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K552―2 両室ペースメーカー移植術

(1) 両室ペースメーカー移植術は、左右の心室を電気的に刺激することにより、重症心不全患者の心臓リズムを補正すると同時に、左右の心室間伝導障害を軽減し、血行動態を改善することを目的に実施されるものであり、十分な薬物治療にもかかわらず改善のみられないQRS幅130ms以上及び左室駆出率35%以下を伴う重症心不全に対する症状改善を目的として実施した場合に算定する。

(2) 両室ペースメーカー移植術を行った患者については、診療報酬請求に当たって、診療報酬明細書に症状詳記を添付する。

K554―2 埋込型除細動器移植術、K554―3 埋込型除細動器交換術

(1) 埋込型除細動器移植術は、次のいずれかに該当する患者に対して実施した場合に算定する。

ア 血行動態が破綻する心室頻拍又は心室細動の自然発作が1回以上確認されている患者であって、埋込型除細動器移植術以外の治療法の有効性が心臓電気生理学的検査及びホルター型心電図検査によって予測できないもの

イ 血行動態が破綻する心室頻拍又は心室細動の自然発作が1回以上確認されている患者であって、有効薬が見つからないもの又は有効薬があっても認容性が悪いために服用が制限されるもの

ウ 既に十分な薬物療法や心筋焼灼術等の手術が行われているにもかかわらず、心臓電気生理学的検査によって血行動態が破綻する心室頻拍又は心室細動が繰り返し誘発される患者

(2) 埋込型除細動器移植術を行った患者については、診療報酬請求に当たって、診療報酬明細書に症状詳記を添付する。

(3) 埋込型除細動器本体の交換のみの場合は、区分「K554―3」埋込型除細動器交換術により算定する。

K563 弁置換術

弁置換に併せて弁形成を行った場合は、弁置換又は弁形成を行った弁の合計数に基づき、弁置換術の各区分の所定点数を算定する。

K565 心房中隔欠損閉鎖術

三心房症手術は、心房中隔欠損閉鎖術の「2」に準じて算定する。

K568 心房内血流転換手術

セニング手術は、心房内血流転換手術(マスタード手術)に準じて算定する。

K571 心室瘤切除術

(1) 心腔内粘液腫摘出術及び心筋梗塞に対する心筋切除術は、心室瘤切除術に準じて算定する。

(2) 左心室縮小手術は、心室瘤切除術の「1」に準じて算定する。なお、左心室縮小手術と、区分「K560」弁形成術(1弁のものに限る。)、区分「K563」弁置換術(1弁のものに限る。)又は区分「K588」冠動脈、大動脈バイパス移植術(1本のものに限る。)を併施した場合は、心室瘤切除術の「2」に準じて算定する。

K580 肺動脈形成術

(1) 右室二腔症に対する手術は、肺動脈形成術に準じて算定する。

(2) 肺動脈狭窄症手術のうち、心筋切除を行うもの及び流出路パッチ形成を行うものは、それぞれにつき、肺動脈形成術に準じて算定する。

K586 冠動静脈瘻手術

冠動静脈瘻の開胸的遮断術は、冠動静脈瘻手術により算定する。

K588 冠動脈、大動脈バイパス移植術

(1) 区分「K611」血管移植術、バイパス移植術及び冠動脈、大動脈バイパス移植術におけるバイパス造成用自家血管の採取料については、当該所定点数に含まれ別に算定できない。

(2) 区分「K611」血管移植術、バイパス移植術又は冠動脈、大動脈バイパス移植術以外の手術における自家血管の採取料については、区分「K000」創傷処理の「2」に準じて算定する。

K592 完全大血管転換症手術

ラステリ手術は、完全大血管転換症手術により算定する。

K598 人工心肺

(1) 人工心肺実施のために血管を露出し、カニューレ、カテーテル等を挿入した場合の手技料は、所定点数に含まれ、別に算定できない。

(2) 急性呼吸不全又は慢性呼吸不全の急性増悪であって、人工呼吸器で対応できない場合に使用した人工心肺については、所定点数を算定できる。

(3) 人工心肺をはずすことができず、翌日以降も引き続き補助循環を行った場合は、1日につき「2」により算定する。

(4) 「注1」の選択的冠灌流加算は大動脈基部を切開し、左右冠動脈口に別個にカニューレを挿入し、心筋保護を行った場合に算定する。

(5) 「注1」の補助循環加算は、人工心肺を用いた心大血管手術後の低心拍出量症候群に対して人工心肺を使用した補助循環を行った場合に限り算定できる。

(6) 区分「K597」経皮的心肺補助法、区分「K598」人工心肺、区分「K599」大動脈バルーンパンピング法又は区分「K600」補助人工心臓を併施した場合においては、1日ごとに主たるものにより算定する。また、これら4つの開心術補助手段等と冠動脈、大動脈バイパス移植術等の他手術を併施した場合は、当該手術の所定点数を別に算定できる。

K599 大動脈バルーンパンピング法(IABP法)

ガスの価格は別に算定できない。

K600 補助人工心臓

開心術症例の体外循環離脱困難、開心術症例の術後低心拍出症候群、その他の心原性循環不全に対して補助人工心臓を行った場合に算定する。ただし、重症感染症、重症多臓器不全を合併する症例の場合は算定できない。また、心臓移植のためのブリッジユースは認められない。

K600―2 植込み型補助人工心臓

(1) 植込み型補助人工心臓は、重症心不全患者で薬物療法や体外式補助人工心臓等による他の循環補助法では、治療が困難であって、心臓移植を行わなければ救命が困難な症例に対して、心臓移植までの待機期間の循環改善(ブリッジユース)のみを目的として実施されるものである。

(2) 植込み型補助人工心臓の対象患者は、(社)日本臓器移植ネットワークに登録された心臓移植待機中の患者であって、拡張型心筋症又は拡張相にある肥大型心筋症に限るものとする。

K601 血管露出術

(1) 経皮的に留置針を挿入する場合は、血管露出術は算定できない。

(2) 手術に伴う血管露出術は、同一術野でない場合においても算定できない。

K602 血管結紮術

簡単な血管縫合術及び人工透析患者に対する上腕動脈表在化法は、血管結紮術の「2」に準じて算定する。

K603 動脈塞栓除去術

(1) 動脈血栓摘出術は、動脈塞栓除去術に準じて算定する。

(2) 外シャント血栓除去術は、区分「K000」創傷処理の「2」に準じて算定する。

(3) 内シャント血栓除去術は、区分「K602」血管結紮術の「2」に準じて算定する。

K604 動脈血栓内膜摘出術

内頸動脈狭窄症に対する頸動脈血栓内膜剥離術は、動脈血栓内膜摘出術により算定する。ただし、静脈片パッチ等で血管形成を行った場合は、区分「K606」動脈形成術、吻合術の「5」に準じて算定する。

K605 大動脈瘤切除術

下行大動脈から腹部大動脈にかけて大動脈瘤があるため、胸部及び腹部の操作を行うものは大動脈瘤切除術の「8」で算定する。

K606 動脈形成術、吻合術

(1) 内シャント又は外シャント設置術は、動脈形成術、吻合術の「5」に準じて算定する。

(2) 四肢の血管吻合術は、動脈形成術、吻合術の「5」により算定する。

(3) 上腕動脈、正中神経及び尺骨神経が切断された場合、上腕動脈及び正中神経が切断された場合、又は上腕動脈及び尺骨神経が切断された場合の血管及び神経再接合術は、動脈形成術、吻合術の「5」により算定する。

(4) もやもや病に対する脳新生血管造成術(脳表面に浅側頭動脈と側頭筋を硬膜に縫合する形で新生血管の造成を図るもの)は、区分「K606」の「1」に準じて算定する。

K606―2 抗悪性腫瘍剤動脈内持続注入用埋込型カテーテル設置

(1) 悪性腫瘍の患者に対し抗悪性腫瘍剤を局所持続注入すること又は疼痛の制御を目的として、チューブ又は皮下埋込型カテーテルアクセスを設置した場合に算定できる。

(2) 設置するチューブ、体内に埋め込むカテーテル及びカテーテルアクセス等の材料料は所定点数に含まれ、別に算定できない。

(3) 抗悪性腫瘍剤を静脈内に局所持続注入することを目的として皮下埋込型カテーテルアクセスを設置した場合は、抗悪性腫瘍剤動脈内持続注入用埋込型カテーテル設置に準じて算定する。

