アクセシビリティ閲覧支援ツール

(6) 同一の患者に対して同一日に精神科デイ・ケアと精神科ナイト・ケアをあわせて実施した場合は、精神科デイ・ナイト・ケアとして算定する。

(7) 当該療法に要する消耗材料等については、当該保険医療機関の負担とする。

I010 精神科ナイト・ケア

(1) 精神科ナイト・ケアは精神障害者の社会生活機能の回復を目的として行うものであり、その開始時間は午後4時以降とし、実施される内容の種類にかかわらず、その実施時間は患者1人当たり1日につき4時間を標準とする。

(2) その他精神科ナイト・ケアの取扱いについては、精神科デイ・ケアの取扱いに準じて行う。

I010―2 精神科デイ・ナイト・ケア

(1) 精神科デイ・ナイト・ケアは精神障害者の社会生活機能の回復を目的として行うものであり、実施される内容の種類にかかわらず、その実施時間は患者1人当たり1日につき10時間を標準とする。

(2) 精神科デイ・ナイト・ケアと精神科デイ・ケア又は精神科ナイト・ケアの届出をあわせて行っている保険医療機関にあっては、精神科デイ・ナイト・ケアと精神科デイ・ケア又は精神科ナイト・ケアを各々の患者に対して同時に同一施設で実施することができる。この場合、精神科デイ・ケア又は精神科ナイト・ケアを算定する患者は、各々に規定する治療がそれぞれ実施されている場合に限り、それぞれ算定できる。なお、同一日に実施される精神科デイ・ナイト・ケアの対象患者数と精神科デイ・ケア又は精神科ナイト・ケアの対象患者数の合計は、精神科デイ・ケア又は精神科デイ・ナイト・ケアの届出に係る患者数の限度を超えることはできない。

(3) その他精神科デイ・ナイト・ケアの取扱いについては、精神科デイ・ケアの取扱いに準じて行う。

I011 精神科退院指導料

(1) 精神科退院指導料は、精神科を標榜する保険医療機関において、1月を超えて入院している精神障害者である患者又はその家族等退院後の患者の看護に当たる者に対して、医師、看護師、作業療法士及び精神保健福祉士が共同して、保健医療サービス又は福祉サービス等に関する計画を策定し、「別紙様式6」を参考として作成した文書により、退院後の治療計画、退院後の療養上の留意点、退院後に必要となる保健医療サービス又は福祉サービス等について医師が説明を行った場合に算定する。なお、説明に用いた文書は、患者又はその家族等に交付するとともに、その写しを診療録に貼付すること。

(2) 精神科退院指導料は、指導を行った者及び指導の対象が患者又はその家族等にかかわらず、算定の基礎となる退院につき、1回に限り当該患者の退院日に算定する。

(3) 入院の日及び入院期間の取扱いについては、入院基本料における取扱いと同様である。

(4) 死亡退院の場合又は他の病院若しくは診療所に入院するため転院した患者については、算定できない。

(5) 退院指導料を算定した場合は、精神科退院指導料は算定できない。

I011―2 精神科退院前訪問指導料

(1) 精神科退院前訪問指導料は、精神科を標榜する保険医療機関に入院している精神障害者である患者の退院に先立ち、患家又は精神障害者社会復帰施設、小規模作業所等を訪問し、患者の病状、生活環境及び家族関係等を考慮しながら、患者又は家族等の退院後患者の看護や相談に当たる者に対して、退院後の療養上必要な指導や、在宅療養に向けた調整を行った場合に算定する。なお、医師の指示を受けて保険医療機関の保健師、看護師、作業療法士又は精神保健福祉士が訪問し、指導を行った場合にも算定できる。

(2) 精神科退院前訪問指導料は、指導を行った者及び指導の対象が患者又はその家族であるか等の如何を問わず、1回の入院につき3回を限度として指導の実施日にかかわらず退院日に算定する。

(3) 注2にかかる加算は、患者の社会復帰に向けた調整等を行うにあたり、必要があって複数の職種が共同して指導を行った場合に算定するものであり、単一の職種の複数名による訪問の場合は対象としない。

(4) 精神科退院前訪問指導料は、退院して患家に復帰又は精神障害者社会復帰施設に入所する患者が算定の対象であり、医師又は看護師、作業療法士若しくは精神保健福祉士が配置されている施設に入所予定の患者は算定の対象としない。

(5) 精神科退院前訪問指導を行った場合は、指導内容の要点を診療録等に記載する。

(6) 精神科退院前訪問指導に当たっては、当該保険医療機関における看護業務等に支障を来すことのないよう留意する。

(7) 保険医療機関は、精神科退院前訪問指導の実施に当たっては、保健所等の実施する訪問指導事業等関連事業との連携に十分配慮する。

(8) 退院前訪問指導料を算定した場合は、精神科退院前訪問指導料は算定できない。

I012 精神科訪問看護・指導料

(1) 精神科訪問看護・指導料(1)は、精神科を標榜している保険医療機関において精神科を担当している医師の指示を受けた当該保険医療機関の保健師、看護師、作業療法士又は精神保健福祉士(以下「保健師等」という。)が、精神障害者である入院中以外の患者又はその家族等の了解を得て患家を訪問し、個別に患者又は家族等に対して看護及び社会復帰指導等を行った場合に算定する。

(2) 注3に係る加算は、精神科を担当する医師が、複数の保健師等による患家への訪問が必要と判断し、当該医師の指示を受けた当該保険医療機関の複数の保健師等が、患者又は家族等に対して看護及び社会復帰指導等を行った場合に算定する。なお、保健師又は看護師の訪問に、准看護師が同行した場合には、注3に係る加算が算定できる。

(3) 精神科訪問看護・指導料(Ⅱ)は、精神科を標榜している保険医療機関において、精神科を担当する医師の指示を受けた保健師等が、グループホーム又は医師若しくは看護師の配置を義務付けられていない精神障害者社会復帰施設の了解の下にこれらの施設を訪問して、当該施設に入所し、かつ、当該保険医療機関で診療を行っている複数の患者又はその介護を担当する者等に対して同時に看護又は社会復帰指導を行った場合に算定する。

(4) (3)に規定する精神科訪問看護・指導は、1名の保健師等が同時に行う看護・指導の対象患者等の数は5名程度を標準とし、1回の訪問看護・指導に8名を超えることはできない。

(5) 医師は、保健師等に対して行った指示内容の要点を診療録に記載する。

(6) 保健師等は、医師の指示に基づき行った指導の内容の要点並びに訪問看護・指導を実施した際の開始時刻及び終了時刻を記録にとどめておく。

(7) 保険医療機関は、精神科訪問看護・指導の実施に当たっては、保健所の実施する訪問指導事業との連携に十分配慮する。

(8) 「注4」に規定する交通費は実費とする。

I013 持続性抗精神病注射薬剤治療指導管理料

(1) 持続性抗精神病注射薬剤治療指導管理料は、精神科を標榜する保険医療機関において、精神科を担当する医師が、持続性抗精神病注射薬剤を投与している入院中の患者以外の統合失調症患者に対して、計画的な治療管理を継続して行い、かつ、当該薬剤の効果及び副作用に関する説明を含め、療養上必要な指導を行った場合に、月1回に限り、当該薬剤を投与した日に算定する。

(2) 持続性抗精神病注射薬剤とは、デカン酸ハロペリドール、エナント酸フルフェナジン及びデカン酸フルフェナジンをいう。

(3) 持続性抗精神病注射薬剤治療管理を行った場合は、治療計画及び指導内容の要点を診療録に記載する。

I014 医療保護入院等診療料

(1) 医療保護入院等診療料は、措置入院、緊急措置入院、医療保護入院、応急入院に係る患者について、当該入院期間中1回に限り算定する。

(2) 医療保護入院等診療料を算定する場合にあっては、患者の該当する入院形態を診療報酬明細書に記載する。

(3) 医療保護入院等診療料を算定する病院は、隔離等の行動制限を最小化するための委員会において、入院医療について定期的な(少なくとも月1回)評価を行うこと。

(4) 患者に対する治療計画、説明の要点について診療録に記載すること。

I015 痴呆患者特殊療法料

(1) 痴呆患者特殊療法料は、老人診療報酬の例により算定することとし、その実施上の留意事項は、老人保健福祉局から別途通知されるところによる。なお、「2」及び「3」については、老人保健法の規定による医療に要する費用の額の算定に関する基準の規定に基づき、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているとして都道府県知事に届出を行った保険医療機関にあっては、健康保険法の規定による療養に要する費用の額の算定方法の規定に基づく地方社会保険事務局長への届出が行われたものとみなす。

(2) 痴呆患者在宅療養指導管理料については、精神科を標榜する保険医療機関以外の保険医療機関においても算定できる。

第2節 薬剤料

精神病特殊薬物療法は、第2章第5部投薬として算定する。

第8部の2 精神科専門療法(老人医科診療報酬点数表関係)

1 重度痴呆患者デイ・ケア料

(1) 精神症状及び行動異常が著しい痴呆患者の精神症状等の軽快及び生活機能の回復を目的とし、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合していると保険医療機関が届出をし、都道府県知事が受理した保険医療機関において行った場合に算定する。

(2) 医師の診療に基づき、対象となる患者ごとにプログラムを作成し、このプログラムに従って行うものであって、定期的にその評価を行う等計画的な医学的管理に基づいて行うものであること。

(3) 重度痴呆患者デイ・ケア料(Ⅱ)については、送迎中に当該保険医療機関の職員が機能訓練等を併せて行った場合に算定するものであること。なお、重度痴呆患者デイ・ケア料(Ⅱ)の届出施設において、送迎中の機能訓練を伴わない重度痴呆患者デイ・ケアを行った場合にあっては、重度痴呆患者デイ・ケア料(Ⅰ)の所定点数を算定するものであること。

