添付一覧
○診療報酬点数表(平成六年厚生省告示第五四号)及び老人診療報酬点数表(平成六年厚生省告示第七二号)の一部改正に伴う実施上の留意事項について
(平成一六年二月二七日)
(保医発第〇二二七〇〇一号)
(地方社会保険事務局長・都道府県民生主管部(局)国民健康保険主管課(部)長・都道府県老人医療主管部(局)老人医療主管課(部)長あて厚生労働省保険局医療課長・厚生労働省保険局歯科医療管理官通知)
標記については、本日、「健康保険法の規定による療養に要する費用の額の算定方法の一部を改正する件」(平成一六年厚生労働省告示第四七号)及び「老人保健法の規定による医療に要する費用の額の算定に関する基準の一部を改正する件」(平成一六年厚生労働省告示第四八号)が公布され、それぞれ平成一六年四月一日より適用されることとなったところであるが、これらの実施に伴う留意事項は、医科診療報酬点数表及び老人医科診療報酬点数表については別添一、歯科診療報酬点数表及び老人歯科診療報酬点数表については別添二並びに調剤報酬点数表及び老人調剤報酬点数表については別添三のとおりであるので、その取り扱いに遺漏のないよう関係者に対し、周知徹底を図られたい。
なお、従前の「診療報酬点数表(平成六年三月厚生省告示第五四号)及び老人診療報酬点数表(平成六年三月厚生省告示第七二号)の一部改正に伴う実施上の留意事項について(通知)」(平成一四年三月八日保医発第〇三〇八〇〇一号)は、平成一六年三月三一日限り廃止する。
別添1
医科診療報酬点数表及び老人医科診療報酬点数表に関する事項
<通則:医科診療報酬点数表に関する事項>
1 1人の患者について療養の給付に要する費用は、第1章基本診療料及び第2章特掲診療料又は第3章介護老人保健施設入所者に係る診療料の規定に基づき算定された点数の総計に10円を乗じて得た額とする。
2 基本診療料は、簡単な検査(例えば、血圧測定検査等)の費用、簡単な処置の費用等(入院の場合には皮下、筋肉内及び静脈内注射の注射手技料等)を含んでいる。
3 特掲診療料は、特に規定する場合を除き、当該医療技術に伴い必要不可欠な衛生材料等の費用を含んでいる。
4 基本診療料に係る施設基準、届出等の取扱いについては、「基本診療料の施設基準等(平成16年厚生労働省告示第49号)」に基づくものとし、その具体的な取扱いについては別途通知する。
5 特掲診療料に係る施設基準、届出等の取扱いについては、「特掲診療料の施設基準等(平成16年厚生労働省告示第50号)」に基づくものとし、その具体的な取扱いについては別途通知する。
<通則の2:老人医科診療報酬点数表に関する事項>
1 1人の患者について医療に要する費用は、第1章老人基本診療料及び第2章老人特掲診療料又は第3章介護老人保健施設入所者に対する医療に係る診療料の規定に基づき算定された点数の総計に10円を乗じて得た額とする。
2 老人基本診療料は、簡単な検査(例えば、血圧測定検査等)の費用、簡単な処置の費用等(入院の場合には皮下、筋肉内及び静脈内注射の注射手技料等)を含んでいる。
3 老人特掲診療料は、特に規定する場合を除き、当該医療技術に伴い必要不可欠な衛生材料等の費用を含んでいる。
4 老人基本診療料に係る施設基準、届出等の取扱いについては、「基本診療料の施設基準等(平成16年厚生労働省告示第49号)」に基づくものとし、その具体的な取扱いについては別途通知する。
5 老人特掲診療料に係る施設基準、届出等の取扱いについては、「特掲診療料の施設基準等(平成16年厚生労働省告示第50号)」に基づくものとし、その具体的な取扱いについては別途通知する。
第1章 基本診療料及び老人基本診療料
第1部 初・再診料(医科診療報酬点数表関係)
<通則>
1 同一の保険医療機関(医科歯科併設の保険医療機関(歯科診療及び歯科診療以外の診療を併せて行う保険医療機関をいう。以下同じ。)を除く。)において、2以上の傷病に罹っている患者について、それぞれの傷病につき同時に初診又は再診を行った場合においても、初診料又は再診料(外来診療料を含む。)は1回に限り算定するものであること。
同一の保険医療機関において、2人以上の保険医(2以上の診療科にわたる場合も含む。)が初診又は再診を行った場合においても、同様であること。
2 初診又は再診が行われた同一日であるか否かにかかわらず、当該初診又は再診に附随する一連の行為とみなされる次に掲げる場合には、これらに要する費用は当該初診料又は再診料若しくは外来診療料に含まれ、別に再診料又は外来診療料は算定できない。
ア 初診時又は再診時に行った検査、画像診断の結果のみを聞きに来た場合
イ 往診等の後に薬剤のみを取りに来た場合
ウ 初診又は再診の際検査、画像診断、手術等の必要を認めたが、一旦帰宅し、後刻又は後日検査、画像診断、手術等を受けに来た場合
3 医科歯科併設の保険医療機関において、医科診療に属する診療科に係る傷病につき入院中の患者が歯牙口腔の疾患のために歯科において初診若しくは再診を受けた場合、又は歯科診療に係る傷病につき入院中の患者が他の傷病により医科診療に属する診療科において初診若しくは再診を受けた場合等、医科診療と歯科診療の両者にまたがる場合は、それぞれの診療科において初診料(かかりつけ歯科医初診料を含む。)又は再診料(外来診療料、かかりつけ歯科医再診料を含む。)を算定することができる。
ただし、同一の傷病又は互いに関連のある傷病により、医科と歯科を併せて受診した場合には、主たる診療科においてのみ初診料(かかりつけ歯科医初診料を含む。)又は再診料(外来診療料、かかりつけ歯科医再診料を含む。)を算定する。
4 医療法(昭和23年法律第205号)に規定する病床に入院(当該入院についてその理由等は問わない。)している期間中にあっては、再診料(外来診療料を含む。)は算定できない。また、入院中の患者が当該入院の原因となった傷病につき、診療を受けた診療科以外の診療科で、入院の原因となった傷病以外の傷病につき再診を受けた場合においても、再診料(外来診療料を含む。)は算定できない。なお、この場合において、再診料(外来診療料を含む。)以外の検査、治療等の費用の請求については、診療報酬明細書は入院用を用いること。
第1節 初診料
A000 初診料
(1) 特に初診料が算定できない旨の規定がある場合を除き、患者の傷病について医学的に初診といわれる診療行為があった場合に、初診料を算定する。なお、同一の保険医が別の医療機関において、同一の患者について診療を行った場合は、最初に診療を行った医療機関において初診料を算定する。
(2) 患者が異和を訴え診療を求めた場合において、診断の結果、疾病と認むべき徴候のない場合にあっても初診料を算定できる。
(3) 自他覚的症状がなく健康診断を目的とする受診により疾患が発見された患者について、当該保険医が、特に治療の必要性を認め治療を開始した場合には、初診料は算定できない。ただし、当該治療(初診を除く。)については、医療保険給付対象として診療報酬を算定できること。
(4) (3)にかかわらず、健康診断で疾患が発見された患者が、疾患を発見した保険医以外の保険医(当該疾患を発見した保険医の属する保険医療機関の保険医を除く。)において治療を開始した場合には、初診料を算定できる。
(5) 労災保険、健康診断、自費等(医療保険給付対象外)により傷病の治療を入院外で受けている期間中又は医療法に規定する病床に入院(当該入院についてその理由等は問わない。)している期間中にあっては、当該保険医療機関において医療保険給付対象となる診療を受けた場合においても、初診料は算定できない。
(6) 現に傷病について診療継続中の患者につき、新たに発生した他の傷病で初診を行った場合には、当該新たに発生した傷病について初診料は算定できない。
(7) 患者が任意に診療を中止し、1月以上経過した後、再び同一の保険医療機関において診療を受ける場合には、その診療が同一病名又は同一症状によるものであっても、その際の診療は、初診として取り扱う。なお、この場合において、1月の期間の計算は、暦月によるものであり、例えば、2月10日~3月9日、9月15日~10月14日等と計算する。
(8) (7)にかかわらず、慢性疾患等明らかに同一の疾病又は負傷であると推定される場合の診療は、初診として取り扱わない。
(9) A保険医療機関には、検査又は画像診断の設備がないため、B保険医療機関(特別の関係にあるものを除く。)に対して、診療状況を示す文書を添えてその実施を依頼した場合には、次のように取り扱うものとする。(B009~B011―2診療情報提供料の(5)~(7)を参照。)
ア B保険医療機関が単に検査又は画像診断の設備の提供にとどまる場合
B保険医療機関においては、診療情報提供料、初診料、検査料、画像診断料等は算定できない。なお、この場合、検査料、画像診断料等を算定するA保険医療機関との間で合議の上、費用の精算を行うものとする。
イ B保険医療機関が、検査又は画像診断の判読も含めて依頼を受けた場合
B保険医療機関においては、初診料、検査料、画像診断料等を算定できる。
(10) 乳幼児加算
初診料を算定しない場合には、特に規定する場合を除き、「注3」の乳幼児加算は、算定できない。
(11) 乳幼児育児栄養指導加算
