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○診療報酬点数表等の一部改正に伴う実施上の留意事項について

(昭和五一年三月三一日)

(保険発第一九号)

(各都道府県民生主管部(局)・保険・国民健康保険課(部)長あて厚生省保険局医療課長通知)

健康保険法の規定による療養に要する費用の額の算定方法等の一部改正については、本日付保発第一一号をもって厚生省保険局長から都道府県知事あて通知されたところであるが、これが実施に伴う留意事項は、次のとおりであるので、その取扱いに遺憾のないよう関係者に対し、周知徹底を図られたい。

なお、従前の通知で、今回の一部改正に係る部分は廃止する。

また、今回の改正において、名称の変更、項目の新設による区分番号の変更等を行ったことに伴い、従来のこれらに関する通知については、改正後の名称、区分番号等に読み替えるものとする。

おって、療養費払いの際の療養に要する費用の算定方法は、本年四月一日以降の診療分について、改正された診療報酬点数表等によって算定されるものであるから念のため申し添える。

第一 甲点数表に関する事項

1 入院時基本診療料

(1) 病衣貸与加算について

ア 室料の「注」に新設された病衣貸与加算は、基準寝具承認保険医療機関において、都道府県知事の承認を受けた場合に算定するものであること。

したがって、当該加算は保険医療機関の全病棟について包括的に行われるものであることから、一部病棟を対象とした加算は、認められないものであること。

イ 病衣貸与加算を申請しようとする保険医療機関については、基準看護、基準給食、基準寝具設備実施承認申請書及び同添付書類(昭和三三年八月二三日保発第五三号通知の別紙様式)を提出させ、これによりその確認を行い承認するとともに、当該保険医療機関及び関係団体等へ通知すること。

ウ 病衣貸与加算の承認に相当日数を要する場合であって、当該保険医療機関から特段の申出がある場合はとりあえず承認を行って差し支えないこと。

なお、確認の結果、病衣貸与加算の承認基準に該当しない場合には、当該承認を遡及して取消すこと。

(2) 特別食について

別に厚生大臣が定める特別食(昭和三三年厚生省告示第一七九号の別表九)について、ケトン尿症食を削除し、新たに痛風食及びフェニールケトン尿症食を追加したが、これらの取扱いは、従前の特別食の取扱いと同様であること。

2 入院時医学管理料

入院時医学管理料を算定する場合、起算日としての入院の日とは、入院患者の保険種別変更等の如何を問わず当該保険医療機関に入院した日をいうものであること。

3 廃止

4 検査料

(1) 副甲状腺機能低下症の診断及び副甲状腺機能低下症と偽性副甲状腺機能低下症との鑑別診断を行うために、エルスワース・ハワード試験を行った場合は、一回の尿中燐酸排泄量測定につき、区分「○二四」血液理化学検査の「3.」アミラーゼ定量、エベリン・マロイ法等により算定するものであること。

なお、当該検査の測定回数は、おおむね三回程度とするものであること。

また、使用した薬剤の費用は、区分「○九七」検査の部の薬剤料の項により算定するものであること。

(2) 血清凝集反応によるⅠgG、ⅠgA、ⅠgMの定量検査は、区分「○二四」血液理化学検査の「6.」蛋白結合ヨード定量等により算定するものであること。

なお、使用した試薬(標準血清を含む。)代については、別に算定できないものであること。

(3) 区分「○二七―二」動的赤血球膜物性検査とは、Coil Planet Centrifugeを応用した検査であり、当該検査に当たって使用するサンプルコイル、浸透圧勾配作成液等すべての費用は所定点数に含まれるものであること。

(4) 区分「○二八―二」リンパ球幼弱化検査には、染色、培養、鏡検等すべての費用が含まれるものであること。

(5) TPHA―キットによる梅毒TP感作血球凝集反応検査は、区分「○三七」梅毒補体結合反応検査(緒方法等)の「1.」定量により算定するものであること。

なお、使用した特定検査用試薬代は、区分「○九八」特定検査用試薬により算定するものであること。

(6) 今回特定検査用試薬として追加したHCG「ロシュ」スライドテストは、従前のプレグネックス「ロシュ」を名称変更したものであり、その取扱いはプレグネックス「ロシュ」と同様であること。