(4) 加算の対象となる食事の提供は、あくまでも治療の一環として行われるものであること。

(5) 食事の提供に当たっては、当該保険医療機関において調理されるとともに、関係帳簿を整備すること。

(6) 重度痴呆患者デイ・ケアの実施時刻については、診療録等に記載すること。

(7) 重度痴呆患者デイ・ケア料の算定については、医科点数表第2章特掲診療料の第8部精神科専門療法の通則が適用されるものであること。

2 重度痴呆患者入院治療料

(1) 精神病棟において、精神症状及び行動異常が特に著しい痴呆患者を別に厚生労働大臣が定める基準に適合していると保険医療機関が届出をし、都道府県知事が受理した病棟に入院させ、当該患者の精神症状等の軽快及び生活機能の回復を目的として行う看護並びに生活機能回復のための訓練及び指導を行った場合に算定するものであること。

なお、(2)に該当しない患者又は当該入院治療によって一定程度の精神症状の軽快及び生活機能の回復が得られた患者については、重度痴呆患者入院治療料は算定できないものであること。

(2) 重度痴呆患者入院治療料の対象となるのは、痴呆に伴って幻覚、妄想、夜間せん妄、徘徊、弄便、異食等の症状が著しく、その看護が著しく困難な患者であること。

(3) 看護並びに生活機能回復のための訓練及び指導の実施に当たっては、医師の診療に基づき心理検査の結果等を踏まえて、対象患者ごとに治療計画を作成し集中的に行うとともに、定期的にその評価を行う等計画的な医学的管理に基づいて行うこと。

生活機能回復のための訓練及び指導は、医師の指導監督のもとで、作業療法士、看護師、精神保健福祉士の従事者により実施されるものであること。

(4) 生活機能回復のための訓練及び指導は、生活機能訓練室等において患者1人当たり1日4時間、週5回の実施を標準とするものであること。

(5) 生活機能回復のための訓練及び指導の内容の要点及び実施時刻については、診療録等に記載するものであること。

3 痴呆性老人入院精神療法料

(1) 痴呆性老人入院精神療法とは、回想法又はR.O.法(リアリティー・オリエンテーション法)を用いて痴呆患者の情動の安定、残存認知機能の発掘と活用、覚醒性の向上等を図ることにより、痴呆疾患の症状の発現及び進行に係わる要因を除去する治療法をいう。

(2) 痴呆性老人入院精神療法とは、精神科医師の診療に基づき対象となる患者ごとに治療計画を作成し、この治療計画に従って行うものであって、定期的にその評価を行う等の計画的な医学的管理に基づいて実施しているものであること。

(3) 精神科を担当する1人の医師及び1人の臨床心理技術者等の従事者により構成される少なくとも合計2人の従事者が行った場合に限り算定するものであること。なお、この場合、精神科を担当する医師が、必ず1人以上従事していること。

(4) 1回に概ね10人以内の患者を対象として、1時間を標準として実施するものであること。

(5) 実施に要した内容、要点及び時刻について診療録等に記載するものであること。

第9部 処置(医科診療報酬点数表関係)

<通則>

1 処置の費用は、第1節処置料と第2節薬剤料と第3節特定保険医療材料料に掲げる所定点数を合算した点数によって算定する。この場合において、処置に当たって通常使用される包帯(頭部・頸部・躯幹固定用伸縮性包帯を含む。)、ガーゼ等衛生材料、患者の衣類及び保険医療材料の費用は、所定点数に含まれており、別に算定できない。

なお、処置に用いる衛生材料を患者に持参させ、又は処方せんにより投与するなど患者の自己負担とすることは認められない。

2 特に規定する場合を除き、患者に対して特定保険医療材料又は薬剤を支給したときは、これに要する費用として、特定保険医療材料については「特定保険医療材料及びその材料価格(材料価格基準)」の定めるところにより、薬剤については「使用薬剤の薬価(薬価基準)」の定めるところにより算定する。なお、この場合、薬剤費の算定の単位は1回に使用した総量の価格であり、患者に対して施用した場合に限り、特に規定する場合を除き算定できるものであるが、投薬の部に掲げる処方料、調剤料、処方せん料及び調剤技術基本料並びに注射の部に掲げる注射料は、別に算定できない。

3 浣腸、注腸、吸入その他第1節処置料に掲げられていない処置であって簡単な処置(簡単な物理療法を含む。)の費用は、基本診療料に含まれるものとし、別に算定することはできない。

なお、処置に対する費用が別に算定できない場合(処置後の薬剤病巣撒布を含む。)であっても、処置に際して薬剤を使用した場合には、第2節薬剤料に定めるところにより薬剤料を算定することはできる。

4 「通則5」の休日加算、時間外加算又は深夜加算(以下「時間外加算等」という。)は、区分「A000」の注5、区分「A001」の注3、区分「A002」の注4の対象となる初診又は再診に引き続き行われた150点以上の緊急処置の場合についてのみ算定できるものであり、入院中の患者については対象とならない。なお、当該処置の開始時間が入院手続の後であっても当該加算は算定できる。

5 処置の開始時間とは、患者に対し直接施療した時とする。なお、処置料において「1日につき」とあるものは午前0時より午後12時までのことであり、午前0時前に処置を開始し、午前0時以降に処置が終了した場合には、処置を行った初日のみ時間外加算を算定し、午前0時以降の2日目については算定できない。

6 処置が保険医療機関又は保険医の都合により時間外となった場合は時間外加算等は算定できない。

7 時間外加算等に係る「所定点数」とは、第1節処置料に掲げられた点数及び各注による加算(ただし、酸素又は窒素を使用した場合の加算を除く。)を合計した点数であり、通則に基づく加算、第2節、第3節における費用は含まない。

8 4から7に規定する他、時間外加算等の取扱いについては、初診料における場合と同様である。

9 「通則6」における「特に規定する場合」とは、処置名の末尾に片側と記入したものをいう。両眼に異なる疾患を有し、それぞれ異なった処置を行った場合は、その部分についてそれぞれ別に算定できる。

10 「通則7」の加算は、腰部固定帯を給付する都度算定する。なお、「腰部固定帯」とは、従来、頭部・頸部・躯幹固定用伸縮性包帯として扱われてきたもののうち、簡易なコルセット状のものをいう。

11 胸部固定帯は、腰部固定帯に準じて算定することができる。ただし、肋骨骨折に対し非観血的整復術を行った後に使用した場合は、手術の所定点数に含まれており別途算定できない。

12 第1節に掲げられていない特殊な処置の処置料は、その都度当局に内議し、最も近似する処置として準用が通知された算定方法により算定する。

13 血腫、膿腫その他における穿刺は、新生児頭血腫又はこれに準ずる程度のものに対して行う場合は、陰嚢水腫穿刺に準じて算定できるが、小範囲のものや試験穿刺については、算定できない。

<処置料>

(一般処置)

J000 創傷処置

(1) 創傷処置、区分「J001」術後創傷処置及び区分「J053」皮膚科軟膏処置の各号に示す範囲とは、包帯等で被覆すべき創傷面の広さ、又は軟膏処置を行うべき広さをいう。なお、各号の中間に位する場合は、どちらに近いかによって近い方の号に該当するものとして扱う。

(2) 創傷処置、術後創傷処置、皮膚科軟膏処置の「2」の「頭部、頸部及び顔面」とは頭部+頸部+顔面の意味で、頸部以上の大部分を占める範囲のもののことである。また、「5」の「身体の大部」とは「体表の3分の2以上を被覆」の場合が該当する。

(3) 創傷処置における創傷には熱傷が含まれる。また、熱傷には電撃傷、薬傷及び凍傷が含まれる。

(4) 同一疾病又はこれに起因する病変に対して創傷処置、術後創傷処置、皮膚科軟膏処置又は湿布処置が行われた場合は、それぞれの部位の処置面積を合算し、その合算した広さを、いずれかの処置の各号に照らして算定するものとし、併せて算定できない。

(5) 同一部位に対して創傷処置、術後創傷処置、皮膚科軟膏処置、面皰圧出法又は湿布処置が行われた場合はいずれか1つのみにより算定し、併せて算定できない。

(6) 区分「C109」在宅寝たきり患者処置指導管理料又は区分「C112」在宅気管切開患者指導管理料を算定している患者(これらに係る器具加算、薬剤料又は特定保険医療材料料のみを算定している者を含み、入院中の患者を除く。)については、創傷処置(熱傷に対するものを除く。)の費用は算定できない。

(7) 中心静脈圧測定、点滴注射、静脈内注射及び中心静脈注射に係る穿刺部位のガーゼ交換等の処置料及び材料料は、別に算定できない。

J001 術後創傷処置

(1) 術後創傷処置とは術後14日以内に実施された創傷処置をいう。14日を超えて実施した場合は区分「J000」創傷処置として取り扱う。

(2) 複数の部位の手術後の創傷処置については、それぞれの部位の処置面積を合算し、その合算した広さに該当する点数により算定する。なお、各号の範囲等については、区分「J000」創傷処置の(1)(2)(3)(4)及び(5)を参照されたい。

(3) 処置の回数にかかわらず、1日につき所定の点数のみにより算定する。

J001―2 絆創膏固定術

(1) 足関節捻挫又は膝関節靭帯損傷に絆創膏固定術を行った場合に算定する。ただし、交換は原則として週1回とする。

(2) 鎖骨骨折固定術は絆創膏固定術に準じて算定する。ただし、固定術後の包帯交換は、区分「J001」術後創傷処置(術後14日を超える場合は区分「J000」創傷処置)に準じて算定する。

(3) 肋骨骨折固定術及び肋骨骨折固定術の2回目以降の絆創膏貼用は、絆創膏固定術に準じて算定する。

J002 ドレーン法(ドレナージ)

