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○診療報酬明細書等の点検調査について

(平成一〇年六月二三日)

(庁保険発第一一号)

(各都道府県民生主管部(局)保険主管課(部)長あて社会保険庁運営部保険指導課長通知)

今般、平成一〇年六月二三日庁保発第二一号「レセプト点検事務センターの設置について」をもって当庁運営部長から都道府県民生主管部(局)長あて通知されたところであるが、診療報酬明細書及び調剤報酬明細書の点検調査等については、原則として都道府県を単位とした一括集中処理方式により実施することとし、別紙のとおり「診療報酬明細書等の点検調査要綱」を定めたので通知する。

なお、実施に当たっては、この通知に基づくほか都道府県の実情を踏まえた工夫を加えることにより、医療費適正化の効果が一層向上されるよう、格段の取り組みをお願いしたい。

おって、この通知の適用に伴い、平成六年五月一一日庁文発第一六〇四号保険指導課長通知「診療報酬明細書等の点検調査について」は廃止する。

(別紙)

診療報酬明細書等の点検調査要綱

第一 目的

診療報酬明細書及び調剤報酬明細書(以下「レセプト」という。)の点検調査等について、効率的な点検調査の実施を図るとともに、保険医療指導事務との連携を的確に行うことにより、医療費適正化対策を推進することを目的とする。

第二 レセプト点検調査等の実施

一 資格点検調査

(一) 「診療報酬明細書等の点検業務の効率化について」(平成五年九月二二日庁文発第二七九九号)に基づく事務処理機器を使用した処理方法(以下「事務処理機器を使用した処理方法」という。)により出力される「不突合レセプト一覧表」と該当レセプト等を照合する方法により行う。

(二) 「不突合レセプト一覧表」の出力は、「不突合レセプト集計表」を参考に、次に掲げる不突合原因について行うものとする。

なお、第二表に掲げる不突合原因については、各都道府県の実情に応じて行うものとする。

(第一表)

コード

不突合原因

01

郡市区なし

02

事業所なし

03

被保険者なし

09

取得前受診・事故

12

喪失後受診・事故(未)

13

喪失後受診・事故(済)

16

老人保健該当・事故

18

老人保健非該当・事故

20

継続療養(疾病、期間)

21

有効期限後受診(未)

22

有効期限後受診(済)

23

パンチ・記載ミス疑い

(第二表)

コード

不突合原因

04

生年誤り

05

性別誤り

06

受診者特定できない

07

本人/家族区分誤り

08

取得前受診・疑い

10

喪失後受診・疑い(未)

11

喪失後受診・疑い(済)

14

事業所記号番号変更

15

老人保健該当・疑い

17

老人保健非該当・疑い

19

継続療養(疾病)

(三) 健康保険法第六九条の七及び船員保険分の資格点検調査は、次により行う。

なお、健康保険法第六九条の七及び船員保険の疾病任意継続と継続療養に該当するレセプトの資格確認については、健康保険日雇特例被保険者原票及び船員保険給付記録台帳を管理する社会保険事務所(船員保険事務を取り扱う保険主管課(部)を含む。)で確認することとし、その後の事務処理はレセプト点検事務センターで行うこととする。

① 全数点検調査及び事故カード(リスト)等の作成

イ 全数点検調査は継続する三か月に一回以上行うこととし、各都道府県社会保険診療報酬支払基金(以下「支払基金」という。)から送付されたレセプトの本人及び家族分の全数について行うこと。

なお、ロにより作成する事故カード(リスト)等を活用して既往の診療月分にかかるレセプトについても行うこと。

ロ 傷病が転帰するまでには傷病の程度が軽度のものを除き一般的に相当の月を要し、複数の診療月分に及ぶ可能性があるので、全数点検調査の結果、事故となった本人分レセプトのうち、当該診療月前又は当該診療月後のレセプトについても事故がある可能性のものについては、「レセプト点検調査事故カード」(別紙一)の例に準じた事故カード(リスト)を作成すること。

② 抽出点検調査

抽出点検調査は全数点検調査以外の各月に行うこととし、支払基金から送付されたレセプトのうち上記事故カード(リスト)等に記録された者に係るレセプトを抽出して行うこと。

二 内容点検調査

(一) 縦覧点検調査

単月点検調査を行ったレセプトについて、保険医療機関単位に、連続した複数月レセプトを有する者について、原則三か月の縦覧点検調査を行う。

なお、次の内容に留意した点検調査を行う。

① 継続した診療内容に関する疑義の有無

② 漫然と長期にわたる診療内容の有無

③ 診療内容が過剰と思われるもの(各種処置、検査、投薬および検査材料。)

(二) 単月点検調査

点検対象レセプト及び重点点検項目について、次の内容に留意した点検調査を行う。

① 傷病名等から見て一件あたりの診療点数が著しく高いもの

② 健保本人、老人医療及び被扶養者との診療内容の格差が著しいもの

③ 診療内容、請求内容から見て傷病名が著しく多いもの

④ レセプトに訂正、追加の多いもの

⑤ 傾向診療のあるもの(画一的処置、検査、投薬の有無。)

⑥ 診療内容が過剰と思われるもの(各種処置、検査、投薬および検査材料。)

