アクセシビリティ閲覧支援ツール

添付一覧

添付画像はありません

○健康保険法等の一部を改正する法律等の施行に伴う国民健康保険関係法令の改正及び施行上の留意事項について

(平成六年九月九日)

(保険発第一一四号)

(各都道府県民生主管部(局)国民健康保険主管課(部)長あて厚生省保険局国民健康保険課長通知)

健康保険法等の一部を改正する法律(平成六年法律第五六号)については、平成六年六月二九日に公布され、また、健康保険法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備等に関する政令(平成六年政令第二八二号)については、同年九月二日、健康保険法施行規則等の一部を改正する等の省令(平成六年厚生省令第五六号)については、同月九日にそれぞれ公布され、これらの法令により、国民健康保険法(昭和三三年法律第一九二号)並びに国民健康保険法施行令(昭和三三年政令第三六二号)等の国民健康保険関係政令及び関係省令の一部改正が行われたところである。

その内容及び留意事項については次のとおりであるので、平成六年九月九日付け厚生省発保第九〇号による厚生事務次官通知(以下「次官通知」という。)等の今般の制度改正に伴う関係通知と合わせ、今回の法改正に当たって、貴管下保険者等関係各方面への周知徹底、指導に遺憾のないよう配慮されたい。

なお、この通知においては、健康保険法等の一部を改正する法律を「改正法」と、改正後の国民健康保険法を「法」と、改正後の健康保険法(大正一一年法律第七〇号)を「健保法」と、健康保険法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備等に関する政令を「整備政令」と、改正後の国民健康保険法施行令を「施行令」と、改正後の国民健康保険の国庫負担金及び被用者保険等保険者搬出金等の算定等に関する政令(昭和三四年政令第四一号)を「算定省令」と、健康保険法施行規則等の一部を改正する等の省令を「改正省令」と、改正後の国民健康保険法施行規則(昭和三三年厚生省令第五三号)を「施行規則」と、改正後の国民健康保険の事務費負担金等の交付額等の算定に関する省令(昭和四七年厚生省令第一一号)を「算定省令」と、改正後の国民健康保険の調整交付金の交付額の算定に関する省令(昭和三八年厚生省令第一〇号)を「調交省令」と、改正後の健保法施行規則(大正一五年内務省令第三六号)を「健康法施行規則」と、それぞれ省称する。

Ⅰ 改正の内容及び留意事項

第一 付添看護・介護の解消に関する事項

1 入院時の看護については、保険医療機関又は保険薬局(以下第一及び第二において「保険医療機関等」という。)が自ら行う療養の給付として、これを法上明確に位置付けることとしたが、平成六年一〇月一日前の付添看護・介護に係る療養費の支給及び支給手続については、なお従前の例によるものとしたこと。(法第三六条第一項、第三項、改正法附則第一六条、改正省令附則第一六条)

2 患者の保険外負担の軽減を図るとともに、看護・介護サービスの質の確保を図るため、付添看護・介護は、原則として平成八年三月三一日をもって禁止することとしたこと。この期間中経過的に認められる付添看護・介護は、診療報酬上付添看護・介護を行うことが認められている病院及び診療所における重篤、術後又は寝たきりの状態等にある患者に係るものとすること。(改正法附則第一七条)

3 付添看護・介護の解消等に関する計画(以下「付添看護解消計画」という。)を策定しているなどの厚生省令で別に定める承認条例を満たすものとして都道府県知事の承認を受けた医療機関については、平成八年四月一日以降当該付添看護解消計画の終了の日まで付添看護・介護を認めるものとしたこと。(改正法附則第一七条、付添看護に係る経過措置に関する省令(平成六年厚生省令第五七号))

4 2、3により認められる付添看護・介護については、当該期間中、経過的に付添看護・介護に係る療養費が支給されることとされたこと。

5 今回の法律改正に合わせて平成六年一〇月に実施される診療報酬改定において、付添看護・介護の解消のため、現行基準看護制度を見直し、新看護体系、新看護補助体系を創設し、患者二人に看護要員一人の体制づくりを行うものとされたこと。また、付添看護解消計画を策定、実施している病院について、平成七年度末までの間に限り、加算を行うこととされたこと。

6 平成六年一〇月一日以降の付添看護・介護に係る療養費の支給手続については、なお従前の例によるものとしたこと。(改正省令附則第一七条)

第二 指定訪問看護事業に関する事項等在宅医療の推進に関する事項

1 在宅医療については、保険医療機関等が行う療養の給付として、これを法上明確に位置付けることとしたこと。(法第三六条第一項)

2 保険者は、難病患者、末期のがん患者等居宅において継続して看護婦等による療養を受ける状態にある者であってその病状が安定又はこれに準ずる状態にあるものであると認めた被保険者が、指定訪問看護事業者について指定訪問看護を受けた場合には、訪問看護療養費を支給するものとしたこと。(法第五四条の二第一項、第二項、施行規則第二七条の二)

3 被保険者が指定訪問看護事業者から指定訪問看護を受けようとするときは、被保険者証を当該指定訪問看護事業者に提出することとしたこと。(法第五四条の二第三項)