(1) 部位数、交換の有無にかかわらず、1日につき、所定点数のみにより算定する。

(2) ドレナージの部位の消毒等の処置料は、所定点数に含まれる。

(3) 「1」と「2」は同一日に併せて算定できない。

(4) ドレーン抜去後に抜去部位の処置が必要な場合は、「J001」術後創傷処置の「1」として算定する。

J005 脳室穿刺

区分「D401」脳室穿刺と同一日に算定することはできない。

J006 後頭下穿刺

区分「D402」後頭下穿刺と同一日に算定することはできない。

J007 腰椎穿刺

(1) 区分「D403」腰椎穿刺と同一日に算定することはできない。

(2) 胸椎穿刺又は頸椎穿刺は、腰椎穿刺に準じて算定する。

J008 胸腔穿刺

(1) 胸腔穿刺、洗浄、薬液注入又は排液について、これらを併せて行った場合においては、胸腔穿刺の所定点数を算定する。

(2) 単なる試験穿刺として行った場合は、区分「D419」その他の検体採取の「2」により算定する。

J010 腹腔穿刺

超音波検査を用いて肝膿瘍等に対して穿刺術を行った場合は、区分「D412」経皮的針生検法に準じて算定する。

J011 骨髄穿刺

区分「D404」骨髄穿刺と同一日に算定することはできない。

J012 腎嚢胞又は水腎症穿刺

区分「D407」腎嚢胞又は水腎症穿刺と同一日に算定することはできない。

J013 ダグラス窩穿刺

区分「D408」ダグラス窩穿刺と同一日に算定することはできない。

J014 乳腺穿刺

区分「D410」乳腺穿刺又は針生検と同一日に算定することはできない。

J015 甲状腺穿刺

区分「D411」甲状腺穿刺又は針生検と同一日に算定することはできない。

J016 リンパ節等穿刺

区分「D409」リンパ節等穿刺又は針生検と同一日に算定することはできない。

J017 エタノールの局所注入

(1) 肝がん、有症状の甲状腺のう胞、機能性甲状腺結節(Plummer病)、内科的治療に抵抗性の2次性副甲状腺機能亢進症等に対してエタノールを局所注入した場合に算定する。なお、使用したエタノールは、所定点数に含まれ別に算定できない。

(2) 当該手技に伴って実施される超音波検査、画像診断の費用は所定点数に含まれる。

J018 喀痰吸引

(1) 喀痰の凝塊又は肺切除後喀痰が気道に停滞し、喀出困難な患者に対し、ネラトンカテーテル及び吸引器を使用して喀痰吸引を行った場合に算定する。

(2) 喀痰吸引、気管支分泌物吸引、間歇的陽圧吸入法、鼻マスク式補助換気法、高気圧酸素治療、インキュベーター、人工呼吸、持続陽圧呼吸法、間歇的強制呼吸法、気管内洗浄(気管支ファイバースコピーを使用した場合を含む。)、ネブライザー又は超音波ネブライザーを同一日に行った場合は、主たるものの所定点数のみにより算定する。

(3) 内視鏡で行った気管支分泌物の吸引は区分「J023」気管支カテーテル薬液注入法に準じて算定する。ただし、算定は1日に1回を限度とする。

(4) 干渉低周波去痰器による喀痰排出は、喀痰吸引及びその「注」に準じて算定する。ただし、喀痰吸引と喀痰排出を同一日に行った場合はどちらか一方のみ算定する。

(5) 区分「C103」在宅酸素療法指導管理料、区分「C107」在宅人工呼吸指導管理料、区分「C109」在宅寝たきり患者処置指導管理料又は区分「C112」在宅気管切開患者指導管理料を算定している患者(これらに係る器具加算又は特定保険医療材料料のみを算定している者を含み、入院中の患者を除く。)については、喀痰吸引の費用は算定できない。

J019 持続的胸腔ドレナージ

(1) 2日目以降は、区分「J002」ドレーン法(ドレナージ)の所定点数により算定する。

(2) 手術と同一日に行った持続的胸腔ドレナージ又は持続的腹腔ドレナージは別に算定できない。なお、手術の翌日以降は、区分「J002」ドレーン法(ドレナージ)により算定する。

(3) 胸腔内出血排除術(非開胸的)は、持続的胸腔ドレナージに準じて算定する。

J020 胃持続ドレナージ

2日目以降は、区分「J002」ドレーン法(ドレナージ)の所定点数により算定する。

J021 持続的腹腔ドレナージ

2日目以降は、区分「J002」ドレーン法(ドレナージ)の所定点数により算定する。

J022 高位浣腸、高圧浣腸、洗腸

(1) 高位浣腸、高圧浣腸、洗腸又は摘便を同一日に行った場合は、主たるものの所定点数により算定する。

(2) 腰椎麻酔下で行った直腸内の異物除去については、高位浣腸、高圧浣腸、洗腸に準じて算定する。

(別紙1)

J024 酸素吸入

(1) 間歇的陽圧吸入法、鼻マスク式補助換気法、インキュベーター、人工呼吸、持続陽圧呼吸法、間歇的強制呼吸法又は気管内洗浄(気管支ファイバースコピーを使用した場合を含む。)と同一日に行った酸素吸入又は酸素テントの費用は、それぞれの所定点数に含まれており、別に算定できない。

(2) 酸素吸入のほか酸素又は窒素を使用した診療に係る酸素又は窒素の価格は、「酸素及び窒素の価格」(平成2年厚生省告示第41号)により定められており、その単価(単位リットル。摂氏35度、1気圧における容積とする。)は、次のとおりである。

ア 離島等以外の地域に所在する保険医療機関の場合

液体酸素の単価

定置式液化酸素貯槽(CE)に係る酸素の単価 1リットル当たり0.20円

可搬式液化酸素容器(LGC)に係る酸素の単価 1リットル当たり0.30円

酸素ボンベに係る酸素の単価

大型ボンベに係る酸素の単価 1リットル当たり0.40円

小型ボンベに係る酸素の単価 1リットル当たり2.25円

イ 離島等に所在する保険医療機関の場合

液体酸素の単価

定置式液化酸素貯槽(CE)に係る酸素の単価 1リットル当たり0.30円

可搬式液化酸素容器(LGC)に係る酸素の単価 1リットル当たり0.45円

酸素ボンベに係る酸素の単価

大型ボンベに係る酸素の単価 1リットル当たり0.60円

小型ボンベに係る酸素の単価 1リットル当たり3.00円

(3) 離島等とは、以下の地域をいう。

ア 離島振興法(昭和28年法律第72号)第2条第1項の規定により離島振興対策実施地域として指定された離島の地域

イ 奄美群島振興開発特別措置法(昭和29年法律第189号)第1条に規定する奄美群島の地域

ウ 小笠原諸島振興開発特別措置法(昭和44年法律第79号)第2条に規定する小笠原諸島の地域

エ 沖縄振興特別措置法(平成14年法律第14号)第3条第3項に規定する離島

オ 過疎地域自立促進特別措置法(平成12年法律第15号)第2条第1項に規定する過疎地域

カ 豪雪地帯対策特別措置法(昭和37年法律第73号)第2条第2項の規定により特別豪雪地帯として指定された地域

(4) 定置式液化酸素貯槽(CE)とは、医療機関の敷地内に設置されており、通常気体酸素容量が200万Lから1,500万Lのものをいい、可搬式液化酸素容器(LGC)とは、気体酸素容量が13.3万L又は37.6万Lのものをいい、大型ボンベとは、ボンベ1本当たり通常7,000L又は6,000L用のボンベをいい3,000Lを超えるもの、小型ボンベとは、ボンベ1本当たり通常1,500L又は500L用のボンベをいい3,000Lを以下のものをいう。

(5) 酸素の価格については、次の算式により算出した値の1円未満を四捨五入して得た額とする。

酸素の価格(単位 円)=酸素の単価(単位 円)×当該患者に使用した酸素の容積(単位 リットル)×補正率

(6) (2)の規定にかかわらず、(2)に規定する区分ごとに次の算式により、保険医療機関ごとに算出される酸素の購入単価が(2)に規定する単価に満たない場合には、4月1日から3月31日までの1年間の診療については、この酸素の購入単価を用いて算出した酸素の購入価格によって請求するものとする。

酸素の購入価格(単位 円)=酸素の購入単価(単位 円)×当該患者に使用した酸素の容積(単位 リットル)×補正率

酸素の購入単価(単位 円)=当該年度の前年の1月から12月までの間に当該保険医療機関が購入した酸素の対価/当該購入した酸素の容積(単位 リットル。35℃1気圧で換算)

なお、酸素の購入時期と請求時期との関係を以下に明示する。

●の診療に係る請求

③、④及び⑤の購入実績により算出した酸素の購入単価による。

▲の診療に係る請求

①及び②の購入実績により算出した酸素の購入単価による。

(7) (5)及び(6)の算式の場合において、「当該患者に使用した酸素の容積」とは、患者に使用する際の状態の温度及び気圧において測定された酸素の容積をいうものであり、一定の温度又は気圧に換算する必要はない。

また、補正率1.3は、購入時と使用時の気体の状態の違いに由来する容積差等を勘案の上設定したものである。

(8) 新規に保険医療機関の指定を受けた場合及び(2)に規定する区分を追加又は変更した場合であって、当該診療に係る年度の前年の1月から12月までの1年間において酸素の購入実績がない場合にあっては、当年度の3月までの間は、次に定めるところによって酸素の購入単価を算出するものとする。その場合において購入単価が(2)に規定する単価を超える場合は、(2)の購入単価とする。

ア 当該診療月前に酸素を購入した実績がある場合(当該年度内に新規に指定された購入又は区分の追加若しくは変更(大型ボンベを廃止し、CEに変更等)を行った場合に限る。)にあっては、購入した酸素(保険医療機関の指定を受けた日前に購入したものを含む。)の対価を当該購入した酸素の摂氏35度、1気圧における容積(単位 リットル)で除して得た額の0.01円未満の端数を四捨五入した額を酸素の購入単価とする。

イ アにより算出した場合の購入単価について、当年度の3月までの間については、当該診療月前に酸素を購入した全ての購入した酸素(保険医療機関の指定を受けた日前に購入したものを含む。)の対価を当該購入した酸素の摂氏35度、1気圧における容積(単位 リットル)で除して得た額の0.01円未満の端数を四捨五入した額を酸素の購入単価とする。