(7) スライド法妊娠試験用試薬として新たにゲステートスライド〝栄研〟を追加し、その取扱いは昭和四三年九月一九日保険発第九五号通知の1の(2)によるものであること。

(8) 赤血球凝集反応による抗ストレプトリジンO価の測定は、区分「○四一」非特異性凝集反応検査の「四」C反応性蛋白試験により算定するものであること。

なお、使用した試薬(標準血清を含む。)代は別に算定できないものであること。

(9) オーレンの凝血因子、活性値測定(第Ⅱ、第Ⅶ、第Ⅹ因子同時測定)は、区分「○四一」非特異性凝集反応検査の「四」C反応性蛋白試験により算定するものであること。

(10) ラテツクス凝集反応によるフイプリン分解産物(F.D.P)定量検査を行つた場合は、区分「○四一」非特異性凝集反応検査「三」ポール・バンネル反応により算定するものであること。

(11) 赤血球凝集抑制反応によるフイプリン分解産物(F.D.P)定量検査又はフイプリノーゲン定量検査を行つた場合は、それぞれ区分「○四一」非特異性凝集反応検査の「四」C反応性蛋白試験により算定するものであること。

なお、使用した特定検査用試薬代は、区分「○九八」特定検査用試薬により算定するものであること。

(12) 風疹ウイルス又は麻疹ウイルスの抗体価測定は、それぞれ区分「○四一」非特異性凝集検査の「五」ウイルス血清反応により算定するものであること。

(13) 〔編注 昭和五三年一月二八日保険発第九号(診療報酬点数表の一部改正等実施上の留意事項について)により廃止〕

(14) カルジオスコープ又はカルジオタコスコープの算定

ア カルジオスコープ又はカルジオタコスコープを使用して心電曲線の観察を行つた場合の算定は、次の場合に限り認められるものであること。

(ア) 全身麻酔(迷もう麻酔を除く。)下に実施する手術時の場合

(イ) 重篤な心機能障害あるいは呼吸機能障害を有する患者又はそのおそれのある患者に対し、医師が直接監視する必要がある場合

イ その算定にあたつては、次によるものであること。

(ア) アの(ア)の場合には、三○分又はその端数を増すごとに区分「○四六」心電図検査の「一」四肢単極誘導及び胸部誘導を含む最低十二誘導の所定点数を算定するものであること。

(イ) アの(イ)の場合は、三時間を超えない場合には、イの(ア)の算定方法により算定するものとし、三時間を超えて監視を行つた場合は、一日につきイの(ア)の所定点数の五時間に相当する点数を算定するものであること。

(15) 胆道障害の術後において、胆管内にドレーンを留置して行う胆道内圧測定は、手術日を除き一日につき区分「○四五」循環機能検査の「二」簡単なもの(心肺係数測定等)により算定するものであること。

(16) 自記オージオメーターによる聴力検査は、区分「○七○」標準純音聴力検査により算定するものであること。

(17) ラジオイムノアツセイによる免疫グロプリンE(1gE)の血清中濃度測定は、区分「○七三」ラジオアイソトープによる諸検査の「四」血漿蛋白結合能測定等により算定するものであること。

なお、使用した試薬代は、別に算定できないものであること。

(18) 区分「○五八―二」量的視野検査(片側)には、全視野にわたつて検査する場合のほか、例えば、中心視野を特に重点的に検査する量的中心視野検査など、視野の一定部位を限定して検査する場合があるが、二つ以上の部位にわたつて当該検査を同時に実施した場合においても、本区分の所定点数のみを算定するものであること。

