添付一覧
○特定保険医療材料及びその材料価格(材料価格基準)の制定に伴う実施上の留意事項について(通知)
(平成一二年三月二一日)
(保険発第三七号)
(都道府県民生主管部(局)保険主管課(部)長・国民健康保険主管課(部)長あて厚生省保険局医療課長・歯科医療管理官通知)
健康保険法の規定による療養に要する費用の額の算定方法(平成六年三月厚生省告示第五四号以下「算定方法告示」という。)の規定に基づき、「特定保険医療材料及びその材料価格(材料価格基準)(平成一二年三月厚生省告示第八五号)」(以下「材料価格基準」という。)が本日付けをもって公布されたところであるが、これの実施に伴う留意事項については、下記のとおりであるので、その取扱いに遺憾のないよう配慮されたい。
なお、この通知は、平成一二年四月一日から適用することとし、従前の「特定保険医療材料及びその購入価格(材料価格基準)の制定に伴う実施上の留意事項について」(平成一〇年三月二〇日保険発第三七号)貴職あて当職通知は平成一二年三月三一日限り廃止する。
記
Ⅰ 算定方法告示別表第一医科診療報酬点数表に関する事項
1 特定保険医療材料の算定に係る一般的事項
(1) 療養に要する費用の額の算定に当たって、保険診療に用いられる医療用具・材料(薬事法(昭和三五年法律第一四五号)上の承認を得たものであって、超音波診断装置、CT、MRI等の装置類は除く。以下「保険医療材料」という。)に係る費用を手技料及び薬剤料と別途算定する場合は、当該材料の費用の額は、材料価格基準別表の各項(関係通知において準用する場合を含む。)に規定されている材料価格により算定する。
(2) 特掲診療料の各部において、特定保険医療材料料を算定する場合には、特定保険医療材料の材料価格を一〇円で除して得た点数となるが、この場合において端数が生じた場合は端数を四捨五入して得た点数とする。
(3) 材料価格基準別表において、都道府県における購入価格によることとされている特定保険医療材料の材料価格について、地方社会保険事務局長により材料価格が定められていない場合は、実際に医療機関が購入した価格により算定する。
(4) 特定保険医療材料以外の保険医療材料については、当該材料を使用する手技料の所定点数に含まれており、別途算定できない。また、特定保険医療材料以外の保険医療材料を処方せんにより給付することは認められない。さらに、保険医療材料を患者に持参させ、又は購入させてはならない。
2 在宅医療の部に規定する特定保険医療材料に係る取扱い
(1) 自己連続携行式腹膜潅流液交換セット
夜間の中心静脈栄養等で、在宅中心静脈栄養法輸液セットを一月につき七組以上用いる場合は、七組目以上の中心静脈栄養法輸液セットの費用は、自己連続携行式腹膜潅流液交換セットに準じて算定する。
(2) 在宅悪性腫瘍患者自己注射用ディスポーザブル注射器
在宅悪性腫瘍患者自己注射用ディスポーザブル注射器とは、ブプレノルフィン製剤若しくはブトルファノール製剤、抗悪性腫瘍剤又はインターフェロンアルファ製剤を注射する場合に用いるものをいう。なお、これらの薬剤のうち、シリンジの中に薬剤が充填されている形のものを注射する場合に用いる注射針は、在宅悪性腫瘍患者自己注射用ディスポーザブル注射器に準じて算定する。
(3) 在宅寝たきり患者処置用膀胱留置用ディスポーザブルカテーテル
在宅寝たきり患者処置用膀胱留置用ディスポーザブルカテーテルの分類は、下記Ⅰの三の(二二)に規定するものと同様である。
(4) 在宅血液透析用特定保険医療材料
在宅血液透析患者の人工腎臓用特定保険医療材料の取扱いは、下記Ⅰの三の(二四)に準じる。
3 在宅医療の部以外の部に規定する特定保険医療材料(フィルムを除く。)に係る取扱い
(1) 血管造影用シースイントロデューサーセット
ア 血管造影用シースイントロデューサーセットには、ダイレーター、カテーテルシース及びガイドワイヤーが含まれる。ただし、ダイレーターのみ使用する場合は、ダイレーターとして算定するものとする。
イ 血管造影用シースイントロデューサーセットの分類は、カテーテルシースの機能に基づいて行われるものであり、標準型及び特定型に大別する。
ウ 血管造影用シースイントロデューサーセットにおける標準型とは、通常の手技によるカテーテルシースを挿入又は交換するために用いるものをいう。標準型にあっては、シース長、口径、ピールアウェイ機能の有無、プリシェイプの有無、抗キンク性の有無、先端造影用マーカーの有無及びガイドワイヤーの有無を総合的に勘案して三クラスに細分類するものとする。
エ 血管造影用シースイントロデューサーセットにおける特定型とは、主として心房・心室用ロングシースをいうものであり、シース長が四〇cm以上で、かつ、プリシェイプのものをいう。特定型にあっては、細分類を設けず単一区分とする。
オ ペースメーカー用カテーテル電極用シースイントロデューサーセットは、血管造影用シースイントロデューサーセットとして算定する。
(2) ダイレーター
ダイレーターは、カテーテルシース及びガイドワイヤーを用いず単独使用した場合にのみ、算定できるものとする。
(3) プロービングシース
ア プロービングシースとは、冠動脈用シースであって、カテーテル挿入、薬液注入又は血栓の吸引に使用するものをいう。
イ プロービングシースは、バード冠動脈用シース(薬事法承認番号五九B輸第九二二号)を使用した場合に算定できる。
(4) 動静脈圧測定用カテーテル及び臓器内血液採取用カテーテル
動静脈圧測定用カテーテル及び臓器内血液採取用カテーテルの材料価格は、医療機関が購入した価格をもとに実際に使用した長さ(カットのためのロスのある場合はこれに含める。)を比例計算して得た価格とする。
(5) 血管内超音波プローブ
ア 血管内超音波プローブは、血管拡張用のバルーンの有無により標準型(バルーンを有さないもの)及び特定型(バルーンを有するもの)に大別する。さらに、口径により、Ⅰ型(三・五Frを超えるもの)とⅡ型(三・五Fr以下のもの)に細分類する。
イ 血管内超音波プローブは、一連の検査、画像診断又は手術につき一本のみ算定できるものとする。
ウ 血管拡張用バルーンを有する血管内超音波プローブは、当該手技に伴って使用された場合に算定するものとする。
(6) 血管内視鏡カテーテル
血管内視鏡カテーテルとは、次に掲げる要件を全て満たすものをいう。
ア 薬事法承認における「類別」が、「器具器械二五医療用鏡」であり、「一般的名称」が「その他の軟性ファイバースコープ」であること。
イ 薬事法承認事項において、「血管内を直接観察する目的で使用する」との趣旨が明記されていること。
(7) 血液ガス連続測定用血管内留置センサー
血液ガス連続測定装置(薬事法承認番号〇六B外第二号)に使用される血液ガス連続測定用血管内留置センサーを使用した場合に算定できる。
(8) 脈管造影用カテーテル
ア 脈管造影用カテーテルは、使用目的により標準型、バルーン型、ウーブン型及び心臓マルチパーパス型に大別する。
イ 標準型とは、主に一般的診断に用いられるものをいう。標準型にあっては、安全性、造影性及び操作性の観点から、Distal Soft Tip機能の有無、カテーテルBurst Pressureのレベル、カテーテル表面の抗血栓性の有無、カテーテル表面の潤滑性の有無、シャフト外径のレベルごとのシャフト内径外径比、メッシュ補強の有無及び傾斜特性の有無を総合的に勘案して、三クラスに細分類する。
ウ バルーン型とは、バルーンによる血流の一時的遮断又は改変による選択的造影及びカテーテルの血管内造影を目的としたバルーンを先端及び近傍に有するものをいう。バルーン型にあっては、ルーメン数によりⅠ型(二ルーメン)及びⅡ型(三ルーメン以上)に細分類する。
エ ウーブン型とは、主としてポリエチレンテレフタレート繊維を平織したもので、カテーテルの内外をポリエチレンテレフタレートによってコーティングしているものをいう。
ウーブン型を使用した場合には、使用した理由を診療報酬明細書摘要欄に記載するものとする。
オ 心臓マルチパーパス型とは、心臓カテーテル検査において左右両冠動脈造影及び左心室造影を一本のカテーテルで行うことのできるものをいう。
