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○国民健康保険法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法令の改正について

(平成一〇年七月二七日)

(老発第四八五号・保発第一〇一号)

(各都道府県知事あて厚生省老人保健福祉・保険局長連名通知)

国民健康保険法等の一部を改正する法律(平成一〇年法律第一〇九号)の施行については厚生省老発第四二三号・保発第八一号により老人保健福祉局長及び保険局長から通知されたところであるが、今回の法改正事項のうち、①保険医療機関の指定等の取消しが行われた場合の再指定等を行わないことができる期間の延長、②診療報酬の不正請求に係る返還金に対する加算金の割合の引上げ、③保険医療機関の病床の指定及び④国民健康保険組合等の予算の見直しに係る事項については、国民健康保険法等の一部を改正する法律の一部の施行期日を定める政令(平成一〇年政令第二四七号)により、平成一〇年八月一日から施行されることとなる。これに伴い、国民健康保険法等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う関係政令の整備等に関する政令(平成一〇年政令第二四八号)、健康保険法施行規則等の一部を改正する省令(平成一〇年厚生省令第七一号)、健康保険法第四三条ノ三第四項第一号に規定する厚生大臣の定める基準(平成一〇年厚生省告示第二一〇号)及び健康保険法第四三条ノ三第四項第二号に規定する厚生大臣の定める病床の数の算定方法(平成一〇年厚生省告示第二一一号)についても、同じく八月一日から施行されることになるので、次の事項に留意の上、その施行に当たっては、遺憾なきよう配慮されたい。

なお、今回の法律改正の趣旨及び内容に関し、市町村、健康保険組合、国民健康保険組合、保険医療機関その他の関係機関等に対する周知指導方につき、格別の御配慮を願いたい。

以下、この通知においては、国民健康保険法等の一部を改正する法律を「改正法」と、国民健康保険法等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う関係政令の整備等に関する政令を「改正令」と、健康保険法施行規則等の一部を改正する省令を「改正規則」と、健康保険法を「健保法」と、健康保険法施行令を「健保令」と、健康保険法施行規則を「健保規則」と、保険医療機関及び保険薬局の指定並びに特定承認保険医療機関の承認並びに保険医及び保険薬剤師の登録に関する省令を「指定省令」と、保険医及び保険医療機関療養担当規則を「療担規則」と、老人保健法の規定による医療並びに入院時食事療養費及び特定療養費に係る療養の取扱い及び担当に関する基準を「療担基準」と、それぞれ略称する。

なお、昭和六二年九月二一日付保発第六九号「医療計画公示後における病院開設等の取扱いについて」は廃止するとともに、本通知に伴う平成七年一二月二二日付保発第一一七号「保険医療機関等及び保険医等の指導及び監査について」の改正及び前記③に係る具体的な取扱い等については追って通知する。

また、本通知については、健康政策局及び医薬安全局においても了承済みであるので、念のため申し添える。

第一 保険医療機関の指定等の取消しが行われた場合の再指定等を行わないことができる期間の延長に関する事項

1 保険医療機関(特定承認保険医療機関を含む。以下同じ。)又は保険薬局(以下「保険医療機関等」という。)の指定(特定承認保険医療機関の承認を含む。以下同じ。)の取消が行われた場合には、原則として取消後五年間は再指定を行わないものとすること。(健保法第四三条ノ三第三項)

2 保険医又は保険薬剤師(以下「保険医等」という。)の登録の取消が行われた場合には、原則として取消後五年間は再登録を行わないものとすること。(健保法第四三条ノ五第二項)

3 ただし、左記表の下欄に掲げる特別な事情を有する医療機関若しくは薬局(以下「医療機関等」という。)又は医師、歯科医師若しくは薬剤師(以下「医師等」という。)については、それぞれ上欄のように取消後五年未満であっても再指定又は再登録を行うことができること。その場合には、あらかじめ保険局長に内議を行うとともに、再指定に係る地方社会保険医療協議会への諮問に当たっては、その理由を明らかにすること。

(1) 医療機関等

二年未満で再指定を認めることができる場合

次に掲げる地域を含む市町村(人口五万人以上のものを除き、①については離島の地域のみとする。)に所在する医療機関等(その指定取消により当該地域が無医地区等となるものに限る。)その他地域医療の確保を図るために再指定をしないと支障が生じると認められる医療機関等

①離島振興法(昭和二八年法律第七二号)第二条第一項の規定により離島振興対策実施地域として指定された離島の地域

②辺地に係る公共的施設の総合整備のための財政上の特別措置等に関する法律(昭和三七年法律第八八号)第二条第一項に規定する辺地

③山村振興法(昭和四〇年法律第六四号)第七条第一項の規定により振興山村として指定された山村

④過疎地域活性化特別措置法(平成二年法律第一五号)第二条第一項に規定する過疎地域

二年以上五年未満で再指定を認めることができる場合

不正請求の金額又はその金額及び件数の割合が軽微であると認められる医療機関等

(2) 医師等

二年未満で再登録を認めることができる場合

次に掲げる地域を含む市町村(人口五万人以上のものを除き、①については離島の地域のみとする。)に所在する医療機関等に従事する医師等(その登録取消により、当該地域が無医地区等となるものに限る。)その他地域医療の確保を図るために再登録をしないと支障が生じると認められる医師等