4 訪問看護療養費の額は、健保法第四四条ノ四第四項の規定による厚生大臣の定め(訪問看護に要する平均的な費用を勘案して定められる。)の例により算定した費用の額の七割(退職被保険者本人八割、その皮扶養者七割)としたこと。また、当該算定費用額から訪問看護療養費として支給される額を控除した額は、高額療養費の対象たる費用に含まれるものとしたこと。(法第五四条の二第四項、第五七条の二第二項)

5 訪問看護療養費については、保険者は指定訪問看護事業者に対して支払うこととしたこと。(法第五四条の二第五項、第六項、施行規則第二七条の三)

6 指定訪問看護事業者は、法による被保険者の指定訪問看護を提供することとされたこと。(健保法第四四条ノ六第二項)

7 指定訪問看護の事業運営については、原則として指定老人訪問看護の人員及び運営に関する基準(平成四年厚生省令第三号)の例により実施することとされたこと。ただし、利用料については、指定訪問看護事業者は、次に掲げる利用料の支払を、指定訪問看護を受ける者(以下「利用者」という。)から受けることができるものとされたこと。

また、指定訪問看護事業者は、予め利用者又はその家族等に対し、基本利用料並びにその他の利用料の内容及び金額に関し説明を行うこととされたこと。(健保法施行規則第四七条ノ一一、第四七条ノ一二)

(1) 基本利用料健保法第四四条ノ四第四項の規定による厚生大臣の定めの例による算定した費用の額より訪問看護療養費として支給される額を控除した額

(2) その他の利用料

① 利用者の選定に係る訪問看護ステーションが定める営業時間以外の時間における指定訪問看護その他の厚生大臣の定める指定訪問看護の提供に関し、当該指定訪問看護に要する費用の範囲内において健保法第四四条ノ四第四項の規定による厚生大臣の定めの例により算定される費用の額を超える額

② 指定訪問看護の提供に係る交通費、おむつ代等に要する費用であって、その範囲内の額

8 指定訪問看護事業者は、7に掲げる利用料の支払を受けたときは、基本利用料とその他の利用料ごとに区分して、領収証を発行することとしたこと。(法第五四条の二第八項、施行規則第二七条の四)

9 特別訪問看護事業者の指定の取消事由として、法による被保険者の指定訪問看護に関し、不正請求があったとき等が定められたこと。(健保法第四四条ノ一一第六号)

10 特別療養費に係る指定訪問看護を行う場合における受給手続、利用料、領収証及び保険者への届出等については、3、7、8にかかわらず、次のとおりとすることとしたこと。

(1) 受給手続

被保険者が指定訪問看護事業者から特別療養費に係る指定訪問看護を受けようとするときは、被保険者資格証明書を当該指定訪問看護事業者に提出すること。(法第五四条の三第二項)

(2) 利用料

特別療養費に係る指定訪問看護を受けた被保険者は、健保法第四四条ノ四第四項の規定による厚生大臣の定めの例により算定した費用の額と、7の(2)に掲げるその他の利用料を支払うこと。

(3) 領収証

指定訪問看護事業者は、(2)の利用料の支払を受けたときは、(2)の費用ごとに額を区分した領収証を発行すること。(法第五四条の三第二項、施行規則第二七条の八第二項)

(4) 保険者への届出等

指定訪問看護事業者は、特別療養費に係る指定訪問看護を取り扱ったときは、訪問看護療養費明細書の様式の例により、届書を保険者に、翌月一〇日までに提出しなければならないこととしたこと。

この場合、保険者は審査した結果を指定訪問看護事業者に通知するものとしたこと。

なお、訪問看護療養費明細書については、追ってその様式を定める厚生省令が公布される予定であること。(施行規則第二七条の七)

11 平成六年一〇月に実施される診療報酬改定において、在宅医療の推進に資するため、在宅患者への栄養指導、歯科医療、薬剤の管理及び指導などについて評価が行われるとともに、訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法について新たに定めることとされたこと。

12 指定訪問看護事業者として、健保法の規定により都道府県知事の指定を受けることができる者として、国民健康保険組合(以下「国保組合」という。)及び国民健康保険団体連合会(以下「国保連」という。)が定められたこと。(平成四年二月厚生省告示第三二号)

第三 入院時食事療養費の創設に関する事項

1 制定の概要

(1) 入院時の食事については、平成六年一〇月一日から療養の給付より分離し、入院時食事療養費を創設することとし、低所得者に配慮しつつ、患者が平均的な家計における食費を勘案した一定額(標準負担額)を支払うこととしたが、同日前の入院時の食事に係る給付については、なお従前の例によるものとしたこと。(法第五二条、改正法附則第一六条)

(2) 標準負担額については、平成八年九月三〇日までの間の経過措置として、一般の患者については一日六〇〇円とし、低所得者の要件に該当すると保険者が認定した被保険者(以下「減額対象者」という。)について四五〇円(標準負担額の減額認定(以下単に「減額認定」という。)申請を行った月以前の一二月以内の入院日数(平成六年一〇月一日以降のものであって、減額対象者である期間に係るものに限る。)が九〇日を超える者については三〇〇円)とすることとしたこと。(健保法第四三条ノ一七第二項、改正法附則第四条第二項)

(3) 減額対象者については、その者の属する世帯の世帯主又は組合員の申請により保険者が認定することとしたこと。この場合において、標準負担額減額認定証(以下「減額認定証」という。)の交付申請者及び交付対象者は世帯主又は組合員であるが、減額認定の対象は個々の被保険者であること。(施行規則第二六条の三)