心臓マルチパーパス型は、一回の造影につき一本のみ算定できるものとする。なお、他の血管造影用カテーテルと同時に使用した場合はいずれか主たるもののみ算定する。
(9) 血管造影用マイクロカテーテル
血管造影用マイクロカテーテルとは、三・二Fr以下の脈管造影用カテーテルであって、カテーテル先端部にマーカーが付いたもの、先端ボールチップが付いたもの又はマイクロバルーンが付いたものをいう。
(10) 心臓造影用センサー付カテーテル
心臓造影用センサー付カテーテルとは、心臓造影用圧センサー付カテーテル及び心臓造影用フローセンサー付カテーテルをいう。
(11) 血管造影用ガイドワイヤー
ア 血管造影用ガイドワイヤーは構造により、標準型及び特定型に大別する。
イ 標準型とは、血管造影用ガイドワイヤーのうちウに掲げる特定型を除いたものをいう。標準型にあっては、安全性、造影性、操作性、多用途及び希少性の観点から、カテーテル表面特性(テフロンコーティング又はシリコン・コーティングの有無、抗血栓性の有無及び潤滑性の有無)、造影マーカー(個数又は長さ)、サイズ(径、長さ及びエクステンション接続機能の有無)、先端形状(J又はアングルの有無、先端形状付けの可否及び二カ所以上の多湾曲形状の有無)、硬度・耐キンク性に基づく基部特性(スティックシャフトの有無及び抗キンク・コアの有無)、柔軟性に基づく先端特性(両端仕様(デュアル)の有無及び薬剤注入機能の有無)及びエクステンションワイヤーであるか否かを総合的に勘案して、三クラスに細分類する。
ウ 特定型とは、複合ワイヤー及びマイクロワイヤーをいう。複合ワイヤーとは、ノンコイルシャフト部分とコイル先端部分で構成されており、先端造影マーカーを有するものをいい、マイクロワイヤーとは、外径〇・〇一六インチ以下であって、先端造影マーカーを有するものをいう。特定型にあっては、安全性、造影性、操作性、多用途及び希少性の観点から、カテーテル表面特性(テフロンコーティング又はシリコン・コーティングの有無、抗血栓性の有無及び潤滑性の有無)、造影マーカー(個数又は長さ)、サイズ(径、長さ及びエクステンション接続機能の有無)、先端形状(J又はアングルの有無、先端形状付けの可否及び二カ所以上の多湾曲形状の有無)、硬度・耐キンク性による基部特性(スティックシャフトの有無及び抗キンク・コアの有無)、柔軟性による先端特性(テーパーコア長、ステップコアの有無、硬度可変機能の内容及びテーパーワイヤーの有無)及び構造(薬剤注入機能の有無)を総合的に勘案して、二クラスに細分類する。
(12) 経皮的冠動脈形成術用カテーテル用ガイドワイヤー
ア 経皮的冠動脈形成術用カテーテル用ガイドワイヤーは、使用目的により、標準型及び特定型に大別する。
イ 標準型とは、経皮的冠動脈形成術用カテーテル用ガイドワイヤーのうち、ウに掲げる特定型を除いたものをいう。標準型にあっては、操作性、安全性及び通過性の観点から、外径、長さ、エクスチェンジ機能(接続機能)の有無、先端可動機能の有無、硬度可変機能の有無、先端コーティング(疎水性コーティング、親水性コーティング)及びシャフトコーティング(疎水性コーティング、親水性コーティング)を総合的に勘案して、三クラスに細分類する。
ウ 特定型とは、Total Occulusion用及びNew Device用であり、次のaからdまでのいずれかに該当するものをいう。
a 先端が特殊形状(球状の金属)であるもの
b 二カ所以上のスケールマーカーを有するもの
c 先端部が硬質チップであるもの
d シャフト素材が超弾性合金であるもの
特定型については、細分類を設けず、単一の区分とする。
(13) 冠動脈造影用センサー付ガイドワイヤー
冠動脈造影用センサー付ガイドワイヤーとは、冠動脈造影用圧センサー付ガイドワイヤー及び冠動脈造影用フローセンサー付ガイドワイヤーをいう。
(14) その他の心臓・血管内手術用カテーテル用ガイドワイヤー
イノウエ・バルーンに用いられるガイドワイヤーは、その他の心臓・血管内手術用カテーテル用ガイドワイヤーとして算定する。
(15) テクネシウム99mガス吸入装置用患者吸入セット
ア テクネシウム99mガス吸入装置用患者吸入セットは、テクネシウム99mガス吸入装置(薬事法承認番号〇四B輸第一〇四五号)に使用される患者吸入セットを使用した場合に算定できる。
イ テクネシウム99mガス吸入装置用患者吸入セットには超微粒子発生槽、呼気フィルター及び連結チューブが含まれる。
(16) 三管分離逆止弁付バルーン直腸カテーテル
三管分離逆止弁付バルーン直腸カテーテルは、区分「E〇〇三」の「六」の「イ」注腸を実施する際、Yチューブ(薬事法承認番号〇四B第八五五号)又は注腸カテーテルE(薬事法承認番号〇七B第八五一号)を使用した場合に算定できる。
(17) 携帯型ディスポーザブルPCA用装置及び携帯型ディスポーザブルPCA用注入ポンプ
ア 携帯型ディスポーザブルPCA用装置及び携帯型ディスポーザブルPCA用注入ポンプは、注射又は硬膜外麻酔後における局所麻酔剤の持続的注入若しくは硬膜外ブロックにおける麻酔剤の持続的注入の際に、PCA(Patient Controlled Analgesia)のために組み合わせて用いた場合に算定できる。
なお、本材料を算定する場合には、「注射」の部の通則四に規定する精密持続点滴注射加算又は硬膜外麻酔後における局所麻酔剤の持続的注入における精密持続注入加算若しくは硬膜外ブロックにおける麻酔剤の持続的注入における精密持続注入加算は算定できない。
イ 携帯型ディスポーザブルPCA用装置及び携帯型ディスポーザブルPCA用注入ポンプは、薬事法承認番号六三B輸第九八六号を用いた場合に算定できる。
(18) プラスチックカニューレ型静脈内留置針
ア プラスチックカニューレ型静脈内留置針は、径が二四G未満のもの(Ⅰ型)と二四G以上のもの(Ⅱ型)に分類する。
イ プラスチックカニューレ型静脈内留置針は、おおむね二四時間以上にわたって経皮的静脈確保を必要とする場合又は六歳未満の乳幼児、ショック状態若しくはショック状態に陥る危険性のある症例で翼状針による静脈確保が困難な場合に限り算定できる。
(19) 抗悪性腫瘍剤注入用肝動脈塞栓材
ア 抗悪性腫瘍剤注入用肝動脈塞栓材は、スフェレックス(薬事法承認番号〇六B輸第一〇五五号)を使用した場合に算定できる。
イ 抗悪性腫瘍剤注入用肝動脈塞栓材は、マイトマイシンCと混和して肝動脈に注入する場合に限り算定できる。ただし、使用量を決定する目的で注入する場合は、この限りではない。
(20) 持続的注入・排液・排気用導管(体内留置)
ア 持続的注入・排液・排気用導管(体内留置)とは次のものをいい、二四時間以上体内留置した場合に算定できる。
a シリコンチューブ
b ディスポーザブル・脳室カニューレ
c ラテックスチューブ
d 套管針カテーテル
e 栄養チューブ
f 気管切開用チューブ
g 気管内チューブ
h 吸引留置カテーテル
i 涙小管形成チューブ
j イレウスに対するロング・チューブ
k 輸・排尿用ステントカテーテル
l 腎瘻用ディスポーザブルカテーテルセット
m 経鼓膜換気チューブ
n 経皮的胆管ドレナージ用カテーテルセット
o 子宮頚管留置カテーテル
p 尿管・胆道ステント
q 後部尿道ステント
r 自動装着システム付胆管ステント
s ボタン型胃瘻チューブ
イ 下記の各々の場合について二四時間以上留置が行われた際には、持続的注入・排液・排気用導管(体内留置)として算定できる。
a 吸引留置カテーテルについては、体内(消化管内を含む。)に留置し、ドレナージを行う場合
b 輸・排尿用ステントカテーテルについては、外科的手術により尿管の再建を行う場合
c 腎瘻用ディスポーザブルカテーテルセットについては、腎瘻術を行う場合
d 経鼓膜換気チューブについては、滲出性中耳炎の治療を行う場合
ウ 腎瘻用ディスポーザブルカテーテルセット及び経皮的胆管ドレナージ用カテーテルセットには併用する穿孔針、ガイドワイヤー、ダイレーター、留置ディスク及び接続チューブが含まれる。
エ ボタン型胃瘻チューブは四か月に一回を限度として算定できる。
(21) 長期留置型尿道ステント