(4) 抗悪性腫瘍剤を腹腔内に局所持続注入することを目的として皮下埋込型カテーテルアクセスを設置した場合は、抗悪性腫瘍剤動脈内持続注入用埋込型カテーテル設置の「2」に準じて算定する。

K610 腎血管性高血圧症手術

経皮的腎血管拡張術は区分「K614」経皮的冠動脈形成術により算定する。

K611 血管移植術、バイパス移植術

大腿動脈閉塞症における自家血管を用いた動脈間バイパス造成術は、血管移植術、バイパス移植術の「5」により算定する。

K612 血管塞栓術

血管カテーテルを用いてボタロー管開存閉鎖術を行った場合は、血管塞栓術の「1」に準じて算定する。

K614 経皮的冠動脈形成術

(1) 原則として、一方向から造影して75%以上の狭窄病変が存在する症例について算定する。なお、やむを得ない理由によりこれ以外の症例に算定する場合にあっては、診療報酬明細書の摘要欄にその理由及び医学的な根拠を詳細に記載すること。

(2) 次の表に該当する場合は、経皮的冠動脈形成術用カテーテルに係る費用は、それぞれ次の表に示す本数にて算定する。なお、やむを得ない理由によりこれを上回る本数を算定する場合にあっては、診療報酬明細書の摘要欄にその理由及び医学的な根拠を詳細に記載すること。

 

病変箇所数

経皮的冠動脈形成術用カテーテル算定本数

完全閉塞病変の場合

1箇所

2本以下

 

2箇所

3本以下

完全閉塞病変以外の場合

1箇所

1本以下

 

2箇所

2本以下

(3) 同一医療機関において同一患者に5年間において、同一標的病変に対して実施する区分「K614」経皮的冠動脈形成術、区分「K614―2」経皮的冠動脈血栓切除術、区分「K614―3」経皮的冠動脈形成術(高速回転式経皮経管アテレクトミーカテーテルによるもの)又は区分「K615」経皮的冠動脈ステント留置術の合計回数は2回以下を標準とする。なお、やむを得ない理由によりこれを超える回数の手術を実施する場合にあっては、以下の事項を診療報酬明細書の摘要欄に詳細に記載すること。

ア 過去の実施時期

イ 実施した手術及びそれぞれの実施時において使用した経皮的冠動脈形成術用カテーテル、アテレクトミーカテーテル、高速回転式経皮経管アテレクトミーカテーテル及び冠動脈用ステントセットの使用本数

ウ 今回、経皮的冠動脈形成術を実施する理由及び医学的な根拠

(4) 経皮的僧帽弁拡張術、経皮的大動脈弁拡張術及び経皮的肺動脈弁拡張術は区分「K614」経皮的冠動脈形成術及びその「注」に準じて算定する。

K614―2 経皮的冠動脈血栓切除術

(1) 原則として、一方向から造影して75%以上の狭窄病変が存在する症例について算定する。なお、やむを得ない理由によりこれ以外の症例に算定する場合にあっては、診療報酬明細書の摘要欄にその理由及び医学的な根拠を詳細に記載すること。

(2) 同一医療機関において同一患者に5年間において、同一標的病変に対して実施する区分「K614」経皮的冠動脈形成術、区分「K614―2」経皮的冠動脈血栓切除術、区分「K614―3」経皮的冠動脈形成術(高速回転式経皮経管アテレクトミーカテーテルによるもの)又は区分「K615」経皮的冠動脈ステント留置術の合計回数は2回以下を標準とする。なお、やむを得ない理由によりこれを超える回数の手術を実施する場合にあっては、以下の事項を診療報酬明細書の摘要欄に詳細に記載すること。

ア 過去の実施時期

イ 実施した手術及びそれぞれの実施時において使用した経皮的冠動脈形成術用カテーテル、アテレクトミーカテーテル、高速回転式経皮経管アテレクトミーカテーテル及び冠動脈用ステントセットの使用本数

ウ 今回、経皮的冠動脈血栓切除術を実施する理由及び医学的な根拠

K614―3 経皮的冠動脈形成術(高速回転式経皮経管アテレクトミーカテーテルによるもの)

同一医療機関において同一患者に5年間において、同一標的病変に対して実施する区分「K614」経皮的冠動脈形成術、区分「K614―2」経皮的冠動脈血栓切除術、区分「K614―3」経皮的冠動脈形成術(高速回転式経皮経管アテレクトミーカテーテルによるもの)又は区分「K615」経皮的冠動脈ステント留置術の合計回数は2回以下を標準とする。なお、やむを得ない理由によりこれを超える回数の手術を実施する場合にあっては、以下の事項を診療報酬明細書の摘要欄に詳細に記載すること。

ア 過去の実施時期

イ 実施した手術及びそれぞれの実施時において使用した経皮的冠動脈形成術用カテーテル、アテレクトミーカテーテル、高速回転式経皮経管アテレクトミーカテーテル及び冠動脈用ステントセットの使用本数

ウ 今回、経皮的冠動脈形成術(高速回転式経皮経管アテレクトミーカテーテルによるもの)を実施する理由及び医学的な根拠

K615 経皮的冠動脈ステント留置術

(1) 原則として、一方向から造影して75%以上の狭窄病変が存在する症例について算定する。なお、やむを得ない理由によりこれ以外の症例に算定する場合にあっては、診療報酬明細書の摘要欄にその理由及び医学的な根拠を詳細に記載すること。

(2) 次の表に該当する場合は、経皮的冠動脈形成術用カテーテル及び冠動脈用ステントセットに係る費用は、それぞれ次の表に示す本数及びセット数にて算定する。なお、やむを得ない理由によりこれ以上の本数を算定する場合にあっては、診療報酬明細書の摘要欄にその理由及び医学的な根拠を詳細に記載すること。

 

病変箇所数

経皮的冠動脈形成術用カテーテル算定本数

冠動脈用ステントセット

完全閉塞病変の場合

1箇所

2本以下

1セット以下

 

2箇所

3本以下

2セット以下

完全閉塞病変以外の場合

1箇所

1本以下

1セット以下

2箇所

2本以下

2セット以下

(3) 同一医療機関において同一患者に5年間において、同一標的病変に対して実施する区分「K614」経皮的冠動脈形成術、区分「K614―2」経皮的冠動脈血栓切除術、区分「K614―3」経皮的冠動脈形成術(高速回転式経皮経管アテレクトミーカテーテルによるもの)又は区分「K615」経皮的冠動脈ステント留置術の合計回数は2回以下を標準とする。なお、やむを得ない理由によりこれを超える回数の手術を実施する場合にあっては、以下の事項を診療報酬明細書の摘要欄に詳細に記載すること。

ア 過去の実施時期

イ 実施した手術及びそれぞれの実施時において使用した経皮的冠動脈形成術用カテーテル、アテレクトミーカテーテル、高速回転式経皮経管アテレクトミーカテーテル及び冠動脈用ステントセットの使用本数

ウ 今回、経皮的冠動脈ステント留置術を繰り返して実施する理由及び医学的な根拠

K617 下肢静脈瘤手術

(1) 「1」の抜去切除術は大腿部から下腿部に及ぶ広範囲の静脈瘤にストリッピングを行った場合に算定する。

(2) 大伏在静脈における血栓性静脈炎に対する静脈抜去は、「1」に準じて算定する。

(3) 下肢以外の静脈瘤切除術は、区分「K000」創傷処理の「2」に準じて算定する。

(4) 「2」の硬化療法における「一連」とは、所期の目的を達するまでに行う一連の治療過程をいい、概ね2週間にわたり行われるものをいう。

K618 中心静脈栄養用埋込型カテーテル設置

(1) 中心静脈栄養用の皮下埋込型カテーテルアクセスを設置した場合に算定できる。

(2) 体内に埋め込むカテーテル及びカテーテルアクセス等の材料料は所定点数に含まれ、別に算定できない。

K619 静脈血栓摘出術

総腸骨静脈血栓除去術と股静脈の血栓除去の併施は、手術野を異にするので静脈血栓摘出術の「1」及び「2」を併せて算定する。

K620 下大静脈フィルター留置

下大静脈フィルター留置は、肺塞栓の患者であって、再発するおそれが高いと判断されたものに対して行った場合に算定する。

K624 胸管ドレナージ法

尿毒症に対する救急療法として施行した場合に算定する。

K627 リンパ節群郭清術

(1) 独立手術として行った場合にのみ算定できる。悪性腫瘍に対する手術と同時に行うリンパ節郭清の費用は悪性腫瘍に対する手術の所定点数に含まれ、別に算定できない。

(2) 頸動脈球摘出術は、リンパ節群郭清術の「2」に準じて算定する。

K628 リンパ管吻合術

脾腎静脈吻合術は、リンパ管吻合術に準じて算定する。

第9款 腹部

K633 ヘルニア手術

虫垂炎手術創の底部腹膜より発生した赤子手拳大の肉芽腫摘出術は、ヘルニア手術の「1」に準じて算定する。

K635 胸水・腹水濾過濃縮再静注法

一連の治療過程中、第1回目の実施日に、1回に限り算定する。なお、一連の治療期間は2週間を目安とし、治療上の必要があって初回実施後2週間を経過して実施した場合は改めて所定点数を算定する。

