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[新生児加算] 65点×1.3 +65点×1.3 ×0.5×2=169 点

[乳幼児加算] 65点×1.15+65点×1.15×0.5×2=149.5点→(四捨五入)→ 150点

(8) 脳室撮影は、「注3」の脳脊髄腔造影剤使用撮影に準じて算定する。

(9) 児頭骨盤不均衡特殊撮影(側面撮影及び骨盤入口撮影後、側面、骨盤入口撮影のフィルムに対し、特殊ルーラー(計測板)の重複撮影を行う方法をいう。)は、区分「E001」写真診断の「2」+区分「E002」撮影の「2」+区分「E400」フィルムにより算定する。

(10) ギネコグラフィー検査は次により算定する。

ア 気腹骨盤内造影法による検査

区分「E001」写真診断の「3」+区分「E002」撮影の「3」+区分「E400」フィルム

イ 子宮卵管造影法による検査

区分「E001」写真診断の「3」+区分「E002」撮影の「3」+区分「E003」造影剤注入手技の「6」の「ロ」+区分「E400」フィルム+区分「E300」薬剤

ウ 気腹骨盤内造影法と子宮卵管造影法の併用による検査

区分「E001」写真診断の「3」+区分「E002」撮影の「3」+区分「E003」造影剤注入手技の「6」の「ロ」+区分「E400」フィルム+区分「E300」薬剤+区分「J010」腹腔穿刺

E003 造影剤注入手技

(1) 造影剤注入手技料は、造影剤使用撮影を行うに当たって造影剤を注入した場合に算定する。ただし、同一日に点滴注射を算定した場合は造影剤注入手技による所定点数は重複して算定できない。

(2) 「3」の動脈造影カテーテル法及び「4」の静脈造影カテーテル法とは、脈管造影用カテーテルを用いて行った造影剤注入手技をいう。

(3) 選択的血管造影加算

ア 「3」の「(注)」に掲げる選択的血管造影加算は、主要血管である総頚動脈、椎骨動脈、鎖骨下動脈、気管支動脈、腎動脈、腹部動脈(腹腔動脈、上及び下腸間膜動脈をも含む。)、骨盤動脈又は各四肢の動脈の分枝血管を選択的造影撮影した場合、分枝血管の数にかかわらず1回に限り算定できる。

イ 総頚動脈、椎骨動脈、鎖骨下動脈、気管支動脈及び腎動脈の左右両側をあわせて造影した場合であっても一連の主要血管として所定点数は1回に限り算定する。

(4) 静脈造影カテーテル法は、副腎静脈、奇静脈又は脊椎静脈に対して実施した場合に算定できる。

(5) メトラのゾンデによる気管支カテーテル法を行った場合は、「5」の「イ」により算定する。

(6) 「6」の「イ」注腸を実施する際の前処置として行った高位浣腸の処置料は所定点数に含まれ、別途算定できない。

(7) 「6」の「ロ」腔内注入及び穿刺注入の「その他のもの」とは、腰椎穿刺注入、胸椎穿刺注入、頚椎穿刺注入、関節腔内注入、上顎洞穿刺注入、気管内注入(内視鏡下の造影剤注入によらないもの)、子宮卵管内注入、胃・十二指腸ゾンデ挿入による注入、膀胱内注入、腎盂内注入及び唾液腺注入をいう。

(8) 経皮経肝胆道造影における造影剤注入手技は区分「D314」に準じて算定し、胆管に留置したドレーンチューブ等からの造影剤注入手技は区分「E003」の「6」の「ロ」に準じて算定する。

(9) 腎腫瘍診断における酸素注入手技料(直腸壁の周囲の仙骨側へ針を挿入し食塩水5ml程度注入して正しい位置に針先のあることを確めて酸素の注入管とつなぎかえ酸素約1リットルを入れ、約2時間後にエックス線撮影して腎腫瘍を診断する。)は、区分「J010」に準じて算定し、酸素代については別に加算できない。

(10) 精嚢撮影を行うための精管切開は、区分「K829」に準じて算定する

(11) 造影剤を注入するために観血手術を行った場合は、当該観血手術の所定点数を加算する。

(12) リンパ管造影を行うときの造影剤注入のための観血手術及び注入の手技料は、あわせて、区分「K626」リンパ節摘出術の「1」により算定する。

E004 基本的エックス線診断料

(1) 基本的エックス線診断料は、特定機能病院の入院医療において通常行われる基本的な画像診断について、その適正化及び請求事務の簡素化の観点から包括化して入院日数に応じた算定を行うものであり、基本的検体検査実施料及び基本的検体検査判断料の算定と異なり、特定機能病院でない特定承認保険医療機関においては、算定できない。

(2) 1月を通じて、基本的エックス線診断料に包括されている画像診断項目のいずれも行われなかった場合は、当該月は本診断料は算定できない。

(3) 写真診断及び撮影を行い、これに伴って使用されるフィルムは、別に算定できる。

(4) 基本的エックス線診断料を算定している患者に対して、デジタル映像化処理を行った場合は、一連の撮影ごとに第1節のエックス線診断料の「4」に規定するデジタル映像化処理加算を別に 算定できる。

(5) 基本的エックス線診断料を算定している患者に対して、エックス線フィルムサブトラクションを行った場合は、基本的エックス線診断料の他、手技料として区分「E002」の「1」の点数を準用して算定できる。

(6) 基本的エックス線診断料に含まれない画像診断を行った場合は、別途当該画像診断に係る所定点数を算定できる。

(7) 単純撮影を2枚以上撮影した場合又は間接撮影を行った場合の手技料にあっても、基本的エックス線診断料に含まれ、別に算定できない。

(8) 「注3」の画像診断管理加算は、専ら画像診断を担当する医師が読影結果を文書により主治医に報告した場合に、月の最初の診断の日に算定する。この場合、報告された文書又はその写しを診療録に貼付する。

(9) 入院日数については、入院基本料とは異なり、入院の都度当該入院の初日から数え、また、退院日も算定対象となる。なお、外泊期間中は、入院日数に含まれない。

(10) 療養病棟、結核病棟若しくは精神病棟に入院している患者又はHIV感染者療養環境特別加算若しくは重症者等療養環境特別加算又は特定入院料を算定している患者については、基本的エックス線診断料は別に算定しないが、入院日数は入院初日から数える。

第2節 核医学診断料

1 核医学診断に係る一般的事項

「1」に規定する核医学診断の所定点数とは、区分「E100」から区分「E101―2」に掲げる所定点数及び区分「E102」に掲げる所定点数を合算した点数をいう。

2 ラジオアイソトープの費用

ラジオアイソトープの費用を算定する場合、「使用薬剤の薬価(薬価基準)」の定めるところによる。

E100 シンチグラム(画像を伴うもの)

(1) シンチグラム(画像を伴うもの)の「注1」に掲げるコンピューターによる情報の解析処理は、次に掲げる処理ごとに1処理とする。

ア クリアランス値の算出及びクリアランスカーブの作製

イ ゲートイメージ

ウ ウォールモーション

エ エジェクション・フラクション

オ フェースイメージ

(2) 「注4」の加算における所定点数には「注1」、「注3」による加算は含まれない。

E101 シングルホトンエミッションコンピューター断層撮影

(1) シングルホトンエミッションコンピューター断層撮影は、同一のラジオアイソトープを使用して一連の検査につき、撮影の方向、スライスの数、撮影の部位数及び疾病の種類等にかかわらず所定点数のみにより算定する。

(2) 検査に当たって、画像及び情報をコンピューターにより解析処理を行った場合にあっても所定点数のみにより算定する。

(3) 「注2」及び「注3」の加算における所定点数とは、加算を含まない点数である。

E101―2 ポジトロン断層撮影

(1) ポジトロン断層撮影は、撮影の方向、スライスの数、撮影の部位数及び疾患の種類等にかかわらず所定点数のみにより算定する。

(2) 検査に当たって、画像及び情報をコンピューターにより解析処理を行った場合であっても所定点数のみにより算定する。また、検査に伴って行われる血液ガス分析の費用は所定点数に含まれ、別に算定できない。

(3) ターゲットガス(窒素、酸素、二酸化炭素)等の15O標識ガス剤の合成に係る費用及び15O標識ガス剤の吸入に係る費用は所定点数に含まれ、別に算定できない。

E102 核医学診断

(1) 核医学診断料は、実施したE100からE101―2に掲げる各区分の種類又は回数にかかわらず、月1回の算定とし、初回のシンチグラム(画像を伴うもの)、シングルホトンエミッションコンピューター断層撮影又はポジトロン断層撮影を実施する日に算定する。

(2) 同一月内において入院及び外来の両方又は入院中に複数の診療科においてシンチグラム(画像を伴うもの)、シングルホトンエミッションコンピューター断層撮影又はポジトロン断層撮影を実施した場合においては、入院若しくは外来又は診療科の別にかかわらず、月1回に限り算定する。

(3) 「注2」の画像診断管理加算は、専ら画像診断を担当する医師が読影結果を文書により主治医に報告した場合に、月の最初の診断が行われた日に算定する。この場合、報告された文書又はその写しを診療録に貼付する。

第3節 コンピューター断層撮影診断料

1 コンピューター断層撮影と磁気共鳴コンピューター断層撮影を行う際の取扱い

(1) 「2」の「同一の部位」とは、頭部(頚部を含む)、躯幹及び四肢のそれぞれをいう。

(2) 「2」の「同一月」とは、第1の撮影が行われた日が属する月をいう。

(3) 算定の例(回数は同一月同一部位での通算撮影回数)

ア 頭部単純CT(1回目)→頭部単純MRI(2回目)の場合

655点+600点=1,255点

イ 頭部単純CT(1回目)→頭部単純MRI(2回目)→頭部特殊CT(3回目)の場合

655点+600点+600点=1,855点

ウ 頭部単純CT(1回目)→頭部特殊CT(2回目)→頭部特殊MRI(3回目)の場合

655点+600点+600点=1,855点

エ 頭部単純CT(1回目)→頭部単純MRI(2回目)→頭部特殊CT(3回目)→躯幹単純MRI(1回目)の場合

655点+600点+600点+1,780点=3,635点

(4) 開設者が同一である複数の保険医療機関又は検査施設提供の契約を結んだ複数の医療機関において、同一の患者の同一の部位につき、コンピューター断層撮影及び磁気共鳴コンピューター断層撮影を同一月に2回以上行った場合は、当該月の2回目以降の断層撮影について、「2」に準じて算定する。

2 本節に掲げる各項目は、フィルムへのプリントアウトを行わずに画像を電子媒体に保存した場合にも算定できる。

E200 コンピューター断層撮影

(1) コンピューター断層撮影は、スライスの数、疾患の種類等にかかわらず、所定点数のみにより算定する。

(2) 「1」から「3」までに掲げる撮影のうち2以上のものを同時に行った場合は主たる撮影の所定点数のみにより算定する。また、四肢のコンピューター断層撮影を同時に2肢以上に対して行った場合も一連のものとして所定点数のみを算定する。

(3) 頚部に単純CT撮影を行った場合は、「1」の「イ」により算定する。

(4) 特殊CT撮影は、別に厚生大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方社会保険事務局長に届け出た保険医療機関において、ヘリカルCT又はマルチスライスCTを使用して血管腔を描出した場合に限り算定する。

(5) 「注2」に規定する「場合」とは、四肢の悪性腫瘍、筋萎縮性側索硬化症、筋ジストロフィー、多発性筋炎、骨の壊死性病変若しくは関節周囲の骨折に対する撮影又は造影剤使用撮影を行った場合をいう。