「注4」の乳幼児育児栄養指導加算については、小児科を標榜する保険医療機関において、小児科を担当する医師が3歳未満の乳幼児に対して初診を行った場合に、育児、栄養その他療養上必要な指導を行ったときに算定する。この場合、指導の要点を診療録に記載すること。
(12) 時間外加算
ア 各都道府県における医療機関の診療時間の実態、患者の受診上の便宜等を考慮して一定の時間以外の時間をもって時間外として取り扱うこととし、その標準は、概ね午前8時前と午後6時以降(土曜日の場合は、午前8時前と正午以降)及び休日加算の対象となる休日以外の日を終日休診日とする保険医療機関における当該休診日とする。
ただし、午前中及び午後6時以降を診療時間とする保険医療機関等、当該標準によることが困難な保険医療機関については、その表示する診療時間以外の時間をもって時間外として取り扱うものとする。
イ アにより時間外とされる場合においても、当該保険医療機関が常態として診療応需の態勢をとり、診療時間内と同様の取扱いで診療を行っているときは、時間外の取扱いとはしない。
ウ 保険医療機関は診療時間をわかりやすい場所に表示する。
エ 時間外加算は、保険医療機関の都合(やむを得ない事情の場合を除く。)により時間外に診療が開始された場合は算定できない。
オ 時間外加算を算定する場合には、休日加算、深夜加算及び時間外加算の特例については、算定しない。
(13) 休日加算
ア 休日加算の対象となる休日とは、日曜日及び国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)第3条に規定する休日をいう。なお、1月2日及び3日並びに12月29日、30日及び31日は、休日として取り扱う。
イ 休日加算は次の患者について算定できるものとする。
(イ) 客観的に休日における救急医療の確保のために診療を行っていると認められる次に掲げる保険医療機関を受診した患者
① 地域医療支援病院(医療法第4条第1項に規定する地域医療支援病院)
② 救急病院等を定める省令(昭和39年厚生省令第8号)に基づき認定された救急病院又は救急診療所
③ 「救急医療対策の整備事業について(昭和52年医発第692号)」に規定された保険医療機関又は地方自治体等の実施する救急医療対策事業の一環として位置づけられている保険医療機関
(ロ) 当該休日を休診日とする保険医療機関に、又は当該休日を診療日としている保険医療機関の診療時間以外の時間に、急病等やむを得ない理由により受診した患者(上記(イ)以外の理由により常態として又は臨時に当該休日を診療日としている保険医療機関の診療時間内に受診した患者を除く。)
ウ 休日加算を算定する場合には、時間外加算、深夜加算及び時間外加算の特例については、算定しない。
(14) 深夜加算
ア 深夜加算は、初診が深夜に開始された場合に算定する。ただし、保険医療機関の都合(やむを得ない事情の場合を除く。)により深夜に診療が開始された場合は算定できない。なお、深夜とは、いずれの季節においても午後10時から午前6時までの間をいう。
イ いわゆる夜間開業の保険医療機関において、当該保険医療機関の診療時間又は診療態勢が午後10時から午前6時までの間と重複している場合には、当該重複している時間帯における診療については深夜加算は認められない。
ウ 深夜加算は、次の患者について算定できるものとする。
(イ) 客観的に深夜における救急医療の確保のために診療を行っていると認められる次に掲げる保険医療機関を受診した患者
① 地域医療支援病院(医療法第4条第1項に規定する地域医療支援病院)
② 救急病院等を定める省令(昭和39年厚生省令第8号)に基づき認定された救急病院又は救急診療所
③ 「救急医療対策の整備事業について(昭和52年医発第692号)」に規定された保険医療機関又は地方自治体等の実施する救急医療対策事業の一環として位置づけられている保険医療機関
(ロ) 自己の表示する診療時間が深夜を含んでいない保険医療機関に、又は自己の表示する診療時間が深夜にまで及んでいる保険医療機関の当該表示する診療時間と重複していない深夜に、急病等やむを得ない理由により受診した患者(上記(イ)以外の理由により常態として又は臨時に当該深夜時間帯を診療時間としている保険医療機関に受診した患者を除く。)
エ 深夜加算を算定する場合には、時間外加算、休日加算及び時間外加算の特例については、算定しない。
(15) 時間外加算の特例
ア 当該特例の適用を受ける保険医療機関(以下「時間外特例医療機関」という。)とは、客観的に専ら夜間における救急医療の確保のために診療を行っていると認められる次に掲げる保険医療機関であって、医療法第30条の3の規定に基づき都道府県が作成する医療計画に記載されている救急医療機関をいう。
① 地域医療支援病院(医療法第4条第1項に規定する地域支援病院)
② 救急病院等を定める省令(昭和39年厚生省令第8号)に基づき認定された救急病院又は救急診療所
③ 「救急医療対策の整備事業について(昭和52年医発第692号)」に規定された病院群輪番制病院、病院群輪番制に参加している有床診療所又は共同利用型病院
イ 別に厚生労働大臣が定める時間とは、当該地域において一般の保険医療機関が概ね診療応需の態勢を解除した後、翌日に診療応需の態勢を再開するまでの時間(深夜及び休日を除く。)とし、その標準は、概ね午前8時前と午後6時以降(土曜日の場合は、午前8時前と正午以降)から、午後10時から午前6時までの間を除いた時間とする。
ウ 時間外特例医療機関において、休日加算又は深夜加算に該当する場合においては、時間外加算の特例を算定せず、それぞれ休日加算、深夜加算を算定する。また、時間外加算の特例を算定する場合には、時間外加算は算定しない。
(16) 小児科を標榜する医療機関における夜間、休日又は深夜の診療に係る特例
ア 夜間、休日及び深夜における小児診療体制の一層の確保を目的として、小児科を標榜する医療機関について、6歳未満の乳幼児に対し、夜間、休日又は深夜を診療時間とする医療機関において夜間、休日又は深夜に診療が行われた場合にも、それぞれ時間外加算、休日加算又は深夜加算を算定できることとするものである。
イ 夜間であって別に厚生労働大臣が定める時間とは、当該地域において一般の保険医療機関が概ね診療応需の態勢を解除した後、翌日に診療応需の態勢を再開するまでの時間(深夜及び休日を除く。)とし、その標準は、概ね午前8時前と午後6時以降(土曜日の場合は、午前8時前と正午以降)から、午後10時から午前6時までの間を除いた時間とする。
ウ 休日加算の対象となる休日、深夜加算の対象となる深夜の基準は、注5に係る休日、深夜の基準の例によるものとする。
エ 時間外加算、休日加算、深夜加算の併算定に係る取扱いは、注5の場合と同様である。
(17) 病院の紹介患者加算
ア 病院における紹介患者を診療するという機能を評価し、初診料に加算したものであり、単に電話での紹介を受けた場合等は紹介患者には該当しない。なお、保健所、市町村等の医師からの文書による紹介患者についても算定できる。
イ 健康診断については、当該健康診断を担当した医師が、その結果に基づき治療の必要性を認め、当該患者に対し、必要な診療が可能な概ね5カ所程度の保険医療機関を特定し、当該保険医療機関宛てに文書により紹介した場合には、紹介患者加算を算定できる。
ウ 当該保険医療機関と特別の関係にある保険医療機関等からの紹介患者については算定できない。また、紹介率の算定式には当該保険医療機関と特別の関係にある保険医療機関等からの紹介患者は算入しない。この場合における「特別の関係にある保険医療機関等」とは、第1章第2部入院料等の通則7に規定するものをいう。
エ 紹介患者加算における「文書」とは、別紙様式7又はこれに準ずる様式をいう。
第2節 再診料
A001 再診料
(1) 再診料は、診療所又は一般病床の病床数が200床未満の病院において、再診の都度(同一日において2以上の再診があってもその都度)算定できる。ただし、2以上の傷病について同時に再診を行った場合の再診料は、当該1日につき1回に限り算定する。
(2) A傷病について診療継続中の患者が、B傷病に罹り、B傷病について初診があった場合、当該初診については、初診料は算定できないが、再診料を算定できる。
(3) 再診料における時間外加算、休日加算、深夜加算及び時間外特例加算の取扱いは、初診料の場合と同様である。
(4) 外来管理加算
ア 外来管理加算は、標榜する診療科に関係なく算定できる。ただし、複数科を標榜する保険医療機関において、外来患者が2以上の傷病で複数科を受診し、一方の科で処置又は手術等を行った場合は、他科においても外来管理加算は算定できない。
イ 投薬は本来直接本人を診察した上で適切な薬剤を投与すべきであるが、やむを得ない事情で看護に当たっている者から症状を聞いて薬剤を投与した場合においても、外来管理加算を算定できる。
ウ 「注5」に規定するリハビリテーション、精神科専門療法、処置、手術、麻酔及び放射線治療とは、第2章第7部リハビリテーション、第8部精神科専門療法、第9部処置、第10部手術、第11部麻酔、第12部放射線治療に掲げられている項目及びそれぞれの部に掲げられている項目を準用しているものをいう。
エ 「注5」の厚生労働大臣が別に定める検査とは、第2章第3部第3節生体検査料のうち、次の各区分に掲げるものをいう。
超音波検査等
脳波検査等
神経・筋検査
耳鼻咽喉科学的検査
眼科学的検査