(19) 区分「○五九」屈折・調節検査(眼鏡処方せんの交付を含む。)の取扱いは次によること。

ア 屈折検査とは、検眼レンズ等による自覚的屈折検定方法又は検影法、レフレクトメーターによる他覚的屈折検査法をいうものであること。

イ 調節検査とは、近点計等による調節力の測定をいうものであること。

ウ 〔編注 昭和五三年一月二八日保険発第九号(診療報酬点数表の一部改正等実施上の留意事項について)により廃止〕

(20) 区分「○六七」細隙灯顕微鏡検査において、写真診断を必要として撮影を行つた場合の使用フイルムについては、フイルム代(現像代及び現像のため実際に保険医療機関が負担した場合の郵送料を含む。)の実費を一○円で除して得た点数を算定するものであること。

(21) ヒルシユスプルング病、鎖肛等の直腸肛門疾患の術後の肛門機能検査を電気生理学的に行う直腸肛門内圧測定検査は、区分「○九○」直腸鏡検査により算定するものであること。

(22) 特定検査用試薬については、次のとおり新たに収載した四品目の標準価格を定めるとともに、既収載品目の一部について標準価格を改定したこと。

ア 新たに収載した品目

FDPキツト“ウエルカム”

検査一回分

につき     一、○五○円

TPHA―キツト(KW)

〃        三三○円

HCG「ロシユ」スライド

テスト         〃        六○○円

ゲステートスライド“栄研”

〃        六○○円

イ 標準価格を改定した品目

妊娠診断薬プレグノスチコン

検査一回分

につき       六○○円

ゴナビス

〃        六○○円

UCGテスト

〃        六○○円

プレグノスチコンオール・

イン・テスト      〃        六○○円

ルテオノスチコン

〃      二、九○○円

ハイゴナビス

〃      二、九○○円

プレグノスチコンプラノテ

スト          〃        六○○円

ゴナビスライド

〃        六○○円

DAPテスト       〃        六○○円

HA四号(キナーゼテスト)

〃        三八○円

ウ 削除した品目

プレグネツクス「ロシユ」

蛍光抗体法用抗ヒトガンマングロプリン標準抗体“栄研”

5 投薬料

(1) 一回の処方において、二種以上の内服薬を調剤とする場合には、それぞれの薬剤を個別の薬包等に調剤しても、次の場合を除き服用時点が同時で、かつ、服用回数が同じであるものについては、一剤とするものであること。

ア 配合不適等調剤技術上の必要性から個別に調剤した場合

イ 固型剤と内用液剤の場合

ウ 内服錠とチュアプル錠等のように服用方法が異なる場合

(2) 保険医療機関が、喘息及びアレルギー性鼻炎の吸入用治療剤の施用のために患者に小型吸入器及び鼻腔・口腔内治療剤の施用のため噴霧・吸入用器具(散粉器)を交付した場合は、患者にその実費を負担させて差し支えないが、患者が当該吸入器を返還した場合は当該実費を返還するものとであること。

6 注射料

(1) 区分「一二二」リンゲル液等大量注射の注の六歳未満の乳幼児についての加算は、従前静脈内の場合のみ認められていたが、これを皮下注射等におけるリンゲル液等大量注射についても、当該加算を認めることとしたこと。

(2) 区分「五七六」脳室穿刺に一歳以上六歳未満の幼児に対する加算を新設したことに伴い、区分「一二五」脳脊髄腔注射における脳室穿刺の点数算定についても、後頭下穿刺と同様の取扱いをすることとしたこと。

(3) 「ディスポーザブル静脈内留置針」は、おおむね二四時間以上にわたつて経皮的静脈確保を必要とする症例に限つて算定することとされているが、六歳未満の乳幼児、ショック状態又はショック状態におちいる危険性のある症例の場合は、経皮的静脈確保の必要性が認められる場合に限り、二四時間以内であつても算定して差し支えないものであること。

7 理学療法料

(1) 区分「一四一」密封小線源治療の「4」ラドンシード及び同注のラドンシードをそれぞれ放射性粒子と名称変更したが、放射性粒子の照射とは組織内に放射性金粒子等を刺入する場合で、その使用本数には関係なく一回につき所定点数を算定するものであること。