(三) 健康保険法第六九条の七及び船員保険分の内容点検調査は、前記(一)及び(二)に準じて行う。

三 点検調査後の処理

(一) 照会・調査

① レセプト点検調査の結果、本人及び保険医療機関等に照会・調査の必要があるものは、文書により行う。

② 本人及び保険医療機関等からの回答については、当該レセプトと照合する。

③ 実地調査を必要とする場合は、状況に応じて出張調査等を行う。

(二) 再審査等請求等

① 事故レセプトについては、支払基金に対し再審査等請求を行う。

なお、具体的な事務処理は、「政府管掌健康保険及び船員保険の診療報酬明細書等に係る再審査等請求について」(平成八年二月一五日庁文発第六〇八号)に基づくものとする。

② 事故レセプトのうち、本人に責がある場合は、本人に返還措置を行う。

第三 第三者行為等保険事故の求償等

一 外傷点検調査

傷病届の提出、事故表示のあるレセプトのほか外科、整形外科を標榜する保険医療機関等の次のレセプトについて、負傷原因等の調査を行う。

なお、健康保険法第六九条の七及び船員保険分についても同様とする。

(一) 事業所の業態から見て業務上の疑いのある傷病に係るレセプト

(二) 通勤災害の疑いのある傷病に係るレセプト

(三) 第三者行為による事故の疑いのある傷病に係るレセプト

二 求償事務

求償事務の取扱については、「政府管掌健康保険の自動車損害賠償責任保険等に対する求償事務の取扱について」(昭和四三年七月二五日庁保険発第八号)等に基づき処理するものとする。(具体的な事務処理は、解説書「健康保険における第三者行為保険事故の求償の実務(平成八年改訂版)」を参照。)

なお、調査・確定された求償額の徴収等事務については、レセプト点検事務センターからの「債権発生通知書」に基づき、当該社会保険事務所において行う。

三 関係機関との連携等

第三者行為等に係るレセプトの事故調査等を効率的に行うため、関係機関等との連携を強化する。

(一) 労働基準局又は労働基準監督署との情報交換体制の整備

(二) 保険医療機関に対し、交通事故に係るレセプトに交通事故表示の徹底を要請

(三) 損害保険会社等との情報交換体制の整備

四 外傷点検調査後の処理

(一) 第三者行為に係るものは、求償額を確定し、社会保険事務所の歳入徴収官へ「債権発生通知書」を送付する。

(二) 業務上、通勤災害に係るものは、本人に返還措置を行うこととし、社会保険事務所の歳入徴収官へ「債権発生通知書」を送付する。

なお、保険医療機関に責がある場合は、支払基金に対し再審査等請求を行う。

(三) 事故レセプトの対象外となったレセプトは内容点検調査を行う。

第四 その他関連する業務処理等

一 医療費通知

二か月分に相当する量のレセプト及び柔道整復師の施術に係る療養費支給申請書を通知の対象とする。

なお、具体的な事務処理は、「政府管掌健康保険及び船員保険の被保険者等の指導について」(平成二年九月一八日庁保険発第一五号及び同日庁文発第二三二一号)に基づき処理するものとする。

二 事業所等指導

レセプト点検調査結果等を活用し、資格喪失後受診、業務上、通勤災害に係る受診及び重複受診等が多い事業所等に対して、文書又は各種調査等の機会を活用して適正受診の指導を行う。

三 社会保険事務所と関連する業務

(一) 社会保険事務所における、高額療養費、傷病手当金等の請求に係る審査事務及び健康保険法第五五条の資格喪失後の継続給付に係る決定事務などでレセプトが必要な場合は、社会保険事務所からの依頼に基づき、該当レセプトの写しをレセプト点検事務センターから送付する。

(二) 社会保険事務所において、傷病手当金等の請求書から第三者行為による事故の疑いがあるものが発見された場合は、社会保険事務所とレセプト点検事務センター間で十分連携を図り、その処理をする。

第五 その他

一 レセプト点検調査の結果については、「診療報酬明細書点検調査結果報告書作成要領」(別紙二)に基づき「診療報酬明細書点検調査結果報告書」(別紙三)を作成し、社会保険庁運営部保険指導課長あて報告すること。

二 レセプト点検調査の具体的な実施については、「レセプト点検一括集中処理方式の業務処理手順書」(別添一)及び「内容点検実務要領(点検の着眼点)」(別添二)を参考に、各都道府県毎に「レセプト点検調査事務取扱要領」等を策定して行うこと。

(別紙1)

(別紙2)

診療報酬明細書点検調査結果報告書作成要領

Ⅰ 報告上の注意

1 この報告書は、政府管掌健康保険、健康保険法第69条の7の規定による被保険者分及び被扶養者分並びに船員保険分ごとにそれぞれ一般分、老人分に分けて都道府県単位に作成すること。

2 この報告書は、毎年4月30日までに当課あて報告すること。

3 この報告書の用紙はA列4版とすること。

Ⅱ 記載上の注意

1 第1表について

「診療報酬明細書の実件数」欄には、4月から3月までに社会保険診療報酬支払基金から送付された診療報酬明細書(調剤報酬明細書を含む。)の実件数を記載すること。

2 第2表について

平均被保険者数は、4月から3月までの各月末における被保険者数の平均によること。

なお、老人分については、窓口装置から「老人保健加入者数調」を配信取得し、4月から3月までの各月末における被保険者数と被扶養者数の合計の平均によること。

3 第3表について

件数及び金額欄には、徴収決定済となった時点が属する年度(国の会計年度所属区分)にしたがって、各社会保険事務所において把握している徴収決定済件数及び金額を区分毎に記載すること。

(別紙3)

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