負荷試験等
ラジオアイソトープを用いた諸検査
内視鏡検査
(5) 継続管理加算
継続管理加算は、当該患者について、初診料を算定しない月において、最初に再診料を算定する日に算定する。ただし、継続管理加算を算定した月に傷病が治癒し、当月中に新たな初診料を算定した場合においては、先の継続管理加算は算定できる。
(6) 電話等による再診
ア 当該保険医療機関で初診を受けた患者について、第2診以後、当該患者又はその看護に当たっている者から直接又は間接(電話、テレビ画像等による場合を含む。)に、治療上の意見を求められた場合に、必要な指示をしたときには、再診料を算定できる。
イ 電話、テレビ画像等を通した再診(聴覚障害者以外の患者に係る再診については、ファクシミリ又は電子メール等によるものは含まない。)については、患者の病状の変化に応じ療養について医師の指示を受ける必要のある場合であって、当該患者又はその看護に当たっている者からの医学的な意見の求めに対し治療上必要な適切な指示をした場合に限り算定する。ただし、電話、テレビ画像等を通した指示等が、同一日における初診又は再診に附随する一連の行為とみなされる場合、時間おきに病状の報告を受ける内容のものである場合等には、再診料を算定できない。また、ファクシミリ又は電子メール等による再診については、再診の求めに速やかに応じた場合に限り算定できるものとし、この場合においては、診療録に当該ファクシミリ等の送受信の時刻を記載するとともに、当該ファクシミリ等の写しを貼付すること。
ウ 乳幼児の看護に当たっている者から電話等によって治療上の意見を求められて指示した場合は、乳幼児加算を算定する。
エ 時間外加算を算定すべき時間、休日又は深夜に患者又はその看護に当たっている者から電話等によって治療上の意見を求められて指示した場合は、時間外加算、休日加算又は深夜加算を算定する。ただし、ファクシミリ又は電子メール等による再診については、当該加算は算定できない。
(7) 健康保険法(大正11年法律第70号)における療養の給付と労働者災害補償保険法(昭和22年法律第50号)における療養補償給付を同時に受けている場合の再診料(外来診療料を含む。)は、主たる疾病の再診料(外来診療料を含む。)として算定する。なお、入院料及び往診料は、当該入院あるいは往診を必要とした疾病に係るものとして算定する。
A002 外来診療料
(1) 外来診療料は、医療機関間の機能分担の明確化、請求の簡素化を目的として設定されたものであり、一般病床の病床数が200床以上の病院において算定する。
(2) 外来診療料の取扱いについては、再診料の場合と同様である。ただし、電話等による再診料、継続管理加算及び外来管理加算は算定できない。
(3) 包括されている検査項目に係る検査の部の款及び注に規定する加算並びに包括されている処置項目に係る処置の部の注に規定する加算は、別に算定できない。
(4) 外来診療料には、包括されている検査項目に係る判断料が含まれず、別に算定できる。なお、当該検査項目が属する区分(尿・糞便等検査判断料又は血液学的検査判断料の2区分)の判断料について、当該区分に属する検査項目のいずれをも行わなかった場合は、当該判断料は算定できない。
(5) 外来診療科には、包括されている処置項目に係る薬剤料及び特定保険医療材料料は含まれず、処置の部の薬剤料及び特定保険医療材料料の定めるところにより別に算定できる。また、熱傷に対する処置についても別に算定できる。
第1部の2 老人初・再診料(老人医科診療報酬点数表関係)
<通則> 健康保険の初・再診料の通則の例によるものとすること。
第1節 老人初診料
(1) 寝たきり老人在宅総合診療料を算定する保険医療機関と連携し、24時間連携体制加算を算定すべき体制を形成している保険医療機関の医師(以下「連携医師」という。)が、24時間連携体制加算の趣旨に基づき初診を行った場合は、老人初診料を算定すること。
ただし、電話による場合は、算定できないものであること。
(2) (1)を除く老人初診料の算定方法については、健康保険の初診料の算定方法の例によるものとすること。
第2節 老人再診料
1 老人再診料
(1) 連携医師が24時間連携体制加算の趣旨に基づき行った場合の老人再診料は、算定できることとすること。ただし、初診を伴わない場合は老人再診料は、算定できないものであること。
(2) (1)を除く老人再診料の算定方法については、健康保険の再診料の算定方法の例によるものとすること。
2 老人外来診療料
老人外来診療料の算定方法については、健康保険の外来診療料の算定方法の例によるものとすること。
第2部 入院料等及び老人入院料等
<通則>
1 入院基本料、特定入院料及び短期滞在手術基本料は、基本的な入院医療の体制を評価するものであり、療養環境(寝具等を含む。)の提供、看護師等の確保及び医学的管理の確保等については、医療法の定めるところによる他、「病院、診療所等の業務委託について(平成5年2月15日指第14号)」等に従い、適切に実施するものとし、これに要する費用は、特に規定する場合を除き、入院基本料、特定入院料及び短期滞在手術基本料に含まれる。
2 1に規定する他、寝具等について次の基準のいずれかに該当しない場合には、入院基本料、特定入院料、短期滞在手術基本料は算定できない。
ア 患者の状態に応じて寝具類が随時利用できるよう用意されていること。なお、具備されるべき寝具は、敷布団(マットレスパッドを含む。)、掛布団(毛布、タオルケット、綿毛布を含む。)、シーツ類、枕、枕覆等である。
イ 寝具類が常時清潔な状態で確保されていること。シーツ類は、週1回以上の交換がなされていること。
ウ 消毒は必要の都度行われていること。
3 入院期間の確認について(入院料の支払要件)
(1) 保険医療機関の確認等
ア 保険医療機関は、患者の入院に際し、患者又はその家族等に対して当該患者の過去3か月以内の入院の有無を確認すること。過去3か月以内に入院がある場合は、入院の理由を確認すること。同一傷病による入院である場合には前保険医療機関における入院期間、算定入院基本料等及び入院に係る傷病名を当該患者の前保険医療機関又は保険者に照会し、当該保険医療機関の入院初日に追加される選定療養に係る入院期間及び当該患者の入院が選定療養に該当するか否かを確認すること。
イ 保険医療機関は、当該患者の退院に際しては、他保険医療機関からの当該患者の入院履歴に係る問い合わせに対し速やかに対応できるよう必要な体制を整えておくこと。円滑な運用のために別紙様式1又はこれに準ずる様式による文書を退院証明書として患者に渡すことが望ましい。
ウ ア、イに定める確認等を怠っている場合は、入院料は算定できないものであること。
(2) 入院患者の申告等
患者は、入院に際しては、保険医療機関からの求めに応じ、自己の入院履歴を申告すること。なお、虚偽の申告等を行った場合は、それにより発生する損失について、後日費用徴収が行われる可能性があるものである。
4 1日入院
眼科、耳鼻科等において手術を行い、同一の日に入院及び退院した場合、医師が入院の必要を認めて病室に入院させて入院医療が行われた場合にあっては、入院基本料又は特定入院料を算定できるが、単なる覚醒、休養等の目的で入院させた場合は、入院基本料又は特定入院料は算定しない。なお、短期滞在手術基本料については、第4節に規定するところによる。
5 入院中の患者の他医療機関への受診
(1) 入院中の患者が、当該入院の原因となった傷病以外の傷病に罹患し、入院している保険医療機関(以下本項において「入院医療機関」という。)以外での診療の必要が生じた場合は、他の保険医療機関(以下本項において「他医療機関」という。)へ転医又は対診を求めることを原則とする。
(2) 入院医療機関において、(老人)特定入院料、(老人)療養病棟入院基本料又は(老人)有床診療所療養病床入院基本料(以下、通則において「特定入院料等」という。)を算定している患者について、当該特定入院料等に含まれる診療を他医療機関で行った場合には、当該他医療機関は当該費用を算定できない。
(3) (2)にかかわらず、特定入院料等を算定する患者に対し眼科等の専門的な診療が必要となった場合(当該入院医療機関に当該診療に係る診療科がない場合に限る。)であって、当該患者に対し当該診療が行われた場合(当該診療に係る専門的な診療科を標榜する他医療機関(特別の関係にあるものを除く。)において、次に掲げる診療行為を含む診療行為が行われた場合に限る。)は、当該患者について算定する特定入院料等に含まれる診療が当該他医療機関において行われた診療に含まれる場合に限り、当該他医療機関において、当該診療に係る費用を算定できることとする。ただし、短期滞在手術基本料2、指導管理等、在宅医療、投薬、注射及びリハビリテーションに係る費用(当該専門的な診療科に特有な薬剤を用いた投薬又は注射に係る費用を除く。)は算定できない。
ア 初・再診料
イ 短期滞在手術基本料1
ウ 検査
エ 画像診断
オ 精神科専門療法
カ 処置
キ 手術
ク 麻酔
ケ 放射線治療
