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○船員保険法の一部を改正する法律、船員保険法施行令の一部を改正する政令、船員保険法施行規則の一部を改正する省令等の施行について

(昭和三八年八月一日)

(庁保発第二〇号)

(各都道府県知事あて社会保険庁医療保険部長通知)

標記に関し、その大綱については、昭和三八年八月一日庁発第一五号をもって社会保険庁長官から通達されたが、これら法律等の施行にあたって、同通達によるほか、次の事項に留意して遺憾のないようご配意願いたい。

なお、船員保険の失業保険金に係る給付の支給に関しては、かねてから貴管内の海運局、同支局及びこれらの出張所並びに公共職業安定所においてもその事務の一部が行なわれていることにかんがみ、これら海運局等との連絡協調には一層留意されたく特にお願いする。

第一 船員保険法の一部改正について

1 失業保険金に関する事項

(1) 失業保険金の最高日額は八九〇円最低日額は一八〇円にそれぞれ引き上げられたが、この引上げは船員保険法の一部を改正する法律(昭和三八年法律第一六三号)の施行日(以下「法施行日」という。)以後の失業の日に係る失業保険についてのみ行なわれるものであること(船員保険法の一部を改正する法律による改正後の船員保険法(以下「改正法」という。)第三三条ノ九第二項、船員保険法の一部を改正する法律附則(以下「附則」という。)第二条及び昭和三八年八月厚生省告示第三四〇号)。

(2) 受給資格者によって生計を維持する配偶者及び子(一八歳未満又は不具廃疾により労働能力のない子に現る。)については、その数に応じて失業保険金の額に扶養加算が行なわれることとされたが、これは(1)と同様法施行日以後の失業の日に係る失業保険金についてのみ行なわれるものであること(改正法第三三条ノ九第三項及び附則第三条)。

(3) 受給資格者が、求職の申込をした後において傷病のため職業につくことができない状態に引き続き一五日以上となったときには、失業保険金に相当する金額(以下「傷病給付金」という。)を支給することとされたが、傷病給付金が支給されたときは、船員保険法(以下「法」という。)第三三条ノ一二第一項の適用に関しては失業保険金の支給があったものとみなされ、したがって、傷病給付金は、法第三三条ノ一二第一項に規定する日数から既に失業保険金の支給された日数を差し引いた日数をこえては支給されないものであること。また、傷病給付金は、傷病手当金又は船員保険法施行令の一部を改正する政令(昭和三八年政令第二九二号)による改正後の船員保険法施行令で定める他の法令に基づく傷病手当金その他これに相当する給付の支給を受けることができるときは、支給されないものであること(改正法第三三条ノ一六第一項から第四項まで及び同条第六項)。

なお、この傷病給付金は法施行日以後の日についてのみ支給されるものであることは、(1)及び(2)におけると同様であり、また、その金額は扶養加算が行なわれた額であるから念のため。

(4) 失業の認定は原則として毎週二回行なうこととされていたが、法施行日以後は原則として毎週一回行なわれるものとされたこと(改正法第三三条ノ五第一項)。

(5) 受給資格者が失業の認定を受けた期間中に自己の労働による収入を得た場合における失業保険金の減額に関しては、その収入日額から控除する額が一〇〇円に引き上げられたこと(改正法第三三条ノ九第四項)。

また、この控除した額と失業保険金日額の合計額が失業保険金算定の基礎となった標準報酬日額の一〇〇分の八〇をこえるときは、その超過額が扶養加算を行なった後の失業保険金の日額をこえない場合にのみ、その超過額を扶養加算を行なった後の失業保険金の日額から控除した残額が支給されるものであること。なお、この減額は、法施行日前の失業の日に係るものについては、従前どおりの計算によるものである(附則第二条)。

(6) 受給資格者が、海運局、同支局及びこれらの出張所並びに公共職業安定所(以下「海運局等」という。)の長の指示に従い、社会保険庁長官の指定する入所期間が一年以下の職業補導所(以下「職業補導所」という。)に入所して職業の補導を受けるときは、その期間に限り失業保険金の給付日数を延長することができることとされたこと(改正法第三三条ノ一三)。

なお、職業補導所については、昭和三八年八月一日社会保険庁告示第二一号をもってその指示が行なわれた。

(7) 前記(6)の受給資格者に対しては、職業の補導を受ける期間中技能習得に要する費用(以下「技能習得手当」という。)として日額七〇円が、扶養家族と別居して寄宿するときは、寄宿に要する費用(以下「寄宿手当)という。)として一月につき三六〇〇円が、それぞれ支給されることとされ、これらの手当の支給に関する必要事項は昭和三八年八月一日社会保険庁告示第二二号「船員保険技能習得手当、寄宿手当及び移転費支給細則」に定められていること(改正法第三三条ノ一五第一項及び第二項)。

なお、これらの手当の支給及び前記(6)の支給日数の延長は、法施行日以後に海運局等の長の指示を受けた者に関して行なわれるものである。

(8) 待期期間には、疾病又は負傷のため職業につくことができない日も算入することとされたこと(改正法第三三条ノ一一)。

(9) 職業補導所に入所中の受給資格者に係る失業の認定の回数及び失業保険金の支払は原則として毎月一回とされたいこと。

2 行方不明手当金に関する事項

(1) 被保険者が一か月以上職務上の事由で行方不明となったときは、改正法第二二条ノ二に規定する被扶養者に対し、三か月の範囲内において、行方不明手当金として一日につき標準報酬日額の全額に相当する金額を支給することとされたこと(改正法第四九条ノ二、第四九条ノ三及び第四九条の四)。

(2) 行方不明手当金の支給を受けるべき者が行方不明となった被保険者又は被保険者であったものが死亡したことによる遺族年金の支給を受けることができる者であるときは、遺族年金は、行方不明手当金の支給を受けることができる期間支給されないものであること(改正法第四九条ノ五)。

(3) 行方不明期間中船舶所有者から報酬を受ける場合には、その限度において行方不明手当金は支給されないものであること(改正法第四九条ノ六)。

(4) 行方不明手当金は、法施行日以後に海難等が発生し、それによって生じた職務上の事由による行方不明についてのみ支給されるものであること(附則第五条)。

第二 船員保険法施行令の一部改正について

1 船員保険法の一部を改正する法律の施行に伴い、技能習得手当、寄宿手当及び傷病給付金の支給に関する事務の管轄都道府県知事を定めたこと。

2 傷病給付金と調整される給付の範囲を定めたこと。

第三 船員保険法施行規則の一部改正について

船員保険法の一部を改正する法律の施行に伴い、技能習得手当、寄宿手当、傷病給付金及び行方不明手当金の受給手続に関する規定を設けるとともに必要な条文の整理を行なったものであること。