○船員法第一条第二項第三号の漁船の範囲を定める政令の一部改正について
(昭和五一年一月二九日)
(庁保発第二号)
(各都道府県知事あて社会保険庁医療保険部長通知)
船員法第一条第二項第三号の漁船の範囲を定める政令の一部を改正する政令は、昭和五一年一月一七日政令第五号をもつて別添のとおり公布され、同年三月一日から施行されることとなつたので通知する。
船員法の適用対象となる漁船の範囲については、政令により適用範囲の拡大を段階的に実施することとされ、昭和四六年一月一日及び昭和四九年一月一日に分けて、それぞれ実施されてきたところであるが、今回の政令改正は、第三段階の適用範囲の拡大として実施されるものである。
今回の改正は、現在船員法が適用されていない総トン数五トン以上一○トン未満の漁船の一部を新たに船員法の適用対象に加えるとともに、これに伴う経過措置を定めたものであるので、これが実施に当たつては、昭和四五年一二月二五日庁保発第二二号並びに昭和四八年九月四日庁保発第一二号通知及び次の事項に留意するとともに、海運局をはじめ労働基準局、都道府県の雇用保険事務主管部局及び水産事務主管部局との緊密な協調のもとに円滑な実施に特段の配意をお願いする。
なお、運輸省及び水産庁の通達を添付するので参考にされたい。
1 新たに船員法の適用を受けることとなる漁船の範囲について
既適用漁船以外の総トン数五トン以上一○トン未満の漁船のうち、漁業法第五二条第一項の指定漁業に従事する漁船、漁業法第六六条第二項の小型さけ・ます流網漁業、中型まき網漁業又は小型機船底びき網漁業に従事する漁船(専ら、政令の別表の海面において営む漁業に従事するもの及び海岸から五海里以遠の海面において営む漁業に従事する期間が年間三○日未満であると海運局長が認定したものを除く。)については、新たに船員法の適用対象となるものであること(政令第二号)。したがつて、これらの漁船に乗り組み又は乗り組むべき船員は船員法第一条に規定する船員とされ、その者が船舶所有者に使用されるときは、船員保険法第一七条に規定する被保険者となるものである。
なお、専ら漁具を定置して営む漁業に従事する漁船等及び推進機関を有しない漁船については、従来どおり船員法の適用を受けないものであること。(政令第一号及び二号)
2 経過措置について
(1) 改正政令の施行に伴い、同政令の施行日(昭和五一年三月一日)に新たに船員保険法の適用を受けることとなる船員の施行日前に生じた業務上の傷病等に係る災害補償に関する経過措置及び施行日前の雇用保険、健康保険、厚生年金保険若しくは国民年金の被保険者期間又は農林漁業団体職員共済組合の組合員期間に関する経過措置については、前回の適用拡大に際してとられた措置と同様の措置がとられたこと。
(2) 労働者災害補償保険法の特別加入制度に加入が認められている中小規模事業主又は一人親方及びそれらの者の家族従事者については、当分の間同法の特別加入が認められることとされたこと。
別添 略
〔別紙〕
船員法第一条第二項第三号の漁船の範囲を定める政令の一部を改正する政令の運用について
(昭和五一年一月一七日)
(員基第一五号)
(海運・沖縄総合事務局長あて船員局長通知)
船員法第一条第二項第三号及び第一一九条の二の規定に基づき、標記政令が昭和五一年一月一七日に制定公布され昭和五一年三月一日から施行されることとなつた。
総トン数二○トン未満の漁船に対する船員法の適用については、既に昭和四九年一月一日から総トン数一○トン以上の漁船に適用拡大されているが、今回は総トン数五トン以上一○トン未満の漁船のうち、指定漁業、小型さけ・ます流し網漁業、中型まき網漁業及び小型機船底びき網漁業に従事する漁船(特定のものを除く。)に船員法の適用を行うものである。
標記政令の運用にあたつては、左記に留意のうえ、新たに船員法の適用を受けることとなる漁船の船舶所有者等関係者に対する周知指導に遺漏のないよう取り計らわれたい。
記
1 新たに船員法の適用を受けることとなる漁船(新適用船)の範囲
