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○資格喪失後の継続給付に係る関係通知の廃止及び「健康保険法第98条第1項及び第99条第1項の規定の解釈運用」について

(平成15年2月25日)

(/保保発第0225007号/庁保険発第4号/)

(地方社会保険事務局長あて厚生労働省保険局保険課長・社会保険庁運営部医療保険課長通知)

(公印省略)

健康保険法等の一部を改正する法律(平成14年法律第102号)により、平成15年4月1日から、従来の資格喪失後の継続給付が廃止され、また、被保険者が資格喪失し、かつ、健康保険法(大正11年法律第70号)第3条第2項による被保険者又はその被扶養者となった場合に支給される特別療養給付が創設されることとなる。

今回の改正に伴い、「健康保険法第四十五条及び第五十五条第一項の規定の解釈運用について」(昭和49年8月6日保険発第86号・庁保険発第17号)及び「継続療養の受給者が被保険者資格を取得しさらに喪失した場合における取扱いについて」(昭和52年4月6日保険発22号・庁保険発第6号)を廃止するとともに、健康保険法第98条第1項及び第99条第1項の規定の解釈運用については、本通知によるものとするので、その実施に当たり、遺漏のないよう配慮されたい。

健康保険法第98条第1項及び第99条第1項の規定の解釈運用

1 健康保険法第98条第1項に規定する被保険者の「資格を喪失した際に療養の給付……を受けている」及び「療養の給付……を受けることかできる」の解釈運用については、被保険者であった際、疾病又は負傷(以下「疾病等」という。)に関し、療養の給付等を受けており、被保険者資格喪失当時又は資格喪失後において当該疾病等に関し一時的に具体的な医療行為を現実に受けていなかったとしても、そのことを理由に直ちに同条にいう「療養の給付……を受けている」に該当しないものとすることなく、当該疾病等の性質、その治癒に必要な療養の性質及び内容、具体的な医療行為を受けていない理由等に照らし、依然として療養を継続する必要性があり、全体としてみれば療養の状態が継続していると認められる限りは、なお、療養の給付等を受けているものと解する取り扱いとするものであること。

このように療養の状態が継続するかどうかの判断に当たっては、当該疾病等の性質、その治癒に必要な療養の性質及び内容、具体的な医療行為を受けていない理由等が重要な判断の要素となるものであり、これらの諸点を総合的に勘案のうえ、処理されたいこと。

2 健康保険法第99条第1項に規定する「療養のため労務に服することができないとき」(労務不能)の解釈運用については、被保険者がその本来の職場における労務に就くことが不可能な場合であっても、現に職場転換その他の措置により就労可能な程度の他の比較的軽微な労務に服し、これによって相当額の報酬を得ているような場合は、労務不能には該当しないものであるが、本来の職場における労務に対する代替的性格をもたない副業ないし内職等の労務に従事したり、あるいは傷病手当金の支給があるまでの間、一時的に軽微な他の労務に服することにより、賃金を得るような場合その他これらに準ずる場合には、通常なお労務不能に該当するものであること。

したがって、被保険者がその提供する労務に対する報酬を得ている場合に、そのことを理由に直ちに労務不能でない旨の認定をすることなく、労務内容、労務内容との関連におけるその報酬額等を十分検討のうえ労務不能に該当するかどうかの判断をされたいこと。

(写送付先/社会保険事務所長/地方社会保険事務局事務所長/)

参考

○健康保険法第98条第1項及び第99条第1項の規定の解釈運用

○健康保険法第45条及び第55条第1項の規定の解釈運用

1 健康保険法第98条第1項に規定する被保険者の「資格を喪失した際に療養の給付……を受けている」及び「療養の給付……を受けることができる」の解釈運用については、被保険者であった際、疾病又は負傷(以下「疾病等」という。)に関し、療養の給付等を受けており、被保険者資格喪失当時又は資格喪失後において当該疾病等に関し一時的に具体的な医療行為を現実に受けていなかったとしても、そのことを理由に直ちに同条にいう「療養の給付……を受けている」に該当しないものとすることなく、当該疾病等の性質、その治癒に必要な療養の性質及び内容、具体的な医療行為を受けていない理由等に照らし、依然として療養を継続する必要性があり、全体としてみれば療養の状態が継続していると認められる限りは、なお、療養の給付等を受けているものと解する取り扱いとするものであること。