(9) (6)並びに(8)のア及びイの関係は、当該年度(診療日の属する年度)に係る購入単価は、原則、前年の1月から12月までの購入実績に基づき算出した単価とするものであるが、年度の途中において新規又は区分の変更を行った年度に限り当該年度内の購入実績に基づき購入単価とするものである。従って、翌年度の4月1日からは、(6)により算出した購入単価によることとなる。

(10) 離島等における特別の事情とは、酸素の搬入において船舶による搬入時間が、多くの時間を要する場合や酸素製造工場又は医療用酸素充填所から著しく遠距離であるため通常の価格では購入が困難な場合等を考慮したものであり、当該事情があると認められた場合には、(2)の規定にかかわらず、(2)に規定する区分ごとに(5)に規定する算式により、保険医療機関ごとに算出される酸素の購入単価が(2)に規定する単価を超える場合は、4月1日から3月31日までの1年間の診療については、この酸素の購入単価を用いてて算出した酸素の購入価格によって請求するものとする。なお、この場合、前年度の購入単価を超えることはできないものとする。ただし、大型ボンベにあっては、6,000L以上、小型ボンベにあっては、500L以上に限る。

(11) 離島等における特別の事情がある場合は、その理由を記載した書面を地方社会保険事務局長に届け出るものとする。

(12) 保険医療機関は、当該年の4月1日以降の診療に係る費用の請求に当たって用いる酸素の単価並びにその算出の基礎となった前年の1月から12月までの間に当該保険医療機関が購入した酸素の対価及び当該購入した酸素の容積を別紙様式18により、当該年の2月15日までに地方社会保険事務局長に届け出るものとする。ただし、(8)のア又はイの方法によって酸素の購入単価を算出している場合にあっては、随時(当該年度内において算出した購入単価に30%を超える変動があった場合を含む。)地方社会保険事務局長に届け出るものとする。

(13) 地方社会保険事務局においては、届出を受けた購入単価について、審査支払機関に対し通知するとともに、保険者に対し通知し、情報提供を行うこと。

(14) 窒素の価格は、液化窒素、ボンベ等の窒素の形態にかかわらず、窒素の単価に当該患者に使用した窒素の容積を乗じた値とする。なお、窒素の単価は1リットル当たり0.12円である。

(15) 酸素を動力源とする閉鎖循環式麻酔装置、高気圧酸素治療装置等を利用して、人工呼吸、酸素吸入、高気圧酸素治療等を行った場合、動力源として消費される酸素の費用は算定できない。また、動力源として消費される窒素の費用も算定できない。

(16) 区分「C103」在宅酸素療法指導管理料又は区分「C107」在宅人工呼吸指導管理料を算定している患者(これに係る器具加算のみを算定している者を含み、入院中の患者を除く。)については、酸素吸入の費用は算定できない。

(17) 突発性難聴に対する酸素療法は、酸素吸入により算定する。

(18) 酸素と窒素を用いて空気と類似した組成の気体を作成し酸素吸入等に用いた場合、酸素及び窒素の費用は算定できない。

J025 酸素テント

(1) 使用したソーダライム等の二酸化炭素吸着剤の費用は所定点数に含まれる。

(2) 区分「C103」在宅酸素療法指導管理料又は区分「C107」在宅人工呼吸指導管理料を算定している患者(これらに係る器具加算のみを算定している者を含み、入院中の患者を除く。)については、酸素テントの費用は算定できない。

J026 間歇的陽圧吸入法

(1) 体外式陰圧人工呼吸器治療は、間歇的陽圧吸入法に準じて算定する。

(2) 区分「C103」在宅酸素療法指導管理料又は区分「C107」在宅人工呼吸指導管理料を算定している患者(これらに係る器具加算のみを算定している者を含み、入院中の患者を除く。)については、間歇的陽圧吸入法の費用は算定できない。

J027 高気圧酸素治療

(1) 「1」は次の疾患に対して、発症後1週間以内に行う場合に、1日につき所定点数を算定する。

ア 急性一酸化炭素中毒その他のガス中毒(間歇型を含む。)

イ ガス壊疽

ウ 空気塞栓又は減圧症

エ 急性末梢血管障害

a 重症の熱傷又は凍傷

b 広汎挫傷又は中等度以上の血管断裂を伴う末梢血管障害

オ ショック

カ 急性心筋梗塞その他の急性冠不全

キ 脳塞栓、重症頭部外傷若しくは開頭術後の意識障害又は脳浮腫

ク 重症の低酸素性脳機能障害

ケ 腸閉塞

コ 網膜動脈閉塞症

サ 突発性難聴

シ 重症の急性脊髄傷害

(2) 「2」は次の疾患又は「1」の適応疾患であって発症後の期間が1週間を超えたものに行う場合に、1日につき所定点数を算定する。

ア 放射線又は抗癌剤治療と併用される悪性腫瘍

イ 難治性潰瘍を伴う末梢循環障害

ウ 皮膚移植

エ スモン

オ 脳血管障害、重症頭部外傷又は開頭術後の運動麻痺

カ 一酸化炭素中毒後遺症

キ 脊髄神経疾患

ク 骨髄炎又は放射線壊死

(3) 2絶対気圧以上の治療圧力が1時間に満たないものについては、1日につき区分「J024」酸素吸入により算定する。

(4) 高気圧酸素治療を行うに当たっては、関係学会より留意事項が示されているので、これらの事項を十分参考とすべきものである。

J028 インキュベーター

(1) インキュベーターを行うに当たって使用した滅菌精製水の費用は、所定点数に含まれる。

(2) 1日につき所定点数により算定する。

J029 鉄の肺

1日につき所定点数により算定する。

J034 ミラー・アボット管(イレウス管)挿入法

2日目以降は、ドレーン法(ドレナージ)の所定点数により算定する。

J038 人工腎臓

(1) 人工腎臓には、血液透析のほか血液濾過、血液透析濾過が含まれる。

(2) 入院中の患者に人工腎臓を行った場合又は特掲診療料の施設基準等(平成16年厚生労働省告示第50号)の第11の2に規定する場合(入院中の患者以外の患者に血液濾過を行った場合又はその他特に厚生労働大臣が認める場合)に該当する場合においては、「2」により算定する。なお、「その他特に厚生労働大臣が認める場合」とは、入院中の患者以外の患者であって下記の場合である。

ア 血液透析濾過を行った場合

イ 生命に危険を及ぼす程度の重篤な出血性合併症(頭蓋内出血、消化管出血)を有する患者に対して血液透析を行った場合

ウ 重大な視力障害に至る可能性が著しく高い、進行性眼底出血を有する患者に血液透析を行った場合

(3) (2)の場合(入院中の患者の場合を除く。)に該当し、「2」により算定する場合にあっては、その理由を診療報酬明細書の摘要欄に記載する。

(4) 「注1」の夜間人工腎臓加算の開始時間については、シャントから動脈血を人工腎臓用特定保険医療材料に導き入れるときとし、人工腎臓実施前の準備、整理等に要する時間は除かれる。

(5) 人工腎臓の時間等については、患者の病態に応じて、最も妥当なものとし、治療内容の変更が必要となった場合には、患者に十分な説明をすること。

(6) 1月に15回以上人工腎臓を実施した場合は、15回目以降の人工腎臓は算定できない。ただし、薬剤料(透析液、血液凝固阻止剤及び生理食塩水を含む。)又は特定保険医療材料料は別に算定できる。

(7) 区分「C102」に掲げる在宅自己腹膜灌流指導管理料又は区分「C102―2」に掲げる在宅血液透析指導管理料を算定している患者(これらに係る器具加算、薬剤料又は特定保険医療材料料のみを算定している者を含み、入院中の患者を除く。)については、人工腎臓の費用は別に算定できない。ただし、薬剤料又は特定保険医療材料料は別に算定できる。

(8) 人工腎臓における血液濾過は、人工腎臓の必要な患者のうち、血液透析によって対処ができない透析アミロイド症若しくは透析困難症の患者又は緑内障、心包炎若しくは心不全を合併する患者について、血液透析を行った上で、その後血液濾過を実施した場合に限り算定できる。この場合の人工腎臓の費用は、「2」により算定する。

(9) 人工腎臓における血液透析濾過は、人工腎臓の必要な患者のうち、血液透析によって対処ができない透析アミロイド症又は透析困難症の患者について実施した場合に限り算定できる。この場合の人工腎臓の費用は「2」により算定する。

(10) 「注1」の加算については、人工腎臓を緊急のため午後5時以降に開始したため又は緊急のため休日に行ったため、「通則5」による時間外加算等が算定できる場合にあっては、併せて算定できない。

(11) 休日加算の対象となる休日とは、初診料における休日加算の対象となる休日と同じ取扱いである。ただし、日曜日である休日(日曜日である12月29日から1月3日までの日を除く。)は、休日加算の対象としない。

(12) 休日の午後5時以降に開始した場合又は午後9時以降に終了した場合にあっては、「注1」の加算を1回のみ算定できる。

(13) 療養の一環として行われた食事以外の食事が提供された場合には、患者から実費を徴収することができるものであること。

(14) 「注2」の加算については、「人工腎臓における導入期」とは継続して血液透析を実施する必要があると判断された場合の血液透析の開始日より1月間をいい、これに該当する場合、1回につき300点を1月間に限り算定する。

(15) 「注3」の加算については、下記に掲げる状態の患者であって著しく人工腎臓が困難なものについて算定する。

ア 障害者基本法にいう障害者(腎不全以外には身体障害者手帳を交付される程度の障害を有さない者であって、腎不全により身体障害者手帳を交付されているものを除く。)

イ 精神保健福祉法の規定によって医療を受ける者

ウ 「特定疾患治療研究事業について」(昭和48年4月17日衛発第242号)の別紙の第3に掲げる疾患に罹患している者として都道府県知事から医療受給者証の発行を受けている患者であって介護を要するもの