なお、刺入についての手技料は、所定点数に含まれるものであること。

(2) 超音波ネプライザーを行つた場合は一回につき区分「二一二」創傷処置の「1」に準じて算定するものであること。なお、酸素療法を併せて行つた場合は、酸素吸入の所定点数を合算するものであること。

8 精神病特殊療法料

(1) 項目の整理について

ア 従前の区分「一五○」マラリヤ発熱療法、「一五一」薬剤注射による発熱療法、「一五二」インシュリン衝撃療法及び「一五三」痙攣療法を統合して、新たに区分「一五○」発熱・衝撃療法としたが、これについての取扱いは、従前のとおりであること。

イ 従前の区分「一五五」精神療法及び「一五七」簡便型精神分析療法を統合して新たに区分「一五二」精神療法(簡便型精神分析療法を含む。)とするとともに、精神科カウンセリグを廃止したことに伴い、従前の区分「一五五」精神療法、「一五六」標準型精神分析療法、「一五七」簡便型精神分析療法及び「一五七―二」精神科カウンセリングに係る従前の通知はすべて廃止することとしたこと。

(2) 精神療法について

ア 精神療法とは、精神神経症や精神障害の患者に対して、一定の治療計画に基づいいて精神面から効果ある心理的影響を与えることにより、これらの精神疾患に起因する不安や葛藤を除去し、情緒の改善を図り洞察へと導く治療方法を総称するものであり、その取扱いは次によるものであること。ただし、標準型の精神分析療法を行つた場合には、区分「一五三」標準型精神分析療法により算定するものであること。

イ 区分「一五二」精神療法(簡便型精神分析療法を含む。)の適応症は、精神神経症、精神分裂病、躁うつ病等の精神障害であり、精神薄弱及び痴呆は除かれるものであること。

ウ 区分「一五二」精神療法(簡便型精神分析療法を含む。)として算定できる回数は、医学的に妥当と認められる限度に止めるべきであること。

エ 医師が個別的に患者に対し直接言語誘導により、催眠的療法を行う自律訓練は、区分「一五二」精神療法(簡便療法精神分析療法を含む。)により算定するものであること。

オ 集団的に行われる精神療法については、算定できないものであること。

(3) 標準型精神分析療法について

ア 区分「一五三」標準型精神分析療法とは、口述による自由連想法を用いて抵抗、転移、幼児体験等の分析を行い、解釈を与えることによつて洞察へと導く治療法をいうものであり、おおむね月六回を標準として算定するものであること。

イ 筆記により自由連想法的手法で行う精神分析療法は、一時間以上にわたるような場合であつても、入院中の患者にあつては入院精神療法により、入院中の患者以外の患者にあつては通院精神療法として算定するものであること。

(4) 廃止

(5) その他について

前期以外の取扱いについては、従前の取扱いに関する通知を適用するものであること。

9 処置及び手術料

(1) 顕微鏡下手術について

通則6.を新設し、顕微鏡下で行つた手術については、所定点数の一○○分の一○○に相当する点数を加算する(当該手術が顕微鏡下で冷凍凝固法により行われた場合の加算は、顕微鏡下加算の点数のみとする。)ことができることとし、これに該当するものは、次のとおりであること。なお、これらの項目に準じて所定点数を算定する手術については、通則6.の適用はないものであること。

区分番号

手術名

299

全副鼻腔根本手術

308

咽頭腫瘍摘出術

308―2

咽頭ポリープ手術

364

耳下腺腫瘍摘出術

377―2

食道入口部腫瘍摘出術(異物摘出を含む。)

564

下垂体腫瘍摘除術(経鼻的)

569

神経形成術(縫合、剥離、切除)

570

神経移植術

572―2

脳腫瘍摘出術

574

脊髄硬膜内手術

583

開頭式神経術

584

脊髄腫瘍摘出術

593

前房・虹彩・硝子体内異物除去術(マグネット使用)