(4) 他医療機関において(3)の規定により費用を算定することのできる診療を行わせる場合には、当該患者が入院している保険医療機関において、当該他医療機関に対し、当該診療に必要な診療情報(当該入院医療機関での算定入院料及び必要な診療科を含む。)を文書により提供する(これらに要する費用は患者の入院している保険医療機関が負担するものとする。)とともに、診療録にその写しを添付すること。この場合においては、当該他医療機関において診療が行われた日に係る特定入院料等は、当該特定入院料等の所定点数から当該特定入院料等の基本点数の70%を控除した点数により算定するものとする。この場合において、1点未満の端数があるときは、小数点以下第一位を四捨五入して計算するものとする。
(5) 他医療機関において(3)のアからケまでに規定する診療を行った場合には、当該患者の入院している保険医療機関から提供される当該患者に係る診療情報に係る文書を診療録に添付するとともに、診療報酬明細書の摘要欄に「当該患者の算定する特定入院料等」、「診療科」及び「(他)(受診日数:〇日)」と記載すること。
6 外泊期間中の入院料等
(1) 入院患者の外泊期間中の入院料等については、入院基本料の基本点数の15%又は特定入院料の15%を算定するが、精神神経症や精神障害の患者について治療のために外泊を行わせる場合は更に15%を算定できる。ただし、入院基本料又は特定入院料の30%を算定することができる期間は、連続して3日以内に限り、かつ月(同一暦月)6日以内に限る。
外泊中の入院料等を算定する場合においては、その点数に1点未満の端数があるときは、小数点以下第一位を四捨五入して計算するものとする。
なお、当該外泊期間は、7の入院期間に算入する。
(2) 入院中の患者が在宅医療に備えて一時的に外泊するに際して、当該在宅医療に関する指導管理が行われた場合は、(1)に規定する点数に加えて、区分「C100」退院前在宅療養指導管理料を、外泊初日に1回に限り算定できる。
7 入院期間の計算
(1) 入院の日とは、入院患者の保険種別変更等の如何を問わず、当該保険医療機関に入院した日をいい、保険医療機関ごとに起算する。
また、A傷病により入院中の患者がB傷病に罹り、B傷病についても入院の必要がある場合(例えば、結核で入院中の患者が虫垂炎で手術を受けた場合等)又はA傷病が退院できる程度に軽快した際に他の傷病に罹り入院の必要が生じた場合においても、入院期間はA傷病で入院した日を起算日とする。
(2) (1)にかかわらず、保険医療機関を退院後、同一傷病により当該保険医療機関又は当該保険医療機関と特別の関係にある保険医療機関に入院した場合の入院期間は、当該保険医療機関の初回入院日を起算日として計算する。
ただし、次のいずれかに該当する場合は、新たな入院日を起算日とする。
ア 1傷病により入院した患者が退院後、一旦治癒し若しくは治癒に近い状態までになり、その後再発して当該保険医療機関又は当該保険医療機関と特別の関係にある保険医療機関に入院した場合
イ 退院の日から起算して3月以上(悪性腫瘍又は「特定疾患治療研究事業について」(昭和48年4月17日衛発第242号)の別紙の第3に掲げる疾患に罹患している患者については1月以上)の期間、同一傷病について、いずれの保険医療機関に入院又は介護老人保健施設に入所(短期入所療養介護費を算定すべき入所を除く。)することなく経過した後に、当該保険医療機関又は当該保険医療機関と特別の関係にある保険医療機関に入院した場合
(3) 「特別の関係」とは、次に掲げる関係をいう。
ア 当該保険医療機関等と他の保険医療機関等の関係が以下のいずれかに該当する場合に、当該保険医療機関等と当該他の保険医療機関等は特別の関係にあると認められる。
(イ) 当該保険医療機関等の開設者が、当該他の保険医療機関等の開設者と同一の場合
(ロ) 当該保険医療機関等の代表者が、当該他の保険医療機関等の代表者と同一の場合
(ハ) 当該保険医療機関等の代表者が、当該他の保険医療機関等の代表者の親族等の場合
(ニ) 当該保険医療機関等の理事・監事・評議員その他の役員等のうち、当該他の保険医療機関等の役員等の親族等の占める割合が10分の3を超える場合
(ホ) (イ)から(ニ)までに掲げる場合に準ずる場合(人事、資金等の関係を通じて、当該保険医療機関等が、当該他の保険医療機関等の経営方針に対して重要な影響を与えることができると認められる場合に限る。)
イ 「保険医療機関等」とは、保険医療機関である病院若しくは診療所、特定承認保険医療機関、介護老人保健施設又は指定訪問看護事業者をいう。
ウ 「親族等」とは、親族関係を有する者及び以下に掲げる者をいう。
(イ) 事実上婚姻関係と同様の事情にある者
(ロ) 使用人及び使用人以外の者で当該役員等から受ける金銭その他の財産によって生計を維持しているもの
(ハ) (イ)又は(ロ)に掲げる者の親族でこれらの者と生計を一にしているもの
8 病棟移動時の入院料
病棟(病室及び治療室を含む。)から病棟(病室及び治療室を含む。)に移動した日の入院料の算定については、移動先の病棟(病室及び治療室を含む。)の入院料(入院基本料又は特定入院料)を算定する。
9 退院時処方に係る薬剤料の取扱い
投薬に係る費用が包括されている入院基本料(療養病棟入院基本料等)又は特定入院料(特殊疾患療養病棟入院料等)を算定している患者に対して、退院時に退院後に居宅において使用するための薬剤を投与した場合は、当該薬剤に係る費用(薬剤料に限る。)は、算定できる。
10 定数超過入院に該当する保険医療機関、医療法に定める人員標準を著しく下回る保険医療機関の取扱いについては、「厚生労働大臣の定める入院患者数の基準及び医師等の員数の基準並びに入院基本料等の算定方法(平成16年厚生労働省告示第52号)」に基づくものとし、その具体的な取扱いについては別途通知する。
11 複合病棟に関する取扱いについては、「複合病棟に関する基準等(平成12年3月厚生省告示第70号)」に基づくものとし、その具体的な取扱いについては別途通知する。
12 老人入院料等に係る取扱いについては、健康保険の入院料等の通則の例によるものとすること。
第1節 入院基本料(医科診療報酬点数表関係)
1 入院診療計画未実施減算、院内感染防止対策未実施減算、医療安全管理体制未整備減算及び褥瘡対策未実施減算は、別に厚生労働大臣が定める基準に適合していない場合に行うものであり、基準に適合していることを示す資料等を整備しておく必要がある。
2 褥瘡患者管理加算は、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして届け出た保険医療機関に入院している患者であって、当該加算の要件を満たすものについて算定する。当該加算は、褥瘡対策の要件に基づき、計画を立て、当該計画を実行し、その評価を行った日に算定する。
A100 一般病棟入院基本料
(1) 一般病棟入院基本料は、「注1」の入院基本料、「注2」の減算される入院基本料、「注3」の特別入院基本料から構成され、それぞれ別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして届け出た一般病棟に入院している患者について、Ⅰ群入院基本料1等の各区分の所定点数を算定する。
(2) 当該保険医療機関において複数の一般病棟がある場合には、当該病棟のうち、障害者施設等入院基本料等又は特殊疾患療養病棟入院料等の特定入院料(病棟単位で行うものに限る。)を算定する病棟以外の病棟については、同じ区分の一般病棟入院基本料を算定するものとする。
(3) 一般病棟入院基本料を算定する病棟については、「注5」に掲げる入院基本料等加算について、それぞれの算定要件を満たす場合に算定できる。
A101 療養病棟入院基本料
(1) 療養病棟入院基本料は、「注1」の入院基本料、「注2」の特別入院基本料から構成され、それぞれ別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして届け出た療養病棟に入院している患者について、入院基本料1等の各区分の所定点数を算定する。
(2) 当該保険医療機関において複数の療養病棟がある場合には、当該病棟のうち、回復期リハビリテーション病棟入院料等他の特定入院料(病棟単位で行うものに限る。)を算定する病棟以外の病棟については、同じ区分の療養病棟入院基本料を算定するものとする。
(3) 療養病棟入院基本料に含まれる画像診断、リハビリテーション及び処置並びにこれらに伴い使用する薬剤又は特定保険医療材料の費用並びに浣腸、注腸、吸入等基本診療料に含まれるものとされている簡単な処置及びこれに伴い使用する薬剤又は特定保険医療材料の費用については療養病棟入院基本料に含まれる。
(4) 療養病棟入院基本料を算定する病棟は主として長期にわたり療養の必要な患者が入院する施設であり、医療上特に必要がある場合に限り他の病棟への患者の移動は認められるが、その医療上の必要性について診療報酬明細書の摘要欄に詳細に記載する。
(5) 「注4」に掲げる加算を算定するに当たっては、当該加算の要件を満たすとともに、次のアからエまでの要件を満たすことが必要である。
ア 当該加算の基準に基づき、患者の身体障害の状態及び痴呆の状態を評価するとともに、当該加算の基準に基づく評価、これらに係る進行予防等の対策の要点及び評価日を診療録に記載するものとする。当該加算は、対策の要点に基づき、計画を立て、当該計画を実行した日から算定する。
イ 当該加算算定患者については、定期的(原則として月に1回)に当該加算の基準に基づく評価及び対策の要点を見直し、評価日と併せて診療録に記載する。