K638 骨盤腹膜外膿瘍切開排膿術

開腹による骨盤腹膜外膿瘍切開術は、骨盤腹膜外膿瘍切開排膿術により算定する。

K639 急性汎発性腹膜炎手術

結核性腹膜炎手術は、急性汎発性腹膜炎手術に準じて算定する。

K642 大網、腸間膜、後腹膜腫瘍摘出術

膀胱後腫瘍摘出術は、大網、腸間膜、後腹膜腫瘍摘出術に準じて算定する。

K647 胃縫合術(大網充填術又は被覆術を含む。)

外傷等により破裂した胃を縫合した場合、又は胃、十二指腸潰瘍穿孔に対して大網充填術若しくは被覆術を行った場合に算定する。

K648 胃切開術

胃の噴門筋又は幽門筋の痙攣の場合、これらの筋を切除した場合は、胃切開術に準じて算定する。

K653 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術

(1) 短期間又は同一入院期間中、回数にかかわらず、第1回目の実施日に1回に限り算定する。

(2) ポリープを数個切除又は焼灼した場合においても、切除又は焼灼したポリープの数にかかわらず所定点数のみにより算定する。

(3) 表在性早期胃癌に対する光線力学療法は、「1」に準じて算定する。当該光線力学療法は、ポルフィマーナトリウムを投与した患者に対しエキシマ・ダイ・レーザー(波長630nm)及びYAG―OPOレーザーを使用した場合など、保険適用された薬剤、機器を用いて行った場合に限り算定できる。

(4) マイクロ波凝固療法を実施した場合における当該療法に係る費用は、所定点数に含まれる。

K653―3 内視鏡的食道下部及び胃内異物摘出術

内視鏡的食道下部及び胃内異物摘出術は、食道下部及び胃内の異物(乾電池、胃手術時の縫合糸、アニサキス等)を内視鏡(ファイバースコープ)下により摘出した場合に算定する。

K654 内視鏡的消化管止血術

(1) 内視鏡的消化管止血術は1日1回、週3回を限度として算定する。

(2) マイクロ波凝固療法を実施した場合における当該療法に係る費用は、所定点数に含まれる。

K655 胃切除術、K657 胃全摘術

(1) 従前の「胃切除術」、「胃全摘術」、「胃悪性腫瘍手術」を組替え整理したものである。

(2) 胃切除術に当たって自動吻合器又は自動縫合器を使用した場合は、それぞれ1個又は3個を限度として、「注1」の加算点数に使用個数を乗じて得た点数を加算する。

(3) 胃全摘術に当たって自動吻合器又は自動縫合器を使用した場合は、それぞれ2個又は4個を限度として、「注1」の加算点数に使用個数を乗じて得た点数を加算する。

(4) 有茎腸管移植を併せて行った場合は、「注2」の加算を算定する。

(5) 悪性腫瘍に対する手術であっても、リンパ節郭清等を伴わない単純な切除・消化管吻合術又は単純な全摘・消化管吻合術を行った場合には単純切除術又は単純全摘術により算定する。

(6) 十二指腸窓(内方)に生じた憩室(多数)を後腹膜を切開し、大腸肝屈曲部を剥離して摘出する場合は、区分「K655」胃切除術の「1」に準じて算定する。

(7) 先天性胆管拡張症に対し、胃切除、総胆管切除、胆嚢摘出、胃腸吻合兼ブラウン吻合、胆管空腸吻合、十二指腸膵頭吻合及び空腸吻合術を併施した場合は、区分「K657」胃全摘術の「2」に準じて算定する。

K659 食道下部迷走神経切除術

十二指腸潰瘍に迷走神経切断術及び幽門形成術を併施した場合は、胃瘻造設術の併施の有無にかかわらず、食道下部迷走神経切除術の「3」により算定する。

K662 胃腸吻合術

槙式腹腔成形術(腹成術)は、胃腸吻合術に準じて算定する。

K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術を含む。)

経皮的内視鏡下胃瘻造設術で用いるカテーテル及びキットは所定点数に含まれる。

K670 胆嚢切開結石摘出術

胆石のみを摘出した場合に算定するものとする。

K671 胆管切開結石摘出術

胆道切開・十二指腸切開・乳頭部切開・Tドレーンの併施は、胆管切開結石摘出術の「2」に準じて算定する。

K672 胆嚢摘除術

(1) ブラウン吻合とルー吻合の併施は、胆嚢摘除術(開腹によるもの)に準じて算定する。

(2) 胆石症及び腸間膜動脈性十二指腸閉塞症に対し、同時に同一手術創で胆嚢摘除術及び十二指腸空腸吻合術(十二指腸水平脚と空腸起始部より20cmの部で側々吻合を行う。)を施行した場合は、区分「K655」胃切除術の「1」に準じて算定する。

(3) 胆嚢、胆管結石で胆嚢摘除術及び総胆管切開(Tドレーン挿入)を行い、更に経十二指腸的に乳頭部切除を行った場合は、区分「K673」胆管形成手術に準じて算定する。

K678 体外衝撃波胆石破砕術

(1) 当該技術の適応となる胆石は、次の要件を満たすもののうち、胆石破砕術の適応となるものである。

ア 胆石症の既往があるもの

イ 胆嚢に炎症がなく、胆嚢機能が良好な胆嚢内結石又は肝内・総胆管内結石

(2) 「一連」とは、治療の対象となる疾患に対して所期の目的を達するまでに行う一連の治療過程をいう。数日の間隔をおいて一連の治療過程にある数回の体外衝撃波胆石破砕を行う場合は、1回のみ所定点数を算定するものであり、その後に行われた同一目的の手術の費用は、所定点数に含まれ別に算定できない。

(3) 体外衝撃波胆石破砕によっては所期の目的が達成できず、他の手術手技を行った場合の費用は、所定点数に含まれ別に算定できない。

(4) 消耗性電極とは、1回又は2回以上の使用により消耗し、交換が必要となる電極をいう。なお、この加算は一連の手術について1回のみ算定できる。

K682 胆管外瘻造設術

(1) 経皮的胆管ドレナージは、胆管外瘻造設術の「2」により算定する。

(2) 経皮的胆管ドレナージの開始以後ドレーン法を行った場合は、区分「J002」ドレーン法(ドレナージ)により算定する。

K684 先天性胆道閉鎖症手術

初回根治手術が適切に行われた患者であって、初回手術後数日中に再手術を行ったものについては、初回手術における肝門部処理と同等以上の肝門部処理が行われた場合は、2回目の手術についても当該手術の所定点数を算定できる。

K685 内視鏡的胆道砕石術(経十二指腸的又は外瘻孔を介するもの)

(1) 内視鏡的胆道砕石術は、術後残存胆管結石症に対して、T字管瘻孔又は胆管外瘻孔を介し、胆道鏡を挿入し、若しくは内視鏡により経十二指腸的に電気水圧衝撃波、超音波又は砕石用把持鉗子等により結石を破砕し、バスケットワイヤーカテーテルを用いて摘出する場合に算定する。

(2) 外瘻孔を介して胆道鏡下に又は経十二指腸的に内視鏡下にバスケットワイヤーカテーテルのみを用いて砕石を行わず単に結石を摘出する場合は、区分「K798」膀胱結石、異物摘出術の「1」に準じて算定する。