(6) 「注4」の単純CT撮影及び特殊CT撮影における「造影剤を使用した場合」とは、静脈内注射、点滴注射、腔内注入及び穿刺注入等により造影剤使用撮影を行った場合をいう。ただし、経口造影剤を使用した場合を除く。

(7) 造影剤を使用しない単純CT撮影又は特殊CT撮影を行い、引き続き造影剤を使用して撮影を行った場合は、所定点数及び造影剤の使用による加算点数のみにより算定する。

(8) 造影剤を使用してコンピューター断層撮影を行った場合、閉鎖循環式全身麻酔に限り麻酔手技料を別に算定できる。

(9) 「注6」の加算における所定点数には、「注4」による加算が含まれる。

E202 磁気共鳴コンピューター断層撮影

(1) 磁気共鳴コンピューター断層撮影は、画像のとり方、画像処理法の種類、スライスの数、撮影の部位数、疾病の種類等にかかわらず、所定点数のみにより算定する。

(2) 「1」及び「2」の各項目に掲げる撮影のうち2以上のものを同時に行った場合は、主たる撮影の所定点数のみにより算定する。また、四肢の磁気共鳴コンピューター断層撮影を同時に2肢以上に対して行った場合も一連のものとして所定点数のみを算定する。

(3) 特殊MRI撮影は、別に厚生大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方社会保険事務局長に届け出た保険医療機関において、1.0テスラ以上のMRIを使用して血管腔又は膵胆管及び胆嚢を描出した場合に限り算定する。ただし、脳血管を除く血管腔の描出に関しては造影剤を使用し、撮影対象部位の動脈及び静脈を分離して描出した場合に限り算定できる。

(4) 「注3」における「造影剤を使用した場合」とは、静脈内注射等により造影剤使用撮影を行った場合をいう。ただし、経口造影剤を使用した場合は除く。

(5) 造影剤を使用しない磁気共鳴コンピューター断層撮影を行い、引き続き造影剤を使用して撮影を行った場合は、所定点数及び造影剤の使用による加算点数のみにより算定する。

(6) 造影剤を使用して磁気共鳴コンピューター断層撮影を行った場合、閉鎖循環式全身麻酔に限り麻酔手技料を別に算定できる。

(7) 「注4」の加算における所定点数には、「注3」による加算が含まれる。

E203 コンピューター断層診断

(1) コンピューター断層診断は、実施したコンピューター断層撮影(磁気共鳴コンピューター断層撮影及び非放射性キセノン脳血流動態検査を含む。以下同じ。)の種類又は回数にかかわらず、月1回の算定とし、初回のコンピューター断層撮影を実施する日に算定する。

(2) 同一月内において、入院及び外来の両方又は入院中に複数の診療科において、コンピューター断層撮影を実施した場合は、入院若しくは外来又は診療科の別にかかわらず、月1回の算定とする。

(3) 当該医療機関以外の医療機関で撮影したフィルムについて診断を行った場合には、初診料を算定した日に限り、コンピューター断層診断料を算定できる。

(4) 「注2」の画像診断管理加算は、専ら画像診断を担当する医師が読影結果を文書により主治医に報告した場合に、月の最初の診断が行われた日に算定する。この場合、報告された文書又はその写しを診療録に貼付する。

第5部 投薬

<通則>

1 投薬の費用は、第1節調剤料、第2節処方料、第3節薬剤料、第4節特定保険医療材料料及び第6節調剤技術基本料に掲げる所定点数を合算した点数で算定する。ただし、処方せんを交付した場合は第5節処方せん料に掲げる所定点数のみを算定する。

なお、「使用薬剤の薬価」に収載されている臨床試用医薬品を使用した場合は、薬剤料は算定せず、調剤料、処方料、特定保険医療材料料、調剤技術基本料のみを算定する。

2 別に規定する場合を除き、入院実日数を超えて投薬を算定することができる。退院時の投薬については、服用の日の如何にかかわらず入院患者に対する投薬とする。

3 投薬時における薬剤の容器は、原則として保険医療機関から患者へ貸与するものとする。なお、患者が希望する場合には、患者にその実費負担を求めて容器を交付できるが、患者が当該容器を返還した場合には、当該容器本体部分が再使用できるものについて当該実費を返還しなければならない。

4 患者に直接投薬する目的で製品化されている薬剤入りチューブ及び薬剤入り使い捨て容器のように再使用できない薬剤の容器については、患者に容器代金を負担させることは認められない。

5 保険医療機関が患者に喘息治療剤の施用のため小型吸入器及び鼻腔・口腔内治療剤の施用のため噴霧・吸入用器具(散粉器)を交付した場合は、患者にその実費負担を求めることができるが、患者が当該吸入器を返還した場合には当該実費を返還しなければならない。

6 入院中の患者に月をまたがって投与した薬剤は、投薬の日の属する月により区分する。

7 外来において数日分投与しその薬剤を入院後も服用する場合、この入院後服用の分の請求区分は服用の日の如何にかかわらず、外来投与として扱う。

8 被保険者が保険医より薬品の授与を受け、持ち帰りの途中又は自宅において薬品を紛失したために(天災地変の他やむを得ない場合を除く。)保険医が再交付した場合は、その薬剤の費用は、被保険者の負担とする。

第1節 調剤料

F000 調剤料

(1) 入院中以外の患者に係る調剤料の所定単位については、1回の処方に係る調剤料として、その剤数・日数又は調剤した量にかかわらず「1」の所定点数を処方料算定時にまとめて算定する。ただし、2以上の診療科で異なる医師が処方した場合は、それぞれの処方につき、処方料及び調剤料をそれぞれ別に算定できる。

(2) トローチ剤又は亜硝酸アミル等の嗅薬、噴霧吸入剤については外用薬として、投薬に係る費用を算定する。例えば、トローチ剤の1日量6錠3日分は、18錠分を1調剤の薬剤料として算定する。

(3) 外泊期間中及び入院実日数を超えた部分について、調剤料は算定できない。

(4) 「注」の加算については、内服薬、浸煎薬及び屯服薬、外用薬等の区分、剤数、用法用量等の如何にかかわらず、入院中の患者以外の患者に対して投薬を行う場合は1処方につき1点を、また、入院中の患者に対して投薬を行う場合は1日につき1点を所定点数に加算する。なお、燐酸コデインの百倍散のように、当該薬剤の基剤が麻薬等に属しても、稀釈度により麻薬等の取扱いを受けていないものを調剤又は処方した場合には対象とならない。

(5) 「注」にいう麻薬、向精神薬、覚せい剤原料及び毒薬は次の通りである。

ア 毒薬とは薬事法第44条第1項の規定(同施行規則第52条、別表第3)による毒薬をいう。

イ 向精神薬とは、麻薬及び向精神薬取締法第2条第6号の規定(同法、別表第3)による向精神薬をいう。

第2節 処方料

F100 処方料

(1) 複数の診療科を標榜する保険医療機関において、2以上の診療科で異なる医師が処方した場合は、それぞれの処方につき処方料を算定する。

(2) 処方料における内服薬の種類については、区分「F200」薬剤料の「注2」における内服薬の種類と同様の取扱いとする。なお、当該処方に係る内服薬の投薬が6種類以下の場合又は外用薬、屯服薬のみの投薬の場合は「2」で算定する。

(3) 臨時的に内服薬の追加投与等を行った場合の取扱いについては、区分「F200」薬剤料の(4)に準じるものとする。

(4) 「注2」の加算は、内服薬、浸煎薬及び屯服薬、外用薬等の区分、剤数、用法用量等の如何にかかわらず、1処方につき1点を所定点数に加算する。

(5) 複数の診療科を標榜する保険医療機関において、2以上の診療科で、異なる医師が3歳未満の乳幼児に対して処方を行った場合は、それぞれの処方について「注4」による乳幼児加算を算定することができる。

(6) 特定疾患処方管理加算

ア 特定疾患処方管理加算は、生活習慣病等の厚生大臣が別に定める疾患を主病とする患者について、プライマリ機能を担う地域のかかりつけ医師が総合的に病態分析を行い、それに基づく処方管理を行うことを評価したものであり、診療所又は許可病床数が200床未満の病院においてのみ、月2回に限り算定する。なお、同一暦月に処方料と処方せん料を算定する場合であっても、処方せん料の当該加算と合せて2回を限度とする。

イ 主病とは、当該患者の全身的な医学管理の中心となっている特定疾患をいうものであり、2以上の診療科にわたり受診している場合においては、主病と認められる特定疾患の治療に当たっている診療科においてのみ算定する。

ウ 特定疾患処方管理加算は初診料を算定した初診の日においても算定できる。

エ 投薬は本来直接本人を診察した上で適切な薬剤を投与すべきであるが、やむを得ない事情で看護等に当たっている者から症状を聞いて薬剤を投与した場合においても算定できる。

第3節 薬剤料

F200 薬剤料

(1) 1回の処方において、2種類以上の内服薬を調剤する場合には、それぞれの薬剤を個別の薬包等に調剤しても、服用時点及び服用回数が同じであるものについては、次の場合を除き1剤として算定する。

ア 配合不適等調剤技術上の必要性から個別に調剤した場合

イ 固型剤と内用液剤の場合

ウ 内服錠とチュアブル錠等のように服用方法が異なる場合

(2) 「注1」における「その他の特定の疾患」とは、「特定疾患治療研究事業について」(昭和48年4月17日衛発第242号)の別紙の第3に掲げる疾患をいう。

(3) 特別入院基本料2を算定する病棟を有する病院の長期入院患者に係る入院期間の算定は、当該特別入院基本料2を算定する病棟を有する病院となる以前からの入院期間を通算する。

また、入院期間の算定は第1章第2部入院料等の通則の例に準じる。

(4) 多剤投与の場合の算定

ア 「注2」の算定は、外来の場合に限り、1処方のうち、内服薬についてのみ対象とする。この場合の「種類」については、次のように計算する。なお、1処方とは処方料の算定単位となる処方をいう。

(イ) 錠剤、カプセル剤については、1銘柄ごとに1種類と計算する。

(ロ) 散剤、顆粒剤及び液剤については、1銘柄ごとに1種類と計算する。

(ハ) (イ)及び(ロ)の薬剤を混合して服薬できるよう調剤を行ったものについては、1種類とする。

(ニ) 薬剤料に掲げる所定単位当たりの薬価が205円以下の場合には、1種類とする。

イ 「注2」の「所定点数」とは、1処方のうちのすべての内服薬の薬剤料をいう。

ウ 「注2」の算定は、常態として投与する内服薬が7種類以上の場合に行い、臨時に投与する薬剤については対象としない。

エ ウの臨時に投与する薬剤とは連続する投与期間が2週間以内のものをいい、2週間を超える投与期間の薬剤にあっては常態として投与する薬剤として扱う。なお、投与中止期間が1週間以内の場合は、連続する投与とみなして投与期間を計算する。

オ 臨時的に内服薬の追加投与等を行った結果、1処方につき内服薬が7種類以上となる場合において、傷病名欄からその必要性が明らかでない場合には、診療報酬明細書の摘要欄にその必要性を記載する。

(5) ビタミン剤

ア 「注3」に規定するビタミン剤(ビタミンB群製剤及びビタミンC製剤に限る。)とは、内服薬及び注射薬をいうものであり、また、ビタミンB群又はビタミンCを含有する配合剤を含むものである。

イ ビタミン剤に係る薬剤料が算定できるのは、医師が当該ビタミン剤の投与が有効であると判断し、適正に投与された場合に限られるものであり、具体的には、次のような場合をいう。ただし、薬事法上の承認内容に従って投与された場合に限る。