新適用船は、次に掲げる漁業(以下「特定四漁業」という。)に従事する総トン数五トン以上一○トン未満の漁船であつて、①既に適用されている漁船、②専ら、陸奥湾、富山湾等別表の海面で営む漁業に従事する漁船、③海岸から五海里以遠の海面(別表の海面を除く。)において営む漁業に従事する期間が年間三○日未満であると海運局長が認定した漁船及び(4)船員法の適用を受けるまき網漁船の附属漁船以外の推進器を備えない漁船以外のものである。
イ 漁業法第五二条第一項の指定漁業
ロ 漁業法第六六条第二項の小型さけ・ます流し網漁業、中型まき網漁業又は小型機船底びき網漁業
なお、前記①の総トン数五トン以上一○トン未満の漁船であつて「既に適用されている漁船」とは、専ら漁業法第五二条第一項の指定漁業を定める政令第一項の大中型まき網漁業に従事する漁船及び総トン数一○トン以上の漁船であつて、専ら漁業法第六六条第二項の中型まき網漁業(総トン数二○トン未満の漁船にあつては、別表の海面以外の海面において営むものに限る。)に従事するもの(注:従来、「船員法適用まき網漁船」と呼ばれていた漁船である。)の附属漁船を指すが、これらの附属漁船については、今回の改正により前記②又は③に該当することとなるものであつても従来どおり船員法が適用される。また、前記③の認定対象には海岸から五海里以遠の海面で操業することのない漁船も含まれる。
2 新適用船等の確認及びその取扱いは、次の手続によること。
(1) 昭和四九年五月二四日付け員基第一三七号による適用対象漁船に関する調査の結果を基礎とし、また都道府県の水産事務主管部局の長の協力を得て漁船原簿、漁業労働力対策事業の調査等を参考として、船員法が適用されていない総トン数五トン以上一○トン未満の漁船であつて特定四漁業に従事するものの一覧表を作成する。
(2) 漁業協同組合からその所属する総トン数五トン以上一○トン未満であつて特定四漁業に従事する漁船のうち1・②及び1・③に該当すると認められるもの(非適用船)に関する資料が都道府県の水産事務主管部局の長を経由して提出されるので、都道府県の水産事務主管部局の長と共同で当該資料を審査し、非適用船の台帳(別紙2参照)を作成する。
(3) (2)により作成された非適用船の台帳に基づき、都道府県労働基準局長、都道府県の雇用保険事務主管部局の長及び都道府県の船員保険事務主管部局の長に協議し、当該台帳を確定する。
(4) (3)による協議が整わない漁船については、運輸省、社会保険庁、労働省の間で協議することとなつているので本省に禀伺すること。
(5) (3)による協議の結果、(2)の台帳の訂正が必要となると認められる場合にはあらかじめ、都道府県の水産事務主管部局の長に協議すること。
(6) (1)により作成した一覧表と(3)により確定された非適用船の台帳を照合のうえ新適用船の台帳(別紙1参照)を作成する。
(7) (3)により確定された非適用船台帳及び(6)により作成された新適用船の台帳に基づき、都道府県の水産事務主管部局の長及び漁業協同組合を経由して船舶所有者に適用又は非適用の旨を通知するとともに、都道府県の船員保険事務主管部局の長に対し新適用船の船舶所有者名を、都道府県労働基準局長及び都道府県の雇用保険事務主管部局の長に対し新適用船及び非適用船の船舶所有者名を連絡する。
(8) (7)により通知した非適用船のうち政令第二号ロの「海岸から五海里以遠の海面において営む漁業に従事する期間が年間三○日未満である」と認めたものについては、昭和五一年三月一日付けで認定を行うこと。この場合には、当該漁船の船舶所有者に対して「船員法非適用船認定書」(別紙3参照)を交付すること。
(9) 以上の手続の実施にあたつては次の点に留意すること。
イ 政令第一号及び第二号の「専ら」の解釈は、昭和四五年一二月二二日付けの四省庁覚書2(1)と同趣旨である。
ロ 政令第二号の「海岸から五海里以遠の海面において営む漁業に従事する期間が年間三○日未満である」ことの判断は、原則として直前一年における操業実態を基礎とするが、当該年が海況漁況において異常年であり、判断の基礎とすることが著しく不適当である場合には、最近の平常年の操業実態を参考とすること。なお、(2)の審査にあたつては、都道府県の水産事務主管部局の長の判断を尊重するものとされたい。