エ 透析中に頻回の検査、処置を必要とするインスリン注射を行っている糖尿病の患者

オ 運動麻痺を伴う脳血管疾患患者

カ 痴呆患者

キ 常時低血圧症(収縮期血圧が90mmHg以下)の者

ク 透析アミロイド症で手根管症候群や運動機能障害を呈する者

ケ 出血性消化器病変を有する者

コ 骨折を伴う二次性副甲状腺機能亢進症の患者

サ 重症感染症に合併しているために入院中の患者

シ 末期癌に合併しているために入院中の患者

ス 入院中の患者であって腹水・胸水が貯留しているもの

セ 妊婦(妊娠中期以降)

ソ うっ血性心不全(NYHAⅢ度以上)

タ 12歳未満の小児

チ 人工呼吸を実施中の患者

ツ 結核菌を排菌中の患者

(16) 人工腎臓の所定点数に含まれるものの取扱いについては、次の通りとする。

ア 「1」の場合には、透析液(灌流液)、血液凝固阻止剤及び生理食塩水の費用は所定点数に含まれており、別に算定できない。なお、生理食塩水には、回路の洗浄・充填、血圧低下時の補液、回収に使用されるものが含まれ、同様の目的で使用される電解質補液、ブドウ糖液等についても別に算定できない。

イ 「1」により算定する場合においても、透析液(灌流液)、血液凝固阻止剤及び生理食塩水の使用について適切に行うこと。

ウ 人工腎臓灌流原液の希釈水の費用は、所定点数に含まれ、別に算定できない。また、必要があって脱イオン(純水製造装置による)を行わなければ使用できない場合であっても同様である。

エ 人工腎臓の希釈水に対してアルミニウム、フッ素、遊離塩素及びエンドトキシン等を除去する目的で逆浸透装置、活性炭フィルター及び軟水装置を用いて水処理を行った場合の費用は所定点数に含まれ、別に算定できない。

オ 緊急時ブラッドアクセス用留置カテーテルを設置するための手技料は所定点数に含まれ、別に算定できない。なお、本カテーテルは1週間に1本を限度とする。

カ 人工腎臓の回路を通して行う注射料は、所定点数に含まれ、別に算定できない。

(17) 持続緩徐式血液濾過術は区分「J038」人工腎臓の「2」並びに「注」の「1」及び「3」に準じて算定できる。この場合において使用した特定保険医療材料については、持続緩徐式血液濾過器として算定する。

(18) 持続緩徐式血液濾過術は、腎不全のほか、重症急性膵炎、劇症肝炎又は術後肝不全(劇症肝炎又は術後肝不全と同程度の重症度を呈する急性肝不全を含む。)の患者に対しても算定できる。ただし、重症急性膵炎の患者に対しては一連につきおおむね8回を限度とし、劇症肝炎又は術後肝不全(劇症肝炎又は術後肝不全と同程度の重症度を呈する急性肝不全を含む。)の患者に対しては一連につき月10回を限度として3月間に限って算定する。

(19) 人工腎臓、腹膜灌流又は持続緩徐式血液濾過術を同一日に実施した場合は、主たるものの所定点数のみにより算定する。

(20) 「2」の場合であって、人工腎臓を夜間に開始し、午前0時以降に終了した場合においても、「1」に準じて1日として算定する。

J039 血漿交換療法

(1) 血漿交換療法は、多発性骨髄腫、マクログロブリン血症、劇症肝炎、薬物中毒、重症筋無力症、悪性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、血栓性血小板減少性紫斑病、重度血液型不適合妊娠、術後肝不全、急性肝不全、多発性硬化症、慢性炎症性脱髄性多発根神経炎、ギラン・バレー症候群、天疱瘡、類天疱瘡、巣状糸球体硬化症、溶血性尿毒症症候群、家族性高コレステロール血症、閉塞性動脈硬化症若しくはインヒビターを有する血友病の患者又はABO血液型不適合間若しくは抗リンパ球抗体陽性の同種腎移植の患者に対して、遠心分離法等により血漿と血漿以外とを分離し、二重濾過法、血漿吸着法等により有害物質等を除去する療法(血漿浄化法)を行った場合に算定できるものであり、必ずしも血漿補充を要しない。

(2) 当該療法の対象となる多発性骨髄腫、マクログロブリン血症の実施回数は、一連につき週1回を限度として3月間に限って算定する。

(3) 当該療法の対象となる劇症肝炎については、ビリルビン及び胆汁酸の除去を目的に行われる場合であり、当該療法の実施回数は、一連につき概ね10回を限度として算定する。

(4) 当該療法の対象となる薬物中毒の実施回数は、一連につき概ね8回を限度として算定する。

(5) 当該療法の対象となる重症筋無力症については、発病後5年以内で重篤な症状悪化傾向のある場合、又は胸腺摘出術や副腎皮質ホルモン剤に対して十分奏効しない場合に限り、当該療法の実施回数は、一連につき月7回を限度として3月間に限って算定する。

(6) 当該療法の対象となる悪性関節リウマチについては、都道府県知事によって特定疾患医療受給者と認められた者であって、血管炎により高度の関節外症状(難治性下腿潰瘍、多発性神経炎及び腸間膜動脈血栓症による下血等)を呈し、従来の治療法では効果の得られない者に限り、当該療法の実施回数は、週1回を限度として算定する。

(7) 当該療法の対象となる全身性エリテマトーデスについては、次のいずれにも該当する者に限り、当該療法の実施回数は、月4回を限度として算定する。なお、測定した血清補体価、補体蛋白の値又は抗DNA抗体の値を診療録に記載する。

ア 都道府県知事によって特定疾患医療受給者と認められた者

イ 血清補体価(CH50)の値が20単位以下、補体蛋白(C3)の値が40mg/dl以下及び抗DNA抗体の値が著しく高く、ステロイド療法が無効又は臨床的に不適当な者

ウ 急速進行性糸球体腎炎(RPGN)又は中枢神経性ループス(CNSループス)と診断された者

(8) 当該療法の対象となる血栓性血小板減少性紫斑病の実施回数は、一連につき週3回を限度として、3月間に限って算定する。

(9) 当該療法の対象となる重度血液型不適合妊娠とは、Rh式血液型不適合妊娠による胎内胎児仮死又は新生児黄疸の既往があり、かつ、間接クームス試験が妊娠20週未満にあっては64倍以上、妊娠20週以上にあっては128倍以上であるものをいう。

(10) 当該療法の対象となる術後肝不全については、手術後に発症した肝障害(外科的閉塞性機序によるものを除く。)のうち次のいずれにも該当する場合に限り、当該療法の実施回数は、一連につき概ね7回を限度として算定する。

ア 総ビリルビン値が5mg/dl以上で、かつ、持続的に上昇を認める場合

イ ヘパプラスチンテスト(HPT)40%以下又はComa Grade Ⅱ以上の条件のうち2項目以上を有する場合

(11) 当該療法の対象となる急性肝不全については、プロトロンビン時間、昏睡の程度、総ビリルビン及びヘパプラスチンテスト等の所見から劇症肝炎又は術後肝不全と同程度の重症度を呈するものと判断できる場合に限り、当該療法の実施回数は、一連につき概ね7回を限度として算定する。

(12) 当該療法の対象となる多発性硬化症、慢性炎症性脱髄性多発根神経炎の実施回数は、一連につき月7回を限度として3月間に限って算定する。

(13) 当該療法の対象となるギラン・バレー症候群については、Hughesの重症度分類で4度以上の場合に限り、当該療法の実施回数は、一連につき月7回を限度として、3月間に限って算定する。

(14) 当該療法の対象となる天疱瘡、類天疱瘡については、診察及び検査の結果、診断の確定したもののうち他の治療法で難治性のもの又は合併症や副作用でステロイドの大量投与ができないものに限り、当該療法の実施回数は、一連につき週2回を限度として、3月間に限って算定する。ただし、3月間治療を行った後であっても重症度が中等度以上(厚生省特定疾患調査研究班の天疱瘡スコア)の天疱瘡の患者については、さらに3月間に限って算定する。

(15) 当該療法の対象となる巣状糸球体硬化症は、従来の薬物療法では効果が得られず、ネフローゼ状態を持続し、血清コレステロール値が250mg/dl以下に下がらない場合であり、当該療法の実施回数は、一連につき3月間に限って12回を限度として算定する。

(16) 当該療法の対象となる家族性高コレステロール血症については、次のいずれかに該当する者のうち、黄色腫を伴い、負荷心電図及び血管撮影により冠状動脈硬化が明らかな場合であり、維持療法としての当該療法の実施回数は週1回を限度として算定する。

ア 空腹時定常状態の血清総コレステロール値が500mg/dlを超えるホモ接合体の者

イ 血清コレステロール値が食事療法下の定常状態(体重や血漿アルブミンを維持できる状態)において400mg/dlを超えるヘテロ接合体で薬物療法を行っても血清コレステロール値が250mg/dl以下に下がらない者

(17) 当該療法の対象となる閉塞性動脈硬化症については、次のいずれにも該当する者に限り、当該療法の実施回数は、一連につき3月間に限って10回を限度として算定する。

ア フォンテイン分類Ⅱ度以上の症状を呈する者

イ 薬物療法で血中総コレステロール値220mg/dl又は、LDLコレステロール値140mg/dl以下に下がらない高コレステロール血症の者

ウ 膝窩動脈以下の閉塞又は広範な閉塞部位を有する等外科的治療が困難で、かつ従来の薬物療法では十分な効果を得られない者

(18) 当該療法の対象となるインヒビターを有する血友病は、インヒビター力価が5ベセスダ単位以上の場合に限り算定する。

(19) 当該療法の対象となる同種腎移植は二重濾過法により、ABO血液型不適合間の同種腎移植を実施する場合又はリンパ球抗体陽性の同種腎移植を実施する場合に限り、当該療法の実施回数は一連につき術前は4回を限度とし、術後は2回を限度として算定する。