(イ) 患者の疾患又は症状の原因がビタミンの欠乏又は代謝障害であることが明らかでありかつ、必要なビタミンを食事により摂取することが困難である場合(例えば、悪性貧血のビタミンB12の欠乏等、診察及び検査の結果から当該疾患又は症状が明らかな場合)

(ロ) 患者が妊産婦、乳幼児等(手術後の患者及び高カロリー輸液療法実施中の患者を含む。)であり、診察及び検査の結果から食事からのビタミンの摂取が不十分であると診断された場合

(ハ) 患者の疾患又は症状の原因がビタミンの欠乏又は代謝障害であると推定され、かつ、必要なビタミンを食事により摂取することが困難である場合

(ニ) 重湯等の流動食及び軟食のうち、一分がゆ、三分がゆ又は五分がゆを食している場合

(ホ) 無菌食、フェニールケトン尿症食、楓糖尿症食、ホモシスチン尿症食又はカラクトース血症食を食している場合

ウ ビタミン剤に係る薬剤料を算定する場合には、当該ビタミン剤の投与が必要かつ有効と判断した趣旨を具体的に診療録及び診療報酬明細書に記載しなければならない。ただし、病名によりビタミン剤の投与が必要かつ有効と判断できる場合は趣旨を診療報酬明細書に記載することは要しない。

(6) 長期投与

ア 厚生大臣の定める内服薬及び疾患等(平成12年3月厚生省告示第73号)の第一号の(1)及び(2)の別表の左欄に掲げる厚生大臣の定める内服薬は、健胃消化剤を除き、原則として同表の右欄に掲げる疾患に対し薬事法において直接の効能又は効果を有する場合に限りその内服薬と疾患の組み合わせにおいて長期投与が認められる。また、第二号の別表の左欄に掲げる厚生大臣の定める外用薬についても、内服薬と同様の扱いによる。ただし、長期投与に伴い併用される健胃消化剤は患者の状況に応じて必要最小限とすること。

イ 重篤な副作用をもたらすおそれがある等薬剤の特質にかんがみ、長期にわたって投与することが適当でないと認められる薬剤は、保険医療機関及び保険医療養担当規則第20条第2号ホ(2)(二)及び(三)に規定する薬剤には該当しない。

第5節

F400 処方せん料

(1) 保険薬局で保険調剤を受けさせるために、患者に保険医療機関及び保険医療養担当規則に定められている様式の完備した処方せん(院外処方せん)を交付した場合に限り算定し、その処方せんに処方した剤数、投与量(日分数)等の如何にかかわらず、1回として算定する。

(2) 同一の保険医療機関が一連の診察に基づいて、同時に、同一の患者に2枚以上の処方せんを交付した場合は、1回として算定する。

(3) 複数の診療科を標榜する保険医療機関において、2以上の診療科で、異なる医師が処方した場合は、それぞれの処方につき処方せん料を算定することができる。

(4) 処方せん料における内服薬の種類については、区分「F200」の「注2」における内服薬の種類と同様の取扱いとする。なお、当該処方に係る内服薬の投薬が6種類以下の場合又は外用薬、屯服薬のみの投薬の場合は「2」で算定する。

(5) 臨時的に内服薬の追加投与等を行った結果、1処方につき内服薬が7種類以上となる場合には、処方せんの備考欄にその必要性を記載する。

その他、臨時的に内服薬の追加投与を行った場合の取扱いについてはF200薬剤料の(4)に準じるものとする。

(6) 同一の患者に対して、同一診療日に、一部の薬剤を院内において投薬し、他の薬剤を院外処方せんにより投薬することは、原則として認められない。

また、注射器、注射針又はその両者のみを処方せんにより投与することは認められない。

(7) 乳幼児加算又は特定疾患処方管理加算はF100処方料の(5)又は(6)に準じて算定する。

(8) 訪問薬剤管理指導との関係

ア 居宅において療養を行っている患者であって、疾病、負傷のため通院困難なものに対して、適切な在宅医療を確保するために、保険薬局の薬剤師による訪問薬剤管理指導を行う必要のある場合には、当該患者又はその看護等に当たるものの同意を得た上で、処方せんの備考欄にその旨及びその理由等を簡潔に記載して依頼する。この場合、保険薬局に訪問薬剤管理指導の指示を行った旨を診療録に記載する。

イ 訪問薬剤管理指導の依頼は、1回の処方せんにつき処方せんに記載された処方の投薬期間内に限り有効であるが、特に訪問すべき日時等を特定する必要がある場合は、その旨を処方せんに記載する。

ウ 保険薬局に訪問薬剤管理指導を依頼している場合は、当該保険医療機関は在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定できない。保険薬局から情報提供があった場合は、当該保険医療機関は書類を診療録に貼付する。なお、地方社会保険事務局長に届出を行った保険薬局が在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定できるのは月に2回に限られる。

第6節 調剤技術基本料

F500 調剤技術基本料

(1) 調剤技術基本料は、重複投薬の防止等保険医療機関内における調剤の管理の充実を図るとともに投薬の適正を確保することを目的としており、薬剤師が常態として勤務する保険医療機関において、薬剤師の管理のもとに調剤が行われた場合に、患者1人につき、月1回に限り算定する。

(2) 同一医療機関において同一月内に処方せんの交付がある場合は、調剤技術基本料は算定できない。

(3) 同一月に区分B008に掲げる薬剤管理指導料又は区分C008に掲げる在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定している場合には、調剤技術基本料は算定しない。

(4) 院内製剤加算

ア 「注3」の院内製剤加算は、薬価基準に収載されている医薬品に溶媒、基剤等の賦形剤を加え、当該医薬品とは異なる剤形の医薬品を院内製剤の上調剤した場合に、次の場合を除き算定できる。

(イ) 調剤した医薬品と同一規格を有する医薬品が薬価基準に収載されている場合

(ロ) 散剤を調剤した場合

(ハ) 液剤を調剤する場合であって、薬事法上の承認内容が用時溶解して使用することとなっている医薬品を交付時に溶解した場合

(ニ) 1種類のみの医薬品を水に溶解して液剤とする場合(安定剤、溶解補助剤、懸濁剤等製剤技術上必要と認められる添加剤を使用した場合及び調剤技術上、ろ過、加温、滅菌行為をなす必要があって、これらの行為を行った場合を除く。)

イ 上記アにかかわらず、剤形が変わらない場合であっても、次に該当する場合には、院内製剤加算が算定できる。ただし、調剤した医薬品と同一規格を有する医薬品が薬価基準に収載されている場合を除く。

(イ) 同一剤形の2種類以上の既製剤(賦形剤、矯味矯臭剤等を除く。)を混合した場合(散剤及び顆粒剤を除く。)

(ロ) 安定剤、溶解補助剤、懸濁剤等製剤技術上必要と認められる添加剤を加えて調剤した場合

(ハ) 調剤技術上、ろ過、加温、滅菌行為をなす必要があって、これらの行為を行った場合

ウ ア、イにかかわらず調剤した医薬品を、原料とした医薬品の承認内容と異なる用法・用量あるいは効能・効果で用いる場合は院内製剤加算は算定できない。

第6部 注射

<通則>

1 注射に係る費用は、第1節注射料、第2節薬剤料及び第3節特定保険医療材料料(別に厚生大臣が定める保険医療材料のうち注射に当たり使用したものの費用に限る。)に掲げる所定点数を合算した点数によって算定する。

2 生物学的製剤加算

(1) 「通則3」の生物学的製剤注射加算を算定できる注射薬は、各種トキソイド、各種ワクチン抗毒素であり、注射の方法にかかわらず、次に掲げる薬剤を注射した場合に算定できる。

ア (局)乾燥組織培養不活化狂犬病ワクチン

イ 組換え沈降B型肝炎ワクチン(酵母由来)

ウ 組換え沈降B型肝炎ワクチン(チャイニーズ・ハムスター卵巣細胞由来)

エ 肺炎球菌ワクチン

オ (局)沈降破傷風トキソイド

カ (局)ガスえそウマ抗毒素

キ (局)乾燥ジフテリアウマ抗毒素

ク (局)乾燥破傷風ウマ抗毒素

ケ (局)乾燥はぶウマ抗毒素

コ (局)乾燥ボツリヌスウマ抗毒素

サ (局)乾燥まむしウマ抗毒素

(2) 区分G005に掲げる中心静脈注射の回路より生物学的製剤を注入した場合は、「通則3」の加算を算定できる。

3 精密持続点滴注射加算

(1) 「通則4」の精密持続点滴注射は、自動輸液ポンプを用いて1時間に30ml以下の速度で体内(皮下を含む。)又は注射回路に薬剤を注入することをいう。

(2) 1歳未満の乳児に対して精密持続点滴注射を行う場合は、注入する薬剤の種類にかかわらず算定できるが、それ以外の者に対して行う場合は、緩徐に注入する必要のあるカテコールアミン、βブロッカー等の薬剤を医学的必要性があって注入した場合に限り算定する。

(3) 区分G005に掲げる中心静脈注射の回路より精密持続点滴注射を行った場合は、「通則4」の加算を算定できる。

(4) 区分G003に掲げる抗悪性腫瘍剤動脈内持続注入の実施時に精密持続点滴を行った場合は、「通則4」の加算を算定できる。

4 特定入院料等注射の手技料を含む点数を算定した場合は、「通則3」、「通則4」及び「通則5」の加算は算定できない。なお、使用薬剤の薬価(薬価基準)に収載されている臨床試用医薬品を使用した場合は、第2節薬剤料は算定せず、第1節注射料及び第3節特定保険医療材料料のみ算定する。

5 心臓内注射及び痔核注射等の第1節に掲げられていない注射のうち簡単なものに係る費用については、第2節薬剤料に掲げる所定点数のみ算定する。ただし、胸腔内注入、前房内注射、硝子体内注射、副鼻腔注入及び気管支内薬液注入については、第2章第9部処置又は第10部手術に掲げる所定点数をそれぞれ算定し、これらに係る薬剤料の算定に関しては第2章第5部投薬のF200薬剤料の(2)、(3)及び(5)の例による。

6 区分G001に掲げる静脈内注射、区分G004に掲げる点滴注射又は区分G005に掲げる中心静脈注射のうち2以上を同一日に併せて行った場合は、主たるものの所定点数のみ算定する。

7 点滴注射及び中心静脈注射の回路にかかる費用については、それぞれの所定点数に含まれ、別に算定できない。

8 人工腎臓の回路より注射を行った場合は、当該注射に係る費用は別に算定できない。

第1節 注射料

G000 皮下、筋肉内注射

(1) 入院中の患者以外の患者に対して行った場合にのみ算定し、入院中の患者に行った場合は、1日の薬剤料を合算し、第2節薬剤料のみ算定できる。

(2) 涙のう内薬液注入、鼓室内薬液注入、軟口蓋注射、口蓋ヒヤリー氏点の注射、局所・病巣内薬剤注射、病巣内薬剤注入、皮内注射、子宮膣部注射、耳茸内注射、咽頭注射、腱鞘周囲注射及び血液注射については、皮下・筋肉内注射に準じて算定する。ただし、涙のう内薬液注入については、両眼にそれぞれ異なる薬剤を使用した場合は、片眼ごとに所定点数を算定する。

(3) 複数回の注射を同時に行うこととされるもの(A型ボツリヌス毒素等)については、これらを一連のものとして所定点数を1回のみ算定する。

G001 静脈内注射

入院中の患者以外の患者に対して行った場合にのみ算定し、入院中の患者に行った場合は、1日の薬剤料を合算し、第2節薬剤料のみ算定する。

G002 動脈注射

「内臓の場合」とは、肺動脈起始部、大動脈弓及び腹部大動脈等深部動脈に対して行う場合であり、「その他の場合」とは、頚動脈、鎖骨下動脈、股動脈、上腕動脈等に対して行う場合をいう。