長期留置型尿道ステントは、AMS尿道ステント ウロルーメ(薬事法承認番号〇七B第五一号)又はアンジオメッド メモサーム(薬事法承認番号二〇九〇〇BZY〇六〇〇〇〇〇)を使用した場合に算定できる。ただし、一回の手術に対し一個を限度として算定する。
(22) 膀胱留置用ディスポーザブルカテーテル
ア 膀胱留置用ディスポーザブルカテーテルは、使用目的、構造、対象及び材質・表面コーティングに基づいて分類する。
イ 膀胱留置用ディスポーザブルカテーテルは、使用目的及び構造により、二管、三管及び圧迫止血用の三つに大別する。
ウ 材質・表面コーティングは次の区分による。
a ラテックス、熱可塑性エラストマー、シリコーンエラストマーコーティングラテックス
b シリコーン、親水性コーティング、シリコーンエラストマーコーティングポリ塩化ビニール
c 抗菌剤混合ラテックス、抗菌剤コーティング
エ 二管については、主に使用される対象により一般及び特定に分類する。特定とは小児用及び尿道狭窄用のものをいい、一般とは特定以外のものをいう。さらに材質・表面コーティングにより、一般にあってはⅠ型(上記ウのaに掲げるもの)、Ⅱ型(上記ウのbに掲げるもの)及びⅢ型(上記ウのcに掲げるもの)に細分類し、特定にあってはⅠ型(上記ウのaに掲げるもの)及びⅡ型(上記ウのb及びcに掲げるもの)に細分類する。
オ 三管については、材質・表面コーティングにより、Ⅰ型(上記ウのaに掲げるもの)及びⅡ型(上記ウのb及びcに掲げるもの)に細分類する。
カ 圧迫止血用とは、次のaからdまでのいずれかに該当するものをいう。
a バルーン容量五〇ml以上のもの
b バルーン容量三〇ml以上で、ナイロン等により補強されたもの
c バルーン容量三〇ml以上で、吸引可能な特殊先端形状を有するもの
d 二重バルーンを有するもの
キ 温度センサー機能付きカテーテルは二管に分類されるものとする。
ク 膀胱留置用ディスポーザブルカテーテルは、二四時間以上体内留置した場合に算定できる。
(23) 気管切開後用テフロンチューブ
T型カニューレは、気管切開を行った場合に、気管切開後用テフロンチューブに準じて算定できる。
(24) 人工腎臓用特定保険医療材料
ア 人工腎臓用特定保険医療材料のうち、ダイアライザーとは血液が透析膜を介して潅流液と接することにより血液浄化が行われるものをいい、ヘモフィルターとは潅流液を用いることなく限外濾過により血液浄化が行われるものをいう。
イ ホローファイバー型及び積層型(キール型)ダイアライザーは、膜面積により大別し、さらに、尿素クリアランス、β2―ミクログロブリンクリアランス等に基づき、Ⅰ型及びⅡ型に細分類する。
ウ ヘモフィルターの機能を併せ持つダイアライザーを用いた場合は、ダイアライザーの価格によるものとする。
エ 特定積層型のダイアライザーは、H12ヘモダイアライザー(薬事法承認番号五七B輸第一五〇号)をいう。
オ 吸着型血液浄化器(腎補助用)の対象となる疾患は、急性腎不全(腎前性、腎性)のうち乏尿又は無尿を呈し、血清クレアチニン値五・〇mg/bL以上となり、保存療法に抗するもので多臓器障害の一部症としての発症が明らかに認められるもの又は明らかに多臓器障害を併発していることが診断されたものをいい、単独に用いられ又はダイアライザーと併用された場合において、透析導入から三週間以内七回を限度として算定する。
カ 吸着型血液浄化器(β2―ミクログロブリン除去用)は、リクセル(薬事法承認番号〇六B第三二九号)を、関節痛を伴う透析アミロイド症であって、以下のaからcまでのいずれかの要件も満たしている患者に対して、人工腎臓(血液透析に限る。)を行う際に用いた場合に、初回の使用日から一年を限度として算定する。
また、透析アミロイド症の治癒又は軽快により、一旦使用を終了した後再び疼痛等の症状の出現を認めた場合は、以下のa及びcの要件を満たすことを確認した場合に限り、更に一年を限度として算定できる。三度目以降の使用にあっても同様の取扱いとする。
a 手術又は生検により、β2―ミクログロブリンによるアミロイド沈着が確認されている。
b 透析歴が一〇年以上であり、以前に手根管開放術を受けている。
c 画像診断により骨嚢胞像が認められる。
なお、本材料を使用した場合は、診療報酬明細書の摘要欄に本材料の使用開始日を記載する。
キ 人工腎臓用特定保険医療材料の材料価格には、回路の材料価格が含まれる。
(25) 緊急時ブラッドアクセス留置用カテーテル
緊急時ブラッドアクセス留置用カテーテルは一週間に一本を限度として算定できる。なお、本カテーテルを設置するための手技料は、区分「J〇三八」人工腎臓(一日につき)に含まれるので、別途算定できない。
(26) 血漿交換療法用特定保険医療材料
ア 血漿交換用ディスポーザブル血漿分離器
血漿交換用ディスポーザブル血漿分離器の材料価格には、回路の材料価格が含まれる。
イ 血漿交換用ディスポーザブル血漿成分分離器
a 血漿交換用ディスポーザブル血漿成分分離器とは、二重濾過血漿交換療法に用いられる膜型血漿成分分離器をいう。
なお、劇症肝炎及び薬物中毒の場合にあっては、二重濾過血漿交換療法は実施されることがなく、したがって膜型血漿成分分離器は請求できない。
b 血漿交換用ディスポーザブル血漿成分分離器の材料価格には、回路の材料価格が含まれる。
ウ 血漿交換用ディスポーザブル選択的血漿成分吸着器
a 血漿交換用ディスポーザブル選択的血漿成分吸着器として算定できるのは、以下の各々のものである。
① 劇症肝炎に対して、ビリルビン及び胆汁酸の除去を目的に実施される血漿交換療法において使用されるもの
② 難治性の家族性高コレステロール血症、巣状糸球体硬化症又は閉塞性動脈硬化症に対して実施される血漿交換療法において使用されるもの(LDL吸着器)
③ 重症筋無力症、悪性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、術後肝不全、ギラン・バレー症候群、多発性硬化症又は慢性炎症性脱髄性多発根神経炎に対して実施される血漿交換療法において使用されるもの
b 血漿交換用ディスポーザブル選択的血漿成分吸着器の材料価格には、回路の材料価格が含まれる。
(27) 吸着式血液浄化用浄化器
ア 吸着式血液浄化用浄化器の材料価格には、回路の材料価格が含まれる。
イ 吸着式血液浄化用浄化器(エンドトキシン除去用)は二個を限度として算定できる。
ウ 肝性昏睡又は薬物中毒の際に行う吸着式血液浄化法において血漿分離及び吸着式血液浄化を行う場合、吸着式血液浄化用浄化器(肝性昏睡用又は薬物中毒用)とセットになっているディスポーザブル血漿分離器は吸着式血液浄化用浄化器(肝性昏睡用又は薬物中毒用)として算定して差し支えない。
(28) 白血球吸着用材料
ア 白血球吸着用材料は、血球成分除去に用いる白血球のうち、特に顆粒球・単球を吸着除去する材料をいい、その材料価格には回路に係る費用が含まれる。
イ 白血球吸着用材料は、一日につき一個を限度として算定できる。
(29) 副鼻腔炎治療用カテーテル
ア 副鼻腔炎治療用カテーテルとは、次に掲げる要件を全て満たすものをいう。
a 薬事法承認における「類別」が「器具器械五一医療用嘴管及び体液誘導管」であり、「一般的名称」が「その他のチューブ及びカテーテル」であること。
b 薬事法承認事項において「副鼻腔の排膿、洗浄、薬液注入を行う」及び「前後二つのバルーンにより前鼻孔及び後鼻孔を密栓し、処置用カテーテルを用いて副鼻腔に加減圧を加える」との趣旨がいずれも明記されていること。
イ 副鼻腔炎治療用カテーテルは三本を限度として算定できる。
(30) 副木
ア 副木は、その患者のみの使用で消耗する程度のものに限り算定することができる。他の患者に対し何回も使用し得るもの、又は器具と認められる副木について算定することは認められない。
副木には、矯正包帯などに用いる厚紙などは含まない。
イ クラーメル副子は副木に含まれる。
ウ 下肢のヒール付ギプス包帯を行った場合のヒールは、副木に準じて特定保険医療材料として算定する。
エ クラーメル副子、指アルミ副子については、特定保険医療材料として算定し、外転シーネ、腕関節及び指能動副子については、専門技工家の組立その他複雑な製作を要すると考えられるので療養費払いとする。