(3) 短期間又は同一入院期間中、回数にかかわらず、第1回目の実施日に1回に限り算定する。

K687 内視鏡的乳頭切開術

(1) 短期間又は同一入院期間中、回数にかかわらず、第1回目の実施日に1回に限り算定する。

(2) 「2」胆道砕石術を伴うものは、乳頭切開を行った後、経乳頭的に電気水圧衝撃波、超音波又は砕石用把持鉗子等により結石を破砕し、バスケットワイヤーカテーテルを用いて摘出した場合に算定する。ただし、バスケットワイヤーカテーテルのみを用いて砕石を行わず単に結石を摘出した場合は、「1」により算定する。

(3) マイクロ波凝固療法を実施した場合における当該療法に係る費用は、所定点数に含まれる。

K697―2 肝悪性腫瘍マイクロ波凝固法(一連として)

肝悪性腫瘍マイクロ波凝固法は、経皮的、開腹下又は腹腔鏡下のいずれの方法によるものについても算定できる。

K697―3 肝悪性腫瘍ラジオ波焼灼療法(一連として)

肝悪性腫瘍ラジオ波焼灼療法は、経皮的、開腹下又は腹腔鏡下のいずれの方法によるものについても算定できる。

K697―4 生体部分肝移植

(1) 対象疾患は、先天性胆道閉鎖症、進行性肝内胆汁うっ滞症(原発性胆汁性肝硬変と原発性硬化性胆管炎を含む。)、アラジール症候群、バッドキアリー症候群、先天性代謝性肝疾患(家族性アミロイドポリニューロパチーを含む。)、多発嚢胞肝、カロリ病、肝硬変(非代償期)及び劇症肝炎(ウイルス性、自己免疫性、薬剤性、成因不明を含む。)である。なお、肝硬変に肝細胞癌を合併している場合には、遠隔転移と血管侵襲を認めないもので、肝内に径5cm以下1個、又は径3cm以下3個以内が存在する場合に限る。

(2) 生体肝を移植する場合においては肝提供者から移植肝を摘出することに係るすべての療養上の費用を所定点数により算出し、生体部分肝移植の所定点数に加算する。なお、肝提供者の生体肝を摘出することに係る療養上の費用には、食事の提供も含まれ、具体的には、「入院時食事療養費に係る食事療養の費用の額の算定に関する基準」(平成6年8月厚生省告示第237号)によって算定した費用額を10円で除して得た数と他の療養上の費用に係る点数を合計した点数とする。この場合、肝提供者から食事にかかる標準負担額を求めることはできない。

(3) 請求に当たっては、肝移植者の診療報酬明細書の摘要欄に肝提供者の氏名及び療養上の費用に係る合計点数を併せて記載するとともに、肝提供者の療養に係る所定点数を記載した診療報酬明細書を添付する。

(4) 肝移植を行った保険医療機関と肝移植に用いる健肝を摘出した保険医療機関とが異なる場合の診療報酬の請求は、肝移植を行った保険医療機関で行い、診療報酬の分配は相互の合議に委ねる。

K708 膵管外瘻造設術

膵管誘導手術は、膵管外瘻造設術に準じて算定する。

K714 腸管癒着症手術

腸閉塞手術は、その術式により腸管癒着症手術、区分「K715」腸重積症整復術、区分「K716」小腸切除術又は区分「K719」結腸切除術等により算定する。

K716 小腸切除術

(1) 従前の「小腸切除術」、「小腸又は結腸悪性腫瘍手術」を組替え整理したものである。

(2) 小腸切除術に当たって自動縫合器を使用した場合は、「注」の加算点数に3個を限度として使用個数を乗じて得た点数を加算する。

K716―2 腹腔鏡下小腸切除術

腹腔鏡下小腸切除術の適応は、良性小腸疾患とする。

K719 結腸切除術

(1) 従前の「結腸切除術」、「小腸又は結腸悪性腫瘍手術」を組替え整理したものである。

(2) 結腸の全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術を行うに当たって自動縫合器を使用した場合は、「3」の「注」の加算点数に4個を限度として使用個数を乗じて得た点数を加算する。

(3) Pickrell氏手術は、結腸切除術の「1」に準じて算定する。

K721 内視鏡的結腸ポリープ・粘膜切除術

(1) 短期間又は同一入院期間中、回数にかかわらず、第1回目の実施日に1回に限り算定する。

(2) ファイバースコープを使用して大腸ポリープを切除した場合は、内視鏡的結腸ポリープ・粘膜切除術の「2」により算定する。なお、この場合の切除した大腸ポリープの数に関係なく所定点数のみにより算定する。

(3) 大腸壁にくい込んだアニサキスの除去は、区分「K721」内視鏡的結腸ポリープ・粘膜切除術の「2」により算定する。

(4) 早期悪性腫瘍粘膜切除術は、術前に病理学的に悪性腫瘍であることが確認された病変(術前に肉眼的に悪性であることが強く疑われ、病理学的検査を実施せずに早期悪性腫瘍粘膜切除術として施行した後、病理学的検査により悪性腫瘍であることが確認された病変を含む。)に対し行ったときに算定できる。

(5) マイクロ波凝固療法を実施した場合における当該療法に係る費用は、所定点数に含まれる。

K722 小腸結腸内視鏡的止血術

(1) 小腸結腸内視鏡的止血術は1日1回、週3回を限度として算定する。

(2) マイクロ波凝固療法を実施した場合における当該療法に係る費用は、所定点数に含まれる。

K735 先天性巨大結腸症手術

先天性巨大結腸症手術に当たって自動吻合器又は自動縫合器を使用した場合は、「注」の加算点数に4個を限度として使用個数を乗じた点数を加算する。

K735―2 小腸・結腸狭窄部拡張術

短期間又は同一入院期間中、回数にかかわらず、第1回目の実施日に1回に限り算定する。

K736 人工肛門修整術

(1) 直腸癌の手術で人工肛門を造設した後、腸管出口が狭窄を起こしたり、断端の過不足を生じたため、改めてそれを拡張又は整形したときは、人工肛門修整術により算定する。

(2) 人工肛門造設時の余分な腸管の切除は、直腸切除・切断術の所定点数に含まれ、別に算定できない。

K739 直腸腫瘍摘出術(ポリープ摘出を含む。)

マイクロ波凝固療法を実施した場合における当該療法に係る費用は、所定点数に含まれる。

K740 直腸切除・切断術

直腸切除・切断術に当たって自動吻合器又は自動縫合器を使用した場合は、それぞれ1個又は4個を限度として、「注」の加算点数に使用個数を乗じて得た点数を加算する。

K742 直腸脱手術

直腸脱の場合において、直腸脱手術、子宮脱手術及び卵管結紮術の3つの手術を併施した場合は、直腸脱手術の「4」に準じて算定する。

K743 痔核手術(脱肛を含む。)

(1) 脱肛根本手術は、痔核手術の「3」により算定する。

(2) 内痔核に対するミリガン・モーガン手術により1か所又は2か所以上の手術を行った場合は、痔核手術の「3」により算定する。

(3) ホワイトヘッド手術は、痔核手術の「3」により算定する。

(4) 肛門画像9 (1KB)別ウィンドウが開きます
痒症に対し種々の原因治療を施しても治癒しないとき、モルガニー氏洞及び肛門管切開術又は肛門部皮膚剥離切除術を行った場合は、区分「K746」痔瘻根治手術の「1」に準じて算定する。

(5) 結腸又は直腸の拡張を伴う慢性便秘症に対する肛門括約筋切開術は、痔核手術の「1」に準じて算定する。

(6) 肛門の術後狭窄拡張手術は、痔核手術の「3」に準じて算定する。

K746 痔瘻根治手術

高位直腸瘻手術は、痔瘻根治手術の「2」に準じて算定する。

K747 肛門良性腫瘍、肛門ポリープ、肛門尖圭コンジローム切除術

腟ポリープ切除術及び腟壁尖圭コンジローム切除術は、肛門良性腫瘍、肛門ポリープ、肛門尖圭コンジローム切除術に準じて算定する。

K753 毛巣嚢、毛巣瘻手術

毛巣洞の根本手術は、難易にかかわらず毛巣嚢、毛巣瘻手術により算定する。

第10款 尿路系・副腎

K754 副腎摘出術

特発性脱疽に対し、同一の皮切で左右を摘除する副腎髄質摘除術及び左右別々に皮切を加えて摘除する副腎髄質摘除術は、副腎摘出術に準じ、それぞれ左右について別に算定できる。