G003 抗悪性腫瘍剤動脈内持続注入

(1) ポンプを利用して注入する場合におけるポンプの費用及び当該注入に必要なカテーテル等の材料の費用は、所定点数に含まれ、別に算定できない。

(2) 皮下埋込型カテーテルアクセスを設置して抗悪性腫瘍剤を静脈内又は腹腔内に局所持続注入を行った場合は、抗悪性腫瘍剤動脈内持続注入に準じて算定する。

G003―2 抗悪性腫瘍剤動脈内持続注入用埋込型カテーテル設置

(1) 悪性腫瘍の患者に対し抗悪性腫瘍剤を局所持続注入するため、チューブを設置した場合又は皮下埋込型カテーテルアクセスを設置した場合に算定できる。なお、設置するチューブ、体内に埋め込むカテーテル及びカテーテルアクセス等の材料料は所定点数に含まれ、別に算定できない。

(2) 第2章第10部手術の所定点数を算定する手術時に当該手技が行われた場合には算定できる。

(3) 抗悪性腫瘍剤を静脈内に局所持続注入することを目的として皮下埋込型カテーテルアクセスを設置した場合は、抗悪性腫瘍剤動脈内持続注入用埋込型カテーテル設置の各項に準じて算定する。

(4) 抗悪性腫瘍剤を腹腔内に局所持続注入することを目的として皮下埋込型カテーテルアクセスを設置した場合は、抗悪性腫瘍剤動脈内持続注入用埋込型カテーテル設置の「四肢に設置した場合」に準じて算定する。

G003―3 肝動脈塞栓を伴う抗悪性腫瘍剤肝動脈内注入

(1) 抗悪性腫瘍剤注入用肝動脈塞栓材と抗悪性腫瘍剤を混和して肝動脈内に注入する場合に算定できる。なお、当該注入に必要なカテーテル等の材料の費用は所定点数に含まれ、別に算定できない。

(2) 抗悪性腫瘍剤注入用肝動脈塞栓材の使用量を決定する目的で注入する場合は、その必要性が高い場合に限り、月1回に限り算定できる。

G004 点滴注射

(1) 6歳未満の乳幼児に対する1日分の注射量が100ml未満の場合及び6歳以上の者に対する1日分の注射量が500ml未満の場合は、入院中の患者以外の患者に限り、3に掲げる所定点数で算定する。

(2) 「注射量」は、次のように計算する。

ア 点滴回路より薬物を注入するいわゆる「管注」を行った場合には、「管注」に用いた薬剤及び補液に用いた薬剤の総量。

イ 同一の者に対して、点滴注射を1日に2回以上行った場合には、それぞれの注射に用いた薬剤の総量。

(3) 注2に規定する加算の対象となる「悪性腫瘍に対して用いる薬剤であって細胞毒性を有するもの」とは、医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構法(昭和54年法律第55号)第2条第1項第1号の規定に基づき厚生大臣が指定した医薬品(昭和54年10月厚生省告示第168号)のうち、悪性腫瘍に対して用いる注射剤をいう。

(4) 血漿成分製剤加算

ア 注4に規定する「文書による説明」とは、1回目の輸注を行う際(当該患者に対して複数回の輸注を行う場合は概ね1週間毎)に、別紙様式9又はこれに準ずる様式により、患者(医師の説明に対して理解が困難と認められる小児又は意識障害者等にあっては、その家族等)に対して、輸注の必要性、副作用、輸注方法及びその他の留意点等について説明することをいう。

イ 説明に用いた文書については、患者(医師の説明に対して理解が困難と認められる小児又は意識障害者等にあっては、その家族等)から署名又は押印を得た上で、当該患者に交付するとともに、その文書の写しを診療録に貼付することとする。

ウ 緊急その他やむを得ない場合は、輸注後に説明を行った場合も算定できるが、この場合輸注後速やかに行うこととする。

エ 注4に規定する血漿成分製剤とは、新鮮液状血漿及び新鮮凍結人血漿等をいい、血漿分画製剤(アルブミン製剤、グロブリン製剤等)は含まれないが、血漿成分製剤に準じ、患者に対して輸注の必要性等の説明を行うよう努めること。なお、血漿成分製剤及び血漿分画製剤の輸注に当たっては、「血液製剤の使用指針」及び「輸血療法の実施に関する指針」(平成11年6月10日医薬発第715号)を遵守するよう努めるものとする。

(5) 区分C101又は区分C108に掲げる在宅自己注射指導管理料又は在宅悪性腫瘍患者指導管理料を算定している患者(これらに係る器具加算又は薬剤料若しくは特定保険医療材料料のみを算定している者を含む。)に対して、区分C001に掲げる在宅患者訪問診療料を算定する日に、患家において当該訪問診療と併せて点滴注射を行った場合は、当該注射に係る費用は算定しない。

G005 中心静脈注射

(1) 中心静脈注射により高カロリー輸液を行っている場合であっても、必要に応じ食事療養を行った場合は、入院時食事療養(Ⅰ)又は入院時食事療養(Ⅱ)を別に算定できる。

(2) 無菌製剤処理加算

ア 無菌製剤処理とは、無菌室・クリーンベンチ等の無菌環境において、無菌化した器具を用いて、製剤処理を行うことをいう。

イ 無菌製剤処理は、常勤の薬剤師が行うとともに、その都度、当該処理に関する記録を整備し、保管しておくこと。

(3) 注2に掲げられる血漿成分製剤加算については、G004点滴注射の(4)に規定する血漿成分製剤加算の例による。

(4) 区分番号C104又はC108に掲げる在宅中心静脈栄養法指導管理料又は在宅悪性腫瘍患者指導管理料を算定している患者(これらに係る器具加算又は薬剤料若しくは特定保険医療材料料のみを算定している者を含む。)について、区分番号C001に掲げる在宅患者訪問診療料を算定する日に、患家において当該訪問診療と併せて中心静脈注射を行った場合は当該注射の費用は別に算定しない。

G005―2 中心静脈注射用カテーテル挿入

(1) 中心静脈圧測定の目的でカテーテルを挿入した場合は、中心静脈注射用カテーテル挿入に準じて算定する。中止静脈注射及び中心静脈圧測定を同一の回路より同時に行った場合は、どちらか一方のみを算定する。

ただし、中心静脈注射及び中心静脈圧測定を別の回路から別のカテーテルを用いて同時に行った場合は、それぞれ材料料及び手技料を算定できる。

(2) カテーテルの詰まり等によりカテーテルを交換する場合は、カテーテルの材料料及び手技料はその都度算定できる。

(3) カテーテル挿入時の局所麻酔の手技料は別に算定できず、使用薬剤の薬剤料は別に算定できる。

(4) 区分C104又は区分C108に掲げる在宅中心静脈栄養法指導管理料又は在宅悪性腫瘍患者指導管理料を算定している患者(これらに係る器具加算又は薬剤料若しくは特定保険医療材料料のみを算定している者を含む。)について、区分番号C001に掲げる在宅患者訪問診療料を算定する日に、患家において当該訪問診療と併せて中心静脈注射用カテーテル挿入を行った場合は、カテーテルの材料料及び手技料は別に算定できる。

G006 埋込型カテーテルによる中心静脈栄養

注に規定する無菌製剤処理は、区分G005中心静脈注射の(2)無菌製剤処理加算に規定する事項を満たした場合に算定できる。

G006―2 中心静脈栄養用埋込型カテーテル設置

(1) 中心静脈栄養用の皮下埋込型カテーテルアクセスを設置した場合に算定できる。なお、体内に埋め込むカテーテル及びカテーテルアクセス等の材料料は所定点数に含まれ、別に算定できない。

(2) 第2章第10部手術に掲げる所定点数を算定する手術の実施時に当該手技が行われた場合は、別に算定できる。

G009脳脊髄腔注射

検査、処置を目的とする穿刺と同時に実施した場合は、当該検査若しくは処置又は脳脊髄腔注射のいずれかの所定点数を算定する。

G010 関節腔内注射

(1) 検査、処置を目的とする穿刺と同時に実施した場合は、当該検査若しくは処置又は関節腔内注射のいずれかの所定点数を算定する。

(2) 滑液嚢穿刺後の注入については関節腔内注射に準じて算定する。

G012 結膜下注射

(1) 両眼に行った場合は、それぞれに片眼ごとの所定点数を算定する。

(2) 結膜下注射又は眼球注射の実施時に使用された麻薬については、「通則5」の加算は算定できない。

G014 球後注射

テノン氏嚢内注射については、球後注射に準じて算定する。

第2節 薬剤料

G100 薬剤

(1) アレルゲン治療エキス及びアレルゲンハウスダストエキス等によるアレルギー疾患減感作療法において使用した薬剤料については、使用量(やむを得ず廃棄した場合の薬液量を含む。)に応じて薬価により算定する。

第7部 リハビリテーション

<通則>

1 リハビリテーション医療は、基本的動作能力の回復を目的とする理学療法や、応用的動作能力、社会的適応能力の回復を目的とした作業療法、言語能力の回復を目的とした言語療法等の治療法により構成される。

2 第1節リハビリテーション料に掲げられていないリハビリテーションのうち、簡単なリハビリテーションのリハビリテーション料は、算定できないものであるが、特殊なリハビリテーションのリハビリテーション料は、その都度当局に内議し、最も近似するリハビリテーションとして準用が通知された算定方法により算定する。

3 各区分におけるリハビリテーションの実施に当たっては全ての患者の機能訓練の内容の要点及び実施時刻(開始時刻と終了時刻)の記録を診療録等へ記載すること。

4 同一日における理学療法と作業療法の併用は、理学療法(Ⅰ)及び理学療法(Ⅱ)を行う施設においてのみそれぞれの所定点数を算定できる。

ただし、脳血管疾患の患者に対するものは以下による。なお、脳血管疾患とは、脳内出血、脳塞栓、脳血栓、くも膜下出血、脳動脈瘤破裂等をいい、この場合、症状の発現の緩徐な慢性脳循環不全症等はこれに該当しない。

(1) 通則5に規定する100分の30加算は、遷延性意識障害、重度の脳機能障害等のため脳血管疾患発症後6月を超えた場合においても理学療法と作業療法の併用が必要であると認められた患者において算定する。

(2) 脳血管疾患発症後1年を超えた患者に対して併施を行った場合は、どちらか主なもの一方で算定する。

5 回復期リハビリテーション病棟において回復期リハビリテーション病棟入院料を算定している患者に対して1日に行われるリハビリテーションが複数回に渡る場合であっても、そのうち2回分の合計時間が40分を超える場合については理学療法又は作業療法の(Ⅰ)又は(Ⅱ)における「複雑なもの」として算定することができる。

第1節 リハビリテーション料

H000 心疾患リハビリテーション料

(1) 心疾患リハビリテーション料は、厚生大臣が定める施設基準に適合しているとして地方社会保険事務局長に届出を行った病院である保険医療機関に限って算定できる。

(2) 算定の対象となる患者は、急性心筋梗塞、狭心症又は開心術後の患者であって医師が個別に心疾患リハビリテーションが必要であると認められる者である。

(3) 当該療法を実施するに当たっては、専任の医師は定期的な心機能チェックの下に実施計画を作成し、診療録に記載すること。

(4) 入院中の患者以外の患者に対する当該療法は、1日当たり1時間以上、1週3回を標準とする。

(5) 届出施設である保険医療機関内において治療、訓練の専門施設外で訓練を実施した場合においても、所定点数により算定できる。

H001 理学療法

(1) 理学療法(Ⅰ)、(Ⅱ)及び(Ⅲ)は、別に厚生大臣が定める施設基準に適合しているとして地方社会保険事務局長に届出を行った保険医療機関において、理学療法(Ⅳ)はそれ以外の保険医療機関において算定するものであり、それぞれ基本的動作能力の回復を図るために、種々の運動療法・物理療法を組み合わせて個々の症例に応じて行った場合に、実施される方法の種類及び回数にかかわらず、1日につき1回のみ算定する。なお、物理療法のみを行った場合には処置料の項により算定する。