(4) 被保険者が保険医療機関又は特定承認保険医療機関(以下第三において「保険医療機関等」という。)について食事療養を受けようとするときは、被保険者証を当該保険医療機関等に提出することとしたこと。この場合において、被保険者が減額対象者である場合は、被保険者証に添えて減額認定証を保険医療機関等に提出することとしたこと。(法第五二条第六項、施行規則第二六条の四)

(5) 入院時食事療養費については、保険者は保険医療機関に対して支払うこととしたこと。(法第五二条第三項、第四項、施行規則第二六条)

(6) 世帯主又は組合員は、やむを得ず減額認定証の交付申請又は提出を行えなかった場合は、保険者が認定した場合に限り、現に支払った標準負担額と標準負担額の減額があれば支払うべき額との差額の支給を入院時食事療養費として受けることができるものとしたこと。(施行規則第二六条の五)

(7) 保険医療機関は、入院時食事療養費に係る療養について被保険者より支払を受けるときは、標準負担額とその他の額ごとに区分して、領収証を発行することとしたこと。

(8) 保険医療機関及び保険医療養担当規則(昭和三二年厚生省令第一五号)が改正され、保険医療機関等は標準的な食事のメニューを用意し、患者から標準負担額の支払を受けるものとされたこと。

また、保険医療機関等は、標準的な食事のメニューとは別に特別のメニューを用意した場合には、患者への十分な情報提供と患者の選択を前提に、別途支払を求めることができるものとされたこと。

(9) 標準負担額は高額療養費の対象たる費用には含まれないものとしたこと。(法第五七条の二第一項)

(10) 平成六年一〇月に実施される診療報酬改定において、入院時食事療養費に係る食事療養の費用の額の算定に関する基準が定められるとともに、食事の質の改善のため、適時適温の食事の提供に対する評価の充実を図るとともに、食堂における食事の提供などについて評価を行うこととされたこと。

2 減額認定証の交付申請

(1) 減額認定証の対象者は、当該被保険者の属する世帯の国民健康保険の被保険者全員(世帯主及び組合員を含む。以下「減額認定世帯員」という。)について、食事療養のあった月の属する年度(当該食事療養のあった月が四月又は五月の場合にあっては、前年度)の分の市町村民税が課されないか又は免除される場合の当該被保険者とすることとしたこと。(施行規則第二六条の二)

なお、この対象者の範囲の取扱いは、高額療養費の低所得者の特例の対象者の範囲と同様であること。

(2) 標準負担額が六〇〇円であれば生活保護を必要とするが、その減額がなされれば生活保護を必要としない世帯については、その世帯の居住地の市町村において、条例により生活保護法による保護を受ける世帯については世帯に属する者全員について市町村民税を免除するという取扱いを行っている場合にあっては、手続簡素化のため、以下の手続により減額対象者と認定して差し支えないこと。

① 福祉事務所長は、保護申請を却下し、保護申請却下通知書に「国保特例標準負担額減額該当」と記載した上、保護申請者に交付するものとされたこと。

② その際、保険者に対する減額認定の申請に当たっては、標準負担額減額認定申請書(以下「減額申請書」という。)に当該却下通知書又はその写に福祉事務所長等が原本証明したものを添えて提出するよう教示することとされたこと。

(3) (1)及び(2)の取扱いについては、昭和五七年八月二四日付け保険発第六二号本職通知(健康保険法施行令等の一部を改正する政令等の施行について)及び同年一〇月二〇日付け保険発第七五号本職通知(低所得者についての高額療養費の自己負担限度額に係る特例と生活保護との関係について)を参照されたいこと。

(4) 世帯主又は組合員は、その世帯に属する被保険者が、①に該当する場合にはその旨の減額認定証の交付申請を、②に該当する場合にはその旨の減額認定証の交付申請を①の場合の申請とは別に行うこととしたこと。(施行規則第二六条の三)

① 施行規則第二六条の二及び健保法施行規則第四五条ノ三の規定による(1)に掲げる要件に該当する被保険者(②に該当するものを除く。以下「長期非該当者」という。)

② 施行規則第二六条の三の規定により減額認定の申請を行った月以前の一二月以内の入院日数(減額対象者としての入院日数に限る。)が九〇日を超える被保険者(以下「長期該当者」という。)

(5) 長期非該当者の場合の減額認定証の交付申請

減額認定を受けようとする被保険者(以下「認定申請者」という。)が長期非該当者である場合については、世帯主又は組合員は、減額申請書(様式例1)に被保険者証及び次のいずれかの書類を添えて申請しなければならないこととしたこと。ただし、申請書の証明欄に①の事項について証明を受けたときは、①の添付書類を省略して差し支えないものであること。また、市町村が保険者である場合には、市町村民税が課されない場合か否かを公簿等によって確認することができるときは、当該添付書類等を省略させることができること。したがって、市町村においては、被保険者の利便という観点からこの方法によることが望ましいこと。(施行規則第二六条の三第一項)