K754―2 腹腔鏡下副腎摘出術

腹腔鏡下副腎摘出術の適応は、良性副腎腫瘍とする。

K755 副腎腫瘍摘出術

巨大な副腎腫瘍が脾と強く癒着しているため副腎腫瘍摘出術と脾摘出術を併施した場合は、区分「K673」胆管形成手術に準じて算定する。

K757 腎破裂縫合術

腎破裂の手術は、腎破裂縫合術により算定する。

K758 腎周囲膿瘍切開術

腎摘除後の深部瘻孔根本手術は、腎周囲膿瘍切開術に準じて算定する。

K762 腎固定術

遊走腎兼移動性盲腸に対して、必要があって腸固定術、腎固定術を行った際に一皮切から行い得た場合は、同一手術野の手術として「通則15」により腎固定術のみにより算定する。

K764 経皮的尿路結石除去術

経皮的尿路結石除去術は、腎尿管結石症に対して経皮的に腎瘻を造設して、腎瘻より腎盂鏡を挿入し、電気水圧衝撃波、弾性衝撃波又は超音波等により結石を摘出する場合に算定する。

K768 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術

(1) 「一連」とは、治療の対象となる疾患に対して所期の目的を達するまでに行う一連の治療過程をいう。数日の間隔をおいて一連の治療過程にある数回の体外衝撃波腎・尿管結石破砕を行う場合は、1回のみ所定点数を算定する。なお、その他数回の手術の費用は、所定点数に含まれ別に算定できない。

(2) 体外衝撃波腎・尿管結石破砕によっては所期の目的が達成できず、他の手術手技を行った場合の費用は、所定点数に含まれ別に算定できない。

(3) 消耗性電極とは、1回又は2回以上の使用により消耗し、交換が必要となる電極をいう。なお、この加算は一連の手術について1回のみ算定できる。

K769 腎部分切除術

(1) 残腎結核で腎空洞切開術・腎瘻術・腎盂尿管移行部形成術の三者を併施した場合は、区分「K789」尿管腸膀胱吻合術に準じて算定する。

(2) 腎部分切除術を腹腔鏡下に実施した場合には、区分「K769」腎部分切除術に準じて算定する。

K772 腎摘出術

腎摘出術を腹腔鏡下に実施した場合には、区分「K772」腎摘出術に準じて算定する。

K773 腎(尿管)悪性腫瘍手術

腎(尿管)悪性腫瘍手術を腹腔鏡下に実施した場合には、区分「K773」腎(尿管)悪性腫瘍手術に準じて算定する。

K774 腎(腎盂)瘻造設術、K775 経皮的腎(腎盂)瘻造設術

腎(腎盂)瘻造設術及び経皮的腎(腎盂)瘻造設術については、同時に行う超音波検査及び画像診断を併せて算定できない。

K778 腎盂形成手術

腎盂形成手術を腹腔鏡下に実施した場合には、区分「K778」腎盂形成手術に準じて算定する。

K780 同種腎移植術

(1) 同種腎移植術の所定点数には、灌流の費用が含まれる。

(2) 自家腎移植のために対側の腎摘出を行った場合には、移植用腎採取術を別に算定できる。

(3) 生体腎を移植する場合においては腎提供者から移植腎を摘出することに係るすべての療養上の費用を所定点数により算出し、同種腎移植術の所定点数に加算する。なお、腎提供者の生体腎を摘出することに係る療養上の費用には、食事の提供も含まれ、具体的には、「入院時食事療養費に係る食事療養の費用の額の算定に関する基準」(平成6年8月厚生省告示第237号)によって算定した費用額を10円で除して得た数と他の療養上の費用に係る点数を合計した点数とする。この場合、腎提供者から食事にかかる標準負担額を求めることはできない。

(4) 死体腎には、臓器の移植に関する法律(平成9年法律第104号)に規定する脳死体の腎を含む。

(5) 請求に当たっては、腎移植者の診療報酬明細書の摘要欄に腎提供者の氏名及び療養上の費用に係る合計点数を併せて記載するとともに、腎提供者の療養に係る所定点数を記載した診療報酬明細書を添付する。

(6) 腎移植を行った保険医療機関と腎移植に用いる健腎を摘出した保険医療機関とが異なる場合の診療報酬の請求は、腎移植を行った保険医療機関で行い、診療報酬の分配は相互の合議に委ねる。

(7) 「注2」の規定に基づく加算は、死体(脳死体を含む。)から移植のための腎摘出を行う際の摘出前の摘出対象腎の灌流、腎摘出、摘出腎の灌流及び保存並びにリンパ節の保存に要する人件費、薬品・容器等の材料費等の費用がすべて含まれる。ただし、腎摘出を行う医師を派遣した場合における医師の派遣に要した費用及び摘出腎を搬送した場合における搬送に要した費用については療養費として支給し、それらの額は移送費の算定方法に準じて算定する。

K781 経尿道的尿路結石除去術

経尿道的尿路結石除去術は、腎結石症、腎盂結石症又は尿管結石症に対して経尿道的に内視鏡を腎、腎盂又は尿管内に挿入し、電気水圧衝撃波、弾性衝撃波又は超音波等により結石を破砕し、バスケットワイヤーカテーテルを用いて摘出する場合に算定する。ただし、透視下にバスケットワイヤーカテーテルのみで結石を摘出する場合は、区分「K798」膀胱結石、異物摘出術の「1」に準じて算定する。

K783 経尿道的尿管狭窄拡張術

経尿道的尿管狭窄拡張術等の経尿道的手術には、ファイバースコープ等内視鏡検査の費用を含むものであり、別に算定できない。

K784 残存尿管摘出術

尿管剥離術は、残存尿管摘出術により算定する。

K798 膀胱結石、異物摘出術

血友病で腎出血により尿管に凝血が詰まり、詰まった凝血をバスケットワイヤーカテーテルを使用し、経尿道的に除去した場合は、膀胱結石、異物摘出術の「1」に準じて算定する。

K800 膀胱憩室切除術

経尿道的電気凝固術は、膀胱憩室切除術に準じて算定する。

K801 膀胱単純摘除術

(1) 膀胱壁切除術と尿管膀胱移植術の併施は、膀胱単純摘除術の「1」に準じて算定する。

(2) 尿管腫瘍の場合において、腎尿管摘除術と膀胱壁切除を併施した場合は、膀胱単純摘除術に準じて算定する。

K803 膀胱悪性腫瘍手術

尿路変更を伴う膀胱悪性腫瘍手術に当たって自動吻合器又は自動縫合器を使用した場合は、それぞれ1個又は5個を限度として、「注」の加算点数に使用個数を乗じて得た点数を加算する。

K811 腸管利用膀胱拡大術

(1) キャップパッチ膀胱整形術は、腸管利用膀胱拡大術に準じて算定する。

(2) 人工膀胱造設術は、腸管利用膀胱拡大術に準じて算定する。

K817 尿道悪性腫瘍摘出術

尿路変更を伴う尿道悪性腫瘍摘出術に当たって自動吻合器又は自動縫合器を使用した場合は、それぞれ1個又は5個を限度として、「3」の「注」の加算点数に使用個数を乗じて得た点数を加算する。

K819 尿道下裂形成手術

陰茎形成手術は、尿道下裂形成手術に準じて算定する。

K821 尿道狭窄内視鏡手術

(1) 尿道バルーンカテーテルを用いて、尿道狭窄拡張法を行った場合、区分「K818」尿道形成手術の「1」に準じて算定する。

(2) 全身状態が不良で、前立腺被膜下摘出術又は経尿道的前立腺手術が実施できない患者に対し、尿道ステントを用いて、前立腺部の尿道拡張を行った場合は、尿道狭窄内視鏡手術として算定する。ただし、手術に伴う画像診断及び検査の費用は算定しない。

K823 尿失禁手術

恥骨固定式膀胱頸部吊上術を行うものについては、恥骨固定式膀胱頸部吊上キットを用いて尿失禁手術を行った場合に算定する。手術に必要な保険医療材料の費用は所定点数に含まれる。