(2) 理学療法は、医師の指導監督のもとで行われるものであり、医師又は理学療法士の監視下で行われたものについて算定する。また、専任の医師が、直接訓練を実施した場合にあっても、理学療法士が実施した場合と同様に算定できる。

(3) 届出施設である保険医療機関において、治療、訓練の専用施設外で訓練を実施した場合においても、算定できる。

(4) 理学療法の各区分における「複雑なもの」(「注2」に掲げられた加算を算定する場合を除く。)は、患者に対して40分以上訓練を行った場合のみに算定する。また、「簡単なもの」は、患者に対して15分以上訓練を行った場合のみに算定するものであり、訓練時間が15分に満たない場合は、基本診療料に含まれる。

(5) 理学療法の所定点数には、徒手筋力検査及びその他の理学療法に付随する諸検査が含まれる。

(6) 肺機能訓練については、その実施時間にかかわらず理学療法の簡単なものの所定点数により算定する。この場合、肺機能訓練と同時に行った酸素吸入の費用は、理学療法の簡単なものの所定点数に含まれる。

(7) 理学療法の実施に当たっては、医師は定期的な運動機能検査をもとに、理学療法実施計画を作成する必要がある。なお、6か月を超えて理学療法を実施する場合は、患者に対して当該理学療法実施計画の内容を説明し、その要点を診療録に記載する。

(8) 従前先天性股関節脱臼後療法として算定されていた治療及び変形徒手矯正術として算定されていた治療のうち、理学療法の算定要件を満たすについては、理学療法の所定点数により算定する。ただし、基準適合施設以外の保険医療機関においては、理学療法(Ⅳ)の所定点数により算定する。

(9) 理学療法(Ⅰ)及び(Ⅱ)

ア 理学療法(Ⅰ)は、別に厚生大臣が定める総合的なリハビリテーションの施設基準(「総合リハビリテーション施設」)に適合しているものとして地方社会保険事務局長に届出を行った保険医療機関において、種々の基本的動作能力の回復訓練を総合的に個々の症例に応じて行った場合に算定する。

イ 理学療法(Ⅱ)は、別に厚生大臣が定める理学療法(Ⅱ)の施設基準に適合しているものとして地方社会保険事務局長に届出を行った保険医療機関において、種々の基本的動作能力の回復訓練を個々の症例に応じて行った場合に算定する。

ウ 理学療法(Ⅰ)及び(Ⅱ)における「複雑なもの」は、(4)の要件のほか、1人の理学療法士が1人の患者に対して重点的に個別的訓練を行う必要があると認められる場合であって、理学療法士と患者が1対1で行った場合に算定し、取扱い患者数は理学療法士1人につき1日12人を限度とする。

また、理学療法(Ⅰ)及び(Ⅱ)における「簡単なもの」は、(4)の要件のほか、1人の理学療法士が複数の患者に対して訓練を行うことができる程度の症状の患者について、理学療法士の直接的監視のもとに複数の患者に対し行った場合に算定し、取扱い患者数は理学療法士1人当たり1日36人を限度とする。

エ 理学療法(Ⅰ)及び(Ⅱ)は、入院中の患者については入院の日から入院中の患者以外の患者については初診の日から(急性発症した脳血管障害等の疾患の患者については発症の日から)、それぞれ暦月により計算した期間区分に応じて算定する。ただし、入院中に理学療法を行っていた患者が退院後外来で引き続き理学療法を行った場合の外来の理学療法については、入院の日から計算した期間区分に応じて算定し、外来で理学療法を行っていた患者が、外来での理学療法の対象疾病の増悪により入院した場合の理学療法については、当該入院の日から計算した期間区分に応じて算定する。

なお、入院の日及び初診の日とは、当該理学療法の対象となる疾病についての入院の日及び初診の日をいうものであり、その取扱い並びに期間計算の方法は、入院基本料及び初診料の例による。

オ 理学療法(Ⅰ)及び(Ⅱ)における加算は、当該施設における脳血管疾患等に対する早期の理学療法の効果について評価したものであり、発症後3月を超える場合にあっては算定できない。なお、「急性発症した脳血管疾患等の疾患の患者」とは、脳血管疾患、脳・脊髄(中枢神経)外傷又は大腿骨頚部骨折により、理学療法による治療が必要と認められる患者をいう。この場合、脳血管疾患とは、急激な意識障害発作を伴った脳内出血、脳塞栓、脳血栓、くも膜下出血、脳動脈瘤破裂等をいい、症状の発現の緩徐な慢性脳循環不全症等はこれに該当しない。

カ 理学療法(Ⅰ)及び(Ⅱ)の加算について、患者が入院している場合には、当該保険医療機関以外の保険医療機関で当該療法が行われたときには算定できない。

(10) 理学療法(Ⅲ)

ア 理学療法(Ⅲ)は、別に厚生大臣が定める理学療法(Ⅲ)の施設基準に適合しているとして地方社会保険事務局長に届出を行った保険医療機関において、種々の基本的動作能力の回復訓練を個々の症例に応じて行った場合に算定する。

イ 理学療法(Ⅲ)における「複雑なもの」は、(4)の要件のほか、個別的訓練を行う必要のある患者に行う場合であって、従事者と患者が1対1で行った場合に算定し、取扱い患者数は従事者1人につき1日12人を限度とする。

また、「簡単なもの」は、(4)の要件のほか、1人の従事者が複数の患者に訓練を行うことができる程度の症状の患者に対し同時に複数の患者に対し訓練を行った場合に算定し、取扱い患者数は従事者1人につき1日36人を限度とする。

ウ 理学療法士は、医師の指導監督のもとに看護婦、あん摩マッサージ指圧師等理学療法士以外の従事者とともに、訓練を受ける全ての患者の運動機能訓練の内容等を的確に把握すること。

エ 理学療法(Ⅱ)の届出を行った保険医療機関(専従する常勤の理学療法士が2名以上勤務しているものに限る。)において、運動療法機能訓練技能講習会を受講したあん摩マッサージ指圧師等理学療法士以外の従事者が訓練を行った場合については、ア~ウに準じて、理学療法(Ⅲ)の届出を行うことなく理学療法(Ⅲ)を算定できる。

(11) 理学療法(Ⅳ)について

理学療法(Ⅳ)における「複雑なもの」は、(4)の要件のほか、機械・器具を用いた機能訓練、水中機能訓練、温熱療法、マッサージ等を組み合わせ個々の症例に応じて、1人の従事者が1人の患者に対して重点的に個別的訓練を行う必要があると認められる場合であって、従事者と患者が1対1で行った場合に算定し、取扱い患者数は従事者1人につき1日12人を限度とする。

また、「簡単なもの」は、(4)の要件のほか、1人の従事者が複数の患者に対して訓練を行うことができる程度の症状の患者について行った場合に算定し、取扱い患者数は従事者1人につき1日36人を限度とする。

H001―2 早期理学療法

(1) 早期理学療法(Ⅰ)又は早期理学療法(Ⅱ)は、それぞれ理学療法(Ⅰ)又は理学療法(Ⅱ)に規定する別に厚生大臣が定める施設基準に適合しているとして地方社会保険事務局長に届出を行った保険医療機関において、種々の運動機能回復訓練を個々の症例に応じて早期作業療法を行った場合に、実施される方法の種類及び回数にかかわらず、1日につき1回のみ算定する。

(2) 早期理学療法は、急性発症した脳血管疾患等を主病とする入院中の患者に対して、床上起座又は離床の促進等のために重点的に個別的訓練を行う必要があると認められる場合であって、医師の診療に基づき医師の監督下で理学療法士と患者が1対1で患者に対し20分以上訓練を行った場合にのみ算定し、取扱い患者数は従事者1人につき1日25人を限度とする。

また、当該保険医療機関において、専任の医師が直接訓練を実施した場合にあっては、理学療法士が実施した場合と同様に算定できる。

(3) (2)でいう急性発症した脳血管疾患等を主病とする患者とは、脳血管疾患、脳・脊髄(中枢神経)外傷又は大腿骨頚部骨折により、理学療法による治療が必要と認められる患者をいう。この場合、脳血管疾患とは急激な意識障害発作を伴った脳内出血、脳塞栓、脳血栓、くも膜下出血及び脳動脈瘤破裂等をいい、症状の発現の緩徐な慢性脳循環不全症等は、該当しない。

(4) 早期理学療法の所定点数には、徒手筋力検査その他の理学療法に付随する諸検査が含まれる。

(5) 早期理学療法を実施するに当たっては、運動機能検査等をもとに早期理学療法の実施計画を作成する必要がある。なお、早期理学療法は、患者の病状等を勘案した上で入院後できる限り早期から開始することが望ましい。

H002 作業療法

(1) 作業療法(Ⅰ)は、別に厚生大臣が定める総合的なリハビリテーションの施設基準に適合しているとして地方社会保険事務局長に届出を行った保険医療機関において、種々の応用的動作能力や社会的適応能力の回復訓練を総合的に個々の症例に応じて行った場合に、実施される作業内容の種類及び回数にかかわらず、1日につき1回のみ算定する。

(2) 作業療法(Ⅱ)は、別に厚生大臣が定める作業療法(Ⅱ)の施設基準に適合しているとして地方社会保険事務局長に届出を行った保険医療機関において、個々の症例に応じて行った場合に、実施される作業内容の種類及び回数にかかわらず、1日につき1回のみ算定する。

(3) 作業療法は、医師の指導監督のもとで行われるものであり、医師又は作業療法士の監視下で行われたものについて算定する。また、専任の医師が、直接訓練を実施した場合にあっても、作業療法士が実施した場合と同様に算定できる。

(4) 届出施設である保険医療機関において、治療、訓練の専用施設外で訓練を実施した場合においても、算定できる。

(5) 作業療法(Ⅰ)及び(Ⅱ)における「複雑なもの」は、1人の作業療法士が1人の患者に対して重点的に個別的訓練を行う必要があると認められる場合であって、作業療法士と患者が1対1で40分以上訓練を行った場合にのみ算定し、取扱い患者数は、作業療法士1人につき1日12人を限度とする。

また、「簡単なもの」は、1人の作業療法士が複数の患者に対して訓練を行うことができる程度の症状の患者について、作業療法士の直接的監視のもとに複数の患者に対し、15分以上訓練を行った場合にのみ算定し、取扱い患者数は作業療法士1人当たり1日36人を限度とする。なお、訓練時間が15分に満たない場合は、基本診療料に含まれる。

(6) 作業療法の所定点数には、日常生活動作検査及びその他の作業療法に付随する諸検査が含まれる。

(7) 作業療法の実施に当たっては、医師は定期的な作業能力検査をもとに作業療法実施計画を作成し、診療録に記載する。

(8) 「注2」に規定する加算の取扱い及び期間区分に係る算定方法は、理学療法の例による。

(9) 同一日の理学療法との併用は、理学療法(Ⅰ)又は(Ⅱ)を算定する場合にのみ算定できる。

H003 言語療法

(1) 言語療法は、失語症、構音障害、人工内耳埋込術後等の言語聴覚機能に障害を持つ患者に対して言語機能又は聴覚機能に係る訓練を行った場合に算定できるものであり、1日につき1回のみ算定する。