ハ 非適用船の確認にあたつては、既に非適用船であることが関係機関に協議のうえ確認されているものについては、(3)の協議を行わなくてもよい。
ニ (8)により交付する「船員法非適用船認定書」は当該船舶に備置するように指導すること。
ホ (1)から(7)までの手続はできる限り速やかに完了するように努めるものとし、昭和五一年二月中旬を一応の目途とすること。
(10) この政令の施行後、新たに操業することとなつた漁船が生じたとき及び操業の実態等に関し異動が生じたと認められたときは、(3)から(8)までの手続に準じて、所要の協議、認定、取消し、通知又は連絡を行うこと。
なお、漁業協同組合は、この政令の施行後総トン数五トン以上一○トン未満の所属漁船について、適用船から非適用船へ、非適用船から適用船へとその取扱いを変更する必要があると認められる操業実態の変化等が生じた場合には、遅滞なく、都道府県の水産事務主管部局の長を経由して、海運局長へ届け出ることとなつている。
3 説明会の開催等について
新適用船の確定後この政令の施行までの間において、関係地方機関と十分な連絡のうえ、新適用船が比較的多く在籍する市町村に所在する漁業協同組合において適宜説明会を開催するとともに、船舶所有者及び船員に対し周知用のパンフレットを配布する等により法令の趣旨、事務手続等について周知指導を行うこと。
4 適用範囲拡大に伴う経過措置について
(1) 新適用船に係る船舶所有者又は新船員(この政令の施行の際現に新適用船に乗り組む船長及び海員並びに新適用船に乗り組むために雇用されている予備船員をいう。以下同じ。)に新たに義務づけられる事項のうち左記のものについては、政令施行後一月間又は施行の際航海中のものについては当該航海終了後一月間(ハについては四月三○日まで)適用が猶予されているが、猶予の有無にかかわらず、できる限り早期に諸手続を完了し、船員法の体制になじむように周知指導に努められたい。
イ 雇入契約の公認(法第三七条、政令附則第二項)――一月間又は航海終了後一月間猶予――
附則第二項は、政令施行前に成立している新船員の雇入契約を政令施行の際に成立したものとみなしているので政令施行の日から、労働条件の海員名簿への記載及び呈示並びに雇入契約の公認申請が義務づけられるが、新船員は政令施行後一月間は、船員手帳の受有が猶予されていることから、新船員に係る雇入契約の公認申請は、当該期間猶予される。なお、新船員の雇入契約の公認にあたつては、昭和五一年三月一日を雇入契約成立の日として公認されたい。
ロ 船員手帳(法第五○条第一項、政令附則第二項)――一月間又は航海終了後一月間猶予――
船員手帳は雇入契約の公認、健康証明、認証に際し必要とされるものであるから最も早い時期に交付を受けるよう周知指導に努められたい。
未成年者である新船員に交付するにあたつては、法定代理人の許可を改めて受ける必要はない(後述(2)ハ)が、許可を受けていることを証する意味で船員手帳交付の申請に際しては、法定代理人の許可があつたことを証する書類を添付せしめることとされたい。一八歳未満の新船員の認証は、船員手帳の受有が政令施行後一月間猶予されている関係上、当該期間は猶予される。
ハ 船員労働安全衛生規則の特定事項(法第八一条第一項、政令附則第三項、政令施行に伴う省令)――四月三○日まで猶予――
労安則第一八条第三項(蒸気高熱管の被覆等)、第二一条(密閉区画からの脱出装置等)、第二三条(管系等の表示)、第二四条第一項・三項(安全標識等)、第三五条(手を洗う設備)、第四四条(検知器具)については、かなり日時を要すると思われるので二月間猶予することとした。
ニ 健康証明書(法第八三条第一項、政令附則第二項)――一月間又は航海終了後一月間猶予――
船員手帳の受有が政令施行後一月間猶予されていることから、これに対応する期間は健康証明を受けていない新船員を乗り組ませてもよい。また、新船員は従来から雇用されているのであるから、施行規則第五六条の二の「雇用中の船員」に該当し、健康証明に要する費用は船舶所有者が負担しなければならない。