ウ 患者の状態に著しい変化が見られた場合には、その都度、当該加算の基準に基づく評価及び対策の要点を見直し、評価日と併せて診療録に記載する。評価に変更がある場合には、新たな点数を算定する。
エ 当該加算を算定する場合には、診療報酬明細書の摘要欄に当該加算の算定根拠となる評価(当該加算の基準に基づくランク等)及び評価日を記載すること。なお、月の途中で加算点数に変更がある場合については、その都度、同様に記載すること。
(6) 療養病棟入院基本料を算定する病棟については、「注5」に掲げる入院基本料等加算について、それぞれの算定要件を満たす場合に算定できる。
A102 結核病棟入院基本料
(1) 結核病棟入院基本料は、「注1」の入院基本料、「注2」の減算される入院基本料、「注3」の特別入院基本料から構成され、それぞれ別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして届け出た結核病棟に入院している患者について、入院基本料1等の各区分の所定点数を算定する。
(2) 当該保険医療機関において複数の結核病棟がある場合には、当該病棟全てについて同じ区分の結核病棟入院基本料を算定するものとする。
(3) 結核病棟入院基本料を算定する病棟については、「注5」に掲げる入院基本料等加算について、それぞれの算定要件を満たす場合に算定できる。
A103 精神病棟入院基本料
(1) 精神病棟入院基本料は、「注1」の入院基本料、「注2」の減算される入院基本料、「注3」の特別入院基本料から構成され、それぞれ別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして届け出た精神病棟に入院している患者について、入院基本料1等の各区分の所定点数を算定する。
(2) 当該保険医療機関において複数の精神病棟がある場合には、当該病棟のうち、精神科急性期治療病棟入院料等の特定入院料(病棟単位で行うものに限る。)を算定する病棟以外の病棟については、同じ区分の精神病棟入院基本料を算定するものとする。
(3) 精神病棟入院基本料を算定する病棟については、「注5」に掲げる入院基本料等加算について、それぞれの算定要件を満たす場合に算定できる。
A104 特定機能病院入院基本料
(1) 特定機能病院入院基本料は、「注1」の入院基本料、「注2」の減算される入院基本料から構成され、それぞれ別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして届け出た一般病棟、結核病棟又は精神病棟に入院している患者について、Ⅰ群入院基本料1等の各区分の所定点数を算定する。
(2) 当該特定機能病院において同一種別の病棟が複数ある場合の入院基本料の算定については、一般病棟入院基本料の(2)、結核病棟入院基本料の(2)及び精神病棟入院基本料の(2)の例による。
(3) 特定機能病院入院基本料を算定する病棟については、「注4」に掲げる入院基本料等加算について、それぞれの算定要件を満たす場合に算定できる。
A105 専門病院入院基本料
(1) 専門病院入院基本料は、「注1」の入院基本料、「注2」の減算される入院基本料から構成され、それぞれ別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして届け出た一般病棟に入院している患者について、入院基本料1等の各区分の所定点数を算定する。
(2) 当該専門病院において複数の一般病棟がある場合には、当該病棟のうち、障害者施設等入院基本料又は緩和ケア病棟入院料等の特定入院料(病棟単位で行うものに限る。)を算定する病棟以外の病棟については、同じ区分の専門病院入院基本料を算定するものとする。
(3) 専門病院入院基本料を算定する病棟については、「注4」に掲げる入院基本料等加算について、それぞれの算定要件を満たす場合に算定できる。
A106 障害者施設等入院基本料
(1) 障害者施設等入院基本料は、「注1」の入院基本料、「注2」の減算される入院基本料から構成され、それぞれ別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして届け出た障害者施設等一般病棟に入院している患者について、入院基本料1等の各区分の所定点数を算定する。
(2) 当該保険医療機関において複数の障害者施設等一般病棟がある場合には、当該病棟全てについて同じ区分の障害者施設等入院基本料を算定するものとする。
(3) 障害者施設等入院基本料を算定する病棟については、「注4」に掲げる入院基本料等加算について、それぞれの算定要件を満たす場合に算定できる。
A108 有床診療所入院基本料
(1) 有床診療所入院基本料は、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして届け出た診療所(療養病床に係るものを除く。)に入院している患者について、Ⅰ群入院基本料1等の各区分の所定点数を算定する。
(2) 有床診療所Ⅰ群入院基本料1を算定する診療所であり、当該区分の診療所に勤務する医師が2名以上であり、かつ、夜間に看護職員を1名以上配置している場合、「注3」に掲げる加算を算定することができる。
(3) 有床診療所Ⅰ群入院基本料1を算定する診療所であり、当該区分の診療所(療養病床に係るものを除く。)に勤務する看護師が3名以上の場合、「注4」に掲げる加算を算定することができる。
(4) 有床診療所入院基本料を算定する診療所については、「注5」に掲げる入院基本料等加算について、それぞれの算定要件を満たす場合に算定できる。
A109 有床診療所療養病床入院基本料
(1) 有床診療所療養病床入院基本料は、「注1」の入院基本料、「注2」の特別入院基本料から構成され、それぞれ別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして届け出た診療所(療養病床に係るものに限る。)に入院している患者について、入院基本料又は特別入院基本料の所定点数を算定する。
(2) 有床診療所療養病床入院基本料に含まれる画像診断、リハビリテーション及び処置並びにこれらに伴い使用する薬剤又は特定保険医療材料の費用並びに浣腸、注腸、吸入等基本診療料に含まれるものとされている簡単な処置及びこれに伴い使用する薬剤又は特定保険医療材料の費用については有床診療所療養病床入院基本料に含まれる。
(3) 有床診療所療養病床入院基本料を算定する病床は主として長期にわたり療養の必要な患者が入院する施設であり、医療上特に必要がある場合に限り他の病床への患者の移動は認められるが、その医療上の必要性については診療報酬明細書の摘要欄に詳細に記載する。
(4) 「注4」に掲げる加算に係る留意事項は、療養病棟入院基本料の例による。
(5) 有床診療所療養病床入院基本料を算定する病床については、「注5」に掲げる入院基本料等加算について、それぞれの算定要件を満たす場合に算定できる。
第1節の2 老人入院基本料(老人医科診療報酬点数表関係)
1 老人一般病棟入院基本料
(1) 特定患者とは、90日を超える期間、同一の保険医療機関(特別の関係にある保険医療機関を含む。)の一般病棟に入院している患者であって、当該90日を経過する日の属する月(90日経過後にあってはその後の各月とする。以下、下の表において単に「月」という。)に下の表の左欄に掲げる状態等にあって、中欄の診療報酬点数に係る療養のいずれかについて、右欄に定める期間等において実施している患者(以下「基本料算定患者」という。)以外のものをいう。
なお、左欄に掲げる状態等にある患者が、退院、転棟又は死亡により右欄に定める実施の期間等を満たさない場合においては、当該月の前月に基本料算定患者であった場合に限り、当該月においても同様に取り扱うこととすること。
状態等 |
診療報酬点数 |
実施の期間等 |
1 難病患者等入院診療加算を算定する患者 |
難病患者等入院診療加算 |
当該加算を算定している期間 |
2 重症者等療養環境特別加算を算定する患者 |
重症者等療養環境特別加算 |
当該加算を算定している期間 |
3 重度の肢体不自由者、脊髄損傷等の重度障害者、重度の意識障害者、筋ジストロフィー患者及び難病患者等(注1参照) |
― |
左欄の状態にある期間 |
4 悪性新生物に対する治療 (重篤な副作用の恐れがあるもの等に限る。)を実施している状態(注2参照) |
動脈注射 |
左欄治療により、集中的な入院加療を要する期間 |
抗悪性腫瘍剤動脈内持続注入 |
||
点滴注射 |
|
|
|
中心静脈注射 |
|
|
骨髄内注射 |
|
|
放射線治療(エックス線表在治療又は血液照射を除く。) |
|
5 観血的動脈圧測定を実施している状態 |
観血的動脈圧測定 |
当該月において2日以上実施していること |
6 老人理学療法(Ⅰ)に規定する理学療法等のうち個別療法を実施している状態(患者の入院の日から起算して180日までの間に限る。) |
老人理学療法(Ⅰ)、(Ⅱ)又は(Ⅲ)のうち個別療法 |
週3回以上実施している週が、当該月において2週以上であること |
老人作業療法(Ⅰ)又は(Ⅱ)のうち個別療法 |
||
7 ドレーン法若しくは胸腔又は腹腔の洗浄を実施している状態(注3参照) |
