添付一覧
○厚生年金保険法、船員保険法及び国民年金法による年金の額の改定に関する政令の一部を改正する政令の施行について
(昭和五〇年六月二四日)
(庁保発第二〇号)
(各都道府県知事あて社会保険庁医療保険・年金保険部長連名通知)
厚生年金保険法、船員保険法及び国民年金法による年金の額の改定に関する政令の一部を改正する政令は、本日政令第一九〇号として別添のとおり公布された。
この政令は、総理府において作成された昭和四九年度平均の全国消費者物価指数が、昭和四八年度に比して二一・八%上昇したことに伴い厚生年金保険法等の一部を改正する法律(昭和四八年法律第九二号)附則第二二条第二項の規定に基づいて、厚生年金保険、船員保険及び拠出制国民年金の年金額を改定するために制定されたものである。
政令の内容は次のとおりであるので、その周知徹底を図るとともに、この政令の実施にあたつては遺憾のないよう取り計らわれたい。
第一 厚生年金保険関係
1 基本金額について
年金たる保険給付の基本年金額の引き上げ率を一六・一%から四一・五%に引き上げたこと。ただし、年金額の計算の基礎となつた被保険者期間の全部が昭和四八年度以降の期間(その期間の全部が昭和四九年度以降の期間であるときを除く。)であるものについては、報酬比例部分の額を二一・八%引き上げ、年金額の計算の基礎となつた被保険者期間の全部が昭和四九年度以降の期間であるものについては、報酬比例部分の額の引き上げは行わないこと(法第三四条第一項及び第四項関係)。
2 障害年金等の最低保障額について
障害年金及び遺族年金の最低保障額を二七万八六四〇円(月額二万三二二〇円)から三三万九六〇〇円(月額二万八三〇〇円)に引き上げたこと(法第五〇条第一項、第六〇条第二項及び厚生年金保険及び船員保険交渉法第二五条の二関係)。
3 旧厚生年金保険法による年金たる保険給付の額について
(1) 旧厚生年金保険法による遺族年金、寡婦年金、鰥夫年金又は遺児年金と他の年金との併給調整の際に用いられる基本年金額相当額を三三万四三六八円(月額二万七八六四円)から四〇万七五二〇円(月額三万三九六〇円)に引き上げたこと(法附則第一六条第二項関係)。
(2) 旧厚生年金保険法による年金の額を一級障害年金について四一万七九六〇円(月額三万四八三〇円)から五〇万九四〇〇円(月額四万二四五〇円)に、その他の障害年金について三三万四三六八円(月額二万七八六四円)から四〇万七五二〇円(月額三万三九六〇円)に、遺族年金、寡婦年金、鰥夫年金及び遺児年金について二七万八六四〇円(月額二万三二二〇円)から三三万九六〇〇円(月額二万八三〇〇円)にそれぞれ引き上げたこと(四八年改正法附則第三条第一項及び第二項関係)。
4 通算老齢年金の額の特例について
沖縄の厚生年金保険法の被保険者であつた者に支給する厚生年金保険法の通算老齢年金については、特例措置として年齢に応じて年金額の加算が行われる場合があるが、この加算される額の引き上げ率を一六・一%から四一・五%に引き上げたこと(沖縄の復帰に伴う厚生省関係法令の適用の特例措置等に関する政令第五二条第一項第二号関係)。
5 加給年金額について
加給年金額については、この政令の適用がないこと。
第二 船員保険関係
1 基本年金額相当部分の額について
(1) 年金たる保険給付(障害年金給び遺族年金については、職務外の事由によるものに限る。)の基本年金額相当部分の額の引き上げ率を一六・一%から四一・五%に引き上げたこと。ただし、年金額の計算の基礎となつた被保険者期間の全部が昭和四八年度以降の期間(その期間の全部が昭和四九年度以降の期間であるときを除く。)であるものにつては、報酬比例相当部分の額を二一・八%引き上げ、年金額の計算の基礎となつた被保険者期間の全部が昭和四九年度以降の期間であるものについては、報酬比例相当部分の額の引き上げは行わないこと(法第三五条、法第五〇条ノ二第一項第二号ロ及びハ、法第五〇条ノ二第二項関係)。
(2) 職務上の事由による障害年金受給権者が職務外の事由により死亡したことにより支給される遺族年金の額についても(1)に準じて引き上げたこと(法第五〇条ノ二第一項第二号イ及び第五〇条ノ三関係)。