(2) 「複雑なもの」は、患者に対して重点的に個別的訓練を行う必要があると認められる場合であって、専用の言語療法室等で言語聴覚士等の従事者と患者が1対1で30分以上訓練を行った場合に算定する。

また、「簡単なもの」は、1人の言語聴覚士等の従事者が複数の患者に対して訓練を行うことができる程度の症状の患者に15分以上訓練を行った場合に算定する。なお、「簡単なもの」については同時に複数の患者に対して訓練が行われていても算定できる。

(3) 実施に当たって、医師は個々の患者の症状に対応した診療計画を作成し診療録に記載する。

H004 摂食機能療法

(1) 摂食機能療法は、摂食機能障害を有する患者に対して、個々の患者の症状に対応した診療計画書に基づき、1回につき30分以上訓練指導を行った場合に限り算定する。なお、摂食機能障害者とは、発達遅滞、顎切除及び舌切除の手術又は脳血管疾患等による後遺症により摂食機能に障害がある者のことをいう。

(2) 医師又は歯科医師の指示の下に言語聴覚士又は看護婦等が行う嚥下訓練は、摂食機能療法として算定できる。

H005 視能訓練

(1) 視能訓練は、両眼視機能に障害のある患者に対して、その両眼視機能回復のため矯正訓練(斜視視能訓練、弱視視能訓練)を行った場合に算定できるものであり、1日につき1回のみ算定する。

(2) 斜視視能訓練と弱視視能訓練を同時に施行した場合は、主たるもののみで算定する。

(3) 実施に当たって、医師は個々の患者の症状に対応した診療計画を作成し診療録に記載する。

H006 難病患者リハビリテーション料

(1) 難病患者リハビリテーション料は、別に厚生大臣が定める施設基準に適合しているとして地方社会保険事務局長に届出を行った保険医療機関において、難病患者の社会生活機能の回復を目的として難病患者リハビリテーションを行った場合に、実施される内容の種類にかかわらず1日につき1回のみ算定する。

(2) 難病患者リハビリテーション料の算定対象は、入院中の患者以外の難病患者であって、要介護者(食事又はトイレに介助が必要な者)及び準要介護者(移動又は入浴に介助が必要な者)であり、医師がリハビリテーションの必要性を認めたものである。

(3) 難病患者リハビリテーションは、個々の患者に応じたプログラムに従ってグループごとに治療するものであるが、この実施に当たっては、患者の症状等に応じたプログラムの作成、効果の判定等に万全を期すること。なお、実施時間は患者1人当たり1日につき6時間を標準とする。

(4) 難病患者リハビリテーション料を算定している患者に対して、同一日に行う他のリハビリテーションは所定点数に含まれるものとする。

(5) 加算の対象となる食事の提供は、あくまで医療上の目的を達成するための手段であり、治療の一環として行われるものに限られる。なお、食事の提供の実施に当たっては、当該保険医療機関内で調理した食事を提供するとともに、関係帳簿を整備する。

第8部 精神科専門療法

<通則>

精神科専門療法においては、薬剤を使用した場合は、第1節の精神科専門療法料と第2節の薬剤料を合算した点数により、薬剤を使用しない場合は、第1節の精神科専門療法料に掲げる所定点数のみによって算定する。

第1節 精神科専門療法料

I000 精神科電気痙攣療法

(1) 精神科電気痙攣療法とは、100ボルト前後の電流を頭部に短時間通電することを反復し、各種の精神症状の改善を図る療法をいい、精神科を標榜する保険医療機関において、精神科を担当する医師が行った場合に限り、1日1回を限度として算定する。

(2) 精神科電気痙攣療法は、当該療法について十分な知識を有する医師が実施すべきものであり、当該医師以外の介助者の立ち合いの下に、何らかの副作用が生じた際に適切な処置が取り得る準備の下に行わなければならない。

(3) マスク又は気管内挿管による閉鎖循環式全身麻酔を伴った精神科電気痙攣療法を実施する場合は、当該麻酔に要する費用は所定点数に含まれ、別に算定できない。ただし、当該麻酔に伴う薬剤料及び特定保険医療材料料は別途算定できる。

I001 入院精神療法

(1) 入院精神療法(簡便型精神分析療法を含む。以下この項において同じ。)とは、入院中の精神分裂病、躁うつ病、神経症、中毒性精神障害(アルコール依存症等をいう。)、心因反応、児童・思春期精神疾患、人格障害又は精神症状を伴う脳器質性障害等(以下本項において「対象精神疾患」という。)の患者に対して、一定の治療計画に基づいて精神面から効果のある心理的影響を与えることにより、対象精神疾患に起因する不安や葛藤を除去し、情緒の改善を図り洞察へと導く治療方法をいう。

(2) 入院精神療法は、精神科を標榜する保険医療機関の精神保健指定医その他の精神科を担当する医師が、当該保険医療機関内の精神療法を行うにふさわしい場所において、対象精神疾患の患者に対して必要な時間行った場合に限り算定する。また、対象精神疾患の合併症等である知的障害、痴呆、心身症及びてんかんに対して入院精神療法が行われた場合にも算定できる。

(3) 入院精神療法として算定できる回数は、医学的に妥当と認められる回数を限度とする。なお、入院精神療法は、集団的に行われた場合には、算定できない。

(4) 入院精神療法を行った場合は、その要点を診療録に記載する。入院精神療法(Ⅰ)にあっては、更に当該療法に要した時間及びその要点を診療録に記載する。

(5) 入院の日及び入院の期間の取扱いについては、入院基本料の取扱いの例による。

(6) 重度の精神障害者とは、措置入院患者、医療保護入院患者及び任意入院であるが何らかの行動制限を受けている患者等をいう。

(7) 入院精神療法(Ⅰ)を行った週と同一週に行われた入院精神療法(Ⅱ)は別に算定できない。

(8) 入院中の対象精神疾患の患者に対して、心身医学療法が算定できる自律訓練法、森田療法等の療法を併せて行った場合であっても、入院精神療法のみにより算定する。

(9) 当該患者に対して、同じ日に入院精神療法と標準型精神分析療法を行った場合は標準型精神分析療法により算定する。

I002 通院精神療法

(1) 通院精神療法(簡便型精神分析療法を含む。以下この項において同じ。)とは、精神分裂病、躁うつ病、神経症、中毒性精神障害(アルコール依存症等をいう。)心因反応、児童・思春期精神疾患、人格障害又は及び精神症状を伴う脳器質性障害等(以下本項において「対象精神疾患」という。)のため社会生活を営むことが著しく困難な通院患者(通院患者の著しい病状改善に資すると考えられる場合にあっては当該通院患者の家族)に対して、医師が一定の治療計画のもとに危機介入、対人関係の改善、社会適応能力の向上を図るための指示、助言等の働きかけを継続的に行う治療方法をいう。

(2) 通院精神療法は、精神科を標榜する保険医療機関の精神科を担当する医師が行った場合に限り算定する。また、対象精神疾患の合併症である知的障害、痴呆、心身症及びてんかんに対して通院精神療法が行われた場合にも算定できる。

(3) 通院精神療法は、同時に複数の患者又は複数の家族を対象に集団的に行われた場合には算定できない。

(4) 通院精神療法は、初診時には診療時間が30分を超えた場合に限り算定できる。この場合において診療時間とは、医師自らが患者に対して行う問診、理学的所見(視診、聴診、打診及び触診)及び当該通院精神療法に要する時間をいい、これら以外の診療に要する時間は含まない。なお、初診時に通院精神療法を算定する場合にあっては、診療報酬明細書の摘要欄に当該診療に要した時間を記載する。

(5) 当該患者の家族に対する通院精神療法は、家族関係が当該疾患の原因又は増悪の原因と推定される場合に限り算定する。ただし、患者の病状説明、服薬指導等一般的な療養指導である場合は、算定できない。家族に対して通院精神療法を行った場合は、診療報酬明細書の摘要欄に(家族)と記載する。

(6) 通院精神療法を行った場合(家族に対して行った場合を含む。)は、その要点を診療録に記載する。

(7) 患者に対して通院精神療法を行った日と同一の日に家族に対して通院精神療法を行った場合における費用は、患者に対する通院精神療法の費用に含まれ、別に算定できない。

(8) 入院中の患者以外の対象精神疾患を有する患者に対して、通院精神療法に併せて心身医学療法が算定できる自律訓練法、森田療法等の療法を併せて行った場合であっても、通院精神療法のみにより算定する。

(9) 当該患者に対する通院精神療法を算定した場合は、同じ日に標準型精神分析療法は算定できない。

I003 標準型精神分析療法

(1) 標準型精神分析療法とは、口述による自由連想法を用いて、抵抗、転移、幼児体験等の分析を行い解釈を与えることによって洞察へと導く治療法をいい、当該療法に習熟した医師により行われた場合に、概ね月6回を標準として算定する。また、精神科を標榜する保険医療機関以外の保険医療機関において、標準型精神分析療法に習熟した心身医学を専門とする医師が当該療法を行った場合においても算定できる。

(2) 口述でなく筆記による自由連想法的手法で行う精神分析療法は、1時間以上にわたるような場合であっても、入院中の患者にあっては区分「I001」入院精神療法により、入院中の患者以外の患者にあっては区分「I002」通院精神療法により算定する。

(3) 標準型精神分析療法を行った場合は、その要点及び診療時間を診療録に記載する。

I004 心身医学療法

(1) 心身医学療法とは、心身症の患者について、一定の治療計画に基づいて、身体的傷病と心理・社会的要因との関連を明らかにするとともに、当該患者に対して心理的影響を与えることにより、症状の改善又は傷病からの回復を図る治療方法をいう。この心身医学療法には、自律訓練法、カウンセリング、行動療法、催眠療法、バイオフィードバック療法、交流分析、ゲシュタルト療法、生体エネルギー療法、森田療法、絶食療法、一般心理療法及び簡便型精神分析療法が含まれる。

(2) 心身医学療法は、当該療法に習熟した医師によって行われた場合に算定する。

(3) 心身医学療法は、初診時には診療時間が30分を超えた場合に限り算定できる。この場合において診療時間とは、医師自らが患者に対して行う問診、理学的所見(視診、聴診、打診及び触診)及び当該心身医学療法に要する時間をいい、これら以外の診療に要する時間は含まない。なお、初診時に心身医学療法を算定する場合にあっては、診療報酬明細書の摘要欄に当該診療に要した時間を記載する。

(4) 心身医学療法を算定する場合にあっては、診療報酬明細書の傷病名欄において、心身症による当該身体的傷病の傷病名の次に「(心身症)」と記載する。

例 「胃潰瘍(心身症)」

(5) 心身医学療法を行った場合は、その要点を診療録に記載する。

(6) 入院の日及び入院の期間の取扱いについては、入院基本料の取扱いの例による。

(7) 入院精神療法、通院精神療法又は標準型精神分析療法を算定している患者については、心身医学療法は算定できない。

(8) 心身医学療法は、第2章第1部指導管理等に掲げる特定疾患療養指導料、ウイルス疾患指導料、小児特定疾患カウンセリング料、小児科療養指導料、てんかん指導料、難病外来指導管理料若しくは皮膚科特定疾患指導管理料又は第2章第2部在宅医療に掲げる在宅療養指導管理料を算定した同一月には、算定できない。

I005 入院集団精神療法

(1) 入院集団精神療法とは、入院中の精神分裂病、躁うつ病、神経症、中毒性精神障害(アルコール依存症等をいう。)、心因反応、児童・思春期精神疾患、人格障害及び精神症状を伴う脳器質性障害等の患者に対して、一定の治療計画に基づき、言葉によるやりとり、劇の形態を用いた自己表現等の手法により、集団内の対人関係の相互作用を用いて、対人場面での不安や葛藤の除去、患者自身の精神症状・問題行動に関する自己洞察の深化、対人関係技術の習得等をもたらすことにより、病状の改善を図る治療法をいう。