K823―2 尿失禁コラーゲン注入手術

(1) 注入に用いるコラーゲン、皮内反応用のコラーゲン、注入針等の費用、膀胱鏡の費用等は所定点数に含まれ、別に算定できない。

(2) 本手術の適応は、1年以上改善の見られない腹圧性尿失禁とする。

(3) 所期の目的を達するために複数回実施しても、一連として算定する。

第11款 男子性器

K826 陰茎切断術

陰茎様陰核形成手術は、陰茎切断術に準じて算定する。

K828―2 陰茎持続勃起症手術

陰茎背静脈、尿道海綿体、大伏在静脈又は体外静脈系と陰茎海綿体のシャントを行った場合には、「2」により算定する。

K831 停留精巣(睾丸)摘出術

腹腔内精巣(睾丸)摘除及び潜伏精巣(睾丸)摘出術は、停留精巣(睾丸)摘出術に準じて算定する。

K832 精巣上体(副睾丸)摘出術

精管の結核病巣切除及び精管腫瘍手術は、精巣上体(副睾丸)摘出術に準じて算定する。

K833 精巣(睾丸)悪性腫瘍手術

腫瘍を単に摘出しただけのものは「1」で算定し、腫瘍摘出にリンパ節郭清を併せて行ったものは「2」で算定する。

K834 精索静脈瘤手術

精索静脈瘤について静脈瘤切除及び細小静脈吻合が施行された場合は、精索静脈瘤手術に準じて算定する。

K841―2 経尿道的レーザー前立腺切除術

(1) 本手術は、膀胱・尿道鏡下に行われた場合に算定し、超音波ガイド下に行われたものは算定しない。

(2) 使用されるレーザープローブの費用等レーザー照射に係る費用は所定点数に含まれ、別に算定できない。

K841―3 経尿道的前立腺高温度治療

(1) 本療法は、前立腺肥大組織を45℃以上で加熱するものである。

(2) 本手術の所定点数には、使用される用具等の費用が含まれる。

(3) 所期の目的を達するために複数回実施しても、一連として算定する。

第12款 女子性器

K845 処女膜切開術

(1) 膣の膜様狭窄に対し膜様切開を行ったときは、処女膜切開術に準じて算定する。

(2) 膣狭窄症に対して輪状切除縫合を行ったときは、区分「K855」膣中隔切除術の「2」に準じて算定する。

(3) 高度の膣狭窄で膣壁切開及び皮膚又は卵膜片移植を併施したときは、区分「K859」造膣術に準じて算定する。

K848 バルトリン腺嚢胞摘出術・造袋術

バルトリン腺腫瘍摘除術は、バルトリン腺嚢胞摘出術・造袋術に準じて算定する。

K851 会陰形成手術

癒合陰唇形成手術は、会陰形成手術に準じて算定する。

K852 膣壁裂創縫合術(分娩時を除く。)

子宮全脱の場合のノイゲバウエル中央膣閉鎖術は、膣壁裂創縫合術(分娩時を除く。)の「3」に準じて算定する。

K854 膣式旁結合織膿瘍切開術

(1) 子宮旁結合織炎(膿瘍)切開排膿は、初回は膣式旁結合織膿瘍切開術に準じて算定する。第2回以後の洗浄は区分「J066」尿道拡張法に準じて算定する。

(2) 子宮外妊娠の疑いのある場合の後膣円蓋切開は、膣式旁結合織膿瘍切開術に準じて算定する。

K856 膣壁腫瘍摘出術

膣壁嚢腫切除術は、膣壁腫瘍摘出術に準じて算定する。

K858 膣腸瘻閉鎖術

膣壁裂創で直腸裂傷を伴うものは、膣腸瘻閉鎖術に準じて算定する。

K859 造膣術

(1) 膣閉鎖症手術は、造膣術により算定する。

(2) マックインド法による人工造膣術は、造膣術に準じて算定する。

K865 子宮脱手術

(1) 膣壁縫合術の費用は子宮脱手術の所定点数に含まれ、別に算定できない。

(2) 子宮脱手術に際して膣壁裂創縫合術と腹式子宮全摘術を併施した場合は、区分「K852」膣壁裂創縫合術(分娩時を除く。)の所定点数と区分「K877」子宮全摘術の所定点数とを合算した点数により算定する。

ただし、子宮脱手術に際して区分「K852」膣壁裂創縫合術(分娩時を除く。)と区分「K872」子宮筋腫核出術の「2」膣式を併施した場合は、区分「K872」子宮筋腫核出術の所定点数のみにより算定する。

K866 子宮頸管ポリープ切除術

子宮膣部冷凍凝固術は、子宮頸管ポリープ切除術に準じて算定する。

K867 子宮頸部切除術

(1) 子宮膣部円錐切除術、子宮膣部切除術(スツルムドルフ手術を含む。)、子宮膣部切断術及び子宮頸部摘出術(膣部切断術を含む。)は、子宮頸部切除術により算定する。

(2) 子宮頸部の異形成上皮又は上皮内癌に対してレーザー照射療法のみを行った場合は子宮頸部切除術に準じて算定する。

K872 子宮筋腫核出術

(1) 腹式粘膜下筋腫摘出術、子宮頸部筋腫摘出術及び膣式子宮筋腫摘出術は、子宮筋腫核出術により算定する。

(2) 痕跡副角子宮手術は、子宮筋腫核出術に準じて算定する。

(3) 子宮頸部初期癌又は異形成に対する光線力学療法は、区分「K872」子宮筋腫核出術の「2」に準じて算定する。当該光線力学療法は、ポルフィマーナトリウムを投与した患者に対しエキシマ・ダイ・レーザー(波長630nm)及びYAG―OPOレーザーを使用した場合など、保険適用された薬剤、機器を用いて行った場合に限り算定できる。

K877―2 腹腔鏡下膣式子宮全摘術

腹腔鏡下膣式子宮全摘術の適応は、良性子宮疾患とする。

K879 子宮悪性腫瘍手術

(1) 子宮広汎全摘除術は子宮悪性腫瘍手術により算定する。

(2) 子宮膣上部切断術、コット手術、クレニッヒ手術及び尿管腸管移植術を併施した場合は、子宮悪性腫瘍手術に準じて算定する。

K882 重複子宮、双角子宮手術

(1) 重複子宮における一側子宮摘除形成の場合は、重複子宮、双角子宮手術に準じて算定する。

(2) 分離重複子宮における一側子宮摘除形成の場合は、重複子宮、双角子宮手術に準じて算定する。

K883 子宮頸管形成手術

子宮頸管閉鎖症を鈍的に拡張した場合は、区分「J080」子宮頸管拡張及び分娩誘発法の「3」に準じて算定する。また、観血的に行った場合は、子宮頸管形成手術に準じて算定する。

K884 奇形子宮形成手術(ストラスマン手術)

特に開腹によらなければならない場合であって膀胱剥離の後、ラッシュ氏手術を施行した場合は奇形子宮形成手術(ストラスマン手術)に準じて算定する。

K887 卵巣部分切除術(膣式を含む。)

(1) 卵管結紮術(膣式を含む。)(両側)及び卵管口切開術は、卵巣部分切除術(膣式を含む。)に準じて算定する。

(2) 腹腔鏡下多嚢胞性卵巣焼灼術は卵巣部分切除術の「2」に準じて算定する。

K888 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)

卵巣腫瘍摘出術(両側)、卵管全摘除術(両側)、卵管腫瘤全摘除術(両側)及び子宮卵管留血腫手術は、子宮附属器腫瘍摘出術(両側)により算定する。

K890―2 卵管鏡下卵管形成手術

手術に伴う腹腔鏡検査等の費用は、所定点数に含まれ、別に算定できない。

K892 骨盤位娩出術

産科娩出術において双子の場合は、帝王切開術を除き1児ごとに所定点数を算定する。

K898 帝王切開術

緊急帝王切開術は、選択帝王切開以外であって、経膣分娩を予定していたが、母体及び胎児の状況により緊急に帝王切開となった場合に算定する。

K900 臍帯還納術

脱垂肢整復術は、臍帯還納術に準じて算定する。

K905 子宮内反症整復手術(膣式、腹式)