ホ 就業規則の届出(法第九七条、政令附則第二項)――一月間猶予――
常時一○人以上の労働者を使用する使用者は、労働基準法においても就業規則の作成届出が義務づけられていた(労基法第八九条以下、同施行規則第四九条参照)が、記載事項が船員法とは相当異なつているので新たに船員法に適合した就業規則を作成し、政令施行後一月までに届け出ることを義務づけた。
従来、船員法適用船員についての就業規則があり、新船員についてもこれを適用する場合には届出義務はない。
なお、新たに届出される就業規則については、法及び施行規則のほか、労働条件改善指導要綱の趣旨に適合したものとするよう特に配慮されたい。
(2) その他船員法に関するもの
イ 貯蓄金管理協定(法第三四条第二項、労基法第一八条第二項、政令附則第二項)
労働基準法第一八条第二項により協定し、届け出ている貯蓄金管理をなお引き続き行う場合には、附則第二項により当該協定は、船員法第三四条第二項により協定し届け出た協定とみなされるから新たに届け出をし直す必要はない。
ロ 報酬支払簿(法第五八条の二)
施行後直ちに備置する義務が発生するが、従来労働基準法第一○八条により賃金台帳の備置が義務づけられていることからこれを適宜補正して使用してよい。
ハ 未成年者に関する法定代理人の許可(法第八四条)
未成年者である新船員は、既に労働基準法の労働者となる際に民法第八二三条の職業許可を受けたものであるから、改めて許可を受ける必要はなく、政令施行後は、雇入契約(雇用契約)に関しては成年者と同一の能力を有する。
ニ 災害補償(法第八九条第二項、第九二条の二、政令附則第二項)
政令施行前に生じた職務上の負傷、疾病、障害、行方不明又は死亡に係る災害補償については、船員法は適用されない。また、政令施行前に生じた職務外の負傷又は疾病についても同様である。
(3) 労働者災害補償保険の特別加入者について(政令附則第二項)
中小規模事業主、一人親方等の労災保険の特別加入者である新船員については、政令施行後も当分の間、従来どおり特別加入が認められることとなる。なお、昭和五一年一月七日付け員基第六号により、労働省労働基準局あて別添のとおり依頼したので、参照されたい。
(4) その他の経過措置については、適宜昭和三八年三月二五日付け員基第四七号を参照すること。
別紙
〔別添〕
船員法の適用拡大により特別加入者としての資格を欠くこととなる者の取扱いについて
(昭和五一年一月七日)
(員基第六号)
(労働省労働基準局長あて運輸省船員局長依頼)
船員法の適用範囲は、小型漁船に関して、昭和四五年以来二次にわたつて拡大されてきたところでありますが、これに伴い、新たに船員法の適用の対象となつた漁船により漁業に従事していた中小事業主や一人親方又はそれらの家族従業者については、従来認められていた労災保険の特別加入者となる資格を失なうこととなりました。
ただ、これらの者のうち、適用拡大の実施の際、現に労災保険に特別加入していた者については、経過的に、引き続き特別加入者として取り扱われることとなりました。しかし、これらの者の後継者や新たにこれらの者の行う事業に従事することとなつた者は労災保険の特別加入者となることを認められず、また、船員保険に特別加入制度が設けられていないためその業務災害について何らの保護も与えられていない実情にあり、小規模漁業者の大きな悩みである後継者不足に拍車をかける結果となつているところであります。
つきましては、昭和五一年三月一日から実施する予定の小型漁船に対する第三次の船員法の適用拡大に際しては、この問題に対処するため、左記事項について格段の御配慮をお願いします。
記
1 今次の船員法の適用拡大の実施の際、現に労災保険に特別加入していた事業主や一人親方の事業を当該事業主や一人親方の子、孫等の親族が承継する場合には、これらの親族についても特別加入者となることができるよう取扱うこと。