① 当該認定申請者に係る減額認定世帯員に係る市町村民税非課税証明書

② 当該認定申請者に係る福祉事務所長の「国保特例標準負担額減額該当」と記載された保護申請却下通知書又はその写に福祉事務所長等が原本証明したもの

(6) 長期該当者の場合の減額認定証の交付申請

認定申請者が長期該当者に該当する場合については、世帯主又は組合員は、減額申請書に当該申請の属する月以前一二月の入院期間及び当該入院をした保険医療機関等の名称及び所在地を記載し、被保険者証、領収証等の入院期間を確認できる書類を添え、併せて(5)の①又は②のいずれかの書類(既に減額認定を受けている者については減額認定証)を添付して申請しなければならないとしたこと。ただし、添付書類等の省略については、(5)と同様であること。(施行規則第二六条の三第一項)

(7) 減額認定世帯員の中のいずれかが既に減額対象者である場合に係る交付申請

認定申請者に係る減額認定世帯員の中にいずれかが既に減額対象者である場合については、減額申請書に、当該減額対象者が既に受けている減額認定証を添えることにより、(5)の①又は②の書類は省略して差し支えないものであること。

3 低所得者に係る認定

(1) 保険者は、世帯主又は組合員が提出する2の(5)の①又は②の書類により、被保険者が施行規則第二六条の二及び健保法施行規則第四五条ノ三の規定による2の(1)に掲げる要件に該当していることを確認の上、認定するものとしたこと。(施行規則第二六条の三第一項)

(2) 保険者は、(1)の認定を行った際に標準負担額減額台帳(以下「減額台帳」という。)に被保険者証の記号番号、減額認定証の交付申請をした世帯主又は組合員の住所及び氏名、減額対象者の氏名及び生年月日、発行年月日、有効期限等必要事項を記載すること。

(3) (1)の認定は、当該申請のあった月の属する年の翌年の五月末日(当該申請のあった月が一月から五月までの場合は、当該申請のあった月の属する年の五月末日)まで有効であること。ただし、特段の理由がある場合は、この限りでないこと。

(4) 保険者は、2の(6)の書類等により認定申請者を長期該当者と認めた場合については、減額台帳に入院期間及び入院をした保険医療機関等の名称及び所在地、長期該当者に当たる旨その他必要事項を記載すること。

(5) (4)の認定により交付される減額認定証は、当該申請のあった日の属する月の翌月の初日から使用可能であること。ただし、長期該当者が有効期限に達し、六月中に交付申請を行ったときは、五月末日に申請のあったものとみなすこと。

(6) (4)の認定は、(3)で規定する有効期限まで有効であること。

(7) 五月中に2の(6)の申請(長期該当者の場合の減額認定証の交付申請)が行われるときは、認定申請者が長期該当者と認められる場合についても、五月については(1)の認定のみを行うものとし、六月(五月に必要な書類の添付等が可能であれば、五月でも可。)に改めて、2の(6)の申請を行うよう世帯主又は組合員に対し指導すること。その際、減額台帳には、長期該当者と認められる旨を記載すること。当該認定申請者について交付された減額認定証が有効期限に達し、六月中に交付申請を行ったときは、五月末日に申請があったものとみなすこと。

(8) (1)又は(4)の場合において、保険者が長期非該当者又は長期該当者に該当しないと認めたときは、減額台帳に被保険者証の記号番号、世帯主の住所及び氏名、認定申請者の氏名、却下年月日等を記載するとともに、認定申請却下通知書を作成し、世帯主又は組合員に通知すること。

4 減額認定証の交付

(1) 2の(5)又は(7)の認定申請につき、保険者が認定申請者を低所得者と認めた場合には、世帯主又は組合員に対し、被保険者証の記号番号、世帯主又は組合員の住所、氏名及び性別、減額対象者の氏名、生年月日及び性別、発行期日並びに有効期限等の必要な事項を記載し、減額認定証を交付することとしたこと。(施行規則第二六条の三第二項、様式第一の四)

(2) 減額認定証の発行期日については、申請のあった日の属する月の初日を記載すること。これは、減額認定証の保険医療機関等への提出により、減額された標準負担額の支払をすれば足りることとされるのが、当該初日の食事療養からであることを意味するものであること。したがって、5による差額の支給は、当該初日より遡り得るものであること。

(3) 減額認定証の有効期限については、翌年の五月末日まで(当該申請のあった日の属する月が一月から五月までの場合は、当年の五月末日まで)とすること。ただし、特段の理由がある場合は、この限りでないこと。

(4) 2の(6)の交付申請につき、保険者が認定申請者を長期該当者と認めた場合の交付は、(1)から(3)までによるほか、交付する減額認定証の「長期入院該当」欄に、当該申請のあった日の属する月の翌月の初日(長期該当者(3の(1)に掲げる長期該当者にあたる認定申請者を含む。)が有効期限に達し、六月中に交付申請を行ったときは六月一日)を記載し、保険者印を押印した上で交付すること。

(5) 長期該当者に係る減額認定証の有効期限は、(3)で規定する有効期限と同一であること。

(6) 減額認定証を交付する際には、世帯主又は組合員に対し、当該減額認定証の有効期限に達した場合において、再度認定を受ける必要があるときには、再度申請を行うよう指導すること。

(7) 減額認定証を交付する際には、世帯主又は組合員に対し、減額対象者が保険医療機関等に入院する際に、当該保険医療機関等の窓口に被保険者証に添えて、当該減額認定証を提出するよう指導すること。