子宮内反症の非観血的整復術は区分「J080」子宮頸管拡張及び分娩誘発法の「4」に準じて算定する。

K906 子宮頸管縫縮術

(1) 子宮頸管縫縮術のうち、シロッカー法は、筋膜採取を含めて所定点数による。

(2) シロッカー法の場合のプラスチックチューブの抜去術は、子宮頸管縫縮術の「3」に準じて算定する。

K907 胎児外回転術

胎児外回転術の算定は分娩時のみに限るものではないが、その効果が十分期待しうる時期に実施された場合に限り算定する。

K909 流産手術

(1) 流産手術は原則として、術式を問わず、また、あらかじめ頸管拡張を行った場合であってもそれを別に算定することなく、本区分の所定点数のみで算定する。

(2) 人工妊娠中絶のために必要があって、区分「K898」帝王切開術、区分「K877」子宮全摘術又は区分「K876」子宮膣上部切断術を実施した場合は、流産手術の所定点数によらずそれぞれの所定点数により算定する。

(3) 妊娠満22週以上のものの中絶は、流産手術として算定せず、実際に行った分娩誘導又は産科手術の術式の所定点数によって算定する。

(4) 不全流産の場合の子宮内容除去術は、流産手術の「1」に準じて算定する。

K912 子宮外妊娠手術

外妊破裂を起こさなかった場合でも算定できる。

K913 新生児仮死蘇生術

新生児仮死蘇生術は、「通則7」の新生児加算を算定できる。

第2節 輸血料

K920 輸血

(1) 自家採血輸血、保存血液輸血及び自己血輸血の算定に当たっては、200mLを単位とし、200mL又はその端数を増すごとに所定点数を算定する。ただし、6歳未満の患者に対して自己血輸血を行った場合は、体重1kgにつき4mLを単位とし、当該単位又はその端数を増すごとに所定点数を算定する。

(2) 自家採血輸血及び保存血液輸血における1回目とは、一連の輸血における最初の200mLの輸血をいい、2回目とはそれ以外の輸血をいう。

(3) 輸血と補液を同時に行った場合は、輸血の量と、補液の量は別々のものとして算定する。

(4) 自家採血輸血を算定する単位としての血液量は、採血を行った量ではなく、実際に輸血を行った1日当たりの量である。

(5) 自家製造した血液成分製剤を用いた注射の手技料は、原材料として用いた血液の量に従い、「1」により算定する。ただし、この場合の血液の量は3,000mLを限度とすること。この場合、患者に用いるリンゲル液、糖液等については、区分「G100」薬剤により算定するが、自家製造に要する費用及び製造の過程で用いる薬剤については算定できない。

(6) 同種骨髄移植後の慢性骨髄性白血病の再発、骨髄異形成症候群の再発及びEBウイルス感染によるB細胞性リンパ球増殖性疾患に対し、骨髄提供者のリンパ球を採取・輸注した場合は、「1」に準じて算定する。

(7) 保存血液輸血の注入量は、1日における保存血及び血液成分製剤(自家製造したものを除く。)の実際に注入した総量又は原材料として用いた血液の総量のうちいずれか少ない量により算定する。例えば、200mLの血液から製造された30mLの血液成分製剤については30mLとして算定し、200mLの血液から製造された230mLの保存血及び血液成分製剤は、200mLとして算定する。

(8) 濃縮血小板血漿の注入は、輸血の「2」により算定する。なお、血漿成分製剤(新鮮液状血漿、新鮮凍結人血漿等)は注射の部において取り扱われる。

(9) 自己血輸血は、当該保険医療機関において手術を予定している患者から採血を行い、当該血液を保存し、当該保険医療機関において手術を行う際に当該血液を輸血した場合において、手術に伴い輸血を行ったときに算定できる。ただし、輸血を行わなかった場合には算定できない。

(10) 自己血輸血を算定する単位としての血液量は、採血を行った量ではなく、手術開始後に実際に輸血を行った1日当たりの量である。なお、使用しなかった保存血については、算定できない。

(11) 患者への説明

ア 「注1」に規定する説明とは、別紙様式17を参考として、文書により輸血の必要性、副作用、輸血方法及びその他の留意点等について、輸血を行う際に患者本人に対して行うことを原則とするが、医師の説明に対して理解ができないと認められる患者(例えば小児、意識障害者等)については、その家族等に対して説明を行うことが必要である。

イ アの説明は、当該患者に対する一連の輸血につき1回行うものとする。なお、この場合、「一連」とは、概ね1週間とする。ただし、再生不良性貧血、白血病等の患者の治療において、輸血の反復の必要性が明らかである場合はこの限りでない。

ウ 説明に用いた文書については、患者(医師の説明に対して理解が困難と認められる小児又は意識障害者等にあっては、その家族等)から署名又は押印を得た上で、当該患者に交付するとともに、その文書の写しを診療録に貼付することとする。

エ 緊急その他事前に説明を行うことが著しく困難な場合は、事後の説明でも差し支えないものとする。

(12) 輸血に当たっては、「血液製剤の使用指針」(平成11年6月10日医薬発第715号)、「輸血療法の実施に関する指針」(平成11年6月10日医薬発第715号)及び「血小板製剤の使用基準」(平成6年7月11日薬発第638号)を遵守するよう努めるものとする。

(13) 「注3」の加算は、第1節に掲げる手術と同日に骨髄内輸血又は血管露出術が行われた場合には、算定できない。

(14) 加算を算定できるHLA型適合血小板輸血は、白血病又は再生不良性貧血の場合であって、抗HLA抗体のために血小板輸血に対して不応状態となり、かつ、強い出血傾向を呈しているものに限る。なお、この場合において、対象となる白血病及び再生不良性貧血の患者の血小板数は概ね、それぞれ2万/mm3以下及び1万/mm3以下を標準とする。

(15) 「注7」の血液交叉試験又は間接クームス検査の加算は、生血を使用する場合にあっては、供血者ごとに、保存血を使用する場合にあっては、血液瓶1瓶ごとにそれぞれ算定する。

(16) 「注9」に規定する「輸血に伴って行った供血者の諸検査」には、HCV抗体価精密測定検査、HIV―1抗体価測定検査、HIV―1,2抗体価測定検査、HTLV―I抗体価測定検査及び不規則抗体検査等が含まれ、これらの検査に係る費用は別に算定できない。

(17) 自己血を採血する際の採血バッグ並びに輸血する際の輸血用回路及び輸血用針の費用並びに自己血の保存に係る費用は、所定点数に含まれ別に算定できない。

(18) 赤血球と血漿タンパクの両成分の輸血を必要とする病態の場合は、全血を輸血すべきであって、赤血球濃厚液と新鮮凍結血漿とを併用し、全血の代用として輸血した場合には算定できない。ただし、真にやむを得ない事情がある場合に限り、赤血球濃厚液と新鮮凍結血漿とを併用して輸血したときは算定できる。この場合、当該事情を診療報酬明細書の摘要欄に記載する。

K921 移植骨髄穿刺

移植骨髄穿刺は、骨髄移植においてK922の(2)に規定する同種移植を行い、区分「K922」の骨髄移植が算定できる場合に限り、骨髄提供者に対して行った骨髄穿刺の回数にかかわらず、骨髄移植の所定点数とは別に、算定する。なお、この場合において、骨髄提供者の骨髄の採取に係る当該骨髄穿刺を検査又は処置の部の骨髄穿刺の所定点数により算定することはできない。

K922 骨髄移植

(1) 骨髄移植の所定点数には、骨髄移植に関連して実施した骨髄採取、組織適合性試験及び骨髄造血幹細胞測定の費用がすべて含まれる。

(2) 同種移植とは、ヒト組織適合性抗原が一致する提供者の骨髄を移植する場合をいうものであり、同種移植を行う場合においては、骨髄提供者から骨髄を採取することに係るすべての費用を各所定点数により算定し、骨髄移植の所定点数に加算する。

(3) 同種移植の所定点数は、適合する骨髄提供者の情報検索連絡調整に係る費用等、骨髄移植の実施に必要な費用の一部も含めて評価したものである。

(4) 同種移植の対象疾患は、白血病、再生不良性貧血、骨髄異形成症候群、重症複合型免疫不全症等であり、また、自家末梢血幹細胞移植、自家造血幹細胞移植の対象疾患は、化学療法や放射線療法に感受性のある白血病等の悪性腫瘍である。

