添付一覧
○退職者医療制度に係る事務取扱いについて
(昭和五九年一〇月一日)
(保険発第七五号)
(各都道府県民生主管部(局)長あて厚生省保険局国民健康保険課長通知)
退職者医療制度の施行についての事務取扱いについては、「国民健康保険法施行規則の一部を改正する省令の施行について」(昭和五九年八月一四日保険発第五四号)において示したところであるが、この通知によるほか、左記のように取り扱うこととしたので、その旨了知のうえ、貴管下保険者の指導に遺憾のないよう配慮されたい。
記
第一 退職被保険者の資格確認について
一 通算老齢(退職)年金の受給権を有する場合であって、それぞれの通算老齢(退職)年金の受給権の取得年月日が異なる場合にあっては、最も早く取得する受給権の取得年月日を退職被保険者該当年月日とすること。
ただし、この場合においては、当該者の国民健康保険法(昭和三三年法律第一九二号)第八条の二第一項各号に規定する法令の規定による被保険者又は組合員であった期間等が合算して二〇年以上であるか又は四〇歳以降一〇年であるかを本人の申立て、事業主の証明等により確認すること。
二 障害を支給事由とする年金及び老齢又は退職を支給事由とする年金の受給権を併せ有する者が障害を支給事由とする年金を選択している場合の退職被保険者該当年月日は、仮に老齢又は退職を支給事由とする年金を選択したとすればその年金の受給権を取得すべき年月日とすること。
具体的には、このような者は、仮に老齢又は退職を支給事由とする年金を選択したとすれば、通常、厚生年金保険法(昭和二九年法律第一一五号)第四二条第二項(いわゆる若齢老齢年金)、国家公務員等共済組合法(昭和三三年法律第一二八号)第七七条第三項等の規定による年金を選択することができるので、これらの者の退職被保険者該当年月日は、これらの年金を選択したとすればその受給権を取得すべき年月日とすること。
(例一) 厚生年金保険法の規定による障害年金の支給を受けている場合
若齢老齢年金の受給権はこれを申請した日に取得することとされているので、仮に若齢老齢年金を選択したとすれば最も早くその支給申請を行うことのできた日すなわち傷害年金に係る障害認定日又は退職した日のいずれか遅い日から退職被保険者に該当するものとする。
(例二) 国家公務員等共済組合法による傷害年金の支給を受けている場合
同法第七七条第三項の年金を選択したとすればその受給権を取得したであろう日、すなわち退職した日の翌日又は障害の状態になった日のいずれか遅い日において退職被保険者に該当するものとする。
三 障害を支給事由とする年金及び老齢または退職を支給事由とする年金の受給権を併せ有する者であって障害を支給事由とする年金を選択した者が、老齢又は退職を支給事由とする年金の受給権の裁定(決定)を受けていない場合については、当該老齢又は退職を支給事由とする年金の受給権の存在を、本人の申立て、障害年金の証書に記載された加入期間、事業主の証明等により確認して退職被保険者とすること。
第二 特例療養費の支給等について
一 どの期間に係る診療について特例療養費を支給すべきかについては、次の区分に従い、次のような扱いとすること。
ア 年金証書到達日の翌日から退職被保険者等となった旨の届出があった日までの期間
年金証書到達日の翌日から起算して一四日以内に届出がなされた場合には前記期間に係る特例療養費は当然支給するものであるが、そのほかの場合については、退職被保険者等となった旨の届出をしなかったことについてやむを得ない理由があると認められるときに限り支給する。
なお、制度施行時において制度の周知徹底が不十分であるために届出がおくれた場合などは、やむを得ない理由があると認められることとなる。
イ 年金受給権を取得した日から年金証書等が到達した日までの期間
特例療養費の受給権の時効(二年)が診療を受けた日の翌日から進行することに鑑み、支給申請日の前日から遡って二年の時点から年金証書が到達した日までに受けた療養について支給する。
二 退職被保険者又はその被扶養者(以下「退職被保険者等」という。)に該当した日以後の診療報酬に係る療養給付費を一般被保険者分から退職被保険者等分に振り替える際に、特例療養費として支給すべき額が、公費により負担されていることを確認した場合には、当該額を公費負担医療の実施者に返還するとともに、その額を退職被保険者等分の療養給付費として経理すること。
三 退職被保険者等について、その年金受給権取得後に退職被保険者等以外の被保険者として既に支給された療養費がある場合には、当該療養費の額と退職被保険者等に対し本来支給すべき療養費の額との差額分を、退職被保険者等に係る療養費として追加支給すべきこと。
第三 一般被保険者と退職被保険者及びその被扶養者の間の異動があった月の保険料(税)の取扱い
資格異動があった月の保険料(税)は、異動後の資格区分に応じて経理すること。