オ 区分「K一四四」体外式脊椎固定術の「一」に用いられるハローベストのベスト部分は、その患者のみの使用により消耗する程度のものに限り副木として算定できる。
(31) 骨軟骨欠損補填材料
骨軟骨欠損補填材料は、メディカーブ クリーブランドパッド(薬事法承認番号二〇九〇〇BZY〇〇七三九〇〇〇)を使用した場合に算定できる。
(32) 人工股関節用骨・関節修復及び欠損補綴用人工材料(体内)及び人工膝関節用骨・関節修復及び欠損補綴用人工材料(体内)
ア 人工股関節用骨・関節修復及び欠損補綴用人工材料(体内)及び人工膝関節用骨・関節修復及び欠損補綴用人工材料(体内)は、コンポーネント、材質、表面処理の差異により分類する。
イ 材質は次の区分による。
a 生体用合金(チタン合金、コバルトクロム合金又はステンレス鋼)
b ジルコニアセラミック
c アルミナセラミックス
d HDP
e 生体用合金(チタン合金、コバルトクロム合金又はステンレス鋼であり摺動面に合金を使用)
ウ 生体用合金(チタン合金、コバルトクムロ合金又はステンレス鋼)、アルミナセラミックスにあっては、摺動面にHDPを使用するものを含む。
エ 表面処理は次の区分による。
a 骨新生型(ビーズポーラス、ファイバー・メッシュ、アークデポジット、プラズマスプレー、スポンジメタル、又はレーザーエッチング)
b 表面マクロ加工型(マクロテクスチャー)
c 骨セメント結合型(PMMAコーティング)
d 表面硬化型(イオン処理)
e HAコーティング型(水酸アパタイトコーティング)又はAWガラスセラミックコーティング型
f 無処理
オ バイポーラカップとステムヘッドが組み合わされ一体化されている製品を使用した場合は、それぞれ算定する。
カ 大腿骨ステムが近位部分と遠位部分とに分かれている製品を使用した場合は、一本のステムとして算定する。
キ 価格が設定されていない製品は、原則として悪性腫瘍、再置換等の症例に限って使用できる。この場合には、その他の骨・関節修復及び欠損補綴用人工材料(体内)として認められている特定保険医療材料を使用して差し支えないが、その詳細な理由を診療報酬明細書の摘要欄に明記する。
ク 人工股関節用骨・関節修復及び欠損補綴用人工材料(体内)及び人工膝関節用骨・関節修復及び欠損補綴用人工材料(体内)に併用される部品は、特に規定する場合を除き、所定点数に含まれるものであり、別途特定保険医療材料として算定できない。
ケ モジュラーヘッド(薬事法承認番号〇一B輸第九九二号)は人工骨頭用モノポーラカップ(生体用合金・無処理)として算定する。
(33) 人工股関節・人工膝関節用オプション部品
ア 骨セメント厚均一化部品とは、大腿骨ステム用のセントラライザー、遠位セメントスペーサー若しくは近位スペーサー又は臼蓋カップスペーサーである。
イ 人工股関節用設置適正化部品とは、大腿骨ステム用のスリーブ又はステムチップである。
ウ ボーンプラグには、セメントリストリクターが含まれる。
エ 人工膝関節延長用部品とは、大腿骨コンポーネント用又は脛骨コンポーネント用のステムエクステンダー、エクステンションロッド又はアンカーステムボルトである。
オ 人工膝関節欠損補綴用部品とは、大腿骨コンポーネント用スペーサー、補填ブロック若しくはウェッジ又は脛骨コンポーネント用のウェッジ若しくはブロックウェッジである。
カ 人工関節固定強化部品とは、臼蓋用及び脛骨コンポーネント用のスクリュー及び固定釘である。ただし、固定用内副子であるスクリューを使用した場合は、固定用内副子として算定し、その他の骨・関節修復及び欠損補綴用人工材料(体内)のうちの固定釘を使用した場合は、固定釘として算定する。
キ その他の人工股関節・人工膝関節用オプション部品とは、カップサポートである。
ク 人工股関節・人工膝関節用オプション部品を使用する場合には、その詳細な理由を診療報酬明細書の摘要欄に明記する。
(34) 固定用内副子(スクリュー)
ア 固定用内副子(スクリュー)は、使用部位・構造、材質及びサイズにより分類する。
イ 固定用内副子(スクリュー)は、使用部位・構造により一般、中空及びその他に大別する。
ウ 一般とは、皮質骨用、海綿骨用及び踵骨用をいうものである。
エ 中空とは、スクリューが中空構造を持つものをいうものである。
オ 一般及び中空は、材質により次のように細分類する。
a 生体用合金Ⅰ(チタン、チタン合金)
b 生体用合金Ⅱ(ステンレス、コバルトクロム合金)
c アルミナセラミック
ただし、一般スクリューにおいてのみ評価する。
カ 中空は、サイズにより次のように細分類する。
a 直径六mm未満(S)
b 直径六mm以上(L)
キ その他のスクリューは次のように細分類されるが、請求に当たっては「その他のスクリュー」として差し支えない。
a 頭蓋骨・上下顎骨用
b 両端ネジつき
c 軟骨及び軟部組織用
d アンカリング用
e 圧迫調整固定用(スクリュー自身が圧迫構造を持つもの)
(35) 固定用内副子(プレート)
ア 固定用内副子(プレート)は、使用部位・構造、材質及びサイズにより分類する。
イ 固定用内副子(プレート)は、使用部位・構造によりストレート、有角、骨端用及びその他に大別する。
ウ ストレートには、骨幹部固定用(ブロード、ナロー)、骨延長用、半円及び三分の一円が含まれる。
エ ストレート、有角及び骨端用は、材質により次のように細分類する。
a 生体用合金Ⅰ(チタン、チタン合金)
b 生体用合金Ⅱ(ステンレス、コバルトクロム合金)
オ ストレートは、サイズにより次のように細分類する。
a 長さ一〇〇mm未満(S)
b 長さ一〇〇mm以上(L)
カ 有角プレートとは、一般に長管骨骨端部の骨折等に使用され、その一端が骨内に挿入又は貫通可能なブレード(刃)状の形状である有角のものをいう。
キ U字型プレート(後頭骨を支持する機能を有するものに限る。)は、プレート二枚を組み合わせたものとして算定して差し支えない。
ク その他のプレートは次のように細分類されるが、請求に当たっては「その他のプレート」として差し支えない。
a 頭蓋骨、顔面及び上下顎骨用(星形、メッシュ型及び眼床用を含む。)
b 下顎骨再建用
c 手指用
d 骨盤再建用
e スクリューを使用せず、プレートのみ単独使用するもの
(36) 大腿骨外側固定用内副子
ア 大腿骨外側固定用内副子は、使用部位・構造及び材質により分類する。
イ 大腿骨外側固定用内副子は、使用部位・構造により、つばなしプレート、つばつきプレート、ラグスクリュー、スライディングラグスクリュー及び圧迫固定スクリューに大別する。
ウ つばなしプレート、つばつきプレート、ラグスクリュー、スライディングラグスクリュー及び圧迫固定スクリューは、材質により次のように細分類する。ただし、スライディングスクリューについては、生体用合金Ⅰのみとする。
a 生体用合金Ⅰ(チタン、チタン合金)
b 生体用合金Ⅱ(ステンレス、コバルトクロム合金)
エ スラストプレート人工股関節システム(薬事法承認番号〇七B輸第一一〇一号)を使用して人工股関節置換術を行った場合は、ラグスクリュー(生体用合金Ⅰ)及びつばなしプレート(生体用合金Ⅰ)により算定する。
スラストプレート人工股関節システムを固定するために用いるスクリューは、一般スクリューとして算定できる。
(37) 固定用内副子用ワッシャー、ナット類
ア 固定用内副子用ワッシャー、ナット類は、構造及び材質により分類する。
イ 固定用内副子用ワッシャー、ナット類は、材質により次のように細分類する。
a 生体用合金Ⅰ(チタン、チタン合金)
b 生体用合金Ⅱ(ステンレス、コバルトクロム合金)
c 生体用樹脂(デルリン、ポリアセタール、ポリエチレン)
(38) 脊椎固定用材料
ア 脊椎固定用材料は、使用部位・構造、材質及びサイズにより分類する。
イ 脊椎固定用材料は、使用部位・構造により次のように細分類する。
a 脊椎ロッド
b 椎間調整固定ユニット
c 脊椎プレート
d 椎体フック
e 椎体スクリュー
f 椎体ボルト
g 椎体コネクター
h トランスバース固定器
i 椎体ステープル
j その他
ウ 脊椎固定用材料は、材質により次のように細分類する。
a 生体用合金Ⅰ(チタン、チタン合金)