2 今次の船員法の適用拡大の実施の際、現に労災保険に特別加入していた事業主や一人親方の事業に、今次の船員法の適用拡大の実施後に当該事業主や一人親方の子、孫等の親族が従事することとなつた場合には、これらの親族についても特別加入者となることができるよう取扱うこと。
3 小型漁船に対する従前の二次にわたる船員法の適用拡大の実施の際現に労災保険に特別加入していた事業主や一人親方で、今次適用拡大の実施後まで引き続き特別加入している者の親族についても、1及び2と同様に取扱うこと。
船員法第一条第二項第三号の漁船の範囲を定める政令の一部を改正する政令の制定について
(昭和五一年一月二二日)
(五一水漁第二四二号)
(各都道府県知事あて水産庁長官通知)
総トン数二○トン未満の漁船についての船員法(昭和二二年法律第一○○号)の適用については、過去二度にわたる拡大措置により、原則として総トン数一○トン以上の漁船に拡大されてきたところである。
今回、船員法第三次適用拡大措置として、総トン数五トン以上一○トン未満漁船の一部に同法を適用するため「船員法第一条第二項第三号の漁船の範囲を定める政令の一部を改正する政令(昭和五一年一月一七日政令第五号)」(以下「改正令」という。)が制定公布され、昭和五一年三月一日から施行されることとなつた。
この改正令の施行に伴い新たに船員法が適用されることとなる漁船(以下「新適用漁船」という。)は、原則として労働基準法、労働者災害補償保険法、雇用保険法等の適用がなくなり、船員法の適用にほか船員保険法が適用されることとなり、漁船乗組員の労働保護が強化されるとともに社会福祉の充実につながる等重要であるので、このような制度上の移行を円滑に行う必要がある。
このため、貴職におかれても、地方海運局及び都道府県労働基準局と密接な連携を保ちながら左記の事項に十分御留意の上、船員法の非適用漁船の認定に関する事務等について特段の御協力をお願いするとともに、関係漁業者等に対する周知指導に万全を期するようお願いする。
なお、運輸省の通達を添付するので参考に供されたい。
記
1 新適用漁船について
新適用漁船は、総トン数五トン以上一○トン未満の指定漁業及び法定知事許可漁業(小型さけ・ます流し網漁業、中型まき網漁業、小型機船底びき網漁業)を営なむ漁船のうち、次に掲げる漁船以外の漁船である。
(1) 既に船員法が適用されている漁船(大中型まき網漁業及び中型まき網漁業に従事する漁船の附属漁船)
(2) 専ら漁具を定置して営む漁業、区画漁業又は共同漁業に従事する漁船
(3) 専ら政令で定める別表の海面で営む漁業に従事する漁船
(4) 海岸から五海里以遠の海面において営む漁業に従事する期間が年間三○日未満であると地方海運局長が認定した漁船
(5) 推進機関を備えない漁船(船員法の適用を受けるまき網漁船の附属漁船を除く。)
2 まき網漁業に従事する漁船の乗組員について
まき網漁業に関しては、一括公認を受けている漁船に乗り組むために雇用されている船員その他船員法の適用を受けるまき網漁船に乗り組むために雇用されている船員は、船員法の適用がない漁船に乗り組んでいる場合においても、船員法が適用されることとなる。
3 労働者災害補償保険の特別加入者の取扱について
新適用漁船に乗り組む者であつて、改正令の施行の日の前日(昭和五一年二月二九日)において、労働省災害補償保険に特別加入している者については、政令の施行後においても、当分の間同法の適用を受けることができることとなつており、さらに、当該特別加入者の後継者及びその親族が今後新たに就業する場合における特別の救済措置についても所管省において検討中であるので、二月二九日までに労働者災害補償保険の特別加入を促進するなど関係漁業者等に対し周知徹底を図られたい。
4 改正令の施行時における船員手帳の受有等について