(2) 入院集団精神療法は、精神科を標榜している保険医療機関において、精神科を担当する医師及び1人以上の精神保健福祉士又は臨床心理技術者等により構成される2人以上の者が行った場合に限り算定する。

(3) 1回に15人を限度とし、1日につき1時間以上実施した場合に、入院の日から起算して6月に限り週2回を限度として算定する。この場合、個々の患者について、精神科医師による治療計画が作成されていることが必要である。なお、入院の日及び入院の期間の取扱いについては、入院基本料の取扱いの例による。

(4) 入院集団精神療法に使用する十分な広さを有する当該医療機関内の一定の場所及びその場所を使用する時間帯を予め定めておくこと。

(5) 入院集団精神療法を実施した場合はその要点を個々の患者の診療録に記載する。

(6) 入院集団精神療法と同一日に行う他の精神科専門療法は、別に算定できない。

I006 通院集団精神療法

(1) 通院集団精神療法とは、入院中の患者以外の精神分裂病、躁うつ病、神経症、中毒性精神障害(アルコール依存症等をいう。)、心因反応、児童・思春期精神疾患、人格障害及び精神症状を伴う脳器質性障害等の患者に対して、一定の治療計画に基づき、集団内の対人関係の相互作用を用いて、自己洞察の深化、社会適応技術の習得、対人関係の学習等をもたらすことにより病状の改善を図る治療法をいう。

(2) 通院集団精神療法は、精神科を標榜している保険医療機関において、精神科を担当する医師及び1人以上の精神保健福祉士又は臨床心理技術者等により構成される2人以上の者が行った場合に限り算定する。

(3) 1回に10人を限度とし、1日につき1時間以上実施した場合に、開始日から6月に限り週2回を限度として算定する。

(4) 通院集団精神療法を実施した場合はその要点を個々の患者の診療録に記載する。

(5) 通院集団精神療法と同一日に行う他の精神科専門療法は、別に算定できない。

I007 精神科作業療法

(1) 精神科作業療法は、精神障害者の社会生活機能の回復を目的として行うものであり、実施される作業内容の種類にかかわらずその実施時間は患者1人当たり1日につき2時間を標準とする。

(2) 1人の作業療法士が、1人以上の助手とともに当該療法を実施した場合に算定する。この場合の1日当たりの取扱い患者数は、概ね25人を1単位として、1人の作業療法士の取扱い患者数は1日3単位75人以内を標準とする。

(3) 精神科作業療法を実施した場合はその要点を個々の患者の診療録に記載する。

(4) 当該療法に要する消耗材料及び作業衣等については、当該保険医療機関の負担とする。

I008 入院生活技能訓練療法

(1) 入院生活技能訓練療法とは、入院中の精神疾患を有する患者に対して、行動療法の理論に裏付けられた一定の治療計画に基づき、観察学習、ロールプレイ等の手法により、服薬習慣、再発徴候への対処技能、着衣や金銭管理等の基本生活技能、対人関係保持能力及び作業能力等の獲得をもたらすことにより、病状の改善と社会生活機能の回復を図る治療法をいう。

(2) 精神科を標榜している保険医療機関において、経験のある2人以上の従事者が行った場合に限り算定できる。この場合、少なくとも1人は、看護婦、准看護婦又は作業療法士のいずれかとし、他の1人は精神保健福祉士等、臨床心理技術者又は看護補助者のいずれかとすることが必要である。なお、看護補助者は専門機関等による生活技能訓練、生活療法又は作業療法に関する研修を終了したものでなければならない。

(3) 対象人数及び実施される訓練内容の種類にかかわらず、患者1人当たり1日につき1時間以上実施した場合に限り、週1回を限度として算定できる。

(4) 1人又は複数の患者を対象として行った場合に算定できるが、複数の患者を対象とする場合は、1回に15人を限度とする。ただし、精神症状の安定しない急性期の精神疾患患者は、対象としない。

(5) 当該療法に従事する作業療法士は、精神科作業療法の施設基準において、精神科作業療法に専従する作業療法士の数には算入できない。また、当該療法に従事する看護婦、准看護婦及び看護補助者が従事する時間については、入院基本料の施設基準における看護職員の数に算入できない。

(6) 入院生活技能訓練療法を実施した場合はその要点を個々の患者の診療録に記載する。

(7) 入院生活技能訓練療法と同一日に行う他の精神科専門療法は、別に算定できない。

(8) 当該療法に要する消耗材料等については、当該保険医療機関の負担とする。

I009 精神科デイ・ケア

(1) 精神科デイ・ケアは精神障害者の社会生活機能の回復を目的として個々の患者に応じたプログラムに従ってグループごとに治療するものであり、実施される内容の種類にかかわらず、その実施時間は患者1人当たり1日につき6時間を標準とする。なお、この実施に当たっては、患者の症状等に応じたプログラムの作成、効果の判定等に万全を期すること。

(2) 精神科デイ・ケアは入院中の患者以外の患者に限り算定する。ただし、精神科デイ・ケアを算定している患者に対しては、同一日に行う他の精神科専門療法は、別に算定できない。

(3) 加算の対象となる食事の提供は、あくまでも医療上の目的を達成するための手段であり、治療の一環として行われた場合に算定する。

(4) 食事の提供の実施に当たっては、概ね入院時食事療養(Ⅰ)の基準に準じるものとし、関係帳簿を整備する。

(5) 同一の患者に対して同一日に精神科デイ・ケアと精神科ナイト・ケアをあわせて実施した場合は、精神科デイ・ナイト・ケアとして算定する。

(6) 当該療法に要する消耗材料等については、当該保険医療機関の負担とする。

I010 精神科ナイト・ケア

(1) 精神科ナイト・ケアは精神障害者の社会生活機能の回復を目的として行うものであり、その開始時間は午後4時以降とし、実施される内容の種類にかかわらず、その実施時間は患者1人当たり1日につき4時間を標準とする。

(2) その他精神科ナイト・ケアの取扱いについては、精神科デイ・ケアの取扱いに準じて行う。

I010―2 精神科デイ・ナイト・ケア

(1) 精神科デイ・ナイト・ケアは精神障害者の社会生活機能の回復を目的として行うものであり、実施される内容の種類にかかわらず、その実施時間は患者1人当たり1日につき10時間を標準とする。

(2) 精神科デイ・ナイト・ケアと精神科デイ・ケア又は精神科ナイト・ケアの届出をあわせて行っている保険医療機関にあっては、精神科デイ・ナイト・ケアと精神科デイ・ケア又は精神科ナイト・ケアを各々の患者に対して同時に同一施設で実施することができる。この場合、精神科デイ・ケア又は精神科ナイト・ケアを算定する患者は、各々に規定する治療がそれぞれ実施されている場合に限り、それぞれ算定できる。なお、同一日に実施される精神科デイ・ナイト・ケアの対象患者数と精神科デイ・ケア又は精神科ナイト・ケアの対象患者数の合計は、精神科デイ・ナイト・ケアの届出に係る患者数の限度を超えることはできない。

(3) その他精神科デイ・ナイト・ケアの取扱いについては、精神科デイ・ケアの取扱いに準じて行う。

I011 精神科退院指導料

(1) 精神科退院指導料は、精神科を標榜する保険医療機関において、1月を超えて入院している精神障害者である患者又はその家族等退院後の患者の看護に当たる者に対して、医師、看護婦、作業療法士及び精神保健福祉士等が共同して、保健医療サービス又は福祉サービス等に関する計画を策定し、「別紙様式1」を参考として作成した文書により、退院後の治療計画、退院後の療養上の留意点、退院後に必要となる保健医療サービス又は福祉サービス等について医師が説明を行った場合に算定する。なお、説明に用いた文書は、患者又はその家族等に交付するとともに、その写しを診療録に貼付すること。

(2) 精神科退院指導料は、指導を行った者及び指導の対象が患者又はその家族等にかかわらず、算定の基礎となる退院につき、1回に限り当該患者の退院日に算定する。

(3) 入院の日及び入院期間の取扱いについては、入院基本料における取扱いと同様である。

(4) 死亡退院の場合又は他の病院若しくは診療所に入院するため転院した患者については、算定できない。

(5) 退院指導料を算定した場合は、精神科退院指導料は算定できない。

I011―2 精神科退院前訪問指導料

(1) 精神科退院前訪問指導料は、精神科を標榜する保険医療機関に入院している精神障害者である患者の退院に先立ち、患家又は精神障害者社会復帰施設、小規模作業所等を訪問し、患者の病状、生活環境及び家族関係等を考慮しながら、患者又は家族等の退院後患者の看護や相談に当たる者に対して、退院後の療養上必要な指導を行った場合に算定する。なお、医師の指示を受けて保険医療機関の保健婦、看護婦、作業療法士又は精神保健福祉士等が訪問し、指導を行った場合にも算定できる。

(2) 精神科退院前訪問指導料は、指導を行った者及び指導の対象が患者又はその家族であるか等の如何を問わず、1回の入院につき1回を限度として指導の実施日にかかわらず退院日に算定する。ただし、入院後早期に退院に向けた訪問指導の必要があると認められる場合には1入院につき2回分を算定できる。この場合、1回目の訪問指導は入院後14日以内に診療方針の決定に当たって行われるものであり、2回目の訪問指導は退院前1月以内の期間に在宅療養に向けた最終調整を目的として行われるものとする。

(3) 精神科退院前訪問指導料は、退院して患家に復帰又は精神障害者社会復帰施設に入所する患者が算定の対象であり、医師又は看護婦、作業療法士若しくは精神保健福祉士等が配置されている施設に入所予定の患者は算定の対象としない。

(4) 精神科退院前訪問指導料を行った場合は、指導内容の要点を診療録等に記載する。

(5) 精神科退院前訪問指導に当たっては、当該保険医療機関における看護業務等に支障を来すことのないよう留意する。

(6) 保険医療機関は、精神科退院前訪問指導の実施に当たっては、保健所等の実施する訪問指導事業等関連事業との連携に十分配慮する。

(7) 退院前訪問指導料を算定した場合は、精神科退院前訪問指導料は算定できない。

I012 精神科訪問看護・指導料

(1) 精神科訪問看護・指導料(Ⅰ)は、精神科を標榜している保険医療機関において精神科を担当している医師の指示を受けた当該保険医療機関の保健婦、看護婦、作業療法士又は精神保健福祉士等(以下「保健婦等」という。)が、精神障害者である入院中以外の患者又はその家族等の了解を得て患家を訪問し、個別に患者又は家族等に対して看護及び社会復帰指導等を行った場合に算定する。

(2) 精神科訪問看護・指導料(Ⅱ)は、精神科を標榜している保険医療機関において、精神科を担当する医師の指示を受けた保健婦等が、グループホーム又は医師若しくは看護婦の配置を義務付けられていない精神障害者社会復帰施設の了解の下にこれらの施設を訪問して、当該施設に入所し、かつ、当該保険医療機関で診療を行っている複数の患者又はその介護を担当する者等に対して同時に看護又は社会復帰指導を行った場合に算定する。

(3) (2)に規定する精神科訪問看護・指導は、1名の保健婦等が同時に行う看護・指導の対象患者等の数は5名程度を標準とし、1回の訪問看護・指導に8名を超えることはできない。