595

円錐角膜手術

596

角膜腫瘍手術

596―2

結膜異物除去術

597

角膜異物除去手術

598

ゼーミッシュ角膜切開術

599

強膜異物除去術

599―2

強膜内陥術

600

光学的虹彩切除術

601

緑内障手術

602

硝子体吸引術

603

前房穿開又は前房穿刺

604

白内障手術

605

硝子体置換術

606

網膜剥離症手術

606―3

視束管開放術

607

斜視手術

607―2

目筋移植術

619

角膜バンヌス手術

620

翼状贅片手術

621

角膜切除術

622

角膜点墨染色術

623

角膜移植術

624

角膜縫合術

628

睫毛電気分解術(毛根破壊)

631

涙管切開術

631―2

涙小管形成術

635―2

先天性鼻涙管閉塞開放術

636

涙嚢鼻吻合術

642―2

中耳内チューブ留置術

644

鼓室形成術

644―2

鼓膜形成術

646

乳様洞削開術

647

中耳根本手術

647―2

鐙骨手術

647―3

鐙骨可動化手術

647―4

顔面神経管開放術

649

内耳全摘除術

649―2

聴神経腫瘍摘出術

650

錐体突起開放術

651

耳科的硬膜外腫瘍切開術

652

迷路開窓術

652―2

内リンパ嚢開放術

653

耳科的頭蓋内手術

(2) 酸素テントは、区分「二○三」酸素吸入(一日につき)により算定することとし、使用した酸素、ソーダライム及び氷代については、その購入価格を一○円で除して得た点数を加算するものであること。

(3) 突発性難聴に対する酸素療法は、区分「二○三」酸素吸入(一日につき)により算定するものとする。

(4) 酸素を動力源とする閉鎖循環式麻酔装置、高気圧酸素治療装置等を利用して、人工呼吸、酸素吸入、高気圧酸素治療等を行つた場合、動力源として費消される酸素の費用は算定できないものであること。

(5) 喀痰の凝塊又は肺切除後喀痰が気道に停滞し、喀出困難なときに、ネラトンカテーテル及び吸引器を使用して喀痰吸引を行つた場合には、一日につき区分「二一二」創傷(火傷、電撃傷、薬傷及び凍傷を含む。)処置及び皮膚科処置の「2.」により算定するものであること。

(6) 機械・器具使用脊柱整復固定術について

ア 区分「二三八―二」器械・器具使用脊柱整復固定術は、脊髄又は脊椎損傷に対してローリング・プラスタージャケットを使用して行う療法であり、脊椎の整復術を行つた場合には、別途その所定点数を算定できるものであること。

イ 当該整復固定術を行つた日は、整復固定監視料の算定はできないものであること。

ウ 当該整復固定に使用した固定金具、クラウメルシーネ及びエバウルシートは、区分「六七○」特定治療材料として算定するものであること。

(7) 動脈間バイパス造成術について

ア 区分「三三八―二」動脈間バイパス造成術におけるバイパス造成用自家血管の採取料については、当該所定点数に含まれているものであること。

イ 当該手術に使用する人工血管は、区分「六七○」特定治療材料として算定するものであること。

(8) 区分「三三八―二」動脈間バイパス造成術以外の手術における自家血管の採取料については、区分「二○一」創傷処理の「3.」の所定点数により算定するものであること。

(9) 区分「三四一」の「12.」非開胸的ボタロー管開存閉鎖術にあたつて使用するカテーテル及びガイドワイヤーは、区分「六七○」特定治療材料として算定するものであること。

(10) 中心静脈栄養法について

ア 区分「三四五」の「5.」中心静脈栄養法は、入院患者であつて消化管からの栄養摂取が長期にわたり傷害されている症例に対して、具体的目的をもつた治療の一環として行われる手術であること。