2 最低保障額について
障害年金及び遺族年金の最低保障額を二七万八六四〇円(月額二万三二二〇円)から三三万九六〇〇円(月額二万八三〇〇円)に引き上げたこと(法第四一条第二項、法第五〇条ノ二第三項、厚生年金保険及び船員保険交渉法第二六条関係)。
3 旧陸軍共済組合等の組合員期間を有する者の年金額について
旧陸軍共済組合等の組合員であつた期間を船員保険の被保険者であつた期間とみなして支給される通算老齢年金及び遺族年金については、その額の引き上げ率を一六・一%から四一・五%に引き上げたこと(四〇年改正法附則第一六条第三項及び第四項第一号関係)。
4 従前の例による年金たる保険給付について
(1) 従前の例により支給する寡婦年金、鰥夫年金又は遺児年金と他の年金との併給調整の際に用いられる基本年金額相当額を三四万五五一四円(月額二万八七九三円)から四二万一一〇四円(月額三万五〇九二円)に引き上げたこと(四六年改正法附則第一〇条関係)。
(2) 昭和二九年五月一日において障害年金を受ける権利を有していた者であつて、引き続き昭和四〇年五月一日まで当該障害年金を受ける権利を有していたものに支給される障害年金の額を三四万五五一四円(月額二万八七九三円)から四二万一一〇四円(月額三万五〇九二円)に引き上げたこと(四八年改正法附則第八条第二項関係)。
(3) 昭和三七年改正法附則第三項の規定による寡婦年金、鰥夫年金及び遺児年金の額を二七万八六四〇円(月額二万三二二〇円)から三三万九六〇〇円(月額二万八三〇〇円)に引き上げたこと(四八年改正法附則第八条第四項関係)。
5 通算老齢年金の額の特例について
沖縄の厚生年金保険法による被保険者であつた者で船員保険法の被保険者であつた者とみなして支給される通算老齢年金については、特例措置として、年齢に応じて年金額の加算が行われる場合があるが、この加算される額の引き上げ率を一六・一%から四一・五%に引き上げたこと(沖縄の復帰に伴う厚生省関係法令の適用の特別措置等に関する政令第五八条第一項第二号関係)。
6 加給金について
加給金(職務上の事由による障害年金受給者が職務外の事由により死亡したことにより支給される遺族年金であつて、船員保険法別表第三ノ二下欄に掲げる額の二分の一に相当する額を除く。)については、この政令の適用がないこと。
第三 国民年金関係
1 老齢年金等の額について
老齢年金、通算老齢年金、障害年金及び寡婦年金の額の引き上げ率を一六・一%から四一・五%に引き上げたこと(法第二七条第一項、第二九条の四第一項、第三三条第一項本文、第五〇条及び第七七条第一項第一号並びに法施行令第三条の三及び第三条の四関係)。
2 障害年金の最低保障額及び母子年金等の額について
二級障害年金の最低保障額、母子年金、準母子年金及び遺児年金の額を二七万八六四〇円(月額二万三二二〇円)から三三万九六〇〇円(月額二万八三〇〇円)に引き上げたこと(法第三三条第一項ただし書、第三八条及び第四三条関係)。
3 五年年金の額について
五年年金の額を一一万一四五六円(月額九二八八円)から一三万五八四〇円(月額一万一三二〇円)に引き上げたこと(四四年改正法附則第一六条第二項及び四八年改正法附則第二〇条第二項関係)。
4 付加年金等の額について
付加年金並びに母子年金、準母子年金及び遺児年金の加算の額については、この政令の適用がないこと。
第四 実施時期等
(1) この政令は、厚生年金保険法による年金たる保険給付及び船員保険法による年金たる保険給付については昭和五〇年八月一日から、国民年金法による年金たる給付については昭和五〇年九月一日から施行されること(附則第一項関係)。
(2) 昭和五〇年七月以前の月分に係る厚生年金保険法による年金たる保険給付及び船員保険法による年金たる保険給付(障害年金及び遺族年金については、職務外の事由によるものに限る。)の額並びに昭和五〇年八月以前の月分に係る国民年金法による年金たる給付(障害福祉年金、母子福祉年金、準母子福祉年金及び老齢福祉年金を除く。)の額については、なお、従前の例によるものであること(附則第二項及び第三項関係)。