(4) 医師は、保健婦等に対して行った指示内容の要点を診療録に記載する。

(5) 保健婦等は、医師の指示に基づき行った指導の内容の要点並びに訪問看護・指導を実施した際の開始時刻及び終了時刻を記録にとどめておく。

(6) 保険医療機関は、精神科訪問看護・指導の実施に当たっては、保健所の実施する訪問指導事業との連携に十分配慮する。

(7) 「注4」に規定する交通費は実費とする。

I013 持続性抗精神病注射薬剤治療指導管理料

(1) 持続性抗精神病注射薬剤治療指導管理料は、精神科を標榜する保険医療機関において、精神科を担当する医師が、持続性抗精神病注射薬剤を投与している入院中の患者以外の精神分裂病患者に対して、計画的な治療管理を継続して行い、かつ、当該薬剤の効果及び副作用に関する説明を含め、療養上必要な指導を行った場合に、月1回に限り、当該薬剤を投与した日に算定する。

(2) 持続性抗精神病注射薬剤とは、デカン酸ハロペリドール、エナント酸フルフェナジン及びデカン酸フルフェナジンをいう。

(3) 持続性抗精神病注射薬剤治療管理を行った場合は、治療計画及び指導内容の要点を診療録に記載する。

I014 痴呆患者特殊療法料

(1) 痴呆患者特殊療法料は、老人診療報酬の例により算定することとし、その実施上の留意事項は、老人保健福祉局から別途通知されるところによる。なお、「2」及び「3」については、老人保健法の規定による医療に要する費用の額の算定に関する基準の規定に基づき、別に厚生大臣が定める施設基準に適合しているとして都道府県知事に届出を行った保険医療機関にあっては、健康保険法の規定による療養に要する費用の額の算定方法の規定に基づく地方社会保険事務局長への届出が行われたものとみなす。

(2) 痴呆患者在宅療養指導管理料については、精神科を標榜する保険医療機関以外の保険医療機関においても算定できる。

第2節 薬剤料

精神病特殊薬物療法は、第2章第5部投薬として算定する。

第9部 処置

<通則>

1 処置の費用は、第1節処置料と第2節薬剤料と第3節特定保険医療材料料に掲げる所定点数を合算した点数によって算定する。この場合において、処置に当たって通常使用される包帯(頭部・頚部・●〔く〕幹固定用伸縮性包帯を含む。)、ガーゼ等衛生材料、患者の衣類及び保険医療材料の費用は、所定点数に含まれており、別に算定できない。

なお、処置に用いる衛生材料を患者に持参させ、又は処方せんにより投与するなど患者の自己負担とすることは認められない。

2 特に規定する場合を除き、患者に対して特定保険医療材料又は薬剤を支給したときは、これに要する費用として、特定保険医療材料については「特定保険医療材料及びその材料価格(材料価格基準)」の定めるところにより、薬剤については「使用薬剤の薬価(薬価基準)」の定めるところにより算定する。なお、この場合、薬剤費の算定の単位は1回に使用した総量の価格であり、患者に対して施用した場合に限り、特に規定する場合を除き算定できるものであるが、投薬の部に掲げる処方料、調剤料、処方せん料及び調剤技術基本料並びに注射の部に掲げる注射料は、別に算定できない。

3 浣腸、注腸、吸入その他第1節処置料に掲げられていない処置であって簡単な処置(簡な物理療法を含む。)の費用は、基本診療料に含まれるものとし、別に算定することはできない。

なお、処置に対する費用が別に算定できない場合(処置後の薬剤病巣撤布を含む。)であっても、処置に際して薬剤を使用した場合には、第2節薬剤料に定めるところにより薬剤料を算定することはできる。

4 「通則5」の休日加算、時間外加算又は深夜加算(以下「時間外加算等」という。)は、区分「A000」の注5、区分「A001」の注3、区分「A002」の注4の対象となる初診又は再診に引き続き行われた150点以上の緊急処置の場合についてのみ算定できるものであり、入院中の患者については対象とならない。なお、当該処置の開始時間が入院手続の後であっても当該加算は算定できる。

5 処置の開始時間とは、患者に対し直接施療した時とする。なお、処置料において「1日につき」とあるものは午前0時より午後12時までのことであり、午前0時前に処置を開始し、午前0時以降に処置が終了した場合には、処置を行った初日のみ時間外加算を算定し、午前0時以降の2日目については算定できない。

6 処置が保険医療機関又は保険医の都合により時間外となった場合は時間外加算等は算定できない。

7 時間外加算等に係る「所定点数」とは、第1節処置料に掲げられた点数及び各注による加算(ただし、酸素又は窒素を使用した場合の加算を除く。)を合計した点数であり、通則に基づく加算、第2節、第3節における費用は含まない。

8 5から7に規定する他、時間外加算等の取扱いについては、初診料における場合と同様である。

9 「通則6」における「特に規定する場合」とは、処置名の末尾に片側と記入したものをいう。両眼に異なる疾患を有し、それぞれ異なった処置を行った場合は、その部分についてそれぞれ別に算定できる。

10 「通則7」の加算は、腰部固定帯を給付する都度算定する。なお、「腰部固定帯」とは、従来、頭部・頚部・●〔く〕幹固定用伸縮性包帯として扱われてきたもののうち、簡易なコルセット状のものをいう。

11 胸部固定帯は、腰部固定帯に準じて算定することができる。ただし、肋骨骨折に対し非観血的整復術を行った後に使用した場合は、手術の所定点数に含まれており別途算定できない。

12 第1節に掲げられていない特殊な処置の処置料は、その都度当局に内議し、最も近似する処置として準用が通知された算定方法により算定する。

13 血腫、膿腫その他における穿刺は、新生児頭血腫又はこれに準ずる程度のものに対して行う場合は、陰嚢水腫穿刺に準じて算定できるが、小範囲のものや試験穿刺については、算定できない。

<処置料>

(一般処置)

J001 創傷処置

(1) 創傷処置、区分「J001」術後創傷処置及び区分「J053」皮膚科軟膏処置の各号に示す範囲とは、包帯等で被覆すべき創傷面の広さ、又は軟膏処置を行うべき広さをいう。なお、各号の中間に位する場合は、どちらに近いかによって近い方の号に該当するものとして扱う。

(2) 創傷処置、術後創傷処置、皮膚科軟膏処置の「2」の「頭部、頚部及び顔面」とは頭部+頚部+顔面の意味で、頚部以上の大部分を占める範囲のもののことである。また、「5」の「身体の大部」とは「体表の3分の2以上を被覆」の場合が該当する。

(3) 創傷処置における創傷には熱傷が含まれる。また、熱傷には電撃傷、薬傷及び凍傷が含まれる。

(4) 同一疾病又はこれに起因する病変に対して創傷処置、術後創傷処置、皮膚科軟膏処置又は湿布処置が行われた場合は、それぞれの部位の処置面積を合算し、その合算した広さを、いずれかの処置の各号に照らして算定するものとし、併せて算定できない。

(5) 同一部位に対して創傷処置、術後創傷処置、皮膚科軟膏処置、面皰圧出法又は湿布処置が行われた場合はいずれか一つのみにより算定し、併せて算定できない。

(6) 区分「C109」在宅寝たきり患者処置指導管理料を算定している患者(これに係る薬剤料又は特定保険医療材料料のみを算定している者を含む。)に対して、区分「C001」在宅患者訪問診療料を算定する日に、患家において、当該訪問診療と併せて行った創傷処置、ストーマ処置又は皮膚科軟膏処置の費用は算定できない。

(7) 中心静脈圧測定、点滴注射、静脈内注射及び中心静脈注射に係る穿刺部位のガーゼ交換等の処置料及び材料料は、別に算定できない。

J001 術後創傷処置

(1) 複数の部位の手術後の創傷処置については、それぞれの部位の処置面積を合算し、その合算した広さに該当する点数により算定する。なお、各号の範囲等については、「区分J000」創傷処置の(1)(2)(3)(4)及び(5)を参照されたい。

(2) 処置の回数にかかわらず、1日につき所定の点数のみにより算定する。

J002 ドレーン法(ドレナージ)

(1) 部位数、交換の有無にかかわらず、1日につき、所定点数のみにより算定する。

(2) ドレナージの部位の消毒等の処置料は、所定点数に含まれる。

(3) 「1」と「2」は同一日に併せて算定できない。

(4) ドレーン抜去後に抜去部位の処置が必要な場合、「J001」術後創傷処置の「1」として算定する。

J003 湿布処置

(1) 消炎鎮痛を目的とする外用薬を用いた処置は、湿布処置として算定する。

(2) 肛門処置は、「2」により算定する。ただし、単に坐薬等を挿入した場は当該手技料は算定できない。

(3) 患者自ら又は家人等に行わせて差し支えないと認められる湿布については、あらかじめ予見される当該湿布薬の必要量を外用薬として投与するものとし、湿布処置は算定できない。

J005 脳室穿刺

区分「D401」脳室穿刺と同一日に算定することはできない。

J006 後頭下穿刺

区分「D402」後頭下穿刺と同一日に算定することはできない。

J007 腰椎穿刺

(1) 区分「D403」腰椎穿刺と同一日に算定することはできない。

(2) 胸椎穿刺又は頚椎穿刺は、腰椎穿刺に準じて算定する。

J008 胸腔穿刺

(1) 胸腔穿刺、洗浄、薬液注入又は排液について、これらを併せて行った場合においては、胸腔穿刺の所定点数を算定する。

(2) 単なる試験穿刺として行った場合は、区分「D419」その他の検体採取の「2」により算定する。

J010 腹腔穿刺

超音波検査を用いて肝膿瘍等に対して穿刺術を行った場合は、区分「D412」経皮的針生検法に準じて算定する。

J011 骨髄穿刺

区分「D404」骨髄穿刺と同一日に算定することはできない。

J012 腎嚢胞又は水腎症穿刺

区分「D407」腎嚢胞又は水腎症穿刺と同一日に算定することはできない。

J013 ダグラス窩穿刺

区分「D408」ダグラス窩穿刺と同一日に算定することはできない。

J014 乳腺穿刺

区分「D410」乳線穿刺又は針生検と同一日に算定することはできない。

J015 甲状腺穿刺

区分「D411」甲状腺穿刺又は針生検と同一日に算定することはできない。

J016 リンパ節等穿刺

区分「D409」リンパ節等穿刺又は針生検と同一日に算定することはできない。

J017 エタノールの局所注入

(1) 肝がん等に対してエタノールを局所注入した場合に算定する。なお、使用したエタノールは、所定点数に含まれ別に算定できない。

(2) 当該手技に伴って実施される超音波検査、画像診断の費用は所定点数に含まれる。

J018 喀痰吸引

(1) 喀痰の凝塊又は肺切除後喀痰が気道に停滞し、喀出困難な患者に対し、ネラトンカテーテル及び吸引器を使用して喀痰吸引を行った場合に算定する。

(2) 喀痰吸引、気管支分泌物吸引、間歇的陽圧吸入法、鼻マスク式補助換気法、高気圧酸素治療、インキュベーター、人工呼吸、持続陽圧呼吸法、間歇的強制呼吸法、気管内洗浄(気管支ファイバースコピーを使用した場合を含む。)、ネブライザー又は超音波ネブライザーを同一日に行った場合は、主たるものの所定点数のみにより算定する。

(3) 内視鏡で行った気管支分泌物の吸引は区分「J023」気管支カテーテル薬液注入法に準じて算定する。ただし、算定は1日に1回を限度とする。

(4) 干渉低周波去痰器による喀痰排出は、喀痰吸引及びその「注」に準じて算定する。ただし、喀痰吸引と喀痰排出を同一日に行った場合はどちらか一方のみ算定する。

J019 持続的胸腔ドレナージ