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6 画像診断及び検査の費用を別に算定できない手術の際に画像診断又は検査を行った場合においても、当該画像診断及び検査に伴い使用したフィルムに要する費用については、区分「E400」(注を含む。)に掲げるフィルム料を算定できる。また、当該画像診断及び検査に伴い特定保険医療材料又は薬剤を使用した場合は、特定保険医療材料料又は薬剤料を算定できる。なお、この場合、フィルム料、特定保険医療材料料及び薬剤料以外の画像診断及び検査の費用は別に算定できない。

7 第1節手術料に掲げられていない手術のうち、簡単な手術の手術料は算定できないが、特殊な手術(点数表にあっても、手技が従来の手術と著しく異なる場合等を含む。)の手術料は、その都度当局に内議し、最も近似する手術として準用が通知された算定方法により算定する。

例えば、従来一般的に開胸又は開腹により行われていた手術を内視鏡下において行った場合等はこれに該当する。

8 「通則5」に規定する体外循環を要する手術とは、区分「K555」から「K587」まで及び、「K589」から「K595」までに掲げる人工心肺を用いた手術をいう。

9 「通則7」の加算は、第1節手術料に定める手術にのみ適用され、輸血料、薬剤料及び特定保険医療材料料は加算の対象とならない。

また、「通則7」の「所定点数」とは、第1節手術料の各区分に掲げられた点数及び各区分の注に規定する加算(創外固定器、自動吻合器又は自動縫合器を使用した場合の加算、保険医療材料に係る加算を除く。)の合計をいい、通則の加算点数は含まない。

10 「通則9」に規定する脊椎、脊髄又は大動脈瘤の手術とは、区分「K116」から「K118」まで、「K126」から「K139」まで、「K142」、「K183」から「K192」まで、及び「K605」に掲げる手術をいう。なお、これらの項目に準じて所定点数を算定する手術については、「通則9」の加算は行わない。

11 「通則11」の加算は、HIV―1抗体価精密測定、HIV―2抗体価精密測定によってHIV抗体が陽性と認められた患者又はHIV―1核酸同定検査によってHIV―1核酸が確認された患者に対して観血的手術を行った場合に1回に限り算定する。ただし、同一日に複数の手術を行った場合は、主たる手術についてのみ加算する。

12 「通則12」の加算は、次のいずれかに該当する患者に対して全身麻酔、硬膜外麻酔又は脊椎麻酔を伴う観血的手術を行った場合に1回に限り算定する。ただし、同一日に複数の手術を行った場合は、主たる手術についてのみ加算する。

(1) 感染症法に基づく医師から都道府県知事等への届出のための基準により医師により届け出が義務付けられているメチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症の患者(診断した医師の判断により、症状や所見から当該疾患が疑われ、かつ、病原体診断がなされたもの。)

(2) HBs又はHBe抗原精密測定によって抗原が陽性と認められたB型肝炎患者

(3) HCV抗体価精密測定又はHCV抗体価検査によってHCV抗体が陽性と認められたC型肝炎患者

(4) 微生物学的検査により結核菌を排菌していることが術前に確認された結核患者

13 「通則13」の入院中の患者以外の患者に対する手術の休日加算、時間外加算又は深夜加算は、次の場合に算定できる。ただし、手術が保険医療機関又は保険医の都合により休日、時間外又は深夜に行われた場合には算定できない。

(1) 休日加算、時間外加算又は深夜加算が算定できる初診又は再診に引き続き行われた緊急手術の場合

(2) 初診又は再診から手術までの間に、手術に必要不可欠な検査等を行い、かつ、当該検査等の終了後に手術(休日に行うもの又はその開始時間(執刀した時間をいう。)が診療時間以外の時間若しくは深夜であるものに限る。)を開始した場合であって、当該初診又は再診から手術の開始時間までの間が8時間以内である場合(当該手術の開始時間が入院手続きの後の場合を含む。)

14 「通則13」の入院中の患者に対する手術の休日加算又は深夜加算は、病状の急変により、休日に緊急手術を行った場合又は開始時間が深夜である緊急手術を行った場合に算定できる。

ただし、手術が保険医療機関又は保険医の都合により休日又は深夜に行われた場合には算定できない。

15 「通則13」の休日加算、時間外加算又は深夜加算の対象となる時間の取扱いは初診料と同様である。また、「通則13」の加算に係る適用の範囲及び「所定点数」については、「通則7」の加算の取扱いと同様(本通則8参照)である。なお、区分「K780」同種腎移植術の「注2」に規定する死体腎移植加算について、「通則13」の加算を算定する場合は、同種腎移植の開始時間により要件の該当の有無を判断するのではなく、死体腎の摘出術の開始時間をもって判断する。

16 「通則14」の「特に規定する場合」とは、各区分に掲げる手術名の末尾に両側と記入したものをいう。なお、この場合において、両側にわたり手術を行う医療上の必要性がなく片側の手術のみを行った場合であっても、両側に係る所定点数を算定することができる。

また、肺の両側に対し手術を行った場合は、片側それぞれについて算定できる。

17 同一手術野又は同一病巣における算定方法

(1) 「通則15」の「同一手術野又は同一病巣」とは、原則として、同一皮切により行い得る範囲をいい、具体的には、次のような手術の組み合わせが行われる範囲をいう。この場合においては、「主たる手術」の所定点数のみを算定する。なお、「主たる手術」とは、所定点数及び注による加算点数を合算した点数の高い手術をいう。

ア 肺切除術の際に併施する簡単な肺剥皮術

イ 虫垂切除術と盲腸縫縮術

ウ 子宮附属器腫瘍摘出術と卵管結紮術

(2) (1)にかかわらず、「同一皮切により行い得る範囲」内にあっても、次に掲げる場合には、「同一手術野又は同一病巣」には該当せず、それぞれ所定点数を算定する。なお、それらの他、「同一皮切により行い得る範囲」の原則によることが著しく不合理である場合は、「通則3」に照らしてその都度当局に内議のうえ決定する。

ア 胃癌に対する胃切除術(消化器系の手術)と腹部大動脈瘤に対する大動脈瘤切除術(脈管系の手術)の組み合わせ等、相互に関連のない2手術を同時に行う場合

イ 胃切除術と直腸切除術の組み合わせ等、同じ消化器系の手術であっても、遠隔部位の2手術を行う場合

ウ 人工妊娠中絶術(腟式手術)と卵管結紮術(開腹術)の組み合わせ等、通常行う手術の到達方法又は皮切及び手術部位が異なる場合

(3) 同一手術野又は同一病巣であっても、「厚生労働大臣が定める複数手術に係る費用の特例(平成14年厚生労働省告示第91号)」に規定するものについては、主たる手術の所定点数に、従たる手術(1つに限る。)の所定点数の100分の50に相当する額を加えた点数により算定する。なお、具体的な取扱いについては、別途通知する。

(4) 指に係る同一手術野の範囲

指に係る同一手術野の範囲と算定方法については次の通りである。

ア 第1指から第5指までを別の手術野とする次に掲げる手術のうち、2つ以上の手術を同一指について行った場合には、「通則15」における「別に厚生労働大臣が定めた場合」に該当する場合を除き、当該手術の中で主たる手術の所定点数のみを算定する。なお、複数指について行った場合には、それぞれの指について算定する。

(イ) 第1指から第5指(中手部・中足部若しくは中手骨・中足骨を含む。)のそれぞれを同一手術野とする手術は、次に掲げる手術である。

区分「K028」腱鞘切開術

区分「K034」腱切離術・腱切除術

区分「K035」腱剥離術

区分「K037」腱縫合術

区分「K038」腱延長術

区分「K039」腱移植術(人工腱形成術を含む。)の「1」指(手、足)

区分「K040」腱移行術の「1」指(手、足)

区分「K046」骨折観血的手術

(ロ) 第1指から第5指(中手部・中足部若しくは中手骨・中足骨を含まない。)のそれぞれを同一手術野とする手術は、次に掲げる手術である。ただし、合指症手術にあっては各指間のそれぞれを同一手術野とする。