ドレーン法(ドレナージ) |
当該月において2週以上実施していること |
胸腔穿刺 |
||
|
腹腔穿刺 |
|
8 頻回に喀痰吸引を実施している状態(注3参照) |
喀痰吸引 |
1日に8回以上(夜間を含め約3時間に1回程度)実施している日が、当該月において20日以上であること |
気管支カテーテル薬剤 注入法 |
||
9 人工呼吸器を使用している状態 |
間歇的陽圧吸入法 |
当該月において1週以上使用していること |
人工呼吸 |
||
10 人工腎臓又は血漿交換療法を実施している状態 |
人工腎臓 |
各週2日以上実施していること |
|
血漿交換療法 |
当該月において2日以上実施していること |
11 全身麻酔その他これに準ずる麻酔を用いる手術を実施し、当該疾病に係る治療を継続している状態(当該手術を実施した日から起算して30日までの間に限る。) |
脊椎麻酔 |
― |
開放点滴式全身麻酔 |
|
|
マスク又は気管内挿管による閉鎖循環式全身麻酔 |
|
注1 3の左欄に掲げる状態等にある患者は具体的には以下のような状態等にあるものをいうものであること。
a 重度の肢体不自由者、脊髄損傷等の重度障害者及び重度の意識障害者
b 以下の疾患に罹患している患者
筋ジストロフィー、多発性硬化症、重症筋無力症、スモン、筋萎縮性側索硬化症、脊髄小脳変性症、ハンチントン病、パーキンソン病関連疾患(進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、パーキンソン病(ホーエン・ヤールの重症度分類がステージ3以上であって生活機能障害度がⅡ度又はⅢ度のものに限る。))、多系統萎縮症(線条体黒質変性症、オリーブ橋小脳萎縮症、シャイ・ドレーガー症候群)、プリオン病及び亜急性硬化性全脳炎
注2 4の「重篤な副作用の恐れがあるもの等」とは、以下のものであること。
a 肝障害、間質性肺炎、骨髄抑制、心筋障害等の生命予後に影響を与えうる臓器障害を有する腫瘍用薬による治療
b 放射線治療
c 末期の悪性新生物に対する治療
注3 7に係る胸腔穿刺又は腹腔穿刺を算定した場合は、当該胸腔穿刺又は腹腔穿刺に関し洗浄を行った旨を診療報酬明細書に記載すること。
また、8に係る喀痰吸引を算定した場合は、当該喀痰吸引を頻回に行った旨を診療報酬明細書に、その実施時刻及び実施者について診療録等に記載すること。
注4 基本診療料の施設基準等(平成16年厚生労働省告示第49号)別表第四に規定する「前各号に掲げる状態に準ずる状態にある患者」は、定められていない。
(2) 基本料算定患者が90日を超える期間一般病棟に入院している場合は、平均在院日数の算定の対象から除外するものであること。このため、基本料算定患者を入院させる保険医療機関においては、当該患者の人数等が明確に分かるような名簿を月ごとに作成し、適切に管理しておく必要があること。
(3) 特定患者が、包括病床群(第3節の2「1 老人一般病棟入院医療管理料」に規定する包括病床群をいう。)の届出を行っていない病床に入院している場合については、老人特定入院基本料(928点又は790点)を算定すること。
また、老人特定入院基本料に含まれる画像診断、リハビリテーション及び処置並びにこれらに伴い使用する薬剤及び特定保険医療材料の費用並びに浣腸、注腸、吸入等基本診療料に含まれるものとされている簡単な処置に際して薬剤又は特定保険医療材料を使用した場合の当該薬剤又は特定保険医療材料に係る費用は、老人特定入院基本料に含まれるものであること。
老人特定入院基本料を算定する日に使用するものとされた投薬に係る薬剤料は、老人特定入院基本料に含まれているものであるため別に算定できない。
(4) その他老人一般病棟入院基本料の算定方法については、健康保険の一般病棟入院基本料の算定方法の例によるものとすること。
2 老人療養病棟入院基本料
3 老人結核病棟入院基本料
4 老人精神病棟入院基本料
5 老人特定機能病院入院基本料
6 老人専門病院入院基本料
7 老人障害者施設等入院基本料
8 2から7までの老人入院基本料の算定方法については、健康保険の入院基本料の算定方法の例によるものとすること。
9 老人有床診療所入院基本料
老人有床診療所入院基本料の算定方法については、健康保険の有床診療所入院基本料の算定方法の例によるものとすること。
10 老人有床診療所療養病床入院基本料
老人有床診療所療養病床入院基本料の算定方法については、健康保険の有床診療所療養病床入院基本料の算定方法の例によるものとすること。
11 入院診療計画未実施減算、院内感染防止対策未実施減算、医療安全管理体制未整備減算及び褥瘡対策未実施減算に係る取扱いについては、健康保険の例によるものとすること。
12 褥瘡患者管理加算に係る取扱いについては、健康保険の例によるものとすること。
第2節 入院基本料等加算(医科診療報酬点数表関係)
A200 入院時医学管理加算
病院の一般病棟に対する医師の配置数と入院外来患者比率を指標とする加算である。
A201 紹介外来加算・紹介外来特別加算
(1) 紹介外来加算は、許可病床数200床以上の病院の一般病棟に対する紹介率を指標とする加算である。
(2) 紹介外来特別加算は、紹介外来加算を算定できる病院の一般病棟に対する入院外来患者比率を指標とする更なる加算である。
A202 急性期入院加算
(1) 病院の一般病棟に対する紹介率と平均在院日数、その他診療録管理体制等の有無を指標とする加算である。
(2) 急性期入院加算を紹介外来加算と同時に算定する場合には、急性期入院加算の所定点数と紹介外来加算の所定点数の差額分を急性期入院加算として算定する。この場合、要件を満たせば、更に紹介外来特別加算が算定できる。具体的には、次のようになる。
100点(紹介外来加算)+55点(急性期入院加算)+50点(紹介外来特別加算)=205点
A203 急性期特定入院加算
(1) 病院の一般病棟に対する紹介率、平均在院日数、入院外来患者比率その他診療実績評価の基盤の有無等を指標とする加算である。
(2) 急性期特定入院加算を紹介外来加算と同時に算定する場合には、急性期特定入院加算の所定点数と紹介外来加算の所定点数の差額分を急性期特定入院加算として算定する。この場合、要件を満たせば、更に紹介外来特別加算が算定できる。具体的には、次のようになる。
100点(紹介外来加算)+100点(急性期特定入院加算)+50点(紹介外来特別加算)=250点
A204 地域医療支援病院入院診療加算
(1) 地域医療支援病院入院診療加算は、地域医療支援病院における紹介患者に対する医療提供、病床や高額医療機器等の共同利用、24時間救急医療の提供等を評価するものであり、入院初日に算定する。
(2) (1)にかかわらず入院初日に病棟単位で行うべき特定入院料以外の特定入院料を算定した場合については、入院基本料の入院期間の計算により一連の入院期間とされる期間中に特定入院料を算定しなくなった日(当該日が退院日の場合は、退院日)において1回に限り算定する。
A204―2 臨床研修病院入院診療加算
(1) 研修医が、当該保険医療機関の研修プログラムに位置づけられた臨床研修病院及び臨床研修協力施設において研修を受けている場合に算定できる。
(2) 研修医の診療録の記載に係る指導及び確認は、速やかに行うこととし、診療録には指導の内容がわかるように指導医自らが記載を行い、署名をすること。
A205 救急医療管理加算・乳幼児救急医療管理加算
(1) 客観的に休日又は夜間における救急医療の確保のために診療を行っていると認められる次に掲げる保険医療機関であって、医療法第30条の3の規定に基づき都道府県が作成する医療計画に記載されている救急医療機関において、休日又は夜間に緊急に入院を必要とする重症患者に対して救急医療が行われた場合に算定できる。
ア 地域医療支援病院(医療法第4条第1項に規定する地域医療支援病院)
イ 救急病院等を定める省令(昭和39年厚生省令第8号)に基づき認定された救急病院又は救急診療所
ウ 「救急医療対策の整備事業について(昭和52年医発第692号)」に規定された病院群輪番制病院、病院群輪番制に参加している有床診療所又は共同利用型病院
(2) 都道府県知事の指定する精神科救急医療施設において、休日又は夜間に緊急に入院を必要とする重症患者に対して救急医療が行われた場合にも算定できる。ただし、精神科応急入院施設管理加算又は精神科措置入院診療加算を算定した患者については算定できない。なお、精神科救急医療施設の運営については、平成7年10月27日健医発第1321号厚生省保健医療局長通知に従い実施されたい。
(3) 当該加算の対象となるのは、診察等の結果緊急に入院を必要とする重症患者であり、例えば、次に掲げるような状態をいう。
ア 吐血、喀血又は重篤な脱水で全身状態不良の状態
イ 中等度以上の意識障害(脳血管障害等)
ウ 呼吸不全又は心不全で重篤な状態
エ ショック
オ 緊急手術を必要とする状態
カ 精神疾患であり、入院させなければ医療及び保護を図る上で支障のある状態
(4) 加算の対象となる時間は、予め定められた当番日であって、夜間にあっては午後6時から翌日午前8時まで、休日にあっては午前8時から当日午後6時までとする。
A206 在宅患者応急入院診療加算