b 生体用合金Ⅱ(ステンレス、コバルトクロム合金)
エ 脊椎プレート及び椎体スクリューは、頚椎用及び胸・腰椎用により細分類する。
オ その他の脊椎固定用材料は次のように細分類されるが、請求に当たっては「その他の脊椎固定用材料」として差し支えない。
a 椎体ケーブル
b 椎体ワイヤー
c 椎体ワッシャー
d 椎間設置材(ケージ)
カ U字型脊椎ロッドは、脊椎ロッド二本とトランスバース固定器一本を組み合わせたものとして算定して差し支えない。また、レクタングル型脊椎ロッドは、脊椎ロッド二本を組み合わせたものとして算定して差し支えない。
キ 脊椎ロッドと脊椎プレートの機能を併せて持つものについては、主たる機能に係るもののみを算定する。
ク 脊椎ロッドと椎体フックが組み合わされ一体化されたものについては、それぞれ算定して差し支えない。
ケ トランスバース固定器と椎体フックの機能を併せて持つものについては、それぞれ算定して差し支えない。
コ 椎体ケーブルは、超高分子ポリエチレンによるものを含む。
(39) その他の骨・関節修復及び欠損補綴用人工材料(体内)
ア その他の骨・関節修復及び欠損補綴用人工材料(体内)として算定できるのは次のもの(人工股関節用骨・関節修復及び欠損補綴用人工材料(体内)及び人工膝関節用骨・関節修復及び欠損補綴用人工材料(体内)として価格が設定されているものを除く。)である。
a 人工骨頭帽
b 関節挿入膜
c 人工臼蓋
d 人工骨頭
e 人工骨
f 髄内釘
g 人工関節
h 人工耳小骨
i 固定釘
j 固定用金属線
k 固定用金属ピン
l 人工靭帯(膝その他の部位)
m 水酸アパタイト骨補填材料(顆粒、多孔体)、アルミナセラミック人工骨材料(アルミナフィラー、アルミナミニフィラー)、水酸アパタイトセラミック骨補填材料(顆粒、フィラー、多孔体)、α―リン酸三カルシウム、β―リン酸三カルシウム(以下、「水酸アパタイト人工骨材料等」という。)及びコラーゲンセラミックス製補填材料
n 水酸アパタイト人工骨材料等の人工椎体材料(棘間ブロック及び人工椎弓を含む。)、腰椎スぺーサ、頚椎スペーサ、トルコ鞍プレート、眼窩底スペーサ、頭蓋骨材料、後頭蓋窩プレート、バーホールキャップ、バーホールボタン、下顎骨補綴材、外耳道後壁補綴材及び腸骨スペーサ
o キールボン
p 骨セメント
q クラニオプラスチックキット
r 水酸アパタイト人工骨の喉頭・気管形成材料
s ガラスセラミック腸骨スペーサ
t 合成吸収性骨片接合材料
イ 左記の各々の場合については、その他の骨・関節修復及び欠損補綴用人工材料として算定できる。
a 水酸アパタイト骨補填材料(顆粒、多孔体)、アルミナセラミック人工骨材料(アルミナフィラー、アルミナミニフィラー)、水酸アパタイトセラミック骨補填材料(顆粒、フィラー、多孔体)、α―リン酸三カルシウム及びβ―リン酸三カルシウムについては、骨髄炎、骨・関節感染症、慢性関節疾患、代謝性骨疾患、外傷性骨疾患若しくは骨腫瘍の病巣掻爬後の補填に用いた場合、これらの疾患の治療のために自家骨移植を行った結果その欠損部位の補填を目的として使用した場合、頭蓋欠損部若しくは骨窓部の充填に使用した場合又は鼓室形成術に使用した場合、また、コラーゲンセラミックス製補填材料については、新鮮な長管骨の骨折で骨欠損の著しい場合において、欠損部位の補填に使用した場合
b 水酸アパタイト人工骨材料等の人工椎体材料(棘間ブロック及び人工椎弓を含む。)、腰椎スペーサ及び頚椎スペーサについては、原発性脊椎悪性腫瘍若しくは悪性腫瘍の脊椎転移後の際の脊椎固定又は脊椎症、椎間板ヘルニア若しくは脊椎分離・すべり症に対する脊椎固定を行う場合
c 水酸アパタイト人工骨材料等のトルコ鞍プレートについては、下垂体又は視床下部の腫瘍摘除の結果としてトルコ鞍の欠損部補填を行う場合
d 水酸アパタイト人工骨材料等の眼窩底スペーサについては、眼窩床骨折整復を行う場合
e 水酸アパタイト人工骨材料等の下顎骨補綴材については、下顎骨腫瘍又は下顎骨外傷の治療として欠損補填を行う場合
f 水酸アパタイト人工骨材料等の腸骨スペーサ及びガラスセラミック腸骨スペーサについては、腸骨陵を移植骨として採取した後の欠損補填を行う場合
g キールボンについては、骨移植に使用した場合
h 骨セメントについては、人工関節(股関節、膝関節)置換術を行う際の固定を目的として用いた場合
ウ ガラスセラミック人工骨材料は、アルミナセラミック人工骨材料に準じて算定する。
(40) 人工硬膜
ゴアテックスEPTFEパッチⅡ(薬事法承認番号六〇B輸第一八〇号)は、人工硬膜として算定する。
(41) 脳深部又は脊髄刺激装置用受信器(八極用)
脳深部又は脊髄刺激装置用受信器(八極用)は、疼痛部位が広範囲であるか又は点在する場合であって、脳深部刺激装置用受信器(四極用)又は脊髄刺激装置用受信器(四極用)一台による治療では疼痛緩和が困難な場合に限り算定できる。
(42) 埋込型脳・脊髄電気刺激装置(四極用)
ア 埋込型脳・脊髄電気刺激装置(振戦軽減用)は、パーキンソン病又は本態性振戦に伴う薬物療法によって十分な治療効果の得られない振戦等の症状の軽減を目的とした、脳・脊髄電気刺激装置植え込み術に用いる脳に電気刺激を与える材料であり、一回の手術に対し一個を限度として算定できる。
イ 埋込型脳・脊髄電気刺激装置の交換に係る費用は、破損した場合等においては算定できるが、単なる機種交換等の場合は算定できない。
(43) 脳波測定用頭蓋内電極
脳波測定用頭蓋内電極とは、次に掲げる要件を全て満たすものをいう。
ア 薬事法承認における類別が「器具器械二一内蔵機能検査用器具」であり、一般的名称が「脳波計電極」若しくは「その他の脳波計及び関連機器」であること。
イ 薬事法承認事項として、「脳波測定を目的として、頭蓋内に留置若しくは刺入する電極である」との趣旨が明記されていること。
ウ 硬膜下電極(Ⅰ)とは、脳波測定用頭蓋内電極のうち、脳表に留置するものであり、電極数が一〇極以下のものをいう。
エ 硬膜下電極(Ⅱ)とは、脳波測定用頭蓋内電極のうち、脳表に留置するものであり、電極数が一一極以上のものをいう。
オ 深部電極とは、脳波測定用頭蓋内電極のうち、脳実質内に刺入するものをいう。
(44) 角膜
角膜は、角膜提供者について、HBs抗原検査、梅毒脂質抗原使用検査(定性)、HCV抗体検査、HIV―一/二抗体及びHTLV―一抗体検査を行い、かつ角膜移植によるクロイツフェルト・ヤコブ病の感染の発生防止のため、痴呆や原因不明の中枢神経症状等の有無等に関する病歴等を把握した場合のみ算定できるものとする。
(45) 人工内耳用材料
ア 人工内耳用材料はコクレア・インプラント(薬事法承認番号〇三B輸第六〇号)、N二四システム(薬事法承認番号二一一〇〇BZY〇〇四六四〇〇〇)及びクラリオン人工内耳システム(薬事法承認番号二一一〇〇BZY〇〇四六六〇〇〇)を用いた場合に算定できる。
イ 人工内耳用ヘッドセットには、マイクロフォン、送信コイル及び接続ケーブルが含まれる。
ウ 人工内耳用材料の交換に係る費用は、破損した場合等においては算定できるものとするが、単なる機種の交換等の場合は算定できない。
エ N二四システムの人工内耳用音声信号処理装置については、携帯型及び耳掛け型のいずれか一方を選択し算定できる。
なお、耳掛け型を選択した場合は、人工内耳用音声信号処理装置及び人工内耳用ヘッドセットの材料価格を合算して算定する。
(46) 上顎全摘又は部切後のプロテーゼ(口蓋裂用プロテーゼを含む。)
鼻孔プロテーゼは、上顎全摘又は部切後のプロテーゼ(口蓋裂用プロテーゼを含む。)として算定できる。
(47) 気管・気管支ステント
気管・気管支ステントは、デューモンチューブ(薬事法承認番号〇三B輸第二五〇号)、ジャイアントルコ気管・気管支用Zステント(薬事法承認番号〇八B輸第四三四号)、気管用スパイラルZステント(薬事法承認番号二〇九〇〇BZZ〇〇六五六〇〇〇)又はウルトラフレックス気管・気管支用ステント(薬事法承認番号二〇九〇〇BZY〇〇四三六〇〇〇)を使用した場合に算定できる。ただし、一回の手術に対し一個を限度として算定する。
(48) 食道用ステント