区分「K089」爪甲除去術 区分「K100」多指症手術

区分「K090」・疽手術 区分「K101」合指症手術

区分「K091」陥入爪手術 区分「K102」巨指症手術

区分「K099」指瘢痕拘縮手術 区分「K103」屈指症手術、斜指症手術

第1節手術料の項で「指(手、足)」と規定されている手術(区分「K046」骨折観血的手術、区分「K039」腱移植術(人工腱形成術を含む。)の「1」指(手、足)及び区分「K040」腱移行術の「1」指(手、足)を除く。)

イ デブリードマンその他(イ)及び(ロ)に該当しない手術については、第1指から第5指までを同一手術野として取り扱い、当該手術のうち2以上の手術を複数指に行った場合には、「通則15」における「別に厚生労働大臣が定めた場合」に該当する場合を除き、主たる手術の所定点数のみを算定する。

ウ 第1指から第5指までを別の手術野として取り扱う手術と、第1指から第5指までを同一手術野として取り扱う手術を同時に行った場合にあっては、それぞれの手術が別々の指に対して行われたものであっても、「通則15」における「別に厚生労働大臣が定めた場合」に該当する場合を除き、主たる手術の所定点数のみを算定する。

ただし、第1指から第5指までを別の手術野として取り扱う手術を複数指に対し行った場合に、それぞれの点数を合算した点数が、同一手術野として取り扱う手術の点数よりも高くなる場合にあっては、いずれかにより算定する。

(5) 眼球の手術(第1節手術料第4款眼に掲げるものをいう。)については、片眼を同一手術野として取り扱う。

(6) 多発性嚢腫等で近接しているものについては、数か所の切開を行った場合でも1切開として算定する。また、麦粒腫、霰粒腫等については、同一瞼内にあるものについては1回として算定する。

(7) 骨折整復と脱臼整復を併施した場合については、骨折部位と関節との距離やそれぞれの整復が非観血的に行われたか観血的に行われたか、また、一方の整復手技が他方の整復手技と個別に行われる場合と、併せて1手術とみなすのが適当な場合等によって異なるが、一般には近接部位の場合は通例同一手術野の手術として「通則15」により主たる手術の所定点数のみにより算定する。

(8) 悪性腫瘍に対する手術において、リンパ節郭清術、頸部郭清術(ネックディセクション)は所定点数に含まれ、特に規定する場合を除き、別に算定できない。

(9) 「通則15」の植皮術とは区分「K012」全層、分層植皮術(露出部・粘膜部・関節部以外の部位)及び区分「K013」全層、分層植皮術(露出部・粘膜部・関節部)をいう。

18 手術の中絶等の場合の算定方法

(1) 手術の開始後、患者の病状の急変等やむを得ない事情により手術を中途で中絶せざるを得なかった場合においては、当該中絶までに施行した実態に最も近似する手術項目の所定点数により算定する。

例えば、胃切除術を行うべく開腹したが、適応でないのでそのまま手術創を閉じた場合は、区分「K636」試験開腹術の所定点数により、また、全副鼻腔根本手術を開始したが、上顎洞、篩骨洞を終えたのみで中絶した場合は、区分「K358」上顎洞篩骨洞根本手術の所定点数により、算定する。なお、術前において中絶した場合は、算定の対象にならない。

(2) 妊娠9か月において子宮出血があり、前置胎盤の疑いで入院し、止血剤注射を行い帝王切開の準備として諸器械の消毒を終ったところ出血が止まり、そのまま分娩した場合の消毒に要した諸経費は、保険給付の対象とならない。

(3) 手術の準備をしていたところ、患者が来院しなかったとき又は患者が手術の術前において手術不能となった場合は保険給付の対象とならない。

19 臓器等移植における組織適合性試験及び臓器等提供者に係る感染症検査の取扱い

(1) 組織適合性試験

ア 組織適合性試験とは、HLA型クラスⅠ(A、B、C)、クラスⅡ(DR、DQ、DP)及びDNAタイピングをいう。

イ 次に掲げる臓器等移植の提供者に係る組織適合性試験の費用は所定点数に含まれ、別に算定できない。

区分「K697―4」移植用部分肝採取術(生体)

区分「K779」移植用腎採取術(生体)

区分「K780」同種腎移植術(死体腎を移植する場合に限る。)

区分「K921」移植骨髄穿刺

ウ 次に掲げる臓器等移植の移植者に係る組織適合性試験の費用は所定点数に含まれ、別に算定できない。

区分「K697―5」生体部分肝移植

区分「K780」同種腎移植術

区分「K922」骨髄移植の「1」同種移植

エ 次に掲げる臓器等移植の提供者及び移植者に係る組織適合性試験の費用は所定点数に含まれ、別に算定できない。

区分「K922」骨髄移植の「3」同種末梢血幹細胞移植

区分「K922―2」臍帯血移植

(2) 臓器等提供者に係る感染症検査

ア 臓器等提供者に係る感染症検査とは、HBs抗原、HBc抗体価、HCV抗体価、HIV―1抗体価、HIV―2抗体価、HTLV―Ⅰ抗体価、TPHA試験又はサイトメガロウイルス抗体価(同一検査で一般測定及び精密測定又は定性及び定量測定がある場合は、いずれか1つの検査に限る。)の全部又は一部をいう。

イ 次に掲げる臓器等移植に際し、必要に応じ臓器等提供者に係る感染症検査を行った場合には、スクリーニング検査1回に限り、別に算定できる。

区分「K014」皮膚移植術

区分「K697―4」移植用部分肝採取術(生体)

区分「K779」移植用腎採取術(生体)

区分「K780」同種腎移植術(生体腎を移植する場合に限る。)

区分「K921」移植骨髄穿刺

区分「K922」骨髄移植の「3」同種末梢血幹細胞移植

区分「K922―2」臍帯血移植

ウ 次に掲げる臓器等移植に際し行った臓器等提供者に係る感染症検査は、所定点数又は特定保険医療材料料に含まれ、別に算定できない。

区分「K259」角膜移植術

区分「K780」同種腎移植術(死体腎を移植する場合に限る。)

20 第1節第2款筋骨格系・四肢・体幹に掲げる手術のうち、関節鏡下によることができるものについては、内視鏡下によるものの場合にも算定できる。

21 既に保険適用されている腹腔鏡下手術以外の手術で腹腔鏡を用いる場合については、その都度当局に内議し準用が通知されたもののみが保険給付の対象となる。それ以外の場合については、その手術を含む診療の全体が保険適用とならないので留意されたい。なお、胸腔鏡下手術も同様の取扱いとする。

第1節 手術料

第1款 皮膚・皮下組織

K000 創傷処理

(1) 創傷処理とは、切・刺・割創又は挫創に対して切除、結紮又は縫合を行う場合の第1回治療のことであり、第2診以後の手術創に対する処置は区分「J001」術後創傷処置により算定する。

(2) 創傷が数か所あり、これを個々に縫合する場合は、近接した創傷についてはそれらの長さを合計して1つの創傷として取り扱い、他の手術の場合に比し著しい不均衡を生じないようにすること。

(3) 「注2」の「露出部」とは、顔面、頸部、上肢にあっては肘関節以下及び下肢にあっては膝関節以下(足底部を除く。)をいう。

(4) 「注3」のデブリードマンの加算は、汚染された挫創に対して行われるブラッシング又は汚染組織の切除等であって、通常麻酔下で行われる程度のものを行ったときに限り算定できる。