新適用漁船及び新船員(改正令の施行の際現に新適用漁船に乗り組む船長及び海員並びに新適用漁船に乗り組むために雇用されている予備船員)についての船員法第三七条(雇入契約の公認)、第五○条第一項(船員手帳の受有)、第八三条第一項(健康証明書の所持)、並びに第九七条第一項及び第二項(就業規則の作成及び届出)の適用については、改正令の施行後一か月、第八一条第一項(船内災害の防止及び船内衛生の保持)については、改正令の施行後二か月の経過期間が設けられるので、必要な手続等をこの期間内に完了するよう指導されたい。
5 雇入契約の公認等について
雇入契約の公認については、雇入又は雇止のあつたときは、遅滞なく雇入契約の公認が行われることとなつているが、小型漁船の雇用実態を考慮し、①漁期の当初に乗り組むことが予想される者については前もつて雇入契約の公認を認める。②漁期中に乗下船のあつた場合には、船長による船内雇入止を行つたのち漁期終了時などに公認手続を行うことを認めるなどの簡素化措置がとられることとなつたので、周知指導されたい。
なお、指定市町村及び指定医の追加についても、地方海運局において漁業者等の要望を考慮し努めることとなつている。
6 新適用漁船等の台帳作成について
地方海運局は、総トン数五トン以上一○トン未満の指定漁業及び法定知事許可漁業(小型さけ・ます流し網、中型まき網、小型機船底びき網)を営む漁船の一覧表を作成し、船員法の適用又は非適用の確認を行うこととなつている。この場合、都道府県水産主務課は、漁船原簿、四九年度実施した船員法適用予定漁船調査等を参考に供する等台帳作成について協力願いたい。
7 総トン数五トン以上一○トン未満の漁船で改正令の施行後において適用除外されるもの(1の(3)及び(4))の調査等について
(1) 当該漁船に係る漁業者は、1の(3)に係る場合にあつてはその旨の申告を、1の(4)に係る場合にあつては、認定申請書(別記様式3)の提出を所属漁業協同組合に対して行うものとする。
(2) 漁業協同組合は、所属漁業者から、すみやかに(1)の認定申請書の提出又は申告を受けるとともに、当該認定申請書又は申告に関し当該漁船の乗組員の意見、他の漁業者等の意見、当該漁船の水揚げ状況等を総合的に判断し、これを別記様式1、2の漁船一覧表にとりまとめ、確認の上、当該漁船一覧表に認定申請書を添えて、都道府県水産主務課に提出するものとする。
(3) 都道府県水産主務課は、(2)により提出のあつた漁船一覧表及び認定申請書を地方海運局に送付するものとする。この場合、漁業協同組合に所属しない漁業者については、都道府県水産主務課において直接調査するとともに、二月中旬頃までには地方海運局に提出するよう努力願いたい。
(4) 地方海運局及び都道府県水産主務課は、共同で(3)の漁船の適用、非適用を審査し、地方海運局において船員法非適用漁船台帳を作成する。この場合、地方海運局は都道府県水産主務課の判断を尊重することとなつている。
(5) 地方海運局は(4)の審査結果に基づき、都道府県労働基準局、都道府県の雇用保険事務主管部局及び都道府県の船員保険事業主管部局と協議し、(4)の台帳を確定することとなつている。また、(4)の台帳を修正する必要が生じたときは、都道府県水産主務課に予め協議することとなつている。
(6) 地方海運局長は、6により作成した一覧表と(5)により確定した台帳を照合の上、新適用漁船の台帳を作成し、都道府県水産主務課及び関係漁業協同組合を経由して、船舶所有者に当該漁船についての船員法適用又は非適用の旨を通知することとなつている。
この場合、地方海運局長は、1の(4)と確定した漁船については、改正令の施行日の日付けで認定書を作成し、船舶所有者に後日交付することとなつている。
(7) 改正令の施行後に新たに操業する漁船が生じたとき、その他操業実態等に変化が生じたときは、遅滞なく(1)~(6)に準じ取り扱うこととしているので、遺憾のないようにされたい。
なお、地方海運局長の認定書を受けた船舶の代船については、認定申請書に代船である旨の書類を添付して漁業協同組合及び都道府県水産主務課を経由して、その都度地方海運局長に提出し、認定を受けるものとする。
このほか、前記(1)~(7)について問題が生じた場合には、その都度水産庁に協議されたい。
別記様式1
別記様式2
別記様式3
別記様式4