①離島振興法(昭和二八年法律第七二号)第二条第一項の規定により離島振興対策実施地域として指定された離島の地域

②辺地に係る公共的施設の総合整備のための財政上の特別措置等に関する法律(昭和三七年法律第八八号)第二条第一項に規定する辺地

③山村振興法(昭和四〇年法律第六四号)第七条第一項の規定により振興山村として指定された山村

④過疎地域活性化特別措置法(平成二年法律第一五号)第二条第一項に規定する過疎地域

二年以上五年未満で再登録を認めることができる場合

関与した不正請求の金額又はその金額及び件数の割合が軽微であると認められる医師等

4 次に掲げる場合に該当する保険医療機関等については、「保険医療機関若ハ保険薬局トシテ著シク不適当ト認ムルモノナルトキ(健保法第四三条ノ三第三項)」として、地方社会保険医療協議会の議により再指定を拒否することができるものであること。

(1) 指定を取り消された医療機関等の開設者が別の医療機関等として指定申請をしてきたとき

(2) 取消処分を逃れるために保険医療機関等の指定を辞退し、その後しばらくして指定申請してきたとき

(3) 保険医療機関等の指定取消を二度以上重ねて受けたとき

(4) 不正請求及び不当請求に係る返還金(加算金を含む。)を納付していないとき

(5) 指導監査を再三受けているにもかかわらず、指示事項について改善が見られず、指定更新時を迎えたとき

5 次に掲げる場合に該当する保険医等については、「保険医又ハ保険薬剤師トシテ著シク不適当ト認ムルモノナルトキ(健保法第四三条ノ五第二項)」として、地方社会保険医療協議会の議により再登録を拒否することができるものであること。

(1) 取消処分を逃れるために保険医等の登録を辞退し、その後しばらくして登録申請してきたとき

(2) 保険医等の登録取消を二度以上重ねて受けたとき

6 平成一〇年八月一日前に保険医療機関等の指定を取り消された医療機関等に対する、再指定を行わないことができる期間は、従前どおり最長二年とされたこと。(改正法附則第一三条及び第一六条)

7 平成一〇年八月一日前に保険医等の登録を取り消された医師等に対する、再登録を行わないことができる期間は、従前どおり最長二年とされたこと。(改正法附則第一七条)

第二 診療報酬の不正請求の返還金に対する加算金の引上げに関する事項

1 保険医療機関等、老人保健施設、指定訪問看護事業者又は指定老人訪問看護事業者(以下「保険医療機関・老人保健施設等」という。)の不正請求に係る返還金に対する加算金の請求については、指導又は監査によって明らかとなった保険医療機関・老人保健施設等の不正請求の額について厳正に行い、保険者等の間で取扱いに差異が生じないように保険者等を指導すること。(健保法第六七条ノ二第三項等)

2 保険医療機関・老人保健施設等が平成一〇年八月一日前にした偽りその他不正の行為により支払われた療養の給付等に関する費用の返還金に対する加算金の割合は従前どおり一〇%とされたこと。(改正法附則第四条、第九条、第一八条及び第一九条等)

第三 保険医療機関の病床の指定に関する事項

1 健保法第四三条ノ三第四項第一号に規定する厚生大臣の定める基準を満たさない場合とは、診療報酬上の減額措置を考慮して、次のとおりとしたこと。(健康保険法第四三条第四項第一号に規定する厚生大臣の定める基準(平成一〇年厚生省告示第二一〇号))

(1) 病院又は療養型病床群を有する診療所(以下「病院等」という。)における医師数、歯科医師数、看護婦・准看護婦数又は看護補助者数(以下「医師数等」という。)のいずれかが、医療法施行規則に定める標準人員数に一〇〇分の五〇を乗じて得た数に満たない場合とする。

(2) ただし、次に掲げる地域を含む市町村(ただし、人口五〇〇〇〇人以上のものを除き、①については離島の地域のみとする。)に所在する病院等(人員確保に関する計画を都道府県知事に届け出た場合に限る。)その他人員の確保が困難と厚生大臣が認める病院等についてはこの限りでないものとする。

① 離島振興法(昭和二八年法律第七二号)第二条第一項の規定により離島振興対策実施地域として指定された離島の地域

② 辺地に係る公共的施設の総合整備のための財政上の特別措置等に関する法律(昭和三七年法律第八八号)第二条第一項に規定する辺地

③ 山村振興法(昭和四〇年法律第六四号)第七条第一項の規定により振興山村として指定された山村

④ 過疎地域活性化特別措置法(平成二年法律第一五号)第二条第一項に規定する過疎地域

2 健保法第四三条ノ三第四項第二号に規定する厚生大臣の定める基準については、同号前段が医療法第三〇条の七の勧告の要件と同一になるように定めたものであること。(健康保険法第四三条ノ三第四項第二号に規定する厚生大臣の定める病床の数の算定方法(平成一〇年厚生省告示第二一一号))