K001 皮膚切開術

(1) 長径10センチメートルとは、切開を加えた長さではなく、膿瘍、画像4 (1KB)別ウィンドウが開きます
又は蜂窩織炎等の大きさをいう。

(2) 多発性画像5 (1KB)別ウィンドウが開きます
腫等で近接しているものについては、数か所の切開も1切開として算定する。

(3) 子宮腟部糜爛(ナボット胞のあるもの)等の場合に、子宮腟部の乱切術を行う場合は、皮膚切開術の「1」に準じて算定する。

K002 デブリードマン

(1) 区分「K012」全層、分層植皮術(露出部・粘膜部・関節部以外の部位)から区分「K021―2」粘膜弁手術までの手術を前提に行う場合にのみ算定する。

(2) 面積の算定方法については、区分「J000」創傷処置の取扱いの例による。

(3) 汚染された挫創に対して行われるブラッシング又は汚染組織の切除等であって、通常麻酔下で行われる程度のものを行ったときに算定する。また、繰り返し算定する場合は、植皮の範囲(全身に占める割合)を診療報酬明細書の摘要欄に記載する。

K003、K004 皮膚・皮下、粘膜下血管腫摘出術

(1) 「露出部」とは区分「K000」創傷処理の「注2」の「露出部」と同一の部位をいう。

(2) 露出部と露出部以外が混在する患者については、露出部に係る長さが全体の50%以上の場合は、区分「K003」の所定点数により算定し、50%未満の場合は、区分「K004」の所定点数により算定する。

K005、K006 皮膚・皮下腫瘍摘出術

(1) 「露出部」とは区分「K000」創傷処理の「注2」の「露出部」と同一の部位をいう。

(2) 近接密生しているいぼ及び皮膚腫瘍等については、1個として取り扱い、他の手術等の点数と著しい不均衡を生じないようにすること。

(3) 露出部と露出部以外が混在する患者については、露出部に係る長さが全体の50%以上の場合は、区分「K005」の所定点数により算定し、50%未満の場合は、区分「K006」の所定点数により算定する。

(4) 良性又は悪性の皮膚腫瘍に対する冷凍凝固摘出術は、区分「K006」に準じて、次のように算定する。

ア 長径が6センチメートル未満の良性の皮膚腫瘍に対するものは、区分「K006」の「1」又は「2」。

イ 長径が6センチメートル未満の悪性の皮膚腫瘍に対するものは、区分「K006」の「2」。

ウ 長径が6センチメートル以上の良性又は悪性の皮膚腫瘍に対するものは、区分「K006」の「3」。

K007 皮膚悪性腫瘍切除術

リンパ節の郭清を伴う場合は「1」を算定し、病巣部のみを切除した場合は「2」を算定する。

K009 皮膚剥削術

皮膚剥削術(グラインダーで皮膚を剥削する手術)は小腫瘍、丘疹性疾患及び外傷性異物の場合に算定する。なお、単なる美容を目的とした場合は保険給付外である。

K010 瘢痕拘縮形成手術

(1) 単なる拘縮に止まらず運動制限を伴うものに限り算定する。

(2) 指に対して行う場合には、区分「K099」指瘢痕拘縮手術により算定する。

K012、K013 全層、分層植皮術

(1) 「露出部」とは区分「K000」創傷処理の「注2」の「露出部」と同一部位をいう。

(2) デルマトームを使用した場合の費用は所定点数に含まれ、別に算定できない。

(3) 広範囲皮膚欠損の患者に対して、全層、分層植皮術を頭頸部、左上肢、左下肢、右上肢、右下肢、腹部(胸部を含む。)又は背部の部位のうち同一部位以外の2以上の部位について行った場合においては、それぞれの部位ごとに所定点数を算定する。

(4) ルベルダン植皮術は、全層、分層植皮術に準じて算定する。

(5) 露出部と露出部以外が混在する患者については、露出部に係る面積が全体の50%以上の場合は、区分「K013」の所定点数により算定し、50%未満の場合は、区分「K012」の所定点数により算定する。

K014 皮膚移植術

(1) 皮膚提供者の皮膚採取料及び組織適合性試験の費用は、所定点数に含まれ、別に算定できない。

(2) 生体皮膚を移植する場合においては、皮膚提供者から移植用皮膚を採取することに要する費用(皮膚提供者の皮膚採取料及び組織適合性試験の費用は除く。)については、各所定点数により算出し、皮膚移植術の所定点数に加算する。

(3) 皮膚移植を行った保険医療機関と皮膚移植に用いる移植用皮膚を採取した保険医療機関とが異なる場合の診療報酬の請求については、皮膚移植を行った保険医療機関で行うものとし、当該診療報酬の分配は相互の合議に委ねる。なお、請求に当たっては、皮膚移植者の診療報酬明細書の摘要欄に皮膚提供者の氏名及び療養上の費用に係る合計点数を併せて記載するとともに、皮膚提供者の療養に係る所定点数を記載した診療報酬明細書を添付すること。

(4) 死体皮膚を移植する場合においては、死体から死体皮膚を採取・保存するために要する全ての費用は、所定点数に含まれ別に請求できない。

(5) 皮膚管形成のため生じた皮膚欠損部及び新しく造成した食道を覆うため有茎皮膚弁を作り、これを移動させて縫合する手術は、区分「K015」皮弁作成術、移動術、切断術、遷延皮弁術に準じて算定する。また、大腿部等により植皮する手術は、区分「K012」全層、分層植皮術(露出部・粘膜部・関節部以外の部位)に準じて算定する。

K017 遊離皮弁術(顕微鏡下血管柄付きのもの)、K020 自家遊離複合組織移植術

四肢(手、足、指(手、足)を含む。)以外の部位において、「K017」遊離皮弁術(顕微鏡下血管柄付きのもの)又は「K020」自家遊離複合組織移植術(顕微鏡下血管柄付きのもの)を行う際に、微小静脈の縫合のために微小血管自動縫合器を用いた場合は、「K511」肺切除術の「注」に規定する自動縫合器加算に準じて、所定点数に加算する。なお、この場合において、「K511」肺切除術の「注」に規定する点数に、2個を限度として微小血管自動縫合器用カートリッジの使用個数を乗じて得た点数を加算するものとする。

K022 組織拡張器による再建手術(一連につき)

(1) 治療に要した日数、回数にかかわらず、一連のものとして所定点数を算定する。

(2) 対象となる疾患は、先天異常、母斑(血管腫を含む。)、外傷性瘢痕及び術後瘢痕である。なお、美容を目的とするものは保険給付外である。

(3) 1患者の同一疾患に対して1回のみの算定であり、1回行った後に再度行っても算定できない。

第2款 筋骨格系・四肢・体幹

腱形成術は、区分「K034」腱切離術・腱切除術(関節鏡下によるものを含む。)から区分「040」腱移行術までにより算定する。

K030 四肢軟部腫瘍摘出術

皮膚又は皮下にある腫瘍に係る手術については、区分「K005」皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)又は区分「K006」皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)に準じて算定する。

K037 腱縫合術

(1) 切創等の創傷によって生じた固有指の伸筋腱の断裂の単なる縫合は、区分「K000」創傷処理の「2」に準じて算定する。

(2) アキレス腱断裂手術は、区分「K037」腱縫合術に準じて算定する。

K043 骨掻爬術

(3) 骨関節結核に行う瘻孔摘出術は、骨掻爬術に準じて算定する。この際行った脂肪移植術は所定点数に含まれ別に算定できない。

(4) 骨髄炎・骨結核手術は、骨掻爬術に準じて算定する。

K044 骨折非観血的整復術

(1) ギプスを使用した場合にはギプス料を別に算定できる。

(2) 著しい腫脹等によりギプスを掛けられない状態にあるために徒手整復のみを行った場合についても、骨折非観血的整復術により算定できる。その際に副木を使用した場合には、当該副木の費用は別に算定できる。

(3) 徒手整復した骨折部位に対して2回目以降の処置を行った場合は、区分「J001」術後創傷処置に準じて算定する。

K046 骨折観血的手術

前腕骨又は下腿骨骨折の手術に際し、両骨(橈骨と尺骨又は脛骨と腓骨)を同時に行った場合であって皮切が別々の場合には、別の手術野として骨折観血的手術の「2」をそれぞれの手術野について算定する。

K047 難治性骨折電磁波電気治療法

(1) 対象は四肢長管骨(手足の長管骨を含む。)の遷延治癒骨折や偽関節であって、観血的手術又は他の療法を行っても治癒しない難治性骨折に対して行われた場合に限り算定する。

