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○船員保険の標準報酬の漁種間通算について

(昭和四六年五月七日)

(庁保発第一〇号)

(各都道府県知事あて社会保険庁医療保険部長通知)

北洋さけ・ます漁業に従事する船員については、船員法第九一条で定める災害補償の額の計算の基礎となる標準報酬の算定は、同法施行規則第六○条第一項第三号の規定に基づき北洋さけ・ます漁業とその裏作漁業の賃金を通じて決定する旨の労働協約を労使間で締結する例がみられるところである。これら労働協約の適用を受ける漁船員については、船員保険法第四条ノ二第一項に基づき、それぞれの漁種ごとに船員保険法による標準報酬が決定された場合、同一の者について船員法と船員保険法の両制度間の標準報酬が異ることとなり、同一の職務上の事故について船員法の規定による災害補償の額と船員保険法に基づく職務上の保険給付の額との間に相当の差が生じるという不合理を生ずることとなる。この点を解決するため、北洋さけ・ます漁業に従事する漁船員のうち、次の1の要件を満たすものについては、船員保険法第四条ノ二第二項の規定により北洋さけ・ます漁業及びその裏作漁業の賃金を通じた額により標準報酬を決定する(以下「標準報酬の漁種間通算」という。)こととし、その算定方法は次の2によることとしたので通知する。

1 漁種間通算を行なうための要件

標準報酬の漁種間通算は、漁種間を通じて雇用関係が継続し、いずれか一漁種の終了時の漁船員の大多数が次の要件のすべてを満たしているものに限るものとすること。

(1) 北洋さけ・ます母船式漁業(独航船)又は中型さけ・ます流網漁業と、原則として他に一種類の漁業を操業する船舶所有者に使用される者であること。

(2) 船員法第九一条の災害補償の額の算定の基礎となる標準報酬が同法施行規則第六○条第一項の規定により二漁種における賃金を通じて決定される旨の労働協約又は船舶所有者とその使用する船員の過半数を代表する者との協議によつてなされていること。

(3) 一漁種の終了後、次の漁種を行なうまでの期間が短期間(おおむね一月間)であること。

(4) 雇用期間のすべての期間に対応して固定給が支払われ、かつ、その額が二漁種を通じて原則として同一であること。

(5) 歩合金の船内配分率が二漁種を通じて原則として同一であること。

2 漁種間通算を行なう場合の算定方法

標準報酬の漁種間通算を行なう場合の算定方法は、船員保険法第四条ノ二第一項第五号の規定に基づき、報酬が歩合により定められる場合の報酬月額の算定方法を定める件(昭和三二年八月厚生省告示第二六一号)に準じ算定することとするが、同告示を適用する場合の一人歩歩合金の算出又は固定給の算出については、次によること。

(1) 一人歩歩合金の算出は、漁種間通算の対象となる漁種ごとに一人歩歩合金を算出し、その一人歩歩合金を合算した額とすること。

(2) 航海日当等が支給されるため、固定給の額が一定しない場合には、それぞれの漁種の異なる漁業を操業する場合に支給される固定給の額を平均すること。