(8) 減額認定証を交付する際には、世帯主又は組合員に対し、減額対象者が保険医療機関等の窓口に減額認定証を提出した場合に、標準負担額が一日六〇〇円から一日四五〇円(長期該当者については三〇〇円)に減額されるものである旨を周知すること。

(9) 長期非該当者に係る減額認定証を交付する際には、世帯主又は組合員に対し、保険医療機関等での入院期間が九〇日を超える場合には再度交付申請を行うよう指導すること。

(10) 減額認定証を交付する際には、世帯主又は組合員に対し、減額対象者が次に該当するときは、減額認定証を返納するよう指導すること。(施行規則第二六条の三第三項、第八項)

① 被保険者資格を喪失したとき。

② 老人保健法(昭和五七年法律第八〇号)の医療を受けることができるに至ったとき。

③ 減額対象者に係る減額認定世帯員の中にいずれかが2の(1)の要件に該当しなくなったとき。

④ 減額認定証の有効期限に至ったとき。

5 標準負担額減額の特例

(1) 施行規則第二六条の五第一項により標準負担額減額に関する特例の適用を受ける被保険者の属する世帯の世帯主又は組合員は、標準負担額減額差額支給申請書(以下「差額申請書」という。(様式例2))に、やむを得ず減額認定証の交付が受けられなかった理由又はやむを得ず減額認定証を保健医療機関等に提出できなかった理由を記載した上で、減額申請書又は減額認定証を添えて、保険者に提出することとしたこと。(施行規則第二六条の五第二項)

(2) 差額申請書には、被保険者証の記号番号、当該食事療養を受けた保険医療機関等の名称及び所在地並びに入院期間等必要事項を記載し、入院期間を確認できる書類、現に支払った標準負担額を証明する書類その他標準負担額の減額の認定に関する事実を証する書類を添付すること。

(3) 減額申請書が提出されたときは、保険者は当該食事療養を受けた者に係る減額認定世帯員が2の(1)の要件に該当すると認めた場合には、減額認定証の交付を行うこと。

(4) 保険者は、差額申請書の添付書類により、減額認定証の交付が受けられなかった理由又は減額認定証を保険医療機関等に提出できなかった理由が妥当であると認めたときは、現に支払った標準負担額と標準負担額減額により支払うべき額との差額を世帯主又は組合員に支給することができることとしたこと。(施行規則第二六条の五第一項)

(5) (4)の支給を行ったときは、保険者は減額台帳に被保険者証の記号番号、標準負担額減額に関する特例の適用を受けた被保険者の属する世帯の世帯主又は組合員の住所及び氏名、当該特例の適用を受けた被保険者の氏名、特例に係る食事療養を受けた保険医療機関等の名称、特例の対象となった入院期間、支給された差額等必要事項を記載すること。

(6) 差額申請書の提出につき、保険者が標準負担額減額の特例に該当しないと認めたときは、標準負担額差額不支給通知書を作成し、世帯主又は組合員に通知すること。

(7) (6)の不支給をしたときは、保険者は減額台帳に被保険者証の記号番号、標準負担額減額に関する特例につき不支給とした被保険者及びその者の属する世帯の世帯主又は組合員の氏名、不支給の理由等必要事項を記載すること。

6 減額認定証に関する経過措置等

(1) 保険者は、平成六年一〇月一日前の減額認定証の交付申請につき、認定申請者に係る減額認定世帯員が、平成六年一〇月一日の時点において、2の(1)の要件に該当すると認められる場合には、平成六年一〇月一日前においても減額認定証を交付することができることとしたこと。(改正省令附則第一九条)

(2) (1)の減額認定証を交付する際には、当該減額認定証が使用できるのは、平成六年一〇月一日からである旨を世帯主又は組合員に周知すること。

(3) 長期該当者に該当するための入院期間は、平成六年一〇月一日から起算するものであること。

7 食事療養が行われる場合の特定療養費の取扱い

(1) 特定承認保険医療機関において食事療養を受けた場合について、やむをえず減額認定証の交付申請又は提出を行えなかったときは、世帯主又は組合員は、保険者が認定した場合に限り、特定療養費として差額の支給を受けることができるものとしたこと。(施行規則第二六条の七第二項)

(2) 保険医療機関等は、食事療養を含む特定療養費に係る療養について被保険者より支払を受けたときは、次に掲げる額を区分して、領収証を発行することとしたこと。(施行規則第二六条の八)

① 当該療養のうち食事療養を除くものにつき算定した費用の額からその療養に要した費用につき特定療養費として支給される額に相当する額を控除した額

② 当該食事療養に係る標準負担額

③ その他の費用の額

8 食事療養が行われる場合の特別療養費の取扱い

(1) 特別療養費に係る食事療養を受けようとする被保険者については、保険医療機関等に被保険者資格証明書を提出することとしたこと。(法第五四条の三第二項)

(2) 当該被保険者に対して発行する領収証には、食事療養を除いた療養につき算定した費用の額とその他の費用の額とを区分して記載することとしたこと。(施行規則第二七条の八第一項)

9 地方単独事業による標準負担額の軽減措置の取扱い

(1) いわゆる地方単独事業により入院時の食事に係る患者負担を軽減、解消することは、その事業の名目が何であれ、入院時食事療養費制度の創設という今回の制度改正の趣旨に沿わないものであり、不適切であること。