(20) 血漿交換療法を行う回数は、個々の症例に応じて臨床症状の改善状況、諸検査の結果の評価等を勘案した妥当適切な範囲であること。

(21) 本療法を実施した場合は、診療報酬明細書の摘要欄に一連の当該療法の初回実施日及び初回からの通算実施回数(当該月に実施されたものも含む。)を記載する。

J040 局所灌流

開始日の翌日以降に行ったものについては、区分「J001」術後創傷処置に準じて算定する。

J041 吸着式血液浄化法

(1) 吸着式血液浄化法は、肝性昏睡又は薬物中毒の患者に限り算定できる。

(2) エンドトキシン選択除去用吸着式血液浄化法は、次のアからウのいずれにも該当する患者に対して行った場合に、「J041」吸着式血液浄化法に準じて算定する。

ア エンドトキシン血症であるもの又はグラム陰性菌感染症が疑われるもの

イ 次の(ア)~(エ)のうち2項目以上を同時に満たすもの

(ア) 体温が38度以上又は36度未満

(イ) 心拍数が90回/分以上

(ウ) 呼吸数が20回/分以上又はPaCO2が32mmHg未満

(エ) 白血球数が12,000/mm3以上若しくは4,000/mm3未満又は桿状核好中球が10%以上

ウ 昇圧剤を必要とする敗血症性ショックであるもの(肝障害が重症化したもの(総ビリルビン10mg/dl以上かつヘパプラスチンテスト40%以下であるもの)を除く。)

J041―2 血球成分除去療法

(1) 血球成分除去療法(吸着式及び遠心分離式を含む。)は、潰瘍性大腸炎又は関節リウマチ患者(吸着式のみ。)に対して次のア又はイのとおり実施した場合に算定できる。

ア 潰瘍性大腸炎の重症・劇症患者及び難治性患者(厚生省特定疾患難治性炎症性腸管障害調査研究班の診断基準)に対しては、活動期の病態の改善及び緩解導入を目的として行った場合に限り、一連の治療につき2クールを限度として算定できる。

なお、当該療法の実施回数は、1クールにつき週1回を限度として、5週間に限って算定する。ただし、劇症患者については、第1週目に限り週2回を限度として算定できる。

イ 薬物療法に抵抗する関節リウマチ患者に対しては、臨床症状改善を目的として行った場合に限り、一連の治療につき1クールを限度として行い、1クールにつき週1回を限度として、5週間に限って算定できる。なお、当該療法の対象となる関節リウマチ患者は、活動性が高く、薬物療法に抵抗する急性進行性関節リウマチ患者であって、以下の2項目を満たすものである。

(ア) 腫脹関節数 6カ所以上

(イ) ESR50mm/h以上又はCRP3mg/dl以上

(2) 本療法を実施した場合は、診療報酬明細書の摘要欄に一連の当該療法の初回実施日及び初回からの通算実施回数(当該月に実施されたものも含む。)を記載する。

J042 腹膜灌流

(1) 「注1」による加算は、連続携行式腹膜灌流開始に伴う当初の当該カテーテル装着に対して算定できる。また、当該療法開始後一定期間を経て、カテーテル閉塞等の理由により再度装着した場合においても算定できる。

(2) 腹膜灌流における導入期とは、継続して連続携行式腹膜灌流を実施する必要があると判断され、当該処置の開始日より14日間をいうものであり、再開の場合には算定できない。

(3) 区分「C102」に掲げる在宅自己腹膜灌流指導管理料を算定する患者(これに係る器具加算、薬剤料又は特定保険医療材料料のみを算定している患者を含み、入院中の患者を除く。)については、腹膜灌流(連続携行式腹膜灌流に限る。)の費用は別に算定できない。ただし、薬剤料又は特定保険医療材料料は別に算定できる。

J043 新生児高ビリルビン血症に対する光線療法

疾病、部位又は部位数にかかわらず1日につき所定点数により算定する。

J043―2 瀉血療法

瀉血療法は、真性多血症又は続発性多血症に対して行った場合に算定する。

J043―3 ストーマ処置

(1) ストーマ処置は、消化器ストーマ又は尿路ストーマに対して行った場合に算定する。

(2) ストーマ処置には、装具の交換の費用は含まれるが、装具の費用は含まない。

(3) 区分「C109」に掲げる在宅寝たきり患者処置指導管理料を算定している患者(これに係る薬剤料又は特定保険医療材料料のみを算定している者を含み、入院中の患者を除く。)については、ストーマ処置の費用は算定できない。

(救急処置)

J044 救命のための気管内挿管

(1) 救命のための気管内挿管は、救命救急処置として特に設けられたものであり、検査若しくは麻酔のため挿管する場合又は既に挿管している気管内チューブを交換する場合は算定できない。

(2) 救命のための気管内挿管に併せて、人工呼吸を行った場合は、区分「J045」人工呼吸の所定点数を合わせて算定できる。

(3) 救急処置として体表面ペーシング法又は食道ペーシング法を行った場合は、救命のための気管内挿管に準じて算定する。算定は1日に1回を限度とする。

J045 人工呼吸

(1) 人工呼吸と酸素吸入を併せて行った場合に使用した酸素及び窒素の費用については、区分「J024」に掲げる酸素吸入の「注3」により算定した点数を加算する。

(2) 胸部手術後肺水腫を併発し、応急処置として閉鎖循環式麻酔器による無水アルコールの吸入療法を行った場合は、人工呼吸の所定点数により算定し、これに要した無水アルコールの費用については区分「J200」薬剤により算定する。

(3) 呼吸心拍監視、経皮的動脈血酸素飽和度測定又は非観血的連続血圧測定を同一日に行った場合は、これらに係る費用は人工呼吸の所定点数に含まれる。

(4) 閉鎖循環式麻酔装置による人工呼吸及びマイクロアダプター(人工蘇生器)を使用して、酸素吸入を施行した場合は、実施時間に応じて人工呼吸の所定点数により算定する。また、ガス中毒患者に対して、閉鎖循環式麻酔器を使用し、気管内挿管下に酸素吸入を行った場合も同様とする。なお、この場合、酸素吸入の費用は人工呼吸の所定点数に含まれ、別に算定できない。

(5) 気管内挿管下に閉鎖循環式麻酔器による酸素加圧により、肺切除術後の膨張不全に対して肺膨張を図った場合は、実施時間に応じて人工呼吸の所定点数により算定する。

(6) 閉鎖循環式麻酔装置による人工呼吸を手術直後に引き続いて行う場合には、区分「L008」マスク又は気管内挿管による閉鎖循環式全身麻酔の所定点数に含まれ、別に算定できない。また、半閉鎖式循環麻酔器による人工呼吸についても、閉鎖循環式麻酔装置による人工呼吸と同様の取扱いとする。

(7) 肺気腫に対するレスピラトール(ホセイニン)使用は、人工呼吸に準じて算定する。

(8) 新生児の呼吸障害に対する補助呼吸装置による持続陽圧呼吸法(CPAP)及び間歇的強制呼吸法(IMV)を行った場合は、実施時間に応じて人工呼吸の所定点数により算定する。

(9) 鼻マスク式人工呼吸器を用いた場合は、PaO2/FIO2が300mmHg以下又はPaCO2が45mmHg以上の急性呼吸不全の場合に限り人工呼吸に準じて算定する。

(10) 区分「C107」在宅人工呼吸指導管理料を算定している患者(これに係る器具加算のみを算定している者を含み、入院中の患者を除く。)については、人工呼吸の費用は算定できない。

J047 カウンターショック

(1) カウンターショックに伴う皮膚の創傷に対する処置に要する費用は、所定点数に含まれ、別に算定できない。

(2) 心臓手術に伴うカウンターショックは、それぞれの心臓手術の所定点数に含まれ、別に算定できない。

(3) カウンターショックと開胸的心マッサージを併せて行った場合は、カウンターショックの所定点数と区分「K551」開胸心臓マッサージの所定点数をそれぞれ算定する。

J050 気管内洗浄

(1) 気管から区域細気管支にわたる範囲で異物又は分泌物による閉塞(吐物の逆流、誤嚥、気管支喘息重積状態又は無気肺)のために急性呼吸不全をおこした患者に対し、気管内挿管下(気管切開下を含む。)に洗浄した場合に1日につき所定点数を算定する。

(2) 新たに気管内挿管を行った場合には、区分「J044」救命のための気管内挿管の所定点数を合わせて算定できる。

(3) 気管支ファイバースコピーを使用した場合は、区分「D302」気管支ファイバースコピーの所定点数のみを算定する。

J052―2 熱傷温浴療法

(1) 熱傷温浴療法は、体表面積の30%以上の広範囲熱傷に対する全身温浴として、受傷後60日以内に行われたものについて算定する。

(2) 受傷日を診療報酬明細書の摘要欄に記載する。

(皮膚科処置)

J053 皮膚科軟膏処置

区分「C109」在宅寝たきり患者処置指導管理料を算定している患者(これに係る薬剤料又は特定保険医療材料料のみを算定している者を含み、入院中の患者を除く。)については、皮膚科軟膏処置の費用は算定できない。

J054 皮膚科光線療法

(1) 赤外線療法は、ソラックス灯等の赤外線を出力する機器を用いて行った場合に算定できる。

(2) 紫外線療法は、フィンゼン灯、クロマイエル水銀石英灯等の紫外線を出力する機器を用いて行った場合に算定できる。

(3) 赤外線又は紫外線療法(長波紫外線療法及び中波紫外線療法を除く。)は、5分以上行った場合に算定する。

(4) 長波紫外線又は中波紫外線療法は、長波紫外線(概ね315~400ナノメートル)又は中波紫外線(概ね290~315ナノメートル)を選択的に出力できる機器によって長波紫外線又は中波紫外線療法を行った場合に算定できるものであり、いわゆる人工太陽等の長波紫外線及び中波紫外線を非選択的に照射する機器によって光線療法を行った場合は、赤外線又は紫外線療法の所定点数によって算定する。

(5) 長波紫外線又は中波紫外線療法は乾癬、類乾癬、掌蹠膿疱症、菌状息肉腫(症)、悪性リンパ腫、慢性苔癬状粃糠疹又は尋常性白斑に対して行った場合に限って算定する。