(2) 治療に要した日数、回数にかかわらず一連のものとして所定点数を算定する。

(3) 当該治療法は1患者に対して一連として1回のみの算定であり、1回行った後に再度行った場合又は入院中に開始した当該療法を退院した後も継続して行っている場合であっても別に算定できない。

K047―2 難治性骨折超音波治療法

区分「K047」難治性骨折電磁波電気治療法の取扱いと同様とする。

K048 骨内異物(挿入物)除去術

(1) 三翼釘、髄内釘、ロッドを抜去する場合の骨内異物(挿入物)除去術は、手術を行った保険医療機関であると否とにかかわらず算定できる。

(2) 鋼線、銀線等で簡単に除去し得る場合には、区分「J000」創傷処置又は区分「K000」創傷処理の各区分により算定する。

K051 骨全摘術

中手骨又は中足骨の2本以上の摘除術は、骨全摘術の「3」により算定する。

K052 骨腫瘍切除術

(1) 多発性軟骨性外骨腫摘出術は、骨腫瘍切除術により算定するが、巨大(児頭大)なもので2回に分けて摘出することが必要な場合は、1回ごとにそれぞれ所定点数を算定できる。

(2) 多発性骨腫摘出術は、同一皮切で実施し得る範囲のものについては、回数にかかわらず1回の算定とする。

K057 変形治癒骨折矯正手術

次に掲げる変形治癒骨折矯正手術は、それぞれに規定する区分により算定する。

ア 眼窩変形治癒骨折に対する矯正術は区分「K228」による。

イ 鼻骨変形治癒骨折に対する矯正術は区分「K334―2」による。

ウ 頬骨変形治癒骨折に対する矯正術は区分「K427―2」による。

K058 骨長調整手術

(1) 使用するステイプルの数にかかわらず1回の算定とする。

(2) 「注」の加算は、軟骨無形成症及び軟骨低形成症等の骨異形成症、四肢形成不全又は四肢変形の患者に対して脚延長術を行う際に創外固定器を用いた場合に算定する。

K059 骨移植術(軟骨移植術を含む。)

(1) 骨移植術を行った場合は、他の手術の所定点数に骨移植術の所定点数を併せて算定できる。なお、骨移植術の所定点数には、骨片切採術の手技料は含まれ、骨移植術において骨移植に用いる骨片をその必要があって2か所(例えば脛骨と骨盤)から切除した場合であっても当該採取に係る手技料は別に算定できない。

(2) 骨移植術は、採取した骨片を複数か所に移植した場合も、1回の算定とする。

(3) 骨片切採のみに終わり骨移植に至らない場合については、区分「K126」脊椎、骨盤骨(軟骨)組織採取術(試験切除によるもの)に準じて算定する。

(4) 同種骨移植術を行った場合は、骨移植術の「2」により算定する。

(5) 自家軟骨移植術を行った場合は、骨移植術の「1」により算定する。

K060 関節切開術

(1) 肩甲関節周囲炎における関節周囲の沈着石灰の摘出術は、関節切開術の「1」に準じて算定する。

(2) 結核関節清掃術は、四肢関節離断術に準じて算定する。

K062 先天性股関節脱臼非観血的整復術

(1) 先天性股関節脱臼非観血的整復術のギプス料は、区分「J127」先天性股関節脱臼ギプス包帯により算定する。

(2) リーメンビューゲル(Riemenbugel)法(両側)による先天性股関節脱臼の整復料は、関節脱臼非観血的整復術の「1」により、1回に限り算定する。

K066 関節滑膜切除術

(1) 滑液膜摘出術は、関節滑膜切除術により算定する。

(2) 膝蓋骨滑液嚢切除は、関節滑膜切除術の「2」に準じて算定する。

(3) 掌指関節滑膜切除術は、関節滑膜切除術の「3」により算定する。

K070 ガングリオン摘出術

(1) ガングリオン穿刺術及びガングリオン圧砕法は、区分「J116」関節穿刺に準じて算定する。

(2) ヒグローム摘出術はガングリオン摘出術の「2」により算定する。

K074 靭帯断裂縫合術

(1) 靭帯皮下断裂手術は、靭帯断裂縫合術の各区分に準じて算定する。

(2) 膝蓋靭帯断裂縫合術は、靭帯断裂縫合術の「1」又は「2」により算定する。

K080 関節形成手術

同側足関節に対して、二関節固定術と後方制動術を併施した場合は、関節形成手術の「2」に準じて算定する。

K080―2 内反足手術

内反足手術は、アキレス腱延長術・後方足関節切開術・足底腱膜切断術を行い、後足部をキルシュナー鋼線で正する方法により行った場合に算定する。

K082 人工関節置換術

(1) 再置換術の加算は、置換術から6か月以上経過したものについてのみ算定できる。

(2) 再置換術を行った場合は、加算も含め所定点数の100分の150に相当する点数により算定する。

K083 鋼線等による直達牽引

(1) 鋼線等を用いて観血的に牽引を行った場合に算定する。なお、鋼線等による直達牽引には、鋼線牽引法、双鋼線伸延法及び直達頭蓋牽引法を含む。

(2) 当該鋼線等による直達牽引のうち初日に行ったものについて所定点数を算定する。なお、鋼線等の除去の費用は、所定点数に含まれ、別に算定できない。

(3) 1局所とは、上肢の左右、下肢の左右及び頭より尾頭までの躯幹のそれぞれをいい、全身を5局所に分けるものである。

(4) 内反足に対しキルシュナー鋼線等で足板挺子を固定する方法は、直達牽引の初日の所定点数により算定する。この場合において、ギプス固定を行った場合は、その所定点数を別に算定する。

K084 四肢切断術

肩甲帯離断術は、四肢切断術の「1」により算定する。

K088 切断四肢再接合術

切断四肢再接合術は、顕微鏡下で行う手術の評価を含む。

K089 爪甲除去術

爪甲白せん又は爪床間に「とげ」等が刺さった場合の爪甲除去で、麻酔を要しない程度のものは区分「J000」創傷処置の「1」により算定する。

K090 画像6 (1KB)別ウィンドウが開きます
疽手術

風棘手術は、画像7 (1KB)別ウィンドウが開きます
疽手術の「1」に準じて算定する。

K099 指瘢痕拘縮手術

(1) 単なる拘縮に止まらず運動制限を伴う場合に算定する。

(2) 本手術には、Z形成術のみによるもの及び植皮術を要するものが含まれる。

K099―2 デュプイトレン拘縮手術

運動障害を伴う手掌・手指腱膜の線維性増殖による拘縮(デュプイトレン拘縮)に対して、指神経、指動静脈を剥離しながら拘縮を解除し、Z形成術等の皮膚形成術を行った場合に算定する。

K101 合指症手術

指癒着症手術は、合指症手術に準じて算定する。

K117 脊椎脱臼非観血的整復術

(1) 頸椎椎間板ヘルニア及び頸椎骨軟骨症の新鮮例に対する頸椎の非観血的整復術(全麻、牽引による)は、手術の前処置として変形機械矯正術(垂直牽引、グリソン係蹄使用)を行わない限り、脊椎脱臼非観血的整復術に準じて算定する。