(2) 国保連においては、食事負担を助成するいわゆる地方単独事業についての事務を新たに受託することのないこと。

10 その他

(1) 保険者の変更等があった場合については、その都度、保険者において、当該被保険者に係る減額認定世帯員が、2の(1)の要件に該当すると認められるか否か、長期該当者と認められるか否かを、世帯主又は組合員の提出してきた書類により、認定することとなる。この場合において、長期該当者に該当するか否かの認定は、通常どおり申請の属する月以前一二月以内の入院日数により判断することとなるが、現に入院している者についての認定については、低所得者であることを証明する書類に添付して従前の長期該当者に係る減額認定証のコピー等を提出したときは、当該申請のあった月の初日から、従前の減額認定証の有効期限まで有効な長期該当者に係る減額認定証を交付して差し支えないこと。

(2) 公費優先の公費負担医療が行われ、費用徴収(全額の場合を除く。)があるときの国保法上の取扱いについては、費用徴収額に一部負担金の割合を乗じて得た額が患者の負担すべき額となること。

第四 出産育児一時金に関する事項

1 出産育児一時金を創設し、その額は、出産前後の諸費用を総合的に勘案し、三〇万円を基準として、条例又は規約で定めるところにより給付を行うこととしたこと。これに伴い、助産費、育児手当金等は廃止することとしたこと。(法第五八条第一項)

2 出産育児一時金の支給要件は、従前の助産費と同様であること。

3 平成六年一〇月一日前の被保険者又は被保険者であった者の出産に係る助産費、育児手当金等の給付については、なお従前の例によることとしたこと。(改正法附則第一八条)

4 出産育児一時金の額は、従前の助産費よりその対象とする費用の範囲を拡大することにより、大幅な額の引上げを行うものであり、医療機関が安易な分娩介助料等の値上げを行うことのないよう制度の周知徹底を図ること。

第五 移送費に関する事項

1 制度の概要

(1) 移送に係る給付については、負傷、疾病等により異動が困難な患者が医師の指示により一時的、緊急的な必要性があって移送された場合に、その経済的な出費について補填を行い、必要な医療を受けることを可能にするとの考え方から、平成六年一〇月一日より移送費として現金により支給することとしたこと。(法第五四条の四)

(2) これは、今般の制度改革の一環として療養の給付に関する規定の整備が行われたことに伴い、従来療養費の支給として行われてきた移送費について、新たに現金給付として位置付けることとしたものであり、これまでの移送費に係る制度の運用の実績を踏まえ支給要件の明確化等の措置を講じたものであること。

(3) 移送費は、当該移送の目的である療養が保険診療として適切であって、患者が移動困難であり、かつ緊急その他やむを得ないと保険者が認めた場合について、最も経済的な通常の経路及び方法により移送された場合の費用により算定された額を、現に要した費用を限度として支給することとしたこと。(施行規則第二七条の九)

(4) したがって、通院など一時的、緊急的とは認められない場合については、移送費の支給の対象とはならないものであること。

2 移送費の支給基準

(1) 移送費の支給要件

移送費の支給要件については、次のいずれにも該当すると保険者が認めた場合とすることとしたこと。(施行規則第二七条の一〇)

① 移送により法に基づく適切な療養を受けたこと。

② 移送の原因である負傷又は疾病により移動することが著しく困難であったこと。

③ 緊急その他やむを得ないこと。

なお、次のような事例の場合には、移送費が支給されるものであるが、これらの事例は標準的なものであり、個々の事例に応じて社会通念上妥当な範囲内で保険者が適切に判断すること。

① 負傷した患者を災害現場等から医療機関に緊急に移送した場合

② 離島等で疾病にかかり、又は負傷し、その症状が重篤であり、かつ、傷病が発生した場所の付近の医療施設では必要な医療が不可能であるか又は著しく困難であるため、必要な医療の提供を受けられる最寄りの医療機関に移送された場合

③ 移動困難な患者であって、患者の症状からみて、当該医療機関の設備等では十分な診療ができず、医師の指示により緊急に転院した場合

(2) 移送費の支給額

移送費の支給額は、施行規則第二七条の九に規定する算定基準により算定された額とすること。

具体的には、次のような取扱いとなるものであること。

① 経路については、必要な医療を行える最寄りの医療機関まで、その傷病の状態に応じ最も経済的な経路で算定すること。

② 運賃については、その傷病の状態に応じ最も経済的な交通機関の運賃で算定すること。

③ 医師、看護婦等付添人については、医学的管理が必要であったと医師が判断する場合に限り、原則として一人までの交通費を算定すること。

④ 天災その他やむを得ない事情により、前記のように取扱いが困難である場合には、現に要した費用を限度として例外的な取扱いも認められること。

(3) 平成六年一〇月一日前の移送に係る療養費の支給及び支給手続については、なお従前の例によるものとしたこと。(改正法附則第一六条、改正省令附則第一六条)

3 移送費の支給申請

移送費の支給申請について、申請は世帯主又は組合員が行うこととするなど、従来の移送に係る療養費の支給申請を必要に応じて見直した上で規定の整備を図ったこと。(施行規則第二七条の一一)

4 付添人の医学的管理等に係る療養費の支給

移送費の支給が認められる医師、看護婦等の付添人による医学的管理等について、患者がその医学的管理等に要する費用を支払った場合にあっては、現に要した費用の額の範囲内で、移送費とは別に、診療報酬に係る基準を勘案してこれを評価し、療養費の支給を行うことができること。

