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○特別療養費に係る療養についての事務処理について

(昭和六三年五月二三日)

(保険発第七一号)

(民生主管部(局)長あて厚生省保険局国民健康保険課長通知)

国民健康保険法の一部を改正する法律(昭和六三年法律第七八号)により、被保険者資格証明書を提示して受けた療養に係る療養費について特別療養費と称するとともに、当該療養について社会保険診療の扱いとする旨の改正が行われ、あわせて国民健康保険法施行令等の一部を改正する政令(昭和六三年政令第一七七号)及び国民健康保険法施行規則等の一部を改正する省令(昭和六三年厚生省令第四○号)により、他の改正事項とともに特別療養費に係る事務処理についても関係規定の整備が行われたところである。

今回の改正法等の施行については、昭和六三年六月一日付け厚生省発保第六三号により厚生事務次官から各都道府県知事あてに、また、同日付け保発第七一号により厚生省保険局長から各都道府県知事あてに通知されたところであるが、特別療養費に係る療養についての保険者、国民健康保険団体連合会、療養取扱機関等における事務処理については、これらの通知によるほか、左記の事項に留意の上、貴管下保険者及び国民健康保険団体連合会に対する指導に遺憾のないよう配慮されたい。なお、被保険者、療養取扱機関等関係機関に対する周知指導方についても、格別の御配慮を願いたい。

一 特別療養費に係る療養についての事務処理に関する規定の整備の趣旨

今般の国民健康保険法の改正により、被保険者資格証明書(以下「資格証明書」という。)を提示して療養取扱機関又は特定承認療養取扱機関(以下「療養取扱機関等」という。)において受けた療養について社会保険診療の扱いとされたことを踏まえ、国民健康保険法施行規則(昭和三三年厚生省令第五三号)中の関係規定を整備し、特別療養費に係る療養について適正を期すこととしたこと。

二 運用上の留意点

(一) 療養取扱機関等において留意すべき事項

① 療養取扱機関等が、特別療養費に係る療養を取り扱つたときは、次に掲げる事項を記載した届書を、当該療養を受けた被保険者に係る保険者に提出しなければならないこと。

ア 当該療養取扱機関等の名称及び所在地

イ 療養を受けた被保険者の氏名、男女の別及び生年

ウ 傷病名、診療開始日、診療実日数、転帰及び療養内容

エ 療養につき算定し費用の額

オ 保険者番号及び資格証明書の記号番号

② 事務の簡素化の観点から、①の届書は、療養取扱機関の療養の給付、老人医療及び公費負担医療に関する費用の請求に関する省令(昭和四九年厚生省令第一三号)に定める診療報酬明細書又は調剤報酬明細書(以下「診療報酬明細書等」という。)の様式を使用すること。

③ 診療報酬明細書等の記載に当たつては、基本的に療養の給付等の費用の請求の場合と同様に記載することとなるものであるが、診療報酬明細書等を②の届書として活用することから、その上部の余白に「特別療養費」と朱書等をすることにより、療養の給付等の費用の請求の場合と区別がつくようにすること。

④ 資格証明書の交付を受けている被保険者が療養取扱機関等において療養を受ける場合、国民健康保険法施行規則の改正により資格証明書について保険者番号等を記載するよう様式改正が行われたが、その経過措置として、従前の資格証明書の切り替えまでは改正前の同証明書が使用されることから、その場合においては、療養を受けた被保険者を特定するため届書として使用する診療報酬明細書等の上部の余白に被保険者の住所を記載すること。

⑤ ①の届書は、各月分について翌月一○日までに送付すること。なお、療養の給付に関する費用の審査及び支払に関する事務については、現在、保険者から保険者の属する都道府県国民健康保険団体連合会(以下「連合会」という。)に委託されていることを踏まえ、後述する(二)の(4)のとおり届書等の審査等についても連合会に委託することを適当としているので、その場合には委託を受けている連合会に送付すること。

⑥ 療養取扱機関等の所在地の都道府県以外の都道府県に属する保険者から資格証明書の交付を受けている被保険者の療養を取り扱つた場合には、その療養取扱機関等はその療養に係る①の届書は、療養取扱機関等の所在地の連合会に送付すること。

⑦ 資格証明書を提示して療養を受けた被保険者に対しては領収証を発行すること。領収証の内容については、特定療養費に係る領収証の場合を準用するものであること。すなわち、被保険者から支払いを受けた費用の額のうち、特定療養費に係る療養と同様の療養を受けた場合には、特別療養費に係る療養につき算定した費用の額とその他の費用の額とを区別して記載すること。

(二) 保険者において留意すべき事項

① 保険者は、療養取扱機関等からの前記(一)の①の届書について、国民健康保険法施行規則第二七条の二第四項の規定に基づき、当該療養がいわゆる療養担当規則や社会保険診療報酬点数表に規定する額の算定方法等に適合しているかどうかを審査し、その結果を当該療養取扱機関等に対して書面により通知すること。

② ①の書面は、前記(一)の②により届書として使用されている療養取扱機関等から送付された診療報酬明細書等の写しを使用して差し支えないものであること。なお、その場合、診療報酬明細書中の「決定」欄に社会保険診療報酬点数表の規定に基づく点数を記載するとともに、当該欄の下にその点数に相当する金額を括弧書きすること。また、診療報酬明細書等の下部の欄外に、「審査の結果、上記のとおり確認しました」という旨の記載をし、あわせて確認の年月日、保険者名及びその印を明示すること。

③ 保険者は、療養取扱機関等からの届書に係る療養のあつた月の翌々月の末日までに①の書面による通知を行うこと。

④ 保険者は、療養取扱機関等から送付された届書の審査及び書面による通知について、療養の給付に関する費用の審査及び支払に関する事務の場合と同様に連合会に委託することが適当であること。なお、その場合、確認の年月日等の記載においては、保険者名の代わりにその連合会名とするとともに、審査結果を明記した届書の原本(以下「届書の原本」という。)を保険者に送付すること。

⑤ 保険者は、療養取扱機関等から送付された届書の原本を保存することとなるが、これを、特別療養費の支給申請があつた場合の特別療養費の支給の参考として活用すること。

⑥ 保険者は資格証明書の様式について、資料一のとおり、保険者番号及び資格証明書の記号番号の記載ができるように改正すること。ただし、昭和六三年六月一日以前に交付されている資格証明書については、当分の間、改正後の様式による資格証明書とみなすものであること。

(三) 各連合会において留意すべき事項

① 特別療養費に係る療養について療養取扱機関等から送付された届書の審査について保険者から委託を受けた連合会は、保険者に代わつて前記(二)の①及び②の事務処理を行うものであること。

② 資格証明書の交付を受けている被保険者がその住所地を有する市町村の属する都道府県(以下「自県」という。)以外の都道府県(以下「他県」という。)に所在する療養取扱機関等において療養を受けた場合には、当該療養に係る届書は前記(一)の⑥にあるとおり、他県連合会に送付されることとしているので、この場合には、その他県連合会においてその届書について審査及び書面による通知を行うとともに、他県連合会は届書の原本を自県連合会に送付し、自県連合会が保険者にその届書の原本を送付すること。

(四) 資格証明書の交付を受けている被保険者が留意すべき事項

① 療養取扱機関等において療養を受ける場合、資格証明書を提示すること。

② 特別療養費の支給申請に当たつては、療養取扱機関等が発行する領収証を添付しなければならないこと。

資料1 略