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○健康保険法施行令等の一部を改正する政令等の施行について

(昭和五七年八月二四日)

(保発第六二号)

(各都道府県民生主管部(局)長あて厚生省保険局国民健康保険課長通知)

健康保険法施行令等の一部を改正する政令(昭和五七年政令第二三二号)等の施行については保険局長及び医療保険部長から通知されたところであるが、国民健康保険の高額療養費の支給については、次の事項に留意のうえ、貴管下保険者の指導及び関係方面への周知徹底に遺憾のないよう配慮されたい。

1 高額療養費に係る三万九〇〇〇円の自己負担限度額の特例に関する要件は次のとおりであること。

(1) 被保険者の属する世帯の国民健康保険の被保険者全員(世帯主及び組合員を含む。)について市町村民税が課されないか又は免除されること。

(2) 被保険者が受けた療養について高額療養費の支給が優先する公費負担医療に関する給付(別紙)が行われないこと。

なお、当該公費負担医療に関する給付が行われる場合の自己負担限度額は五万一〇〇〇円であること。ただし、昭和五七年一二月三一日までの間の療養に係る自己負担限度額は四万五〇〇〇円であること。

2 高額療養費に係る三万九〇〇〇円の自己負担限度額の特例に関し、世帯については次のように取扱うこと。

(1) 市町村の行う国民健康保険の被保険者である場合

世帯主(擬制世帯主を含む。)及びその世帯に属する当該市町村の行う国民健康保険の被保険者である者を同一世帯とすること。

(2) 国民健康保険組合の行う国民健康保険の被保険者である場合

組合員及びその世帯に属する当該組合の行う国民健康保険の被保険者である者を同一世帯とすること。

3 市町村民税が課されないこと又は免除されることについては、次の事項に留意すること。

(1) 市町村民税には特別区民税を含むこと。

(2) 市町村民税が課されないことと、市町村の条例により当該市町村民税が免除されることは、同一の効果を持つこと。(以下市町村民税が課されないことには、免除されることを含むこと。)

(3) 市町村民税が課されないとは、市町村民税の所得割及び均等割を課されないことをいうものであるが、退職手当等に係る所得割が課税されているか否かは問わないこと。

(4) 市町村民税が課されないとは、療養のあつた月の属する年度(療養のあつた月が四月又は五月の場合は前年度)分の市町村民税を課されないことをいうものであること。

(5) 市町村民税の賦課期日である一月一日において日本国内に住所地を有しないことにより同日の属する年度の翌年度の市町村民税が課されない場合については除かれること。

(6) 市町村民税が課されない場合に該当するか否かは、市町村長の発行する市町村民税の課税に関する証明書その他市町村民税が課されない場合に該当することを証する書類により認定すること。

(7) 市町村が保険者である場合には、市町村民税が課されない場合に該当するか否かを公簿によつて確認することができるときは、当該書類を省略させることができること。従つて市町村においては、被保険者の利便という観点からこの方法によることが望ましいこと。

(8) 市町村民税の申告義務がない者で市町村民税の申告をしていないため市町村長の発行する市町村民税の課税に関する証明書を受けられない場合は、次のように取扱つて差し支えないこと。

ア 市町村の場合には、国保料(税)の所得申告を記載した公簿に基づき、市町村民税が課されない場合に該当するか否かを判断すること。

イ 国民健康保険組合の場合、給与の支払を受けている者については、事業主の所得に関する証明書を提出させること。なお、事業主の証明書には、市町村長の証明書を受けられない理由を明記させること。

(9) 未成年者等明らかに所得を有しない者については、保険者の判断により、市町村民税の課税に関する証明書その他市町村民税が課されない場合に該当することを証する書類を省略させても差し支えないこと。

(10) 所得が不明であることにより市町村民税が課かれていない場合は、市町村民税が課されていないとはみなさないこと。

4 七〇歳以上の者又は六五歳以上七〇歳未満の者であつて寝たきりの状態、その他の障害の状態にあるもののうち老人医療費の支給制度の対象となつている者(以下「寝たきり老人等」という。)について、老人保健法が施行されるまでの間、三万九〇〇〇円に据え置く措置については、次の事項に留意すること。

(1) 七〇歳以上の者については、現行の老人医療費支給制度が七〇歳の誕生日の属する月の初日から支給対象者としていることにかんがみ、高額療養費の自己負担限度額を据え置く措置についても、七〇歳の誕生日の属する月の初日から適用すること。

(2) 七〇歳以上の者であつて所得制限により老人医療費支給制度の対象となつていない者についても、高額療養費の自己負担限度額を据え置く措置の対象となること。

(3) 寝たきり老人等の認定が遡及して行われた場合には、老人医療費受給者証の有効期間の始期から、高額療養費の自己負担限度額を据え置く措置の対象とすること。

(4) (2)及び(3)の場合には、現金給付となるので、三万九〇〇〇円の自己負担限度額の特例の場合に準じた手続により支給すること。

別紙

1 老人福祉法(昭和三八年法律第一三三号)による老人医療費の支給

2 児童福祉法(昭和二二年法律第一六四号)第二〇条の育成医療の給付若しくは育成医療に要する費用の支給又は同法第二一条の九第二項第一号の医療に係る療育の給付

3 予防接種法(昭和二三年法律第六八号)第一七条第一号の医療費の支給

4 身体障害者福祉法(昭和二四年法律第二八三号)第一九条の更生医療の給付又は更生医療に要する費用の支給

5 原子爆弾被爆者の医療等に関する法律(昭和三二年法律第四一号)第一四条の二の一般疾病医療費の支給

6 母子保健法(昭和四〇年法律第一四一号)第二〇条の養育医療の給付又は養育医療に要する費用の支給

7 沖縄の復帰に伴う厚生省関係法令の適用の特別措置等に関する政令第三条又は第四条の医療費の支給

8 児童福祉法(昭和二二年法律第一六四号)第二二条の助産施設への入所措置、同法第二七条第一項第三号の措置(精神薄弱児通園施設への入所措置及び保護受託者への委託措置を除く。)、同条第二項の国立療養所への委託措置又は同法第三三条の一時保護に係る医療の給付

9 精神薄弱者福祉法(昭和三五年法律第三七号)第一六条第一項第二号又は同条第二項の措置に係る医療の給付

10 昭和四四年七月一四日社更第一二七号厚生省社会局長通知「進行性筋萎縮症者療養等給付事業について」による療養の給付

11 昭和四五年六月一六日社老第七三号厚生省社会局長通知「老人性白内障手術費支給事業の実施について」による手術費の支給

12 昭和四八年四月一七日衛発第二四二号厚生省公衆衛生局長通知「特定疾患治療研究事業について」による治療研究に係る医療の給付

13 昭和四八年八月三一日社健第四八号厚生省社会局長通知「ねたきり老人等に対する老人医療費の支給について」による老人医療費の支給

14 昭和四九年五月一四日厚生省発児第一二八号厚生事務次官通知「小児慢性特定疾患治療研究事業について」による治療研究に係る医療の給付

(注) 1及び13については、老人保健法が施行されるまでの間、七〇歳以上の者又は寝たきり老人等について高額療養費の自己負担限度額を三万九〇〇〇円に据え置く措置が講じられるため、改正後の国民健康保険法施行令第二九条の二第二項は適用されないことに留意すること。