(6) 赤外線療法、紫外線療法、長波紫外線療法又は中波紫外線療法を同一日に行った場合は、主たるものの所定点数のみにより算定する。また、同じものを同一日に複数回行った場合でも、1日につき所定点数のみにより算定する。

(7) 皮膚科光線療法は、同一日において消炎鎮痛等処置とは併せて算定できない。

J054―2 皮膚レーザー照射療法

(1) 皮膚レーザー照射療法は、単なる美容を目的とした場合は算定できない。

(2) 「一連」とは、治療の対象となる疾患に対して所期の目的を達するまでに行う一連の治療過程をいい、概ね3月間にわたり行われるものをいう。例えば、対象病変部位の一部ずつに照射する場合や、全体に照射することを数回繰り返して一連の治療とする場合は、1回のみ所定点数を算定する。

(3) 皮膚レーザー照射療法を開始した場合は、診療報酬明細書の摘要欄に、前回の一連の治療の開始日を記載する。

(4) 「1」の色素レーザー照射療法は、単純性血管腫、苺状血管腫又は毛細血管拡張症に対して行った場合に算定できる。

(5) 「2」のQスイッチ付レーザー照射療法は、Qスイッチ付ルビーレーザー照射療法、ルビーレーザー照射療法、Qスイッチ付アレキサンドライトレーザー照射療法をいう。

(6) Qスイッチ付レーザー照射療法は、頭頸部、左上肢、左下肢、右上肢、右下肢、腹部又は背部のそれぞれの部位ごとに所定点数を算定する。また、各部位において、病変部位が重複しない複数の疾患に対して行った場合は、それぞれ算定できる。

(7) Qスイッチ付ルビーレーザー照射療法及びルビーレーザー照射療法は、太田母斑、異所性蒙古斑、外傷性色素沈着症、扁平母斑等に対して行った場合に算定できる。なお、一連の治療が終了した後に再発した症例に対して当該療法を行う場合には、同一部位に対しては初回治療を含め2回を限度として算定する。

(8) Qスイッチ付アレキサンドライトレーザー照射療法は、太田母斑、異所性蒙古斑、外傷性色素沈着症等に対して行った場合に算定できる。

J055 いぼ焼灼法

臍肉芽腫切除術を行った場合は、いぼ焼灼法の「1」に準じて算定する。

J056 軟属腫摘除

伝染性軟属腫の内容除去は、その範囲にかかわらず、軟属腫摘除として算定する。

J057―2 面皰圧出法

面皰圧出法は、顔面、前胸部、上背部等に多発した面皰に対して行った場合に算定する。

J057―3 鶏眼・胼胝処置

(1) 鶏眼・胼胝処置は、同一部位の一連の治療について、その範囲にかかわらず1回のみ算定する。

(2) 鶏眼・胼胝に対して、麻酔を使用し、切除後縫合を行う場合は、区分「K005」皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)又は区分「K006」皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)により算定する。なお、露出部とは区分「K000」創傷処理の「注2」の「露出部」と同一の部位をいう。

(泌尿器科処置)

J060 膀胱洗浄

(1) カテーテル留置中に膀胱洗浄及び薬液膀胱内注入を行った場合は、1日につき、膀胱洗浄により算定する。

(2) 膀胱洗浄、留置カテーテル設置又は導尿(尿道拡張を要するもの)を同一日に行った場合には、主たるものの所定点数により算定する。

(3) 後部尿道洗浄(ウルツマン)は、膀胱洗浄に準じて算定する。

(4) 区分「C106」在宅自己導尿指導管理料又は区分「C109」在宅寝たきり患者処置指導管理料を算定している患者(これらに係る器具加算、薬剤料又は特定保険医療材料料のみを算定している者を含み、入院中の患者を除く。)については膀胱洗浄の費用は算定できない。

J061 腎盂洗浄

(1) 腎盂洗浄は片側ごとに所定点数をそれぞれ算定する。

(2) 尿管カテーテル挿入を行った場合は、所定点数に区分「D318」尿管カテーテル法の所定点数を合わせて算定できる。

J063 留置カテーテル設置

(1) 長期間にわたり、バルーンカテーテルを留置するための挿入手技料は、留置カテーテル設置により算定する。この場合、必要があってカテーテルを交換したときの挿入手技料も留置カテーテル設置により算定する。

(2) 区分「C106」在宅自己導尿指導管理料又は区分「C109」在宅寝たきり患者処置指導管理料を算定している患者(これらに係る器具加算、薬剤料又は特定保険医療材料料のみを算定している者を含み、入院中の患者を除く。)については、留置カテーテル設置の費用は算定できない。

J064 導尿(尿道拡張を要するもの)

区分「C106」在宅自己導尿指導管理料又は区分「C109」在宅寝たきり患者処置指導管理料を算定している患者(これらに係る器具加算、薬剤料又は特定保険医療材料料のみを算定している者を含み、入院中の患者を除く。)については、導尿の費用は算定できない。

J065 間歇的導尿

間歇的導尿は脊椎損傷の急性期の尿閉、骨盤内の手術後の尿閉の患者に対し、排尿障害の回復の見込みのある場合に行うもので、3月間を限度として算定する。

J068 嵌頓包茎整復法

小児仮性包茎における包皮亀頭癒着に対する用手法等による剥離術は、嵌頓包茎整復法に準じて算定する。

J070 前立腺冷温榻

(1) 冷却痔処置は冷却式痔疾治療用具を用い痔処置を行った場合に、前立腺冷温榻に準じて算定する。この場合、Ⅰ度又はⅡ度の内痔核の患者に対し、1日1ないし2回、かつ連続して5日以上実施した場合に10日間を限度として、1日につき1回算定できる。

なお、当該処置に使用した冷却痔疾治療用具については、所定点数に含まれ、別に算定できない。

(2) 冷却痔処置の請求に当たっては、内痔核の重症度について診療報酬明細書の摘要欄に記載する。

J070―2 干渉低周波による膀胱等刺激法

(1) 干渉低周波による膀胱等刺激法は、尿失禁の治療のために行った場合に算定する。

(2) 治療開始時点においては、3週間に6回を限度とし、その後は2週間に1回を限度とする。

(産婦人科処置)

J078 子宮腟部薬物焼灼法

ゲメプロスト製剤の投与により子宮内容物の排出が認められた場合は、子宮腟部薬物焼灼法に準じて算定できる。

J085―2 人工羊水注入法

人工羊水注入法は、羊水過少症等の患者に対して、超音波断層法検査及び子宮内圧測定を施行し、適正な注入量の羊水を子宮内に注入した場合に算定する。なお、当該手技に伴って実施される超音波検査等の費用は所定点数に含まれ、別に算定できない。

(眼科処置)

J086 眼処置

(1) 所定点数には、洗眼、点眼、片眼帯、巻軸帯を必要とする処置、蒸気罨法、熱気罨法、イオントフォレーゼ及び麻薬加算が含まれており、これらを包括して1回につき所定点数を算定する。

(2) 少数(5~6本程度)の睫毛抜去は眼処置に準じて算定する。ただし、他の眼科処置又は眼科手術に併施した場合には、その所定点数に含まれ別に算定できない。

J087 前房穿開又は前房穿刺

前房内注射は前房穿開又は前房穿刺(前房内注入を含む。)に準じて算定する。

J091 鼻涙管ブジー法

鼻涙管拡張の目的で、小ビニール管を涙管内に挿入し数日間放置した場合の点数算定は、鼻涙管ブジー法に準じて算定する。

(耳鼻咽喉科処置)

J095 耳処置

耳処置には、点耳、耳浴、耳洗浄、簡単な耳垢栓除去及び片耳帯が含まれており、これらを包括して一側、両側の区別なく1回につき所定点数を算定する。

J096 耳管処置

耳管処置には、耳管通気法、鼓膜マッサージ及び通気に必要とする鼻内処置が含まれており、これらを包括して1回につき片側ごとに所定点数を算定する。

J097 鼻処置

(1) 鼻処置には、鼻吸引、鼻洗浄、単純鼻出血及び鼻前庭の処置が含まれており、これらを包括して一側、両側の区別なく1回につき所定点数を算定する。なお、口腔、咽頭処置と併せて行った場合であっても、口腔、咽頭処置の所定点数は別に算定できない。

(2) 副鼻腔洗浄に伴う単なる鼻処置は、副鼻腔洗浄の所定点数に含まれ別に算定はできない。

J097―2 副鼻腔自然口開大処置

副鼻腔自然口開大処置は、急性副鼻腔炎及び慢性副鼻腔炎の患者に対して、副鼻腔の換気・排液ならびにネブライザー効果の増大を目的として自然口の開大処置を行った場合に算定する。

J098 口腔、咽頭処置

(1) 口腔、咽頭処置をそれぞれ単独に実施した場合も、同時に実施した場合も1回につき所定点数を算定する。

(2) ルゴール液の噴霧吸入は口腔、咽頭処置に準ずる。

(3) ルゴール等の噴霧吸入と鼻、口腔又は咽頭処置を同時に行った場合は、鼻処置又は口腔、咽頭処置の所定点数を算定する。

J099 喉頭処置

(1) 喉頭処置には、喉頭注入及び喉頭処置に伴う同一薬剤を用いる口腔、咽頭処置が含まれており、これらを包括して1回につき所定点数を算定する。

(2) 強度の牙関節緊急処置は喉頭処置に準じて算定する。

(3) 喉頭処置後の薬剤注入は、喉頭処置の所定点数に含まれる。

J100 副鼻腔手術後の処置(片側)

副鼻腔手術後の洗浄、ガーゼ交換等(手術日の翌日以降のものに限る。)を行った場合に算定する。

この場合、区分「J001」術後創傷処置は別に算定できない。

J102 上顎洞穿刺

区分「D406」上顎洞穿刺と同一日に算定することはできない。

J103 扁桃周囲膿瘍穿刺

扁桃周囲炎又は扁桃周囲膿瘍において、単に穿刺排膿のみ行い切開しなかった場合は所定点数を算定し、試験穿刺を行い膿汁を認め直ちに切開した場合は区分「K368」扁桃周囲膿瘍切開術を算定する。