(1) 診療所において在宅時医学管理料、在宅末期医療総合診療料又は第2章第2部第2節に掲げる在宅療養指導管理料の各区分に掲げる指導管理料(在宅自己注射指導管理料を除く。)を入院の月又はその前月に算定している患者について、当該患者の病状の急変等に伴い当該診療所の医師(以下本項において「主治医」という。)の求めに応じて入院させた場合に、当該入院中1回に限り、入院初日に算定する。
(2) 当該患者が入院中の保険医療機関が、主治医が属する保険医療機関と特別の関係(「第2部入院料等」の通則7に規定する「特別の関係」をいう。)にある場合には、在宅患者応急入院診療加算は算定できない。
A207 診療録管理体制加算
1名以上の専任の診療記録管理者の配置その他の診療録管理体制を整え、現に患者に対し診療情報を提供している保険医療機関への加算である。
A208 乳幼児加算・幼児加算
乳幼児加算又は幼児加算は、当該患者を入院させた場合に算定するものであって、産婦又は生母の入院に伴って健康な乳幼児又は幼児を在院させた場合にあっては、算定できない。
A210 難病等特別入院診療加算
(1) メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症患者については、菌の排出がなくなった後、3週間を限度として算定する。
(2) 特殊疾患入院施設管理加算を算定している患者については算定できない。
A211 特殊疾患入院施設管理加算
(1) 重度の肢体不自由児(者)、脊髄損傷等の重度の障害者、重度の意識障害者、筋ジストロフィー患者又は神経難病患者等を主として入院させる障害者施設等一般病棟等その他の病棟において算定する。
(2) 重度の意識障害者とは、以下に掲げる者をいう。
ア 意識障害レベルがJCS(Japan Coma Scale)でⅡ―3(又は30)以上又はGCS(Glas gow Coma Scale)で8点以下の状態が2週以上持続している患者
イ 無動症の患者(閉じ込め症候群、無動性無言、失外套症候群等)
(3) 神経難病患者とは、多発性硬化症、重症筋無力症、スモン、筋萎縮性側索硬化症、脊髄小脳変性症、ハンチントン病、パーキンソン病関連疾患(進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、パーキンソン病(ホーエン・ヤールの重症度分類がステージ3以上であって生活機能障害度がⅡ度又はⅢ度のものに限る。))、多系統萎縮症(線条体黒質変性症、オリーブ橋小脳萎縮症、シャイ・ドレーガー症候群)、プリオン病及び亜急性硬化性全脳炎に罹患している患者をいう。
A212 超重症児(者)入院診療加算・準超重症児(者)入院診療加算
(1) 超重症者(者)入院診療加算の対象となる超重症の状態は、「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(平成16年月保医発第号)」別紙6の超重症児(者)判定基準による判定スコアが25以上のものをいう。
(2) 準超重症児(者)入院診療加算の対象となる準超重症の状態は、当該超重症児(者)判定基準による判定スコアが10以上のものをいう。
A212―2 新生児入院医療管理加算
(1) 新生児入院医療管理加算は、集中的な医療を必要とする新生児に対して十分な体制を整えた治療室において医療管理を行った場合に算定する。
(2) 新生児入院医療管理加算の算定対象となる新生児は、次に掲げる状態にあって、医師が新生児入院医療管理が必要であると認めた者である。
ア 高度の先天奇形
イ 低体温
ウ 重症黄疸
エ 未熟児
オ 意識障害又は昏睡
カ 急性呼吸不全又は慢性呼吸不全の急性増悪
キ 急性心不全(心筋梗塞を含む。)
ク 急性薬物中毒
ケ ショック
コ 重篤な代謝障害(肝不全、腎不全、重症糖尿病等)
サ 大手術後
シ 救急蘇生後
ス その他外傷、破傷風等で重篤な状態
A213 看護配置加算
看護配置加算は、看護師比率が40%と規定されている入院基本料を算定している病棟全体において、70%を超えて看護師を配置している場合に算定する。
A214 看護補助加算
看護補助加算は、当該加算を算定できる病棟において、看護補助者の配置基準に応じて算定する。なお、当該病棟において必要最小数を超えて配置している看護職員について、看護補助者とみなして計算することができる。
A215 夜間勤務等看護加算
(1) 夜間勤務等看護加算は、夜間の勤務体制及び看護サービスを評価したものであり、入院基本料を算定している全ての病棟において当該加算区分のいずれかを算定している場合に限って算定することができる。
(2) 病棟により夜間の看護体制が異なることから病棟ごとに異なる区分の加算を算定することができる。
A216 特別看護加算・特別看護長時間加算
(1) 特別看護加算は、有床診療所において、看護職員を増員する等、一挙に通常の看護体制に組み込むことが困難な場合に、過渡的な職務形態として、特定の患者に対して特定の看護職員による看護(特別看護)を行うことにより看護の充実強化を図るものであること。
(2) 特別看護を実施する際には、当該診療所は対象となる患者に対してその旨を十分に説明するとともに、当該患者の病床の見やすい位置に担当の看護職員の名称を表示すること。また、特別看護を担当する看護職員が胸に付ける名札に「特別看護担当」と記載する等して、当該職員が特別看護を担当する旨がわかるようにすること。
(3) 特別看護の実施に当たっては、審査支払機関と密接な連携をとりつつ、十分な指導をされたい。
A217 特別看護補助加算・特別看護補助長時間加算
(1) 特別看護補助加算は、有床診療所において、必要な看護要員を確保するまでの間の過渡的な職務形態として、平成14年3月31日までの間に、当該加算が算定された診療所においてのみ、当分の間、特定の患者に対して特定の看護補助者による看護を行うことを認めるものであること。
(2) 特別看護補助を実施する際には、当該診療所は対象となる患者に対してその旨を十分に説明するとともに、当該患者の病床の見やすい位置に担当の看護補助者の名称を表示すること。また、特別看護補助を担当する看護補助者が胸に付ける名札に「特別看護補助担当」と記載する等して、当該職員が特別看護補助を担当する旨がわかるようにすること。
(3) 特別看護補助に係る期間が30日間以上となる場合は、特別看護補助の延長が必要な旨の主治医による理由書を当該患者の診療報酬明細書に添付すること。
A218 地域加算
地域加算は、医業経費における地域差に配慮したものであり、別に厚生労働大臣が定める地域区分による地域に所在する保険医療機関において、入院基本料、特定入院料又は短期滞在手術基本料2の加算として算定できる。
A218―2 離島加算
離島加算は、離島における入院医療の応需体制を確保する必要があることから、別に厚生労働大臣が定める地域に所在する保険医療機関において、入院基本料、特定入院料又は短期滞在手術基本料2の加算として算定できる。
A219 療養環境加算
(1) 特別の療養環境の提供に係る病室については、加算の対象とはならない。
(2) 医師並びに看護師、准看護師及び看護補助者の配置が医療法の定める基準を満たしていない病院では算定できない。
A220 HIV感染者療養環境特別加算
後天性免疫不全症候群の病原体に感染している者については、CD4リンパ球数の値にかかわらず、抗体の陽性反応があれば、患者の希望により特別の設備の整った個室に入室する場合を除き、本加算を算定する。
A221 重症者等療養環境特別加算
(1) 加算の対象となる者は、次のいずれかに該当する患者であって、特に医療上の必要から個室又は2人部屋の病床に入院した者である。
ア 病状が重篤であって絶対安静を必要とする患者
イ 必ずしも病状は重篤ではないが、手術又は知的障害のため常時監視を要し、適時適切な看護及び介助を必要とする患者
(2) インキュベーターに収容した新生児又は乳幼児は、加算の対象とならない。
(3) 当該加算の対象となった患者の氏名及び入院日数を記録し、3年間保存しておくこと。
A221―2 小児療養環境特別加算
(1) 小児療養環境特別加算の対象となる患者は、次のいずれかの状態に該当する15歳未満の小児患者であって、医師が治療上の必要から個室での管理が必要と認めたものである。
ア 麻疹等の感染症に罹患しており、他の患者への感染の危険性が高い患者。
イ 易感染症により、感染症罹患の危険性が高い患者。
(2) 本加算を算定する場合は、(1)のア又はイのいずれかに該当する旨及びその病態の概要を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。
(3) 当該患者の管理に係る個室が特別の療養環境の提供に係る病室であっても差し支えないが、患者から特別の料金の徴収を行うことはできない。
A222 療養病棟療養環境加算
(1) 療養病棟療養環境加算は、長期にわたり療養を必要とする患者に提供される療養環境を総合的に評価したものである。
(2) 特別の療養環境の提供に係る病室に入室しており、かつ、患者から特別の料金の徴収を行っている場合には算定できない。
A223 診療所療養病床療養環境加算
(1) 診療所療養病床療養環境加算は、長期にわたり療養を必要とする患者に提供される療養環境を総合的に評価したものである。
