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○国民健康保険における高額療養費支給事務の取扱いについて

(昭和四八年一一月一七日)

(保険発第一〇二号)

(各都道府県民生主管部(局)長あて厚生省保険局国民健康保険・保険局医療課長連名通知)

国民健康保険における高額療養費支給制度については、昭和四八年一一月一六日保発第四三号「国民健康保険における高額療養費支給制度の実施について」(以下「局長通知」という。)によるほか、次の事項に留意するよう、貴管下保険者及び療養取扱機関を指導されたい。

なお、本制度を円滑に運用するためには、被保険者等の本制度に対する正しい理解が前程となるので、別紙一の事項を参考とし、被保険者、医療機関等に対し、制度の内容について周知徹底を図られたい。

1 支給要件に関する事項

高額療養費の支給要件については、局長通知の第一に示されたところであるが、その具体的取扱については、次の点に留意すること。

(1) 療養の給付にかかる高額療養費の取扱いについて

高額療養費の支給の基礎となる一部負担金の額の算定の単位については、局長通知の第一の2で示されているところであるが、これの具体的取扱いは診療報酬請求明細書または調剤報酬請求明細書(以下「レセプト」という。)各一件に基づき高額療養費が支給されることとなるものであり、同一医療機関についてのものであつても、入院診療分と通院診療分とは、それぞれ、レセプトが区別して作成されるものであることから、高額療養費の額の算定に当つても区分されるものであること。

(2) 療養費の支給にかかる高額療養費の取扱いについて

療養費の支給にかかる看護料、移送費、生血代、治療用装具にあつては、それぞれ同一病院、診療所ごと、柔道整復師、あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師における手当にあつては、それぞれ各同一施術所ごとに支給要件に該当するか否かを判定するものであること。

なお、非療養取扱機関で治療を受けた者に対して支給する療養費にかかる高額療養費については、療養の給付にかかる高額療養費の額の算定単位の例によつて支給を行うものであること。

2 支給申請に関する事項

(1) 高額療養費の支給申請書の記載内容については、局長通知の第三の2に示されたところであるが、その様式については、別紙2「国民健康保険高額療養費支給申請書」を参考にされたいこと。

(2) 療養費の支給にかかる高額療養費の支給申請については、当該療養費の支給申請の際にあわせて行うよう申請人を指導すること。この場合、高額療養費の支給は、当該療養費支給申請書に添付されている証拠書類に基づいて決定すること。

3 支給事務に関する事項

(1) 保険者に送付されたレセプトについては、従来より、被保険者証の記号番号順に配列して保管するよう指導してきたところであるが、高額療養費支給事務を円滑に行うために、その徹底を図ること。

(2) 療養の給付に係る高額療養費の支給決定は、当該レセプトに基づき行うものであり、したがつて、当該レセプトは、支払に関する証拠書類として取扱うこと。

(3) その他高額療養費の支給事務については、療養費の支給の場合に準じて取扱うこと。

4 その他特に留意すべき事項

(1) 特別室料、歯科において認められている差額徴収額等保険給付の対象とならないものについては、高額療養費の支給の基礎となる局長通知にいう一部負担金の額には含まれないものであること。

(2) 総合病院の入院患者が入院期間中に、他診療科で併せて診療を受けた場合には、各診療科のレセプトを編綴する等により一件のレセプトとして取扱うこととされているところであるが、高額療養費制度の実施に伴い、その徹底方を医療機関に対し指導されたいこと。

(3) 当面、申請者の申立その他により総合病院の入院患者が、入院期間中に、他診療科の診療を受けた場合で、それが一件のレセプトとして取扱われていない疑いがあるときは、関係医療機関に照会する等被保険者の不利益とならないよう配慮すること。

(4) 医療機関において薬剤の投与に代えて処方せんが交付された場合は、当該処方せんに基づく薬局での薬剤の支給は、処方せんを交付した医療機関における療養の一環とみなして取扱うよう配慮されたいこと。この場合、この薬剤の支給を行つた薬局において領収書が発行されているときは、これに基づき支給してさしつかえないこと。

別紙1

広報についての留意事項

高額療養費の支給制度に関し、次の事項につき、新聞、テレビ等の広報機関を積極的に活用して広報を行い、被保険者、医療機関に対しその周知徹底を図られたい。

1 高額療養費の対象となるのは、保険診療分だけであり、保険診療外のもの(特別室料、歯科で認められている差額徴収等)は対象とならないこと。

2 高額療養費は、一人の被保険者が同じ月内に同じ医療機関(入院と通院と歯科は別)において、その医療機関に支払つた保険診療の自己負担金が三万円をこえるときに支給されること。

3 高額療養費は、医療機関から出される診療報酬請求明細書(通常、レセプトと云つている。)によつて支払うので、実際に支払われるのは、診療を受けた月から二か月程度後になること。

4 老人医療費等国が実施している公費負担医療については、医療機関における窓口での取扱いは、今までと何ら変らないものであり、窓口払いなしで行われること。

別紙2