第六 高額医療費に関する事項

1 訪問看護療養費の創設に伴い、訪問看護に要した基本利用料が六万三〇〇〇円を超えるものについて、高額療養費の対象としたこと。また、基本利用料が三万円を超えるものは、合算の対象としたこと。(施行令第二九条の二第一項第八号、第九号)

なお、低所得者については、基本利用料が三万五四〇〇円を超えるものについては、高額療養費の対象と、二万一〇〇〇円を超えるものは、合算の対象とそれぞれしたこと。

2 食事療養に係る標準負担額については高額療養費の対象としないこと。

3 平成六年一〇月一日前の高額療養費の支給については、なお従前の例によるものとしたこと。(整備政令附則第四条第一項)

第七 保健事業に関する事項

1 保健事業に充実に関する事項

(1) 成人病の増大等疾病構造の変化に伴い、疾病の予防の重要性が一層高まっている状況を踏まえ、健康教育、健康相談、健康診査その他の被保険者の健康の保持増進のための事業を、保険者が本来行うべき事業として、その実施に努めるよう、法律上の規定の整備を行ったこと。平成七年度以降も今までに増して積極的な増進を図られたいこと。(法第八二条第一項)

(2) 在宅医療の支援等、最近の保険者の保健事業の取組の状況を踏まえ、保険者が、被保険者の療養のため必要な用具の貸付けその他の被保険者の療養環境の向上のために必要な事業を行うことができることを明確にするため、法律上の規定の整備を行ったこと。

(3) 保険者は、医療の質の向上やニーズの多様化に対応するという観点から、被保険者の療養環境の向上のために必要な事業について、保険集団のニーズを踏まえつつ、平成七年度よりその効率的な実施をされたいこと。(法第八二条第二項)

第八 国庫補助に関する事項

1 療養給付費等負担金の額の算定に当たって、一部負担金の割合を減じている等の市町村についての入院時食事療養費の支給に要した費用の額の算定は、当該一部負担金の割合の軽減等の措置が講じられないものとして算定した額に相当する額としたこと、(算定政令第二条第二項)

2 組合に対する補助金、普通調整交付金、組合特別調整補助金の額の算定についても1と同様の取扱いとしたこと。(算定政令第五条第二項、調交省令第四条、算定省令第一五条)

3 その他保険給付の範囲の見直しに伴い所要の規定の整備を行ったこと。

4 国庫負担金等について、平成六年一〇月一日以後に行われる療養の給付等から改正後の規定の適用を行うこととしたこと。(整備政令附則第五条)

第九 療養取扱機関等の廃止に関する事項

1 規制緩和の観点から、法上の療養取扱機関、国民健康保険医等を廃止し、健保法上の保険医療機関等、保険医等に統合することとしたこと。

2 次官通知第二のⅢの3によるほか、次に掲げる点に留意すること。

なお、平成六年九月三〇日において、保険医若しくは保険薬剤師でない国民健康保険医若しくは国民健康保険薬剤師又は保険医療機関若しくは保険薬局でない療養取扱機関についての取扱いは、別途通知される厚生省保険局長通知によること。

① 保険医療機関、特定承認保険医療機関、保険医等は、法による療養の給付、特定療養費に係る療養等を担当することとされたこと。(健保法第四三条ノ四第二項)

② 保険医療機関、特定承認保険医療機関、保険医等の指定又は登録の取消事由として、法による療養の給付に関する費用に関し不正請求があったとき等が定められたこと。(健保法第四三条ノ一二第六号、第四三条ノ一三第三号)

第一〇 住所地特例の創設に関する事項

1 社会福祉施設所在地の市町村の国民健康保険の負担が重くなるという医療費負担の不公平を解消するため、社会福祉施設の入所者であって措置により他の市町村から転入して来たものについては、入所措置時に住所のあった市町村の国民健康保険に引き続き加入するという特例を設けることとしたこと。(法第一一六条の二)

2 この特例措置は、平成七年四月一日以降に住所地の変更のあった者について適用されるものであること。(改正法附則第二〇条)

3 住所地特例に関する手続等その詳細については、追って通知するものであること。

第一一 その他の改正事項

1 規制緩和の観点から、国保組合及び国保連に係る借入金の額の減少及び利率の低減については、都道府県知事の認可事項から都道府県知事への届出事項へと改めたこと。(法第二七条第二項、第四項、第八六条、施行規則第二一条の二)

2 規制緩和の観点から、国保組合は、保険料の滞納処分について、これまで市町村に処分の請求をした上でなければ自ら行えなかったものを、都道府県知事の認可を受ければ、国税滞納処分の例により、自らこれを行うことができるものとしたこと。(法第八〇条)

3 保険料の賦課総額の算定基準を次に掲げるとおり改めたこと。

(1) 算定の基礎に、新たに創設された入院時食事療養費、訪問看護療養費、移送費等の支給に要する費用を加えたこと。(施行令第二九条の五第一項第一号)

(2) 算定の基礎に、老人保健法による事業費拠出金及びそれに伴う事務費拠出金の納付に要する費用を加えたこと。(整備政令附則第七条第一項)

(3) (1)及び(2)の改正後の保険料の賦課総額の算定については、平成七年度以降の年度分の保険料から適用することとしたこと。

(整備政令附則第四条第二項)

