は旧適用法人と同一の事業所と解されることから、改正法附則第三七条及び同第三八条の規定に基づき健康保険組合に加入することとなるため、健康保険組合加入に係る諸通知は発出されないので留意すること。

(3) その他

その他の適用・徴収関係業務については、現行の取扱いと同様であること。

2 年金給付関係

平成九年四月一日以降に、既に国家公務員等共済組合法による年金の支給がなされている者及び統合後においても特例により引き続き国家公務員共済組合法等による年金が支給される者の年金給付に係る業務については、平成一一年三月末までの二年間は存続組合に委託することとされたことから、年金受給者又は被保険者から委託業務に係る各種届出等が社会保険事務所になされた場合は、当該者に係る存続組合に届出及び照会等を行うよう指導すること。

なお、恩給期間及び職域部分に係る年金の業務については、引き続き存続組合において行うこととされていることから、これらに係る届出及び照会については、存続組合に行うよう教示すること。

(1) 既裁定者に対する統合に伴う年金証書の交付

統合に伴い、国家公務員等共済組合法による年金が支給されている者(以下「既裁定者」という。)についても、年金の支払いは社会保険庁において行うこととされたことから、当該既裁定者に対して社会保険庁長官名での年金証書を存続組合で作成・送付し交付することとしていること。

この年金証書には、統合に伴い年金の支払いが社会保険庁から行われること、各種手続きは引き続き存続組合で行うこと及びその際の照会先についても記載してあること。

なお、平成九年四月以降においても業務委託により引き続き存続組合において裁定業務を行う国家公務員共済組合法等による年金の支給を受ける者の年金証書等についても、同様の取扱いであること。

(2) 委託期間中の既裁定者に対する各種通知等について

既裁定者に係る年金給付の業務委託期間中については、各種通知等は各存続組合において作成し、送付することとしていること。

その際、年金額の改定等の処分通知については社会保険業務センター所長、年金の振込通知等は社会保険庁総務部経理課長名により通知することとしているが、これに係る照会先については存続組合の電話番号等を同時に記載してあること。

(3) 既裁定者に係る支払記録の窓口照写について

既裁定者の年金の支払いについては、平成九年五月以降分から社会保険庁が行うこととしており、その支払記録は窓口装置から確認できることとしたこと。

(4) 裁定請求書の提出先について

原則として現行の取扱いと同様であるが、次の事項に留意すること。

① 従来三共済組合に提出することとなっていたものについては、存続組合に提出することとなること。

② 最終事業所を管轄する社会保険事務所に提出することとなるもののうち、平成九年三月以前に旧適用法人共済組合員資格を喪失している場合の最終事業所は、同年四月一日に統合に伴い厚生年金保険の適用事業所となった旧適用法人であること。

③ 最終事業所が一括適用事業所で有る場合は、最終勤務地を管轄する社会保険事務所に提出することとなること。

この場合の最終勤務地とは、実際に勤務していた支店、工場、センター、営業所又は事業本部等をいうものであること。

(5) 旧適用法人共済組合員期間を有する者の厚生年金保険法に基づく年金給付の裁定に係る留意事項について

① 平成九年四月以降において国家公務員共済組合法等により受給権が発生する者の確認について

統合後に受給要件を満たした者の年金給付については、原則として厚生年金保険法に基づく年金給付となるものであるが、経過措置により、統合後も引き続き国家公務員共済組合法等に基づく年金給付の受給権が発生する者がいることから、裁定に当たっては、国家公務員共済組合法等に基づく受給権の有無について十分確認し、裁定誤りの生じないよう留意すること。

特に、障害給付については、従来の初診日に加入していた制度における受給権の発生から、障害認定日における加入制度における発生とされたことから十分留意すること。

② 国家公務員共済組合法等により受給権が発生する者の旧適用法人共済組合員期間の取扱いについて

国家公務員共済組合法等に基づく退職を支給事由とする年金給付の計算の基礎となった旧適用法人共済組合員期間は、老齢厚生年金の年金額の計算の基礎とならないことから、老齢厚生年金の裁定に当たっては、当該期間について十分確認し、重複した期間による裁定となることのないよう留意すること。

別紙様式1