イ 当該手術に使用する薬剤は、区分「六六九」薬剤により、カテーテルは、区分「六七○」特製治療材料により、それぞれ算定するものであること。

(11) 大伏在静脈における血栓性静脈炎に対しての静脈抜去は、区分「三四八」静脈瘤切除術により算定するものであること。

(12) 区分「三四八―二」広範囲静脈瘤抜去術における広範囲とは、例えば、大腿部から下腿部に及ぶ範囲のものをいうものであること。

(13) 区分「三四八―二」ファイバースコープ下胃ポリープ切除(焼灼)術において、ポリープを数個切除又は焼灼した場合においても、切除又は焼灼したポリープの数に関係なく所定点数により算定するものであること。

(14) ファイバースコープを使用した大腸ポリープを切除又は焼灼した場合は、区分「三八四―二」ファイバースコープ下胃ポリープ切除(焼灼)術の所定点数により算定するものであること。なお、この場合、切除又は焼灼した大腸ポリープの数に関係なく所定点数により算定するものであること。

(15) 鼻腔栄養について

ア 区分「三九○―二」鼻腔栄養の所定点数は、注入回数の如何を問わず一日につき五五点を算定するものであること。

患者が経口摂取不能のため①薬価基準に収載されている高カロリー薬を経鼻経管的に投与した場合は鼻腔栄養の手技料及び薬剤料を算定し、給食料及び投薬料は別に算定しない。②薬価基準に収載されていない流動食を給与した場合は鼻腔用の手技料及び給食料を算定する。②の場合において、当該保険医療機関が基準給食の承認を受けているときは基準給食の加算を、さらに、特別食の算定要件を満たしているときは特別食の加算を認める。薬価基準に収載されている高カロリー薬及び薬価基準に収載されていない流動食を併せて投与及び給与した場合は、①又は②のいずれかのみにより算定する。

イ 食道癌を手術した後、胃瘻より流動食を点滴注入した場合は、鼻腔栄養に準じて取扱うものとすること。

(16) 優生保護法に関する事務次官通知の改正(昭和五一年一月二○日厚生省発衛第一五号)により「胎児が母体外において生命を保続することができない時期」の基準が「通常、妊娠八月未満」から「通常、妊娠七月未満」に改められたことに伴い、人工妊娠中絶手術の算定について、「七箇月まで」を「六箇月まで」と改めるものであること。

したがつて、妊娠七箇月以上のものの中絶は、人工妊娠中絶手術として取り扱わないものとし、実際に行つた分娩誘導又は産科手術式の所定点数によつて算定するものであること。

(17) 輸血料について

ア 輸血料に伴つて行つた血液型検査(ABO式)は、患者について行つた場合にのみ区分「○四一」血液型検査(ABO式)の所定点数を加算するものであること。

イ 輸血に伴つて行つた血液交叉試験の点数は、生血を使用する場合にあつては供血者毎に、保存皿を使用する場合にあつては血液瓶一瓶毎に、それぞれ加算するものであること。

ウ 輸血に伴つて供血者について行つた諸検査については、別に算定できないものであること。

(18) 特定治療材料について

ア 自動腹膜潅流装置専用回路及び自動腹膜潅流用カテーテルについては、腹膜潅流装置専用回路及び腹膜潅流用カテーテルとしたこと。

イ 心臓手術用カテーテルを追加し、当該カテーテルには、併用するガイドワイヤーを含むものであること。

ウ 心臓手術用カテーテルの算定できる処置及び手術は、区分「三四一」に限られるものであること。

(19) 使用薬剤の購入価格(薬価基準)に掲げられている衛生材料(ガーゼ、脱脂綿及び絆創膏)を算定しうる範囲は、当分の間区分「二一二」創傷(火傷、電撃傷、薬傷及び凍傷を含む。)処置及び皮膚科処置にあたって使用する場合に限って、従前の例によるものであること。

10 麻酔料

(1) 区分「七○二―二」硬膜外麻酔における麻酔剤の持続的注入に際して使用する薬剤は、区分「七一○」薬剤により算定するが、使用材料は所定点数に含まれるものであり、別に算定できないものであること。