なお、頸腕症候群及び五十肩に対するものについては算定できない。

(2) 椎間板ヘルニア徒手整復術は、脊椎脱臼非観血的整復術に準じて算定する。

K118 脊椎脱臼観血的手術

(1) 脊椎・骨盤観血的手術は、脊椎脱臼観血的手術に準じて算定する。

(2) 脊椎完全脱臼兼脊髄損傷観血的手術及び骨盤骨折観血的整復術は、脊椎脱臼観血的手術に準じて算定する。

K132 椎弓形成手術

骨形成的片側椎弓切除術及び髄核摘出術を併せて2椎間に行った場合は、区分「K186」脊髄硬膜内神経切断術に準じて算定する。

K133 黄色靭帯骨化症手術

脊椎黄色靭帯肥厚切除術は、黄色靭帯骨化症手術により算定する。

K134 椎間板摘出術

(1) 「4」の経皮的髄核摘出術は、1椎間につき2回を限度とする。

(2) 椎間板ヘルニア切除術は、椎間板摘出術により算定する。

K137 骨盤半切断術

骨盤切断術は、骨盤半切断術により算定する。

K141 臼蓋形成手術

変形性股関節症に対するボスの手術は、臼蓋形成手術に準じて算定する。

K142 脊椎固定術

(1) 脊椎固定術を、後方進入と前方進入により行った場合は、いずれか主たるもので算定する。

(2) 脊椎側彎症手術は、脊椎固定術の「1」に準じて算定する。

K144 体外式脊椎固定術

(1) 体外式脊椎固定術は、ハローペルビック牽引装置、ハローベスト等の器械・器具を使用して脊椎の整復固定を行った場合に算定する。この場合において、当該器械・器具の費用は所定点数に含まれる。

(2) ベスト式の器械・器具に用いられるベスト部分は、その患者のみの使用で消耗する程度のものに限り副木として算定できる。

第3款 神経系・頭蓋

第3款 神経系・頭蓋の手術において神経内視鏡を使用した場合の当該神経内視鏡に係る費用は、当該手術の所定点数に含まれ、別に算定できない。

K145 穿頭術後脳室ドレナージ

(1) 穿頭術の手技料は所定点数に含まれ、別に算定できない。

(2) 脳室ドレナージの開始以後ドレーン法を行った場合は、区分「J002」ドレーン法(ドレナージ)により算定する。

(3) 注に規定する幼児加算は、1歳以上3歳未満の場合は算定しないものとする。

K147 穿頭術(トレパナチオン)

(1) 穿頭術又は開頭術を行い、脳室穿刺を行った場合の手技料は当該手術の所定点数に含まれ別に算定できない。

(2) 穿頭術の穿頭とは骨キリにより穿孔することのみをいう。

(3) 穿頭による慢性硬膜下血腫洗浄・除去術は、区分「K164―2」慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術により算定する。

K148 試験開頭術

(1) 開頭とは骨キリ以外の器具を用い相当広範囲に開窓することをいう。

(2) 穿頭術及び試験開頭術を同時又は短時間の間隔をおいて2か所以上行った場合の点数は、試験開頭術により1回に限り算定する。

K151―2 広範囲頭蓋底腫瘍切除・再建術

広範囲頭蓋底腫瘍切除・再建術は次のような手術を行った場合に算定する。

ア 眼窩内又は副鼻腔に及ぶ腫瘍に対する眼窩内又は副鼻腔を含む前頭蓋底切除による腫瘍摘出と再建術

イ 海綿静脈洞に及ぶ腫瘍に対する海綿静脈洞の解放を伴う腫瘍切除と再建術

ウ 錐体骨・斜台の腫瘍に対する経口的腫瘍摘出又は錐体骨削除・S状静脈洞露出による腫瘍摘出と再建術

エ 頸静脈孔周辺部腫瘍に対するS状静脈洞露出を伴う頸静脈孔解放術による腫瘍摘出と再建術

K152 耳性頭蓋内合併症手術

耳科的硬脳膜外膿瘍切開術は、耳性頭蓋内合併症手術により算定する。

K154 定位脳手術

(1) 脳性小児麻痺に対するレンズ核破壊術、パーキンソニズム、振戦麻痺等の不随意運動、筋固縮に対する脳淡蒼球内オイルプロカイン注入療法(脳深部定位手術)は、定位脳手術により算定する。

(2) 定位脳手術に係る特殊固定装置による固定及び穿頭並びに穿刺、薬剤注入に係る費用は所定点数に含まれ、別に算定できない。ただし、手術前に行うエックス線撮影及びフィルムによる注入部位の位置計測については、第2章第4部画像診断のエックス線診断料により別に算定できる。

K155 脳切截術

両側同時に施行した場合は左右別々に所定点数を算定する。

K159 顔面神経減圧手術(乳様突起経由)

顔面神経管開放術は、顔面神経減圧手術に準じて算定する。

K160 脳神経手術(開頭して行うもの)

後頭蓋窩の顔面神経又は三叉神経への微小血管圧迫に起因する顔面痙攣又は三叉神経痛に対して、後頭下開頭による神経減圧術を行った場合は、脳神経手術(開頭して行うもの)に準じて算定する。

K164 頭蓋内血腫除去術

開頭により脳血管の塞栓又は血栓を摘出する場合は、頭蓋内血腫除去術の「1」に準じて算定する。

K168 脳切除術

乳癌及び前立腺癌に対する脳下垂体切除は、脳切除術に準じて算定する。

K174 水頭症手術

(1) 脳室穿破術、脳室腹腔シャント手術、脳室心耳シャント手術又は腰部くも膜下腔腹腔シャント手術を行った場合に算定する。

(2) 水頭症に対して髄液短絡術を実施した後、経過良好のためカテーテル抜去術を行った場合は、区分「K000」創傷処理の「2」に準じて算定する。

K177 脳動脈瘤頸部クリッピング

脳動脈瘤頸部クリッピングは、開頭の部位数にかかわらず、クリッピングの箇所数に応じて算定する。

K178 脳血管内手術

脳動脈瘤や脳動静脈奇形等の脳血管異常に対して、血管内手術用カテーテルを用いて手術を行った場合に算定する。

K178―2 経皮的脳血管形成術

経皮的脳血管形成術用カテーテルを用いて、頭蓋内の椎骨動脈又は内頸動脈の狭窄に対して、経皮的脳血管形成術を行った場合に算定する。

K181 脳刺激装置植込術、頭蓋内電極植込術

(1) 薬物療法、他の外科療法及び神経ブロック療法の効果が認められない慢性難治性疼痛又は振戦等の神経症状の除去若しくは軽減、或いはてんかん治療を目的として行った場合に算定する。

(2) 頭蓋内電極植込後の電極抜去の費用について、電極抜去のみを目的として開頭術を行った場合は区分「K148」試験開頭術に準じて算定する。なお、その他の場合については、その費用は併せて行った開頭術又は頭蓋内電極植込術の所定点数に含まれ別に算定できない。

K182 神経縫合術

交通事故により腕神経叢が根部で切断された病状で、患側の肋間神経を剥離し、易動性にし、切断部より末梢部において神経縫合した場合は、神経縫合術と区分「K188」神経剥離術をそれぞれ別に算定する。

K190 脊髄刺激装置埋込術

薬物療法、他の外科療法及び神経ブロック療法の効果が認められない慢性難治性疼痛の除去又は軽減を目的として行った場合に算定する。

K193 神経腫切除術

レックリングハウゼン病偽神経腫切除術は、区分「K005」皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)又は区分「K006」皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)に準じて算定する。

K194 神経捻除術

(1) 横隔神経麻痺術は、神経捻除術の「1」に準じて算定する。

(2) 眼窩下孔部神経切断術は、神経捻除術の「3」に準じて算定する。

(3) おとがい孔部神経切断術は、神経捻除術の「4」に準じて算定する。

K195 交感神経切除術

尾動脈腺摘出術は、交感神経切除術の「2」に準じて算定する。

K196 交感神経節切除術

(1) ストッフェル手術は、交感神経節切除術の「3」に準じて算定する。

(2) 閉鎖神経切除術は、交感神経節切除術の「3」に準じて算定する。

(3) 疼痛に対して行う末梢神経遮断(挫滅又は切断)術は、浅腓骨神経、深腓骨神経、後脛骨神経又は腓腹神経の場合に限り、交感神経節切除術の「3」に準じて算定する。なお、浅腓骨神経、深腓骨神経、後脛骨神経及び腓腹神経を同時に遮断した場合には、それぞれ別に所定点数を算定する。

