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○先天性血液凝固障害等治療研究事業に係る治療研究費の支給が行われるべき治療を受けた場合の高額療養費の支給について
(平成元年七月三一日)
(保険発第七九号)
(各都道府県民生主管部(局)長あて厚生省保険局国民健康保険課長通知)
先天性血液凝固因子障害治療研究事業に係る医療の給付(以下「治療費の支給」という。)に関する費用の審査及び支払等のうち国民健康保険関係については本日保発第六五号をもつて厚生省保険局長より通知されたところであるが、治療費の支給が行われるべき治療を受けた場合の国民健康保険法による高額療養費の支給については、次の事項に留意してその事務を取り扱うとともに、関係通知についても所要の改正を行うこととしたので、貴管下保険者及び国民健康保険団体連合会の指導に遺憾のないよう配意されたい。
第一 高額療養費の支給事務について
1 治療費の支給が行われる療養については、実質上患者の自己負担額はなくなるので、高額医療費の世帯合算は行わないこととされたこと。すなわち、一部負担金のうち高額長期疾病(先天性血液凝固第Ⅷ因子障害若しくは第Ⅸ因子障害又は血液凝固因子製剤の投与に起因するHIV感染症)の患者については一万円、それ以外の患者については六万三千六百円を超える部分を高額療養費として現物給付し、一万円(六万三千六百円)までの部分については、治療費の支給が行われること。
したがつて、高額療養費支給申請書に治療費の支給を受けることができるか否かを明記させる等により、合算対象としないよう配慮すること。
昭和五九年九月厚生省告示第一五六号第三号に規定する「抗ウイルス剤を投与している後天性免疫不全症候群(HIV感染を含み、厚生大臣の定める者に係るものに限る。)」における厚生大臣の定める者とは、血液凝固因子製剤の投与に起因するHIV感染症に関する医療を受けている者であること。
なお、同号については、「平成元年七月二四日健医発第八九六号厚生省保健医療局長通知「先天性血液凝固因子障害等治療研究事業について」により実施される先天性血液凝固因子障害等治療研究事業(以下単に「治療研究事業」という。)とあわせて、当該患者に係る経済的負担の解消を図ることを目的として、国民健康保険法施行令第二九条の二第五項に規定する高額長期疾病(以下単に「高額長期疾病」という。)に追加されたものであり、当該患者に係る特定疾病療養受療証(以下「受療証」という。)の交付申請の際には、同時に治療研究事業の医療費公費負担受給の申請について、所要の手続きをとることが望まれること。
2 受療証の交付申請が血液凝固因子製剤の投与に起因するHIV感染症に係るものである場合には、申請書類として、裁判による和解調書の抄本であって申請に係る者が血液凝固因子製剤に起因するHIV感染者であることが確認できるもの(裁判所により交付されたものに限る。)又は(財)友愛福祉財団が実施する「血液製剤によるエイズ患者等のための救済事業」の対象者(遺族見舞金、遺族一時金及び葬祭料に係る者を除く。)、「血液製剤によるエイズ患者等のための健康管理支援事業」の対象者又は「エイズ発症予防に資するための血液製剤によるHIV感染者の調査研究事業」の対象者であることが示された医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構により交付された通知書の写しを提出させること。なお、この場合においては、申請書の医師の意見欄の記載は要しないものであること。
また、受療証の交付申請については、郵送又は代理人(患者による委任状を所持する者に限る。)による申請が可能であること。また、郵送による受療証の交付も可能とし、その場合には、申請書の欄外に郵送を希望する旨を記載させるとともに、申請書類として申請者のあて先を記した封筒を添付させること。なお、郵送の際には簡易書留で送付すること。
3 受療証の交付申請書における疾病名及び受療証における認定疾病名の記入欄には、昭和五九年九月厚生省告示第一五六号中第二号又は第三号に規定する長期高額疾病に係る患者については、「血漿分画製剤を投与している先天性血液凝固第Ⅷ因子障害又は先天性血液凝固第Ⅸ因子障害等」と記入すること。
4 被保険者等の秘密の保持については従来からその徹底を図っているが、HIV感染者に係る秘密を業務上知りえた者が正当な理由がなくその秘密を漏らしたときは、後天性免疫不全症候群の予防に関する法律(平成元年法律第二号)の規定により罰則が課せられることになっており、守秘義務及び被保険者等のプライバシーの保護について万全を期すよう、関係者に対してもその旨指導すること。
第二 関係通知の一部改正
「国民健康保険における高額療養費支給事務の取扱いについて」(昭和五九年九月二九日保険発第七三号)の(別紙)中、11の次に次の二項を加え、平成元年九月診療分から適用すること。
12 昭和五九年一〇月二九日環保業第一四三一号環境事務次官通知「公害医療研究費の国庫補助について」の研究治療費支給事業実施基準による研究治療費の支給
13 平成元年七月二四日健医発第八九六号厚生省保険医療局長通知「先天性血液凝固因子障害治療研究事業について」による治療研究に係る医療の給付