(2) 区分「七○六」マスク又は気管内挿入による閉鎖循環式全身麻酔の注2.を改正し、すべての伏臥位の手術について所定点数を加算するとともに、注4.を新設し、当該麻酔に使用した酸素又はソーダライムの費用を算定することとしたこと。

(3) 酸素を動力源とする閉鎖循環式麻酔装置を使用して全身麻酔を施行した場合、動力源として費消される酸素の費用は、算定できないものであること。

第二 乙点数表に関する事項

1 再診

(1) 廃止

(2) 乳幼児加算について

乳幼児加算は、六歳未満の乳幼児に再診を行った場合において、乳幼児内科再診料を算定しなかった場合に算定するものであること。なお、その他の取扱いについては、従前の通りであること。

2 廃止

3 投薬料

第一の5と同様であること。(昭和六一年七月一日保険発第六六号により第一の5(1)に係る部分は廃止された。)

4 検査料

(1) 副甲状腺機能低下症の診断及び副甲状腺機能低下症と偽性副甲状腺機能低下症との鑑別診断を行うために行うエルスワース・ハワード試験について

第一の4の(1)と同様であること。

(2) 血清凝集反応によるⅠgG、ⅠgA、ⅠgMの定量検査について

第一の4の(2)と同様であること。

(3) 動的赤血球膜物性検査について

第一の4の(3)と同様であること。

(4) リンパ球幼弱化検査について

第一の4の(4)と同様であること。

(5) TPHA―キットによる梅毒TP感作血球凝集反応検査について

第一の4の(5)と同様であること。

(6) 今回、特定検査用試薬として収載したHCG「ロシュ」スライドテストについて

第一の4の(6)と同様であること。

(7) 今回、特定検査用試薬として収載したゲステートスライド〝栄研〟の取扱いについては、昭和四五年一月二一日保険発第五号通知の別表1のスライド法と同様であること。

(8) 微生物担体凝集反応による抗ストレプトリジンO価の測定について

第一の4の(8)と同様であること。

(9) オーレンの凝血因子活性値測定(第Ⅱ、第Ⅶ、第Ⅹ因子同時測定)について

第一の4の(9)と同様であること。

(10) ラテックス凝集反応によりフィブリン分解産物(F・D・P)定量検査について

第一の4の(10)と同様であること。

(11) 赤血球凝集抑制反応によるフィブリン分解産物(F・D・P)定量検査又はフィブリノーゲン定量検査について

第一の4の(11)と同様であること。

(12) 風疹ウイルス又は麻疹ウイルスの抗体価測定について

第一の4の(12)と同様であること。

(13) 呼吸抵抗検査について

第一の4の(13)と同様であること。

(14) カルジオスコープ又はカルジオタコスコープについて

第一の4の(14)と同様であること。

(15) 胆道障害の術後において、胆管内にドレーンを留置して行う胆道内圧測定について

第一の4の(15)と同様であること。

(16) 自記オージオメーターによる聴力検査について

第一の4の(16)と同様であること。

(17) ラジオイムノアッセイによる免疫グロブリンE(ⅠgE)の血清中濃度測定について

第一の4の(17)と同様であること。

(18) 量的視野検査(片側)について

第一の4の(19)と同様であること。

(19) 屈折・調節検査について

第一の4の(19)と同様であること。

(20) 細隙灯顕微鏡検査について

第一の4の(20)と同様であること。

(21) ヒルシュスプルング病、鎖肛等の直腸肛門疾患の術後の肛門機能検査を電気生理学的に行う直腸肛門内圧測定検査について

第一の4の(21)と同様であること。

(22) 特定検査用試薬について

第四の4の(22)と同様であること。

5 注射料

(1) リンゲル液等大量注射の乳幼児加算について

第一の6の(1)と同様であること。

(2) 脳脊髄腔注射における脳室穿刺の乳幼児加算について

第一の6の(2)と同様であること。

(3) 血液注射(皮下又は筋肉の場合)の廃止に伴い、今後血液注射を実施した場合は、その血液量如何にかかわらず、皮下筋肉内注射の所定点数により算定するものであること。