(4) 下腹部神経叢切除術又はコット手術にクレニッヒ手術を併せて行った場合は、交感神経節切除術の「3」に準じて算定する。

第4款 眼

K199 涙点切開術、涙点閉鎖術、涙小管拡大術

涙管切開術は、涙点切開術、涙点閉鎖術、涙小管拡大術により算定する。

K200―2 涙点プラグ挿入術

(1) 乾性角結膜炎(シルマーテスト第1法変法5mm以下、又はローズベンガル染色試験画像8 (1KB)別ウィンドウが開きます
以上)及びシェーグレン症候群に対して行った場合に算定する。

(2) 上下涙点に挿入した場合も含め1回のみの算定とする。

K207 瞼縁縫合術(瞼板縫合術を含む。)

兎眼症の場合の瞼板縫合術は、区分「K212」兎眼矯正術により算定する。

K208 麦粒腫切開術

数か所の切開も同一瞼内にあるものについては1回として算定する。

K209 眼瞼膿瘍切開術

外嘴切開は、眼瞼膿瘍切開術に準じて算定する。

K212 兎眼矯正術

兎眼症の場合の瞼板縫合術は、区分「K212」兎眼矯正術により算定する。

K214 霰粒腫摘出術

数か所の切開も同一瞼内にあるものについては1回として算定する。

K222 結膜下異物除去術

結膜結石を同時に多数摘出した場合は、結膜下異物除去術に準じて算定する。

K223 結膜嚢形成手術

(1) 内眥形成術は、結膜嚢形成手術の「3」に準じて算定する。

(2) 角膜乾燥症に対する耳下腺排出管の結膜嚢移植術は、薬物療法に抵抗する場合に限り、結膜嚢形成術の「3」により算定する。

K224 翼状片手術

角膜強膜界皮様嚢腫手術は、翼状片手術により算定する。

K225 結膜腫瘍冷凍凝固術

結膜の肉芽腫摘除術は、結膜腫瘍冷凍凝固術に準じて算定する。

K245 眼球摘除及び組織又は義眼台充填術

眼球摘出後の組織充填術は、眼球摘除及び組織又は義眼台充填術に準じて算定する。

K248 角膜パンヌス手術

顕微鏡下角膜抜糸術は、角膜パンヌス手術に準じて算定する。

K249 角膜潰瘍掻爬術、角膜潰瘍焼灼術

角膜深層異物除去術及び角膜掻爬術又は角膜薬液焼灼術の併施は、角膜潰瘍掻爬術、角膜潰瘍焼灼術により算定する。

K253 角膜異物除去術

角膜異物多数同時除去は、角膜異物除去術に準じて算定する。

K259 角膜移植術

角膜の費用は所定点数に含まれる。

K261 角膜形成手術

円錐角膜手術は、角膜形成手術により算定する。

K263 虹彩癒着剥離術

角膜創口から虹彩脱出がある場合に虹彩切除後角膜上有茎結膜弁移植術(クント氏手術又はその変法)を行ったときは、虹彩癒着剥離術に準じて算定する。

K275 網膜復位術

網膜剥離症に対する穿刺術、裂孔閉鎖術、強膜内陥術及び輪状締結術は、網膜復位術により算定する。

K276 網膜光凝固術

(1) 「一連」とは、治療の対象となる疾患に対して所期の目的を達するまでに行う一連の治療過程をいう。例えば、糖尿病性網膜症に対する汎光凝固術の場合は、1週間程度の間隔で一連の治療過程にある数回の手術を行うときは、1回のみ所定点数を算定するものであり、その他数回の手術の費用は所定点数に含まれ、別に算定できない。

(2) 「その他特殊なもの」とは、網膜剥離裂孔、円板状黄斑変性症、網膜中心静脈閉鎖症による黄斑浮腫、類嚢胞黄斑浮腫及び未熟児網膜症に対する網膜光凝固術並びに糖尿病性網膜症に対する汎光凝固術をいう。

(3) 網膜裂孔の凝固閉塞を行った場合は、網膜光凝固術に準じて算定する。

K277―2 黄斑下手術

黄斑下手術は、中心窩下新生血管膜を有する疾患(加齢黄斑変性症等)又は黄斑下血腫に対して行った場合に算定する。

K278 硝子体吸引術

硝子体内注射は、硝子体吸引術に準じて算定する。

K280 硝子体茎顕微鏡下離断術

顕微鏡下虹彩毛様体牽引術は、硝子体茎顕微鏡下離断術に準じて算定する。

K282 白内障手術

1眼に白内障及び斜視があり両者を同時に手術した場合は、別に算定できる。ただし、斜視手術が保険給付の対象となる場合に限る。

K283 眼内レンズ挿入術

眼内レンズの費用は所定点数に含まれる。

第5款 耳鼻咽喉

K290 外耳道骨増生(外骨腫)切除術

外耳道骨腫切除術は、外耳道骨増生(外骨腫)切除術により算定する。

K296 耳介形成手術

耳介形成手術は、耳輪埋没症、耳垂裂等に対して行った場合に算定する。

K300 鼓膜切開術

注の加算を算定した場合、麻酔料は別に算定できない。

K308 耳管内チューブ挿入術

耳管狭窄の場合のビニール管挿入は耳管内チューブ挿入術により算定する。

K309 鼓膜(排液、換気)チューブ挿入術

注の加算を算定した場合、麻酔料は別に算定できない。

K318 鼓膜形成手術

(1) 鼓膜形成手術に伴う鼓膜又は皮膚の植皮術については、別に算定できない。

(2) 耳翼後面から植皮弁を採りWullsteinの鼓室形成手術の第1型とほぼ同様の操作(ただ鼓膜の上皮のみを除去することが異なる。)で、鼓膜形成手術を行った場合は、鼓室形成手術に準じて算定する。

K319 鼓室形成手術

鼓室形成手術に伴う植皮術は、算定できない。

K331 鼻腔粘膜焼灼術

下甲介粘膜焼灼術は、鼻腔粘膜焼灼術に準じて算定する。

K333 鼻骨骨折整復固定術

鼻骨脱臼整復術及び鼻骨骨折徒手整復術は、鼻骨骨折整復固定術により算定する。

K335 鼻中隔骨折観血的手術

上顎洞鼻内手術(スツルマン氏、吉田氏変法を含む。)及び上顎洞鼻外手術は、鼻中隔骨折観血的手術に準じて算定する。

K338 鼻甲介切除術

(1) 鼻甲介切除術を高周波電気凝固法により行った場合は、鼻腔粘膜焼灼術に準じて算定する。

(2) 慢性肥厚性鼻炎兼鼻茸に対し鼻甲介切除と鼻茸摘出術を同時に行った場合は、鼻甲介切除術と区分「K340」鼻茸摘出術とをそれぞれ算定できる。

(3) 鼻甲介切除術又は粘膜下下鼻甲介骨切除術と副鼻腔手術とを併施した場合は、前者が後者の遂行上行われた場合以外は同一手術野とはみなさず、それぞれの所定点数を合算して算定できる。

K340 鼻茸摘出術

(1) 高周波電磁波で行う場合にあっても鼻茸摘出術に準じて算定できる。

(2) 出血性鼻茸摘出術は、区分「K347」鼻中隔矯正術に準じて算定する。

K347―2 変形外鼻手術

(1) 先天性の高度斜鼻・鞍鼻、口唇裂外鼻又は上顎洞・外鼻の悪性腫瘍術後等による機能障害を伴う外鼻の変形に対して、機能回復を目的として外鼻形成を行った場合に算定する。なお、外傷等による骨折治癒後の変形等に対するものは、鼻骨変形治癒骨折矯正術により算定する。

(2) 単なる美容を目的とするものは保険給付外である。

K352 上顎洞根本手術

(1) 鼻内上顎洞根本手術は、上顎洞根本手術に準じて算定する。

(2) 副鼻腔炎術後の後出血(手術日の翌日以後起った場合をいう。)が多量で、必要があって再び術創を開く場合は、上顎洞根本手術に準じて算定する。

K355 鼻内前頭洞手術

慢性前頭洞炎の手術に自家腸骨を細片として充填した場合は、鼻内前頭洞手術の点数に区分「K126」脊椎、骨盤骨(軟骨)組織採取術(試験切除によるもの)の所定点数を加算して算定する。