(2) 特別の療養環境の提供に係る病室に入室しており、かつ、患者から特別の料金の徴収を行っている場合には算定できない。
A224 無菌治療室管理加算
(1) 当該加算は、入院基本料(特別入院基本料を除く。)を算定し、かつ、自家発電装置を有している病院において、白血病、再生不良性貧血、骨髄異形成症候群、重症複合型免疫不全症等の患者に対して、必要があって無菌治療室管理を行った場合に算定する。
なお、無菌治療室管理とは、当該管理を行うために、滅菌水の供給が常時可能であること、室内の空気清浄度がクラス1万以下であること等の要件を満たす無菌治療室において、医師等の立入、物資の供給等の際にも無菌状態が保たれるよう必要な管理をいう。
(2) 当該加算は、一連の治療につき、無菌室に入室した日を起算日として90日を限度として算定する。
A225 放射線治療病室管理加算
当該加算は、悪性腫瘍の患者に対して、当該管理を行った場合に算定する。なお、放射線治療病室管理とは、密封小線源あるいは治療用放射性同位元素により治療を受けている患者を入院させる病室における放射線に係る必要な管理をいう。
A226 重症皮膚潰瘍管理加算
(1) 重症皮膚潰瘍管理とは、重症な皮膚潰瘍(Sheaの分類Ⅲ度以上のものに限る。)を有している者に対して、計画的な医学管理を継続して行い、かつ、療養上必要な指導を行うことをいう。
(2) 本加算を算定する場合は、当該患者の皮膚潰瘍がSheaの分類のいずれかに該当するかについて、診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。
A226―2 緩和ケア診療加算
(1) 本加算は、一般病床に入院する悪性腫瘍又は後天性免疫不全症候群の患者のうち、疼痛、倦怠感、呼吸困難等の身体的症状又は不安、抑うつなどの精神症状を持つ者に対して、当該患者の同意に基づき、症状緩和に係る専従のチーム(以下「緩和ケアチーム」という。)による診察が行われた場合に算定する。
(2) 緩和ケアチームは、身体症状及び精神症状の緩和を提供することが必要である。
(3) 緩和ケアチームは初回の診察に当たり、主治医、看護師などと共同の上別紙様式2又はこれに準じた緩和ケア診療実施計画書を作成し、その内容を患者に説明の上交付するとともに、その写しを診療録に添付すること。
(4) 当該加算算定患者については入院精神療法の算定は週に1回までとする。
(5) 1日当たりの算定患者数は、1チームにつき概ね30名以内とする。
A227 精神科措置入院診療加算
精神科措置入院診療加算は、措置入院に係る患者について当該入院期間中1回に限り入院の日に算定する。ただし、応急入院患者として入院し、入院後措置入院又は緊急措置入院が決定した場合は、当該措置入院が決定した日に算定する。また、この場合にあっては、精神科応急入院施設管理加算は算定できない。
A228 精神科応急入院施設管理加算
(1) 精神科応急入院施設管理加算の算定の対象となる応急入院患者は、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(以下「精神保健福祉法」という。)第33条の4第1項に規定する応急入院患者及び同法第34条第1項から第3項までの規定により移送された患者(以下「応急入院患者等」という。)であり、その取扱いについては昭和63年4月6日健医発第433号厚生省保健医療局長通知に即して行うこと。
(2) 応急入院患者等として入院した場合であっても、入院後、精神保健福祉法第29条第1項に規定する措置入院として措置が決定した場合は精神科応急入院施設管理加算は算定できない。なお、応急入院等の後の入院形態の変更については、各都道府県の衛生担当部局との連絡を密にすること。
(3) 診療報酬明細書を審査支払機関に提出した後に措置入院が決定した場合にあっては、遅滞なく、精神科応急入院施設管理加算の請求を取り下げる旨を当該保険医療機関が審査支払機関に申し出ること。
(4) 精神科応急入院施設管理加算を算定する場合にあっては、精神保健福祉法第33条の4第2項に基づく応急入院届又は同法第33条第4項に基づく医療保護入院届の写しを診療報酬明細書に添付すること。
A229 精神科隔離室管理加算
(1) 当該加算が算定できる隔離とは、精神保健福祉法第36条第3項の規定に基づいて行われるものをいう。患者の隔離に当たっては、同法第37条第1項の規定に基づき厚生労働大臣が定める基準に従うとともに、隔離を行っている間は1日1回以上診察を行うこと。
(2) 精神科隔離室管理加算を算定する場合には、その隔離の理由を診療録に記載し、1日1回の診察の内容を診療録に記載すること。
(3) 精神保健福祉法第36条第3項に規定する隔離が数日間にわたり連続して行われた場合にあっては、当該隔離の開始日及び終了日についても精神科隔離室管理加算を算定できる。
(4) 隔離時間が12時間以下の場合や患者本人の意思に基づいて隔離を行った場合には算定できない。また、当該加算は、連続する30日間に7日を超えて算定できない。なお、応急入院中の期間及び精神科措置入院診療加算を算定した日に行った隔離については、当該加算の日数には数えない。
(5) 精神科応急入院施設管理加算を算定した入院患者について、当該応急入院中に行った隔離については、精神科隔離室管理加算は算定できない。ただし、当該応急入院の終了後も措置入院等で入院を継続している場合であって、精神保健福祉法第36条第3項の規定に基づく隔離を行った場合は算定できる。
(6) 精神科措置入院診療加算を算定する同一日に行った隔離については、精神科隔離室管理加算は算定できない。
(7) 当該加算は、「厚生労働大臣の定める入院患者数の基準及び医師等の員数の基準並びに入院基本料等の算定方法」に規定する基準に該当する保険医療機関については、算定できない。
A230 精神病棟入院時医学管理加算
精神病棟においては、入院時医学管理加算は算定できず、精神病棟入院時医学管理加算のみを算定する。
A231 児童・思春期精神科入院医療管理加算
(1) 児童・思春期精神科入院医療管理加算は、児童及び思春期の精神疾患患者に対して、家庭及び学校関係者等との連携も含めた体制の下に、医師、看護師、精神保健福祉士及び臨床心理技術者等による集中的かつ多面的な治療が計画的に提供されることを評価したものである。
(2) 当該加算は20歳未満の精神疾患を有する患者(精神作用物質使用による精神及び行動の障害の患者並びに知的障害の患者を除く。)について算定することができる。
(3) 当該加算を算定する場合には、医師は看護師、精神保健福祉士及び臨床心理技術者等と協力し、保護者等と協議の上、別紙様式3又はこれに準ずる様式を用いて、詳細な診療計画を作成すること。また、作成した診療計画を保護者等に説明の上交付するとともにその写しを診療録に添付すること。なお、これにより入院診療計画の基準を満たしたものとされるものであること。
(4) 保護者、学校関係者等に対して面接相談等適切な指導を適宜行うこと。
第2節の2 老人入院基本料等加算(老人医科診療報酬点数表関係)
入院時医学管理加算等の算定方法については、健康保険の入院基本料等加算の算定方法の例によるものとすること。
第3節 特定入院料(医科診療報酬点数表関係)
1 特定入院料(特殊疾患入院医療管理料、小児入院医療管理料、回復期リハビリテーション病棟入院料、特殊疾患療養病棟入院料、緩和ケア病棟入院料、精神科急性期治療病棟入院料、精神療養病棟入院料、老人一般病棟入院医療管理料、老人性痴呆疾患治療病棟入院料及び老人性痴呆疾患療養病棟入院料を除く。以下この項において同じ。)は、1回の入院について、当該治療室に入院させた連続する期間1回に限り算定できるものであり、1回の入院期間中に、当該特定入院料を算定した後に、入院基本料又は他の特定入院料を算定し、再度同一の特定入院料を算定することはできない。
ただし、特定集中治療室管理料、ハイケアユニット入院医療管理料については、1回の入院期間中に当該特定集中治療室管理料、ハイケアユニット入院医療管理料を算定した後に、入院基本料又は他の特定入院料を算定し、再度病状が悪化して当該特定集中治療室、ハイケアユニットへ入院させた場合には、これを算定できるものとする。
2 特定入院料を算定できる2以上の治療室に患者を入院させた場合において、特定入院料を算定できる日数の限度は、他の特定入院料を算定した日数を控除して計算するものとする。例えば、救命救急入院料を算定した後、広範囲熱傷特定集中治療室に入院させた場合においては、60日から救命救急入院料を算定した日数を控除して得た日数を限度として、広範囲熱傷特定集中治療室管理料を算定する。
3 入院診療計画未実施減算、院内感染防止対策未実施減算、医療安全管理体制未整備減算及び褥瘡対策未実施減算については入院基本料の例による。
4 褥瘡患者管理加算については入院基本料の例による。
A300 救命救急入院料
(1) 救命救急入院料の算定対象となる重篤な救急患者とは、次に掲げる状態にあって、医師が救命救急入院が必要であると認めた者であること。
ア 意識障害又は昏睡
イ 急性呼吸不全又は慢性呼吸不全の急性増悪
ウ 急性心不全(心筋梗塞を含む。)
エ 急性薬物中毒
オ ショック
カ 重篤な代謝障害(肝不全、腎不全、重症糖尿病等)
キ 広範囲熱傷
ク 大手術を必要とする状態
ケ 救急蘇生後