食道用ステントは、ウルトラフレックス食道用ステント(薬事法承認番号〇七B輸第一五八号)、ウォールステント ユニステップ プロステーゼ(薬事法承認番号〇七B輸第四九八号)、ジャイアントルコ・ロッシュ食道カバードZステント(薬事法承認番号〇七B輸第一〇〇一号)、ウォール ステント テレステップ(薬事法承認番号〇七B輸第六二三号)、ウルトラフレックス食道用 カバードステント(薬事法承認番号〇八B輸第五二五号)又は食道用ウォールステント(薬事法承認番号二〇九〇〇BZY〇〇五二八〇〇〇)を使用した場合に算定できる。ただし、一回の手術に対し一個を限度として算定する。
(49) 内視鏡的食道静脈瘤結紮セット
ア 内視鏡的食道静脈瘤結紮セットは、デバイス(ワイヤー、アダプター及びリング)及びオーバーチューブの組み合わせにより構成されており、デバイスによって単発式と連発式に大別する。
イ 実際に使用したセット数にかかわらず、一日につき一個のみ算定する。
ウ オーバーチューブの費用は当該価格に含まれる。
(50) 組織代用人工繊維布
ア ペリカーディアム(薬事法承認番号五八B輸第四七三号)、ウマ心のう膜パッチ(薬事法承認番号六三B輸第四四一号)、シェルハイノーリアクトパッチ(薬事法承認番号一六二〇〇BZY〇〇二八三〇〇〇)、ティッシュガード(薬事法承認番号〇八B輸第六六号)、ペリカーディアルパッチ(薬事法承認番号六二B輸第三五二号)、メディフィットフェルト(薬事法承認番号〇三B第四〇一号)、ネオベール(薬事法承認番号〇四B第三二二号)、ミードックストレレックスメッシュ(薬事法承認番号〇七B外第六号)、ペリストリップス(薬事法承認番号〇八B輸第八八号)及び合成吸収性癒着防止材(酸化再生セルロース、ヒアルロン酸ナトリウム及びカルボキシメチルセルロースを材質とするものに限る。)は組織代用人工繊維布として算定できる。
イ 左記のそれぞれの場合において組織代用人工繊維布として算定できる。
a ペリカーディアム及びウマ心のう膜パッチについては、いずれも開心根治術の場合
b メディフィットフェルトについては、手術中の縫合部の補強及び血液・空気漏れの防止を行った場合
c ネオベールについては、胸部外科手術中の縫合部位組織の補強及び空気漏れの防止を行った場合
d 合成吸収性癒着防止材は、以下の材質のものであって女子性器手術後の卵管及び卵管采の通過・開存性の維持を目的として使用した場合
① 酸化再生セルロース
② ヒアルロン酸ナトリウム及びカルボキシメチルセルロース(潰瘍性大腸炎、家族性ポリポーシス、クローン病、憩室炎等の炎症性腸疾患に対する手術及び癒着剥離と腸管切除を伴うイレウス手術の際に癒着防止を目的として使用した場合に二枚を限度として算定できる。)
e ミードックストレレックスメッシュについては、鼠径ヘルニア、切開創ヘルニア、大腿ヘルニア等のヘルニア門の補強又は胸壁若しくは腹壁欠損部の補綴に使用した場合
f ペリストリップスについては、巨大ブラを合併しない、Hugh―JonesⅢ度以上の肺気腫症例において、ボリュームリダクションサージェリー(肺容積縮小手術)を行った場合
(51) 乾燥死体筋膜
乾燥死体筋膜は、自家組織と併用した場合のみ算定できるものとする。なお、乾燥死体筋膜とは、溶媒法による乾燥方法によるものをいう。
(52) 皮膚欠損用一時的緊急被覆材
ア 従前皮膚欠損用一時的緊急被覆材(Ⅰ型)とされていた主として創面保護を目的とする被覆材の費用は、当該材料を使用する手技料の所定点数に含まれており、別途算定できない。
イ 主として創傷の治癒の促進を目的とする以下の被覆材は、皮膚欠損用一時的緊急被覆材(Ⅱ)として算定できる。
a メイパック(薬事法承認番号五八B第五六〇号)
b バイオブレン(薬事法承認番号五九B輸第五六八号)
c デュオアクティブ(薬事法承認番号六一B輸第三四四号)
d レミダーム(薬事法承認番号六一B輸第三四四号)
e ベスキチンW(薬事法承認番号六一B第七八三号)
f ベスキチンF(薬事法承認番号六二B第七六八号)
g アルサードレッシング(薬事法承認番号〇二B輸第五八九号)
h ゼメックスエピキュール(薬事法承認番号〇二B第一五四七号)
i アクチダームS(薬事法承認番号〇三B輸第四〇二号)
j コムフィール(薬事法承認番号〇四B輸第七六六号)
k カルトスタット(薬事法承認番号〇四B輸第一〇三七号)
l デカソープ創傷用ドレッシング(薬事法承認番号〇五B輸第四六九号)
m ウレザックC(薬事法承認番号〇六B第六八一号)
n アブソキュアーウンド(薬事法承認番号〇六B第一〇七八号)
o バイオコロイド(薬事法承認番号〇六B第一〇七八号)
p ニュージェル(薬事法承認番号〇六B輸第一〇一五号)
q デュオアクティブCGF(薬事法承認番号〇六B輸第八三七号)
r ジェリパーム(薬事法承認番号〇六B輸第一〇一四号)
s ソーブサン(薬事法承認番号〇七B輸第一七九号)
t クリアサイト(薬事法承認番号二〇八〇〇BZG〇〇〇八四〇〇〇)
u デュオアクティブET・デュオアクティブETスポット(薬事法承認番号〇七B輸第一八一号)
v ハイドロサイト(薬事法承認番号〇七B輸第九五八号)
w テガソーブ ライト ハイドロコロイド ドレッシング(薬事法承認番号二〇八〇〇BZY〇〇七四七〇〇〇)
x テガソーブ ハイドロコロイド ドレッシング(薬事法承認番号二〇九〇〇BZY〇〇〇三〇〇〇〇)
y ミカキュア(薬事法承認番号二〇八〇〇BZZ〇〇八〇六〇〇〇)
z キュティノバ・ハイドロ(薬事法承認番号〇八B輸第一五一号)
aa ベスキチンW―A(薬事法承認番号〇七B第六七二号)
ab アブソキュアーサジカル(薬事法承認番号〇八B第五七二号)
ac アルゴダーム(薬事法承認番号〇七B輸第六一一号)
ad ハイドロサイト・キャビティ(薬事法承認番号〇八B輸第三二六号)
ae グラニュゲル(薬事法承認番号二一〇〇〇BZY〇〇〇六七〇〇〇)
af イントラサイト ジェル システム(薬事法承認番号二一〇〇〇BZY〇〇三五八〇〇〇)
ag クラビオAG(薬事法承認番号二一一〇〇BZZ〇〇〇四一〇〇〇)
ウ 皮膚欠損用一時的緊急被覆材については、いずれも二週間を標準として、特に必要と認められる場合については三週間を限度として算定できる。また、同一部位に対し複数の皮膚欠損用一時的緊急被覆材(Ⅱ)を用いた場合は、主たるもののみ算定する。
エ 皮膚欠損用一時的緊急被覆材として算定できるのは、左記の各々の場合である。
a デュオアクティブ、レミダームについては、下腿潰瘍、褥瘡、表皮欠損を伴うⅡ度熱傷、採皮創、皮膚剥削創又は外傷性皮膚欠損症の場合
b アクチダームSについては、尋常性乾癬の保護及び治癒を促進させるために使用した場合
なお、貼付のための手技料は区分「JO五三」皮膚科軟膏処置により算定する。
c コムフィールについては、下腿潰瘍、褥瘡、Ⅱ度熱傷、採皮創、皮膚剥削創又は外傷性皮膚欠損症の場合
d カルトスタットについては、組織損傷部位に対して、肉芽形成の促進、表皮形成の促進、止血の促進又は摩擦等による疼痛の軽減を目的として使用した場合
e デガソーブ創傷用ドレッシングについては、褥瘡等の軽度の皮膚潰瘍又はⅡ度熱傷等の各種皮膚一時欠損創の創部保護及び治癒を促進するために使用する場合
f ウレザックCについては、Ⅱ度熱傷、採皮創又は外傷性皮膚欠損創における治癒の促進を目的として使用した場合
g アブソキュアーウンド及びバイオコロイドについては、皮膚潰瘍(褥瘡、下腿潰瘍、外傷性潰瘍、熱傷潰瘍等)、採皮創又は皮膚剥削創の創部保護及び治癒の促進を目的として使用した場合
h ニュージェルについては皮膚潰瘍(熱傷、血管障害性潰瘍、褥瘡)、採皮創、皮膚剥削創又は外傷性皮膚欠損創の創部保護及び治癒の促進を目的として使用した場合
i デュオアクティブCGFについては皮膚潰瘍(褥瘡、下腿潰瘍、糖尿病患者における潰瘍及び外傷に起因する潰瘍を含む。)、Ⅱ度熱傷又は採皮創における創部保護及び治癒の促進を目的として使用した場合
j ジェリパームについては、採皮創、外傷性皮膚欠損症、Ⅱ度熱傷又は褥瘡における創部の保護を目的として使用した場合