K361 上顎洞篩骨洞蝶形洞根本手術

鼻内前頭洞手術、鼻内篩骨洞手術、篩骨洞鼻外手術及び鼻内上顎洞手術を併施した場合は、上顎洞篩骨洞蝶形洞根本手術に準じて算定する。

K371 上咽頭腫瘍摘出術

上咽頭ポリープ摘出術は、術式により「1」から「4」のいずれかによって算定する。

K377 口蓋扁桃手術

(1) 扁桃除去を行った当日における止血については算定できない。

(2) 口蓋扁桃手術を行った日の翌日以降の後出血が多量で、やむを得ず再び術創を開く場合における止血術は、区分「K367」咽後膿瘍切開術に準じて算定する。

K382 咽頭瘻閉鎖術

咽瘻孔閉鎖術は、咽頭瘻閉鎖術に準じて算定する。

K386 気管切開術

気管切開術後カニューレを入れた数日間の処置(単なるカニューレの清拭でない)は、区分「J001」術後創傷処置により算定する。

K388 喉頭粘膜下異物挿入術

反回神経麻痺に対し、声帯固定のため甲状軟骨を左右に分離し、喉頭側軟骨膜下に甲状軟骨より取り出した小軟骨片を挿入する喉頭粘膜下軟骨片挿入術は、区分「K383」喉頭切開術の所定点数と、区分「K126」脊椎、骨盤骨(軟骨)組織採取術(試験切除によるもの)の所定点数を併せて算定する。

K389 声帯結節(ポリープ)切除術

(1) 喉頭ポリープ(声帯ポリープを含む。)の切除は、声帯結節(ポリープ)切除術により算定する。

(2) 喉頭ポリープが左右の声帯にあるときは、各側ごとに算定できる。

K392 喉頭蓋切除術

喉頭嚢腫摘出術は、喉頭蓋切除術に準じて算定する。

K396 気管切開孔閉鎖術

気管縫合術は、気管切開孔閉鎖術に準じて算定する。

第6款 顔面・口腔・頸部

K407 顎・口蓋裂形成手術

いびきに対する軟口蓋形成手術は、口唇裂形成手術の「1」に準じて算定する。

K423 頬腫瘍摘出術

皮膚又は皮下にある腫瘍の摘出術は、区分「K005」皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)又は区分「K006」皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)に準じて算定する。

K426 口唇裂形成手術

片側に対して行った場合には所定点数を算定し、両側に対して行った場合には、所定点数に所定点数の100分の50に相当する点数を加算して算定する。

K434 顔面多発骨折観血的手術

顔面多発骨折観血的手術は、上下顎の同時骨折の場合等複数の骨に対して観血的に手術を行った場合に算定する。

K443 上顎骨形成術

(1) 「単純な場合」とは上顎骨発育不全症、外傷後の上顎骨後位癒着等に対し、Le FortⅠ型切離により移動を図る場合をいう。

(2) 「複雑な場合及び2次的再建の場合」とは同様の症例に対し、Le FortⅡ型、Le FortⅢ型切離により移動する場合及び悪性腫瘍手術等による上顎欠損症に対し2次的骨性再建を行う場合をいう。

K446 顎関節授動術

徒手的授動術とは顎関節の運動障害を有する患者に対して、パンピング(顎関節腔に対する薬液の注入、洗浄)を行いながら、徒手的に顎関節の授動を図ったものをいう。なお、その際の関節腔に対する薬剤の注入に係る手技料は、所定点数に含まれ別に算定できない。

K450 唾石摘出術

(1) 「表在性のもの」とは、導管開口部付近に位置する唾石をいう。

(2) 「深在性のもの」とは、腺体付近の導管等に位置する唾石をいう。

K457 耳下腺腫瘍摘出術

従前の「耳下腺混合腫瘍摘出術」と「耳下腺腫瘍摘出術」を統合したものである。

K469 頸部郭清術

(1) 頸部郭清術(ネックディセクション)とは、頸部リンパ節群が存在する頸部領域の腫瘍細胞を根絶するため、当該領域の組織(筋、リンパ節、静脈、脂肪、結合織等)を広範囲に切除する術式をいう。

(2) 頸部郭清術を他の手術に併せて行った場合は、手術の「通則8」に規定されている所定点数を算定するものとし、独立して行った場合には本区分の所定点数を算定する。

(3) 他の手術に併せて行った頸部リンパ節の単なる郭清は手術の所定点数に含まれ、別に算定できない。なお、単独に行った場合は、区分「K627」リンパ節群郭清術の「2」により算定する。

第7款 胸部

K474―3 乳腺腫瘍画像ガイド下吸引術

(1) 乳腺腫瘍画像ガイド下吸引術は、マンモグラフィー等の検査を行った結果、乳房に非触知病変や石灰化病変などが認められる場合に、画像ガイド下(マンモグラフィー又は超音波装置に限る。)で乳房専用の吸引システムを用いて、当該乳腺組織を摘出した場合に算定する。

(2) 当該乳腺組織の確定診断や手術適用を決定することを目的として行った場合も本区分で算定する。

(3) 組織の採取に用いる保険医療材料の費用は所定点数に含まれるものとする。

K475 乳房切除術

乳癌冷凍凝固摘出術は、乳房切除術に準じて算定する。

K476 乳腺悪性腫瘍手術

乳腺悪性腫瘍手術と両側の腋窩リンパ節郭清術を併せて行った場合は、乳腺悪性腫瘍手術の「6」により算定する。

K476―2 陥没乳頭形成術、再建乳房乳頭形成術

(1) 授乳障害のある陥没乳頭に対して乳頭形成を行った場合、又は乳腺悪性腫瘍手術後の再建乳房に対して二期的に乳頭形成を行った場合に算定する。

(2) 単なる美容を目的とするものは保険給付外である。

K480 胸壁冷膿瘍手術

(1) 流注膿瘍の切開掻爬術に当たって、原発巣まで追及して拡大手術を行った場合は、胸壁冷膿瘍手術に準じて算定する。

(2) 肺切除後に発生する肩甲骨下膿瘍(手術瘢痕部の寒性腫瘍)に対する手術は、胸壁冷膿瘍手術に準じて算定する。

K482 肋骨切除術

切除肋骨の本数に関係なく2本以上切除した場合も所定点数のみにより算定する。また、肋骨2本切除と同時に胸骨を掻爬した場合も本区分により算定する。

K484 胸壁悪性腫瘍摘出術

胸骨悪性腫瘍摘出術は、胸壁悪性腫瘍摘出術により算定する。

K486 胸壁瘻手術

非開胸で肋骨切除を行うと否とにかかわらず本区分により算定する。

K487 漏斗胸手術

内臓の機能障害等による病状を訴えるものに対して行った場合に限り算定する。

K488 試験開胸術

(1) 開胸のみで手術を中止した場合は、試験開胸術により算定する。

(2) 肋骨骨折等による損傷胸膜縫合術は、試験開胸術に準じて算定する。

(3) 試験的開胸開腹術については、1皮切により行った場合は区分「K497」膿胸腔有茎筋肉弁充填術に準じ、別の皮切により行った場合はそれぞれの所定点数を合算する。

K494 胸腔内血腫除去術

(1) 胸膜内血腫除去術は、胸腔内血腫除去術により算定する。

(2) 胸腔内出血排除術の点数は、開胸した場合、胸腔内血腫除去術に準じ、開胸しない場合は、「J019」持続的胸腔ドレナージに準じて算定する。

K496 醸膿胸膜、胸膜胼胝切除術

(1) 醸膿肋膜摘出術は、区分「K496」醸膿胸膜、胸膜胼胝切除術により算定する。

(2) 肋膜外肺剥皮術は、区分「K496」醸膿胸膜、胸膜胼胝切除術に準じて算定する。

K498 胸郭形成手術(膿胸手術の場合)

肺切後の胸膜内血腫除去術と補正形成手術を併施した場合は、胸郭形成手術(膿胸手術の場合)の「1」に準じて算定する。

K499 胸郭形成手術(肺結核手術の場合)