(5) 請求に当たっては、骨髄移植者の診療報酬明細書の摘要欄に骨髄提供者の氏名及び療養上の費用に係る合計点数を併せて記載するとともに、骨髄提供者の療養に係る所定点数を記載した診療報酬明細書を添付する。

(6) 骨髄採取を行う医師を派遣した場合における医師の派遣に要した費用及び採取した骨髄を搬送した場合における搬送に要した費用については療養費として支給し、それらの額は移送費の算定方法に準じて算定する。

(7) 骨髄採取を行った医療機関と骨髄移植を行った保険医療機関とが異なる場合の診療報酬の請求は、骨髄移植を行った保険医療機関で行い、診療報酬の分配は相互の合議に委ねる。

K922―2 臍帯血移植

(1) 移植に使用した臍帯血の保存施設から移植実施保険医療機関までの搬送に要した費用については療養費として支給し、その額は移送費の算定方法に準じて算定する。

(2) 臍帯血移植の所定点数は、臍帯血の管理に係る費用等、臍帯血移植の実施に必要な費用の一部も含めて評価したものである。

K923 術中術後自己血回収術

(1) 開心術及び大血管手術で出血量が600mL以上の場合並びにその他無菌的手術で出血量が600mL以上の場合(外傷及び悪性腫瘍の手術を除く。)に、術中術後自己血回収術を算定する。

(2) 術中術後自己血回収セットとは、術野から血液を回収して、濃縮及び洗浄を行い、又は濾過を行い、当該手術の際に患者の体内に戻す一連の器具をいう。

第10部の2 手術(老人医科診療報酬点数表関係)

手術料の算定は、医科点数表の例によること。

第11部 麻酔(医科診療報酬点数表関係)

<通則>

1 血圧降下等当然予測される副作用等を防止するための注射、麻酔の前処置として行われる麻薬、鎮静剤等の注射及び投薬に要する費用については、第3節薬剤料の規定に基づき薬価基準の定めるところにより算定できる。

2 麻酔の術中に起こる偶発事故に対する処置(酸素吸入、人工呼吸)及び注射(強心剤等)等の費用は、別に算定することができる。ただし、区分「L008」マスク又は気管内挿管による閉鎖循環式全身麻酔の場合は、区分「J024」酸素吸入、区分「J045」人工呼吸は算定できない。

3 麻酔が前処置と局所麻酔のみによって行われる場合には、麻酔の手技料は手術料に含まれ、算定できない。ただし、薬剤を使用した場合は、第3節薬剤料の規定に基づき薬価基準の定めるところにより算定できる。

4 麻酔法の選択については、保険診療の原則に従い、経済面にも考慮を払いつつ、必要に応じ妥当適切な方法を選択することが必要である。なお、特に規定するものについては、当該規定に従い適切に行うこと。

5 第1節及び第2節に掲げる麻酔法(1つに限る。)を別の麻酔の補助麻酔、強化麻酔又は前処置として行った場合の麻酔料は、主たる麻酔法の所定点数のみを算定する。この場合、当該一連の麻酔に使用されたすべての薬剤については薬剤料として算定できる。

なお、手術中において他の麻酔法を追加併用した場合も同様に算定する。

6 「通則」の麻酔料又は神経ブロック料の所定点数とは、麻酔料又は神経ブロック料の節に掲げられた点数及び各注に規定する加算(酸素又は窒素を使用した場合の加算及び呼気麻酔ガス濃度監視を行った場合の加算を除く。)の合計をいい、「通則」の加算点数は含まない。

7 「通則2」の加算及び「通則3」の加算は、第1節麻酔料(麻酔管理料は除く。)又は第2節神経ブロック料について適用され、第3節薬剤料については適用されない。この場合、麻酔に要する費用は、麻酔料及び神経ブロック料の所定点数に各通則の加算を加えた点数並びに薬剤料の合計点数により算定する。

8 「通則2」の未熟児に対する加算は、出生時体重が2,500グラム未満の新生児に対し、出生後90日以内に麻酔が行われた場合に限り算定できる。

9 「通則3」の休日加算、時間外加算又は深夜加算(本項において「時間外加算等」という。)の取扱いは、次に掲げるものの他、初診料の時間外加算等と同様である。

ア 麻酔料

時間外加算等が算定できる緊急手術に伴う麻酔に限り算定できる。

イ 神経ブロック料

緊急やむを得ない理由により時間外加算等が算定できる時間に行われた場合に算定できる。

10 麻酔料に掲げられていない麻酔であって特殊な麻酔の麻酔料は、その都度当局に内議し、最も近似する麻酔として準用が通知された算定方法により算出する。

第1節 麻酔料

L000 迷もう麻酔

(1) 迷もう麻酔とは、吸入麻酔であって、その実施時間が数分程度のものをいう。

(2) ガス麻酔器を使用する数分間の麻酔は、本区分により算定する。

L002 硬膜外麻酔

(1) 実施時間は、硬膜外腔に当該麻酔を施行するために局所麻酔薬を注入した時点を開始時間とし、当該手術の終了した時点を終了時間として計算する。

(2) 第12胸椎と第1腰椎の間より硬膜外針を刺入した場合は「1」で算定する。また、第5腰椎と第1仙椎の間より硬膜外針を刺入した場合は「2」で算定する。

(3) 区分「L008」マスク又は気管内挿管による閉鎖循環式全身麻酔の「注4」の硬膜外麻酔加算を算定した場合には、硬膜外麻酔の時間加算は算定できない。

L003 硬膜外麻酔後における局所麻酔剤の持続的注入

精密持続注入とは、自動注入ポンプを用いて1時間に10mL以下の速度で局所麻酔剤を注入するものをいう。

L004 脊椎麻酔

実施時間は、くも膜下腔に局所麻酔剤を注入した時点を開始時間とし、当該手術の終了した時点を終了時間として計算する。

L005 上・下肢伝達麻酔

(1) 上肢伝達麻酔は、手術のために腕神経叢の麻酔を行った場合に算定する。

(2) 下肢伝達麻酔は、手術のために少なくとも坐骨神経及び大腿神経の麻酔を行った場合に算定する。

L006 球後麻酔及び顔面・頭頸部の伝達麻酔

球後麻酔と顔面伝達麻酔を同時に行った場合は、主たるもののみで算定し、重複して算定できない。

L007 開放点滴式全身麻酔

吸入麻酔を10分以上連続して実施した場合は、本区分により算定する。

L008 マスク又は気管内挿管による閉鎖循環式全身麻酔

(1) ガス麻酔器を使用する閉鎖式・半閉鎖式等の全身麻酔を相当長時間実施した場合は、本区分により算定し、数分間の使用にとどまる場合は、区分「L000」迷もう麻酔により算定する。

(2) 流量計を装置した酸素ボンベ及びエーテル蒸発装置を使用し、気管内チューブ挿入吹送法又はノンレブリージングバルブを使用して麻酔を維持した場合は本区分に準じて算定できる。

(3) プロポフォールを用いて相当長時間にわたる全身麻酔の維持を行う場合であって、マスク又は気管内挿管による酸素吸入又は酸素・亜酸化窒素混合ガス吸入と併用する場合は、本区分及び各注に準じて算定できる。

(4) 本区分について「通則3」の加算を算定する場合の所定点数は、「注1」、「注2」及び「注4」による加算を含むものとする。

(5) 時間加算(注1)

ア 実施時間は、当該麻酔を行うために閉鎖循環式全身麻酔器を患者に接続した時点を開始時間とし、患者が当該麻酔器から離脱した時点を終了時間として計算する。なお、これ以外の手術室の中で行われる処置、観察等の時間は実施時間に算入しない。

イ 当該麻酔の開始時間及び終了時間を麻酔記録に記載すること。

(6) 心臓手術等加算(注2)

ア 100分の10、100分の50、100分の100又は100分の200の2つ以上に該当する場合は主たる加算のみ算定し、重複して算定できない。

イ 当該加算の対象となる「心臓手術」とは、開胸式心大血管手術をいう。

ウ 100分の100の加算対象となる「低血圧麻酔」とは、手術操作を安全にし、出血量を減少させる目的で、脳動脈瘤手術や出血しやすい手術の際に、低血圧の状態を維持する麻酔をいう。なお、この場合の「低血圧」とは概ね、患者の通常収縮期血圧の60%又は平均動脈圧で60~70mmHgを標準とする。