k ソーブサンについては、皮膚潰瘍(褥瘡、糖尿病性潰瘍、熱傷潰瘍、外傷に起因する潰瘍を含む。)、皮膚剥削創、外傷性皮膚欠損症又は採皮創に対して使用した場合(採皮創については、四種類の形状のうちフラット(平面フラット型)又はプラス(二次ドレッシング一体型)のいずれかを使用した場合)
l クリアサイトについては、褥瘡における創部の保護及び治癒の促進を目的として使用した場合
m デュオアクティブET・デュオアクティブETスポットについては、褥瘡における創部の保護及び治癒の促進を目的として使用した場合
n ハイドロサイトについては、褥瘡、Ⅱ度熱傷、採皮創又は外傷性皮膚欠損創に対して使用した場合
o テガソーブ ライト ハイドロコロイド ドレッシングについては、外傷性皮膚欠損創(採皮創、擦過傷、浅いⅡ度熱傷)及び褥瘡に対して使用した場合
p テガソーブ ハイドロコロイド ドレッシングについては、外傷性皮膚欠損創(採皮創、Ⅱ度熱傷)及び褥瘡に対して使用した場合
q ミカキュア(スリットを有する型)については、熱傷、外傷性皮膚欠損創、褥瘡及び下腿潰瘍に対して使用した場合、ミカキュア(スリットを有しない型)については、採皮創に対して使用した場合
r キュティノバ・ハイドロについては、褥瘡及び下腿潰瘍に対して使用した場合
s ベスキチンW―Aについては、Ⅱ度熱傷、採皮創及び褥瘡に対して使用した場合
t アブソキュアーサジカルについては、軽度・中等度の外傷性潰瘍、軽度・中等度の外傷性皮膚欠損症及び浅いⅡ度熱傷に対して使用した場合
u アルゴダームについては、Ⅱ度熱傷、採皮創、皮膚潰瘍(褥瘡、下腿潰瘍等を含む)に対して使用した場合
v ハイドロサイト・キャビティについては、Daniel分類によるⅢ度(皮下組織に達するもの)又はⅣ度(骨に達するもの)の褥瘡(Ⅴ度(体腔・関節内に及ぶもの)の褥瘡を除く。)に対して使用した場合
w グラニュゲルについては、皮膚潰瘍(褥瘡、下腿潰瘍を含む。)に対して使用した場合
x イントラサイト ジェル システムについては、褥瘡、下腿潰瘍及びⅡ度熱傷に対して使用した場合
y クラビオAGについては、外傷性皮膚欠損創、採皮創、Ⅱ度熱傷、皮膚潰瘍(褥瘡、下腿潰瘍を含む。)に対して使用した場合
(53) 真皮欠損用グラフト
ア 以下のものは真皮欠損用グラフトとして算定できる。
a テルダーミス真皮欠損用グラフト(薬事法承認番号〇四B第四〇六号)
b ペルナック(薬事法承認番号〇五B第五〇一号)
イ 真皮欠損用グラフトについては、一局所に二回を限度として算定する。
なお、縫縮可能な小さな創に用いた場合は算定できない。
ウ 真皮欠損用グラフトとして算定できるのは、以下の場合である。
a テルダーミス真皮欠損用グラフトについては、口蓋裂手術創の口腔粘膜欠損の修復に用いた場合又は熱傷、外傷、手術創の骨、腱、筋肉等が露出した重度の真皮・軟部組織欠損創の修復に用いた場合
b ペルナックについては、熱傷、外傷、手術創の骨、腱、筋肉等が露出した重度の真皮・軟部組織欠損創の修復に用いた場合
(54) 非固着性シリコンガーゼ
ワセリンエマルジョンをコーティングしたガーゼについては、創傷処置又は術後創傷処置の場合に限り、非固着性シリコンガーゼに準じて算定できる。
(55) ゼラチンスポンジ止血材
ゼラチンスポンジ止血材については痔疾患術後における直腸肛門部の止血のために用いた場合に算定できる。
(56) デキストラノマー
デキストラノマーは、下腿潰瘍、第Ⅱ度熱傷、第Ⅲ度熱傷若しくは消化管瘻周囲皮膚炎の浸出性創面、褥瘡又は術創に対して、二週間(改善傾向が明らかな場合は、三週間)を限度として算定できる。
(57) 微線維性コラーゲン
ア 微線維性コラーゲンは、肝、膵、脾、脳、脊髄の実質性出血及び硬膜出血並びに脊椎・脊髄手術における硬膜外静脈叢・硬膜近傍骨部、大動脈切開縫合吻合部(人工血管を含む。)、心臓切開縫合閉鎖部、心臓表面、ACバイパス吻合部、胸骨断面、肺切離面、胸膜剥離面及び縦隔リンパ節郭清部、関節手術における骨切り面、子宮実質、膀胱・骨盤内腹膜・直腸剥離面、傍大動脈リンパ節郭清部、骨盤内リンパ節郭清部、骨盤底又は骨盤壁からの出血で、結紮、レーザーメス又は通常の処置による止血が無効又は実施できない場合において、止血に使用する。
イ 微線維性コラーゲンには、粉末状のもの及びシート状のものが含まれる。
ウ ゼラチン止血・接着剤は微線維性コラーゲンとして算定する。
この場合、解離性大動脈瘤の解離腔、大動脈切開縫合吻合部(人工血管を含む。)、ACバイパス吻合部又は肺若しくは肝切離面に対し、結紮、レーザーメス又は通常の処置による止血・閉鎖が無効又は実施できない場合において、止血・閉鎖のために使用した場合に算定できる。
(58) 経皮的冠動脈形成術用穿刺部止血材料は、経皮的冠動脈形成術、経皮的冠動脈血栓切除術、経皮的冠動脈形成術(高速回転式経皮経管アテレクトミーカテーテルによるもの)又は経皮的冠動脈ステント留置術を実施した患者の日帰り又は早期退院を目的とした大腿動脈穿刺部位の止血に用いる材料であり、七Fr以上九Fr未満のイントロデューサーシースを使用した症例であって、当該患者が手術の翌日までに帰宅した場合に限り一セットについてのみ算定できる。
ただし、手術後一週間以内に入院した場合は算定できない。
(59) ポリビニールホルマール等充填術使用材料
主として眼球内容除去術後又は眼球摘出後の組織欠損充填の目的で使用する人工脂肪は、ポリビニールホルマール等充填術使用材料に準じて扱い、特定保険医療材料として算定して差し支えない。
(60) シャントバルブ
腹腔・静脈シャントバルブ及び胸腔・腹腔シャントバルブは、シャントバルブとして算定できる。
(61) ペースメーカー用カテーテル電極
ア ペースメーカー用カテーテル電極には、アダプターが含まれる。
イ 救急処置として体表面ペーシング法を行う場合に用いられるディスポーザブル電極は、ペースメーカー用カテーテル電極に準じて算定できる。
(62) 埋込型除細動器
埋込型除細動器は、Ⅱ型(Ⅲ型以外のもの)及びⅢ型(除細動放電パルスが二相性であって、除細動器本体が除細動用電極の機能を有し、胸部植え込み可能なもの)に分類する。
(63) ディスポーザブル人工肺
ア ディスポーザブル人工肺は、構造、材質、付属品等により分類する。
イ 膜型肺
a 体外循環型(シリコンⅠ)は、ガス交換部、ガス交換部と一体になっている熱交換器、リザーバー及びフィルターを有するものをいう。
b 体外循環型(シリコンⅡ)は、ガス交換部、ガス交換部と一体になっている熱交換器及びリザーバーを有するものをいう。
c 体外循環型(ポリプロピレンⅠ)は、ガス交換部、ガス交換部と一体になっている熱交換器、リザーバー及びフィルターを有するものをいう。
d 体外循環型(ホリプロピレンⅡ)は、ガス交換部、ガス交換部と一体になっている熱交換器及びリザーバーを有するものをいう。
e 体外循環型(ポリプロピレンⅢ)は、ガス交換部及びガス交換部と一体になっている熱交換器を有するものをいう。
f 体外循環型(ポリプロピレンⅣ)は、ガス交換部を有するものをいう。
g 体外循環型(ポリプロピレンⅤ)は、ガス交換部及びガス交換部と一体になっている熱交換器を有し、ヘパリン処理してあるものをいう。
h 体外循環型(ポリプロピレンⅥ)は、ガス交換部、ガス交換部と一体になっている熱交換器、リザーバー及びフィルターを有し、ガス交換部及びガス交換部と一体になっている熱交換器がヘパリン処理してあるものをいう。
i 体外循環型(ポリプロピレンⅦ)は、ガス交換部を有し、ヘパリン処理してあるものをいう。
j 体外循環・補助循環型(シリコンⅠ)は、ガス交換部、ガス交換部と一体になっている熱交換器を有するものであって、小児用及び乳幼児用以外のものをいう。
k 体外循環・補助循環型(シリコンⅡ)は、ガス交換部、ガス交換部と一体になっている熱交換器を有するものであって、小児用のものをいう。
l 体外循環・補助循環型(シリコンⅢ)は、ガス交換部、ガス交換部と一体になっている熱交換器を有するものであって、乳幼児用のものをいう。
m 体外循環・補助循環型(シリコンⅣ)は、ガス交換部を有するものであって、小児用のものをいう。
n 体外循環・補助循環型(シリコンⅤ)は、ガス交換部を有するものであって、乳幼児用のものをいう。