(1) 胸郭形成手術(肺結核手術の場合)における「第1次」、「その他のもの」の区別は時間的関係によるものとし、第2次手術に第1肋骨切除を行った場合は「その他のもの」の所定点数により算定する。

(2) 胸郭形成手術を3回に分割して行うことが必要適切な場合は、第3次手術を「その他のもの」に準じて算定できる。

K500 補正胸郭形成手術

補正形成手術(肺切後)は、補正胸郭形成手術により算定する。

K501 乳糜胸手術

胸腔・腹腔シャントバルブ設置術は、乳糜胸手術により算定する。

K509 気管支異物除去術

(1) 気管支枝異物除去術は、区分「K510」気管支腫瘍摘出術に準じて算定する。

(2) 成人の肺胞蛋白症に対し、カーレンス氏チューブを挿入して、一側肺の換気を維持しつつ、他側肺を生理的食塩水、ヘパリン又はムコフィリン溶液等で満たし、繰返し洗浄する処置は、区分「L008」マスク又は気管内挿管による閉鎖循環式全身麻酔(2時間まで)に準じて算定する。

K510 気管支腫瘍摘出術

(1) 早期肺癌(0期又は1期)に対する光線力学療法は、気管支腫瘍摘出術(注を含む。)に準じて算定する。

(2) 当該光線力学療法は、ポルフィマーナトリウムを投与した患者に対しエキシマ・ダイ・レーザー(波長630nm)及びYAG―OPOレーザーを使用した場合など、保険適用された薬剤、機器を用いて行った場合に限り算定できる。

K511 肺切除術、K517 肺縫縮術

(1) 肺切除術に当たって自動縫合器を使用した場合は、区分「K511」肺切除術の「注」の加算点数に4個を限度として使用個数を乗じて得た点数を加算する。

(2) 刺創のため開腹、開胸により心筋損傷の縫合、心嚢の縫合、横隔膜の縫合、胃の腹腔内還納等の手術を併施した場合は、区分「K511」肺切除術の「2」に準じて算定する。

(3) 肺切除と胸郭形成手術の併施は、区分「K511」肺切除術の「5」に準じて算定する。

(4) 肺気腫に対する正中切開による肺縫縮術は、区分「K511」肺切除術に準じて算定する。

(5) 肺気腫に対する正中切開による肺縫縮術に当たって自動縫合器を使用した場合は、区分「K517」肺縫縮術の「注」の加算点数に15個を限度として使用個数を乗じて得た点数を加算する。

K513 胸腔鏡下肺切除術

(1) 対象となる疾患は、気胸、良性肺腫瘍及び肺門リンパ節、縦隔リンパ節等のリンパ節郭清を伴わない転移性肺腫瘍又は肺癌である。

(2) 肺門リンパ節、縦隔リンパ節等のリンパ節郭清を伴う転移性肺腫瘍又は肺癌に対する胸腔鏡下肺切除術については胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術により算定する。

(3) 良性縦隔腫瘍、良性胸壁腫瘍に対して胸腔鏡下で行った手術及び肺気腫に対する胸腔鏡下の肺縫縮術については、胸腔鏡下肺切除術に準じて算定する。

K514 肺悪性腫瘍手術

肺悪性腫瘍手術において肺縫縮又は気管支断端縫合を行うに当たって自動縫合器を使用した場合は、「注」の加算点数に6個を限度として使用個数を乗じて得た点数を加算する。

K514―2 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術

肺門リンパ節、縦隔リンパ節等のリンパ節郭清を伴わない胸腔鏡下肺切除術を行った場合には、胸腔鏡下肺切除術により算定する。

K516 気管支瘻閉鎖術

巨大な陳旧性空洞(排菌があるものに限る。)の結核に対して、一次的胸郭形成手術(第1、第2及び第3肋骨)に、肺尖剥離、空洞切開術(空洞内容郭清)、さらに肺を含めた空洞縫縮術を同時に併施した場合は、気管支瘻閉鎖術に準じて算定する。

K522 食道狭窄拡張術

(1) マイクロ波凝固療法を実施した場合における当該療養に係る費用は、所定点数に含まれる。

(2) 食道癌による食道狭窄病変に対し、食道用ステントを留置した場合は食道狭窄拡張術の「1」に準じて算定する。

K526 食道腫瘍摘出術

「1」内視鏡によるものについて、マイクロ波凝固療法を実施した場合における当該療法に係る費用は、所定点数に含まれる。

K526―2 早期食道悪性腫瘍内視鏡的粘膜切除術

(1) マイクロ波凝固療法を実施した場合における当該療養に係る費用は、所定点数に含まれる。

(2) 表在性食道癌に対する光線力学療法は、早期食道悪性腫瘍内視鏡的粘膜切除術(注を含む。)に準じて算定する。当該光線力学療法は、ポルフィマーナトリウムを投与した患者に対しエキシマ・ダイ・レーザー(波長630nm)及びYAG―OPOレーザーを使用した場合など、保険適用された薬剤、機器を用いて行った場合に限り算定できる。

K527 食道悪性腫瘍手術(単に切除のみのもの)

(1) 単に腫瘍のみを切除したものは区分「K526」食道腫瘍摘出術で算定する。

(2) 薬物腐蝕による全食道狭窄に対する胸壁外皮膚管形成吻合術は、切除と再建を併施する場合は区分「K525」食道切除再建術で、また、切除はせず、バイパスのみ作成する場合、区分「K531」食道切除後2次的再建術の「1」で算定する。

K529 食道悪性腫瘍手術(消化管再建手術を併施するもの)

食道悪性腫瘍手術(消化管再建手術を併施するもの)に当たって自動吻合器又は自動縫合器を使用した場合は、それぞれ1個又は3個を限度として、「注1」の加算点数に使用個数を乗じて得た点数を加算する。

K530 食道噴門形成手術(開腹によるもの)、K530―2 食道噴門形成手術(腹腔鏡によるもの)

Heller―内山式手術、アカラジアに対するペトロフスキー氏手術は、食道噴門形成手術(開腹によるもの)又は食道噴門形成手術(腹腔鏡によるもの)により算定する。

K531 食道切除後2次的再建術

食道切除後2次的再建術に当たって自動吻合器又は自動縫合器を使用した場合は、それぞれ1個又は3個を限度として、「注」の加算点数に使用個数を乗じて得た点数を加算する。

K532 食道・胃静脈瘤手術

開腹による食道静脈瘤の手術は食道・胃静脈瘤手術の「1」により算定する。

K533 食道・胃静脈瘤硬化療法

(1) 「一連」とは2週間を目安とする。治療上の必要があって初回実施後2週間を経過して実施した場合は改めて所定点数を算定する。

(2) 内視鏡的食道・胃静脈瘤結紮術は食道・胃静脈瘤硬化療法に準じて算定する。

(3) 食道・胃静脈瘤硬化療法と内視鏡的食道・胃静脈瘤結紮術を併施した場合には、いずれか主たるもので算定する。

(4) マイクロ波凝固療法を実施した場合における当該療法に係る費用は、所定点数に含まれる。

K534 横隔膜縫合術

横隔膜レラクサチオ手術は、横隔膜縫合術により算定する。

第8款 心・脈管

K551 開胸心臓マッサージ

(1) 開胸心臓マッサージと同時に併施した人工呼吸については別に所定点数を算定できる。

(2) カウンターショックと開胸的心マッサージの併施は、区分「J047」のカウンターショックの所定点数と開胸心臓マッサージの所定点数をそれぞれ算定する。

K552 ペースメーカー移植術、K554 ペースメーカー交換術

(1) ペースメーカー移植の実施日と体外ペースメーキングの実施日の間隔が1週間以内の場合にあっては、ペースメーカー移植術の所定点数のみを算定する。

(2) 腹腔・静脈シャントバルブ設置術は、ペースメーカー移植術の「2」に準じて算定する。

(3) ペースメーカー本体の交換のみの場合は区分「K554」ペースメーカー交換術により算定する。