4 国民健康保険制度における様式改正を次に掲げるとおり行ったこと。

(1) 療養取扱機関等の廃止及び入院時食事療養費制度の創設等による被保険者証等の様式の改正を行ったこと。(施行規則様式第一から様式第八まで)

(2) (1)により改正された様式のうち、被保険者証、退職被保険者証、被保険者資格証明書、特定疾病療養受領証及び特別療養証明書については、当分の間、改正前の様式によるものを改正後の様式とみなすこととしたこと。同時に、改正省令の施行の際現に交付されている国民健康保険検査証は、新様式によるものとみなすこととしたこと。ただし、被保険者証の注意事項等には、新たに標準負担額を負担すること等が書かれることとなっており、可能な限り速やかに新しい様式に切り替えていくことが望ましいものであること。やむをえず切り替えを行わない場合には、制度に関して被保険者等への十分な公報を行うこと。

(改正省令附則第一五条)

5 地方税法第七〇三条の四第二項は、国保税の標準賦課総額の算定の仕方を定めたものであるが、改正法により創設された入院時食事療養費、訪問看護療養費、移送費等が新たに算定の対象とされるとともに、高額療養費についても同様に算定の対象とされたこと。これに伴い、同項第一号に規定する「一〇〇分の七五」を「一〇〇分の六五」に改める改正がなされたこと。

6 新たに創設された訪問看護療養費制度について一般の療養費の支給は行わないこととしたことなどから、特別療養費について、従来療養費の中の一類型であったものを独立した給付として位置付けたこと。(法第五四条の三、施行規則第二七条の五等)

7 老人保健法による事業費拠出金の取扱いについて

社会保険診療報酬支払基金においては、医療保険各保険者から事業費拠出金を徴収し、平成一一年度末までの間次に掲げる老人保健関係業務を行うこととされたこと。

ア 老人保健施設の整備に対する助成

イ 老人訪問看護ステーションの整備に対する助成

ウ 福祉用具の研究開発及び普及の促進に関する法律(平成五年法律第三八号)に基づく指定法人(財団法人テクノエイド協会)が行う福祉用具普及モデル事業に対する助成

第一二 その他の留意事項等

1 今回の制度改正は、医療サービスの仕組みを基本的に変更するものであり、医療機関はもとより、保険者、被保険者、行政その他医療に関係する者が制度改正の趣旨及び内容について十分理解をして初めて実現できるものであり、その周知徹底に努められたいこと。

2 今回の制度改正は、保健・医療・福祉に係る関係各部局の改正内容の十分な理解と連携強化により実現できるものであるが、以下の点について特に留意されたいこと。

(1) 付添看護・介護の解消については、医療機関の計画的な取組が必要であり、関係部局と十分な連携を図り、その円滑な実施について周知徹底及び適切な指導がなされるよう努めること。

(2) 在宅医療の推進については、地域において提供される医療サービスと福祉サービスの連携強化が必要であり、関係部局と十分な連携を図り、その円滑な実施について周知徹底及び適切な指導がなされるよう努めること。

(3) 入院時食事療養費制度の定着については、標準負担額への理解及び追加的なサービスの提供に対する費用徴収の際の医療機関から患者への十分な情報提供が不可欠であるので、関係部局と十分な連携を図り、その円滑な実施について周知徹底及び適切な指導がなされるよう努めること。

3 保険者においては、減額認定の事務に係る事務体制を速やかに整備するよう特段の配置をなされたいこと。ただし、改正法施行当初において、やむを得ない事情により認定手続が間に合わなかった場合等においては、施行規則第二六条の五の規定による入院時食事療養費の支給(標準負担額の差額支給)の対象として取り扱うことができるものとし、その旨認定申請者に教示されたいこと。

4 減額申請書、差額申請書、減額台帳の取扱いは、この通知によることを原則とし、保険者の判断により、趣旨を逸脱しない範囲において、取扱いを変更することも可能であること。

5 第三の3の(4)の長期該当者の注意事項の円滑化に資するため、国保連から保険者に対し、少なくとも毎年一回、長期該当者の要件に合致する者のリストの送付を行うこととしているので、領収証等で証明困難な場合等に活用されたいこと。

Ⅱ 施行期日等

第一 施行期日

改正法の施行は、平成六年一〇月一日からとされたこと。ただし、保健事業に関する事項及び住所地特例の創設に関する事項については、平成七年四月一日からとされたこと。

第二 別途通知

昭和五八年四月二三日付け保発第三七号厚生省保険局長通知(国民健康保険高額医療費共同事業の実施について)等、今回の法改正により改正の必要な通知については、別途通知するものであること。

第三 請求省令との関係

今回の改正省令とは別に、改正法に伴うものとして、療養の給付、老人医療及び公費負担医療に関する費用の請求に関する省令(昭和五一年厚生省令第三六号)等の改正が予定されており、これにより療養取扱機関の療養の給付、老人医療及び公費負担医療に関する費用の請求に関する省令(昭和四九年厚生省令第一三号)は廃止され、また、診療報酬請求書等の様式の改正が行われる予定であること。これにより、施行規則第二七条の六第二項及び第二七条の七第二項から第四項の規定は改正される予定であること。

(様式例1)

画像2 (15KB)別ウィンドウが開きます

(様式例2)