ウ フィルターとは、サクション、ベント用のフィルターである。
(64) 遠心式体外循環用血液ポンプ
遠心式体外循環用血液ポンプは、人工心肺回路セットに併用される場合、胸部若しくは胸腹部の大動脈瘤手術時における病変部大動脈の一時的バイパスを行う場合又は経皮的心肺補助法(PCPS)を行う場合に算定できる。
(65) 体外循環用カニューレ
ア 体外循環用カニューレは、使用目的、使用方法及び付加機能によって分類する。
イ 付加機能のうち評価する機能は、強化(送脱血カニューレにおいてのみ評価する。)及び生体適合性である。生体適合性とは、ヘパリンコーティング及び抗血栓性セグメント化ポリウレタンをいう。
また、付加機能のうち評価しない機能は、密封・固定、圧モニター及びベント(心筋保護カニューレにおけるもの)である。
(66) 人工心肺回路
人工心肺と同時に行われた選択的冠潅流の際の回路については、人工心肺回路として算定できる。
(67) バルーンパンピング用バルーンカテーテル
ア 一般用末梢循環温存型は、シースレス、穴あきシース及びピールアウェイシースのものをいう。
イ 一般用センサー内蔵型は、圧センサーを内蔵しているものをいう。
ウ 一般用標準型は、右記ア、イ及び小児用以外のものをいう。
(68) 補助人工心臓セット
ア 補助人工心臓セットは補助人工心臓血液ポンプ(薬事法承認番号〇二B第三三号又は〇二B第三五号)を用いた場合に算定できる。
イ 補助人工心臓セットには、補助人工心臓血液ポンプ、送血用カニューレ、脱血用カニューレ、駆動用チューブ、心房カフ、スキンカフ、タイバンド及びシリコン栓が含まれる。
ウ 補助人工心臓セットは左心補助、右心補助についてそれぞれ一個を限度として算定できる。
(69) 心臓手術用カテーテル
ア 心臓手術用カテーテルに併用されるガイドワイヤー等特定保険医療材料は別途算定する。
イ 特定保険医療材料以外の保険医療材料であって心臓手術用カテーテルに併用されるもの(三方活栓、延長チューブ、インデフレーター等)は算定できない。
ウ 経非的冠動脈形成術用カテーテル
a 経皮的冠動脈形成術用カテーテルは、構造、使用法等により大分類の上、さらに耐圧性、操作性、簡便性、パーフュージョン機能の有無、新規性等を総合的に勘案して、一般型にあっては三クラスに、特定型にあっては二クラスに細分する。
b 経皮的冠動脈形成術用カテーテルにおける特定型とは、使用頻度の少ない用途に使用されるロング型(バルーン長三〇mm以上のもの)、ショート型(バルーン長一五mm未満のもの)及びラージバルーン型(径四・五mm以上のもの)をいう。
c 経皮的冠動脈形成術用カテーテルの各分類の後に付した括弧内のローマ数字は、右記aのクラスを示すものである。
d フィックスドワイヤー型特定は、クラスⅠに相当する。
e マルチプル型一般は、クラスⅡに相当する。
エ 冠動脈狭窄部貫通用カテーテル
冠動脈狭窄部貫通用カテーテルは慢性完全狭窄症例や冠動脈完全閉塞の急性心筋梗塞等ガイドワイヤー通過困難な症例において、経皮的冠動脈形成術の施行時にインターパス(薬事法承認番号〇七B第一一二八号)又はマルチファンクショナル プロビングカテーテル(薬事法承認番号二〇七〇〇BZY〇〇五〇三〇〇〇)を使用した場合に算定できる。
オ 冠動脈用ステントセット
冠動脈用ステントセットは、パルマッツーシャッツステント(薬事法承認番号〇五B輸第七八号)、ウィクターステント(薬事法承認番号〇七B輸第三八七号)、ジャイアントルコ・ルービン・フレックス・ステント(薬事法承認番号〇七B輸第一二〇三号)、コーディスコロナリーステント(薬事法承認番号二〇九〇〇BZY〇〇〇二九〇〇〇)、ACS MULTI―LINK コロナリーステントシステム(薬事法承認番号二〇九〇〇BZY〇〇四三三〇〇〇)、マイクロステント(薬事法承認番号二〇九〇〇BZY〇〇五二二〇〇〇)、ニアーステント(薬事法承認番号二一〇〇〇BZY〇〇六一六〇〇〇)、パルマッツーシャッツクラウン ステント(薬事法承認番号二一一〇〇BZY〇〇二〇〇〇〇〇)又はテルモステント(薬事法承認番号二一一〇〇BZZ〇〇三三七〇〇〇)を使用した場合に算定できる。
カ アテレクトミーカテーテル
a アテレクトミーカテーテルには、アテレクトミーカテーテルの他、同時に使用されるモータードライブユニット等が含まれる。
b 高速回転式経皮経管アテレクトミーカテーテルは、ロータブレーター(薬事法承認番号二〇九〇〇BZY〇〇三五六〇〇〇)を使用した場合に算定できる。なお、ローターブレーターにはアドバンサーが含まれる。
c アテレクトミーカテーテル(Ⅰ)は、コロナリーアテレクトミーカテーテルシステム(薬事法承認番号〇四B輸第七四一号)のCタイプを使用した場合に算定できる。
d アテレクトミーカテーテル(Ⅱ)は、コロナリーアテレクトミーカテーテルシステム(薬事法承認番号〇四B輸第七四一号)のEXタイプを使用した場合に算定できる。
e TECアテレクトミーシステム(薬事法承認番号〇六B輸第八七八号)については、アテレクトミーカテーテル(Ⅰ)として算定できる。なお、TECアテレクトミーシステムには、カッターカテーテル、止血弁及びドライブユニット(電源を含む。)が含まれる。
キ 経皮的冠動脈形成術用カテーテル用ガイディングカテーテル
a 経皮的冠動脈形成術用カテーテル用ガイディングカテーテルは、標準型及び特定型に大別する。特定型とは九Fr以上のものをいい、標準型とは特定型以外のものをいう。
b 標準型にあっては、安全性、操作性及び通過性の観点から、Distal Soft Tip機能、シャフト外径のレベルごとのシャフト内径外径比、シャフト補強の有無、カテーテル表面の潤滑性の有無及びカテーテル内面の潤滑性の有無を総合的に勘案して、二クラスに細分類する。
(70) 血管内手術用カテーテル
ア 経皮的脳血管形成術用カテーテル
経皮的脳血管形成術用カテーテルは、頭蓋内血管の経皮的形成術に使用した場合に算定できる。
イ 経皮的血栓切除術用カテーテルセットには、経皮的血栓切除術用カテーテルの他、同時に使用されるモータードライブユニット等が含まれる。
ウ 経皮的血栓切除術用カテーテルセット(Ⅰ)は、アテレクトミーカテーテル/末梢血管用(薬事法承認番号〇二B輸第五八八号)を使用した場合に算定できる。
エ 経皮的血栓切除術用カテーテルセット(Ⅱ)は、アテロトラックカテーテル/末梢血管用(薬事法承認番号〇三B輸第八七二号)を使用した場合に算定できる。
オ 経皮的血栓切除術用カテーテルセット(Ⅲ)は小血管用アテロカテ(薬事法承認番号〇三B輸第八七二号)を使用した場合に算定できる。
カ 末梢血管用ステントセットは、パルマッツステント(薬事法承認番号〇八B輸第三〇五号)又はイリアックウォールステント(薬事法承認番号二〇九〇〇BZY〇一〇四九〇〇〇)を使用した場合に算定できる。
キ 下大静脈留置フィルターセット
a 下大静脈留置フィルターセットはグリーンフィールド・ビナケーバ・フィルター(薬事法承認番号六三B輸第一一四九号)、セルサ VENA CAVA フィルター システム(薬事法承認番号〇六B輸第三一九号)、Bard サイモン ニチノール フィルター(薬事法承認番号〇八B輸第六一一号)、バーズネスト下大静脈フィルターセット(薬事法承認番号六二B輸第一八一号)又はアンテオフィルター(薬事法承認番号〇八B輸第六一〇号)を使用した場合に算定できる。
b 下大静脈留置フィルターセットには、フィルター、フィルター・デリバリー・カテーテル、ガイドワイヤー、ダイレーター、シース、ローディング・コーン及びローディング・ツールが含まれる。
c 留置後抜去することを前提としたテンポラリー下大静脈留置フィルターは算定できない。
(71) 胆道結石・腎尿管結石除去用カテーテル
胆道結石・腎尿管結石除去用カテーテルとは、次のものをいう。
ア 胆道結石を除去する場合に用いるバスケットワイヤーカテーテル及びフォガティカテーテル
イ 経皮的に腎尿管結石を除去する場合に用いるバスケットワイヤーカテーテル
ウ 経尿道的に尿管結石を除去する場合に用いるバスケットワイヤーカテーテル
(72) 尿路結石破砕装置用ピンハンマー