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○国民年金法等の一部改正等による厚生年金基金制度の改正について
(昭和六一年四月二八日)
(年発第九三九号)
(各都道府県知事あて厚生省年金局長通知)
国民年金法等の一部を改正する法律(昭和六〇年法律第三四号)は本年四月一日施行されたところであるが、今回改正された事項のうち、厚生年金基金制度に関する事項は次のとおりであるので遺憾のないよう取り計らわれたい。
なお、この法律の施行に伴い、昭和六一年三月二八日、厚生年金基金令の一部改正及び厚生年金基金に関する経過措置が、国民年金法施行令等の一部を改正する等の政令(昭和六一年政令第五三号)及び国民年金法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置に関する政令(昭和六一年政令第五四号)をもつてそれぞれ公布され、また、昭和六一年三月二九日、厚生年金基金規則の一部改正が、国民年金法施行規則等の一部を改正する等の省令(昭和六一年厚生省令第一七号)をもつて公布され、昭和六一年四月一日から施行されたので併せて通知する。
なお、この通知においては、厚生年金保険法(昭和二九年法律第一一五号)を「法」と、国民年金法等の一部を改正する法律(昭和六〇年法律第三四号)を「昭和六〇年改正法」と、厚生年金基金令(昭和四一年政令第三二四号)を「基金令」と、国民年金法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置に関する政令(昭和六一年政令第五四号)を「経過措置政令」と、昭和六〇年改正法による改正前の厚生年金保険法を「旧法」とそれぞれ略称する。
第一 厚生年金基金に関する改正の考え方
今回の公的年金制度の改正は、本格的な高齢化社会の到来に備え、公的年金制度の一元化を目指しつつ、制度の長期的安定と整合性のある発展を図るため、国民共通の基礎年金を導入するとともに、給付と負担の均衡を長期的に確保するための措置を講ずることとされたものである。
厚生年金基金(以下「基金」という。)に関しては、今回の公的年金制度の改正に伴つて必要となる事項について改正が行われるとともに、厚生年金基金制度の普及発展のため、設立条件、業務の委託に関し改正が行われたものであること。
第二 加入員に関する事項
1 厚生年金保険の被保険者が、適用事業所に使用される六五歳未満の者とされたことにより、基金の加入員についても、六五歳に達した日にその加入員の資格を喪失することとされたこと(法第一二二条及び第一二四条)。
なお、大正一〇年四月一日以前に生まれた者(施行日において六五歳以上の者)であつて、施行日の前日において基金の加入員であつた者は、施行日に加入員の資格を喪失することとされたこと(昭和六〇年改正法附則第八一条第一項)。
2 法附則第四条の三第一項の規定による高齢任意加入被保険者のうち、その者の事業主が保険料の半額を負担し、かつ、その被保険者及び事業主の負担する保険料を納付する義務を負うことに同意したものについては、基金の加入員の資格を取得することとされたこと。
また、高齢任意加入被保険者の資格を喪失した場合等のほか、保険料の負担及び納付についての事業主の同意が撤回された場合は、基金の加入員の資格を喪失することとされたこと(法附則第四条の四)。
第三 代議員及び役員に関する事項
1 代議員及び役員の任期は、従来「二年」と定められていたが、これを「三年を超えない範囲内で規約で定める期間」とされたこと(法第一一七条第四項及び第一一九条第五項)。
2 六五歳以上の互選代議員及び役員(互選代議員において互選された者)の資格については、基金の業務運営に支障が生ずることのないよう政令で定める日(同日において現に基金の代議員又は役員である者については、その任期が終了する日)までの間は、六五歳到達をもつて加入員の資格を喪失した者についても、当該資格を喪失したときから引き続き設立事業所に使用されているものは、代議員又は役員の資格を有するものとされたこと(昭和六〇年改正法附則第八一条第二項)。この政令で定める日は、昭和六三年三月三一日とされたこと(経過措置政令第一〇四条)。
第四 設立要件に関する事項
基金の設立に必要な被保険者の数は、一〇〇〇人以上とされていたが、七〇〇人以上に改められたこと(基金令第一条)。
第五 基金の業務の委託に関する事項
1 基金の業務の一部を信託会社又は生命保険会社に委託することができることとされていたが、今回、政令で定める法人にも委託することができることとされたこと(法第一三〇条第六項)。