このように療養の状態が継続するかどうかの判断に当たっては、当該疾病等の性質、その治癒に必要な療養の性質及び内容、具体的な医療行為を受けていない理由等が重要な判断の要素となるものであり、これらの諸点を総合的に勘案のうえ、処理されたいこと。

2 健康保険法第55条第1項に規定する「被保険者ノ資格ヲ喪失シタル際療養ノ給付ヲ受クル」及び「継続シテ……療養ノ給付ヲ受クルコトヲ得」の解釈運用については、従来、被保険者資格の喪失の際及び資格喪失後も継続して、現実に医師の診察、投薬を受け、または医師から療養指導を受けているなど、具体的な現実の療養を受けているものとし、少なくとも全体として医師の支配下にあることをいうものとしていたところであるが、今後は、被保険者であつた際、疾病又は負傷(以下「疾病等」という。)に関し、療養の給付を受けており、被保険者資格喪失当時又は資格喪失後において当該疾病等に関したまたま一時的に具体的な医療行為を現実に受けていなかつたとしても、そのことを理由に直ちに同条にいう「療養ノ給付ヲ受クル」に該当しないものとすることなく、当該疾病等の性質、その治癒に必要な療養の性質及び内容、具体的な医療行為を受けていない理由等に照らし、依然として療養を継続する必要性があり、全体としてみれば療養の状態が継続していると認められるかぎりは、なお、療養の給付を受けているものと解する取り扱いとするものであること。

このように療養の状態が継続するかどうかの判断にあたつては、当該疾病等の性質、その治癒に必要な療養の性質及び内容、具体的な医療行為を受けていない理由等が重要な判断の要素となるものであり、これらの諸点を総合的に勘案のうえ、処理されたいこと。

2 健康保険法第99条第1項に規定する「療養のため労務に服することができないとき」(労務不能)の解釈運用については、被保険者がその本来の職場における労務に就くことが不可能な場合であっても、現に職場転換その他の措置により就労可能な程度の他の比較的軽微な労務に服し、これによって相当額の報酬を得ているような場合は、労務不能には該当しないものであるが、本来の職場における労務に対する代替的性格をもたない副業ないし内職等の労務に従事したり、あるいは傷病手当金の支給があるまでの間、一時的に軽微な他の労務に服することにより、賃金を得るような場合その他これらに準ずる場合には、通常なお労務不能に該当するものであること。

したがって、被保険者がその提供する労務に対する報酬を得ている場合に、そのことを理由に直ちに労務不能でない旨の認定をすることなく、労務内容、労務内容との関連におけるその報酬額等を十分検討のうえ労務不能に該当するかどうかの判断をされたいこと。

1 健康保険法第45条に規定する「療養ノ為労務ニ服スルコト能ハザルトキ」(労務不能)の解釈運用については、基本的に従来と異なるところがないものであること。すなわち、被保険者がたとえその本来の職場における労務に就くことが不可能な場合であつても、現に職場転換その他の措置により就労可能な程度の他の比較的軽微な労務に服し、これによつて相当額の報酬を得ているような場合は、労務不能には該当しないものであるが、幾分でも生計の補いとするために副業ないし内職のような本来の職場における労務に対する代替的性格をもたない労務に従事したり、あるいは受け得るはずの傷病手当金の支給があるまでの間の一時的なつなぎとして軽微な他の労務に服することにより、賃金を得るような場合その他これらに準ずる場合には、通常なお労務不能に該当するものであること。

したがつて、被保険者がその提供する労務に対する報酬を得ている場合、その故をもつて直ちに労務不能でない旨の認定をすることなく、労務内容、労務内容との関連におけるその報酬額等を十分検討のうえ労務不能に該当するか否かの判断をされたいこと。