J106 腺窩(陰窩)洗浄

腺窩性扁桃炎の際の腺窩(陰窩)の洗浄の場合に算定する。

J108 鼻出血止血法

副鼻腔炎術後の後出血(手術日の翌日以後起った出血をいう。)が多量で再び術創を必要があって開く場合は、区分「K352」上顎洞根本手術に準じて算定する。

J113 耳垢栓塞除去

耳垢水等を用いなければ除去できない耳垢栓塞を、完全に除去した場合に算定する。

J115 超音波ネブライザー

超音波ネブライザーにおいて、酸素療法を併せて行った場合は区分「J024」酸素吸入の所定点数を合わせて算定できる。

(整形外科的処置)

J116 関節穿刺

関節穿刺を左右両側に行った場合は、それぞれ算定できるが、同一側の関節に対して、区分「D405」関節穿刺、区分「G010」関節腔内注射を同一日に行った場合は、主たるもののみ算定する。

J117 鋼線等による直達牽引

(1) 鋼線等による直達牽引は、鋼線等を用いて観血的に牽引を行った場合に算定する。なお鋼線等による直達牽引には、鋼線牽引法、双鋼線伸延法及び直達頭蓋牽引法を含むものである。

(2) 1局所とは、上肢の左右、下肢の左右及び頭より尾頭までの躯幹のそれぞれをいい、全身を5局所に分けるものである。

J118 介達牽引

(1) 介達牽引は、絆創膏牽引法、斜面牽引法、スピードラック牽引、腰椎バンド及びグリソン係蹄によるモーターを使用した断続牽引並びにベーラー法を含むものであり、部位数にかかわらず所定点数を算定する。

(2) 変形の矯正を目的としてマッサージ等を行った後に、副子、厚紙や絆創膏にて矯正固定を行った場合は、介達牽引の所定点数により算定する。

(3) 「注2」に掲げる「急性発症した脳血管疾患等の疾患の患者」の取扱いは、理学療法の例による。

J119 消炎鎮痛等処置

(1) 消炎鎮痛等処置は、疾病、部位又は部位数にかかわらず1日につき所定点数により算定する。

(2) 「1」のマッサージ等の手技による療法とは、あんま、マッサージ及び指圧による療法をいう。また、「2」の器具等による療法とは、電気療法、赤外線治療、熱気浴、ホットパック、超音波療法、マイクロレーダー等による療法をいう。

(3) 腰痛症の患者に対して腰部固定帯で腰部を固定した場合又は骨折非観血的整復術等の手術を必要としない肋骨骨折等の患者に対して、胸部固定帯で胸部を固定した場合は消炎鎮痛等処置のうち「1」のマッサージ等の手技による療法で算定する。

(4) 筋肉、関節の慢性非感染性炎症性疾患における疼痛の緩和のために低出力レーザー照射を行った場合は、疾病、照射部位又は照射回数に関わらず、「2」の器具等による療法として算定する。

(5) 消炎鎮痛を目的とする外用薬を用いた処置は「3」の湿布処置として算定する。

(6) 肛門処置は、「3」湿布処置の「ロ」により算定する。ただし、単に坐薬等を挿入した場合は算定できない。

(7) 患者自ら又は家人等に行わせて差し支えないと認められる湿布については、あらかじめ予見される当該湿布薬の必要量を外用薬として投与するものとし、湿布処置は算定できない。

(8) 区分「C109」在宅寝たきり患者処置指導管理料を算定している患者(これに係る薬剤料又は特定保険医療材料料のみを算定している者を含み、入院中の患者を除く。)については、消炎鎮痛等処置の費用は算定できない。

(9) 「注3」に掲げる「急性発症した脳血管疾患等の疾患の患者」の取扱いは、理学療法の例による。

(栄養処置)

J120 鼻腔栄養

(1) 鼻腔栄養は、注入回数の如何を問わず1日につき算定するものである。

(2) 患者が経口摂取不能のため、薬価基準に収載されている高カロリー薬を経鼻経管的に投与した場合は鼻腔栄養の所定点数及び薬剤料を算定し、入院時食事療養費及び投薬料は別に算定しない。

(3) 患者が経口摂取不能のため、薬価基準に収載されていない流動食を提供した場合は、鼻腔栄養の所定点数及び入院時食事療養費を算定する。この場合において、当該保険医療機関が入院時食事療養(Ⅰ)の届出を行っているときは入院時食事療養(Ⅰ)を、さらに、特別食の算定要件を満たしているときは特別食の加算をそれぞれ算定する。

(4) 薬価基準に収載されている高カロリー薬及び薬価基準に収載されていない流動食を併せて投与及び提供した場合は、(2)又は(3)のいずれかのみにより算定する。

(5) 胃瘻より流動食を点滴注入した場合は、鼻腔栄養に準じて算定する。

(6) 区分「C105」在宅成分栄養経管栄養法指導管理料又は区分「C109」在宅寝たきり患者処置指導管理料を算定している患者(これらに係る器具加算、薬剤料又は特定保険医療材料料のみを算定している者を含み、入院中の患者を除く。)については、鼻腔栄養の費用は算定できない。

(ギプス)

1 一般的事項

(1) ギプス包帯をギプスシャーレとして切割使用した場合は、ギプス包帯を作成した保険医療機関もギプス包帯の切割使用に係る点数を算定できる。

(2) 既装着のギプスを他の保険医療機関で除去したときは、ギプス除去料としてギプス包帯を切割使用した場合の2分の1に相当する点数により算定する。

(3) ギプスベッド又はギプス包帯の修理を行ったときは、修理料として所定点数の100分の10に相当する点数を算定することができる。

(4) プラスチックギプスを用いてギプスを行った場合にはシーネとして用いた場合が含まれる。

(5) ギプスシーネは、ギプス包帯の点数(ギプス包帯をギプスシャーレとして切割使用した場合の各区分の所定点数の100分の20に相当する点数の加算を除く。)に準じて算定する。

(6) 四肢ギプス包帯の所定点数にはプラスチックギプスに係る費用が含まれ、別に算定できない。

2 治療装具の採型ギプス

(1) 義肢装具採寸法は、「1」の義肢装具採型法に準じて算定する。

(2) 治療装具採型法は、「2」の義肢装具採型法(四肢切断の場合)に準じて算定する。

(3) 練習用仮義足の処方、採型、装着、調整等については、仮義足を支給する1回に限り、治療装具の採型ギプスにより算定する。

第9部の2 処置(老人医科診療報酬点数表関係)

1 老人処置料

(1) 老人処置料の算定に係る褥瘡処置とは、臥床に伴う褥瘡性潰瘍又は圧迫性潰瘍に対する処置(医科点数表第2章第9部処置において、入院中の患者について算定することとされている範囲のものに限る。)をいうものであること。

(2) 褥瘡処置の回数及び部位数にかかわらず1日につき1回に限り算定するものであること。

(3) 1年を超える入院の場合にあって創傷処置又は皮膚科軟膏処置の費用を算定する場合は、その対象傷病名を診療報酬明細書に明記すること。

2 老人精神病棟等処置料

(1) 老人精神病棟等入院患者であって入院期間が1年を超える患者に対して、老人精神病棟等処置料の注1に掲げる処置(当該処置に係る褥瘡処置を含み、熱傷に対するものを除く。)を行った場合は、その種類又は回数にかかわらず、老人精神病棟等処置料として、1日につき1回に限り所定点数を算定するものであること。

なお、入院期間が1年を超える入院中の患者に対して行った褥瘡処置が、老人精神病棟等処置料の注1に掲げるもの以外の創傷処置又は皮膚科軟膏処置である場合は、老人処置料の所定点数により算定するものであること。

(2) 老人精神病棟等入院患者であって入院期間が1年を超える患者に対して、ドレーン法を行った場合は、その種類又は回数にかかわらず老人精神病棟等処置料として、1日につき所定点数を算定するものであること。

(3) 老人精神病棟等入院患者であって入院期間が1年を超える患者に対して行った術後創傷処置の算定は、創傷処置に準じて取り扱うものであること。

3 老人留置カテーテル設置料

老人留置カテーテル設置料の算定方法については、健康保険の留置カテーテル設置の算定方法の例によるものとすること。

4 老人導尿料

老人導尿料の算定方法については、健康保険の導尿の算定方法の例によるものとすること。

第10部 手術(医科診療報酬点数表関係)

<通則>

1 「通則1」の「診断穿刺・検体採取」とは、第2章第3部検査の第4節診断穿刺・検体採取料に係るものをいう。

2 「通則1」及び「通則2」は、手術料算定の内容には次の3通りあることを示しており、輸血料については、手術料の算定がなくとも単独で算定できる。

(1) 手術料(+薬剤料等)

(2) 手術料+輸血料(+薬剤料等)

(3) 輸血料(+薬剤料等)

3 手術料(輸血料を除く。)は、特別の理由がある場合を除き、入院中の患者及び入院中の患者以外の患者にかかわらず、同種の手術が同一日に2回以上実施される場合には、主たる手術の所定点数のみにより算定する。

4 手術当日に、手術に関連して行う処置(ギプスを除く。)の費用及び注射の手技料は、術前、術後にかかわらず算定できない。また、内視鏡を用いた手術を行う場合、これと同時に行う内視鏡検査料は別に算定できない。

5 手術に当たって通常使用される保険医療材料(チューブ、縫合糸(特殊縫合糸を含む。)等)、衛生材料(ガーゼ、脱脂綿及び絆創膏等)、外皮用殺菌剤、患者の衣類及び1回の手術に使用される総量価格が15円以下の薬剤の費用は手術の所定点数に含まれる。

ただし、厚生労働大臣が別に定める特定保険医療材料及び1回の手術に使用される総量価格が15円を超える薬剤(手術後の薬剤病巣撒布を含み、外皮用殺菌剤を除く。)については、当該手術の所定点数の他に当該特定保険医療材料及び薬剤の費用を算定できる。