3 同条第四項第三号に規定する「其ノ他適正ナル医療ノ効率的ナル提供ヲ図ル観点ヨリ当該病院又ハ診療所ノ病床ノ利用ニ関シ保険医療機関トシテ著シク不適当ナル所アリト認ムルトキ」とは、入院医療に関し、保険医療機関の指定の取消事由には該当しないが、国又は都道府県知事の指導又は監査で再三にわたり指摘を受けているにもかかわらず、指摘事項について改善が見られないまま、保険医療機関の指定の更新時を迎えた場合又は指定の変更を行う場合が該当するものであること。

4 病床の全部又は一部を制限して指定(指定の変更を含む。以下同じ。)する措置(以下「病床制限措置」という。)が設けられたことに伴い、指定の際の申請手続等を定めたこと。なお、指定の際の医師数等については、衛生主管部局にも連絡、照会の上、事実の確認を行うこと。(指定省令第一条、第一条の二及び第五条の三の二)

5 病床制限措置が設けられたことに伴い、療養担当規則及び療養担当基準の医療法の勧告を受けた場合には勧告の内容に沿って患者を入院させなければならない旨の規定を削除したこと。(療担規則第一一条第三項及び療担基準第一一条第三項の削除)

6 病床制限措置を行うことに関する地方社会保険医療協議会の審議は、公開とすること。なお、当該審議においては、衛生主管部局の協力も得て、地域における病床数の状況、知事が勧告を行うに至った経過及び健保法第四三条の一五に規定する弁明の内容等を十分に説明し、その議決を求めること。

7 病床制限措置を行う場合には、行政手続法に基づき、指定の申請者に対しその理由(事実関係及び根拠法令)を明らかにし通知すること。

8 病床制限措置を行った場合には、管下の保険者団体及び審査支払機関等に対し、当該保険医療機関の名称等の情報を伝達すること。

9 関係部局、各保健所等と連携を密にし、病院等の開設、増床又は病床種別の変更(以下「増床等」という。)の計画段階において、関係者に対し病床制限措置を説明し、自粛を求めること。また、病床制限措置が適用された病院等に対しては、入院患者に混乱が生じぬよう、医療法上の許可病床についても保険医療機関として指定された病床に応じて削減するよう指導を行うこと。

10 平成一〇年八月一日に現に旧健保法の規定による保険医療機関の指定を受けている病院等については、医療法上の許可を受けている病床であって同日に現に存するものに関して、新健保法の規定による保険医療機関の指定を受けたものとみなすこと。(改正法附則第一四条及び第一六条)

11 平成一〇年八月一日に現に旧健保法の規定による保険医療機関の指定を受けている病院等については、平成一二年五月三一日までは、増床等を行う場合を除き、病床制限措置が適用されないこととしたこと。(改正法附則第一四条及び第一六条並びに改正令第四条)

なお、医師等の人員不足に係る病床制限措置については、保険医療機関が指定の更新期の違いにかかわらず医師等の人員の充足に努めるようにするため、平成一二年五月から当該保険医療機関の指定更新時までの期間における人員の充足状況を確認した上で、要件を満たさないものについて適用するものであること。

第四 国民健康保険組合等の予算の見直し等に関する事項

1 収入支出予算の認可の見直し

(1) 健康保険組合及び健康保険組合連合会(以下「健保組合等」という。)の毎年度の収入支出予算の認可については、毎年三月末日までの届出に改められたこと。また、追加更正予算についても、その執行前の届出に改められたこと。(健保令第四五条(第七三条ノ九において準用する場合を含む。)、健保規則第三四条及び第四四条ノ四)

(2) 設立、分割又は合併により成立する健保組合等の初年度の収入支出予算の認可については、設立等の認可申請の添付書類であることから、廃止されたこと。(健保令第一四条、第五九条、第六〇条及び第七三条ノ四)

2 規約の変更の認可の見直し

(1) 健保組合等及び国民健康保険組合若しくは国民健康保険団体連合会(以下「国保組合等」という。)の事務所の所在地に係る規約の変更については、事務所の開設及び廃止の場合を除き既に届出事項とされてきたところであるが、開設及び廃止の場合についても同様に届出事項とされたこと。(健保規則第二五条ノ二第一号及び国民健康保険法施行規則第二一条の二)

(2) 健保組合等の予備費の費途に係る規約の変更について届出事項とされたこと。(健保規則第二五条ノ二第四号)

3 経過措置

(1) 平成一〇年八月一日前に予算の認可を受けている、又はその申請を行っている国保組合等又は健保組合等は、改正後の法令の規定による届出を行ったものとみなされたこと。(改正法附則第三条及び改正令附則第二条)

(2) 平成一〇年八月一日前に事務所の所在地の開設又は廃止に係る場合の事務所の所在地並びに予備費の費途に係る規約の変更の認可を受けている、又はその申請を行っている健保組合等又は国保組合等は、法律の規定による届出を行ったものとみなされたこと。(改正規則附則第二項及び第四項)