2 この政令で定める法人については、次に定める要件に該当し、基金の業務を適正かつ確実に行うことができるものを厚生大臣が指定することとされたこと(基金令第三一条)。
(1) 年金数理に関する業務について厚生省令で定める条件に適合する知識経験を有する者が実施するものであること。
(2) 基金から委託される給付及び掛金等に関する業務(以下「受託業務」という。)を適正かつ確実に行うことができる技術的能力を有し、かつ、十分な社会的信用を有すること。
(3) 受託業務を長期にわたり確実に行うに足りる経理的基礎を有すること。
第六 年金給付に関する事項
1 基金が支給する年金給付は、老齢厚生年金の一部を代行するものであるが、この代行部分相当額は、平均標準報酬月額の一〇〇〇分の七・五に相当する額に加入員たる被保険者期間に係る月数を乗じて得た額とされたこと(法第一三二条第二項)。
2 ただし、代行部分相当額の算定は、昭和六〇年改正法附則別表第七の上欄に掲げる者については、前記1の「一〇〇〇分の七・五」とあるのは同表の下欄の率を、また、大正一五年四月一日以前に生まれた者及び施行日前に支給事由の生じた旧法による老齢年金の受給権を有している者等については、一〇〇〇分の一〇を用いることとされたこと(昭和六〇年改正法附則第八二条第二項及び第八三条第一項、経過措置政令第一〇五条)。
3 第三種被保険者に関する期間計算の特例は廃止されたが、代行部分相当額の算定は、施行日前の期間は従前どおりとし、施行日から昭和六六年三月三一日までの期間についてはその被保険者期間を五分の六倍することとされたこと(昭和六〇年改正法附則第四七条第二項及び第四項、第八二条第一項、第八三条第一項、経過措置政令第一〇六条)。
第七 年金給付の費用の負担に関する事項
1 基金が支給する年金給付に要する費用に対する国庫負担は行われないこととされたが、厚生年金保険の管掌者たる政府は、基金の支給する年金給付に要する費用の一部を負担することとされたこと(昭和六〇年改正法附則第八四条第二項)。
なお、昭和六一年三月分までの給付の費用に係る国庫負担については、なお従前の例によることとされていること(昭和六〇年改正法附則第八四条第一項)。
2(1) 前記1の厚生年金保険の管掌者たる政府の負担(以下「政府負担金」という。)は、第六の2の昭和六〇年改正法附則別表第七に定める率(大正一五年四月一日以前に生まれた者及び施行日前に支給事由の生じた旧法による老齢年金の受給権を有している者等については、一〇〇〇分の一〇)と施行日前の期間については一〇〇〇分の八、施行日以後の期間については一〇〇〇分の七・五との差となる部分について行うこととされたこと(昭和六〇年改正法附則第八四条第三項、経過措置政令第一〇八条及び第一〇九条)。
(2) (1)にかかわらず、政府負担金は従来の国庫負担と同様に基金からの申出により、基金の加入員又は加入員であつた者のうち、法第四二条ただし書に該当しない者であつて老齢厚生年金の支給開始年齢に達しているもの等に基金が支給する年金たる給付について行うことができることとされたこと(昭和六〇年改正法附則第八四条第四項)。
なお、この場合の政府負担金の額は、(1)により算定される額に〇・八七五を乗じて得た額とされたこと(経過措置政令第一一〇条)。
3 昭和一七年四月二日以後に生まれ、かつ、施行日前の加入員たる被保険者であつた期間を有する者については、年金給付に要する費用を超える額が積み立てられていることとなるため、基金が施行日において保有する給付乗率一〇〇〇分の八に対応する給付のための積立金として厚生大臣の定めるところにより算出した額に過剰相当の割合を乗じて得た額(以下「過剰積立額」という。)を、政府負担金から控除することとされたこと(昭和六〇年改正法附則第八四条第五項、経過措置政令第一一一条第一項)。
この場合の控除方法は、次のとおりであること(経過措置政令第一一一条第一項、第二項及び第四項)。
(1) 控除額は、過剰積立額に施行日から当該控除が行われる日までの期間に応ずる利子に相当する額を加えた額とし、控除は毎年度の政府負担金の額から、その控除額に達するまでの間行うものであること(「前詰め」方法)。
(2) (1)のほか基金の申し出により、二〇年以内の期間で、毎年度均等額を控除することができること。この場合、控除総額が過剰積立額に施行日から当該控除が行われるべき日までの期間に応ずる利子に相当する額を加えた額となるように当該均等額を定めるものとすること(「元利均等割」方法)。
(3) (1)及び(2)の利子に相当する額は、複利計算の方法によるものとし、その利率は年五・五パーセントとすること。