(4) 「ディスポーザブル静脈内留置針」の取扱いについて

第一の6の(3)と同様であること。

6 処置料

(1) 喀痰の凝塊又は肺切除後喀痰が気道に停滞し、喀出困難なときにネラトンカテーテルを作動させて、喀痰吸引を行った場合の点数は、一日につき創傷(火傷、電撃傷、薬傷及び凍傷を含む。)及び皮膚科処置の「4.」により算定するものであること。

(2) 酸素テントについて

第一の9の(2)と同様であること。

(3) 突発性難聴に対する酸素療法について

第一の9の(3)と同様であること。

(4) 閉鎖循環式麻酔装置等による人工呼吸等における酸素の費用の算定について

第一の9の(4)と同様であること。

(5) 肛門処置の項目の廃止に伴い、従前本項により算定していた処置については、創傷(火傷、電撃傷、薬傷及び凍傷を含む。)及び皮膚科処置の「2.」により算定するものであること。

(6) 衛生材料について

第一の9の(19)と同様であること。

7 理学療法料

第一の7と同様であること。

8 精神病特殊療法料

第一の8と同様であること。

9 手術料

(1) 顕微鏡下における手術について

第一の9の(1)と同様であること。

(2) 器械・器具使用脊柱整復固定術について

第一の9の(6)と同様であること。

(3) 動脈間バイパス造成術について

第一の9の(7)と同様であること。

(4) 自家血管の採取料について

第一の9の(8)と同様であること。

(5) 非開胸的ボタロー管開存閉鎖術について

第一の9の(9)と同様であること。

(6) 中心静脈栄養法について

第一の9の(10)と同様であること。

(7) 大伏在静脈における血栓性静脈炎に対しての静脈抜去について

第一の9の(11)と同様であること。

(8) 広範囲静脈瘤抜去術について

第一の9の(12)と同様であること。

(9) ファイバースコープ下胃ポリープ切除(焼灼)術について

第一の9の(13)と同様であること。

(10) 大腸ポリープ切除(焼灼)術について

第一の9の(14)と同様であること。

(11) 人工妊娠中絶手術について

第一の9の(16)と同様であること。

(12) 輸血料について

第一の9の(17)と同様であること。

(13) 特定治療材料について

第一の9の(18)と同様であること。

10 麻酔料

第一の10と同様であること。

11 入院料

第一の1と同様であること。

12 入院時医学管理料

第一の2と同様であること。

第三 調剤報酬算定表に関する事項

1 廃止

2 内服用滴剤を調剤した場合の調剤技術料は、投薬日数にかかわらず、一調剤につき所定点数を算定することとし、この場合の内服用滴剤とは、内服用の液剤であつて、一回の使用量が極めて少量(一滴ないし数滴)であり、スポイト、滴瓶等により分割使用するものをいうこと。なお、当該薬剤の薬剤料は、一調剤分全量を一単位として薬剤料の項により算定するものであり、一剤一日分を所定単位とするものではないこと。

3 注4.として新設した加算は、薬価基準に収載されている二種類以上の医薬品を計量し、かつ、混合し、散剤又は顆粒剤として内服薬を調剤した場合に加算することができるものであり、同注のただし書にいう当該加算ができない場合とは、次のとおりであること。

(1) 自家製剤により顆粒剤を調剤した場合

(2) 薬価基準に収載されている薬剤と同一規格を有する薬剤を調剤した場合

第四 診療報酬請求明細書及び調剤報酬請求明細書の記載に関する事項

1 医科診療報酬請求明細書の記載要領

(1) 甲点数表に係る診療報酬請求明細書(様式第二)に関する事項

ア 再診欄について

「四七」、「三○」及び「一○○・一五○」を「五二」、「四○」及び「一二○・三○○」とそれぞれ取り繕うものとすること。

イ 指導欄について

「三○」を「三五」と取繕うものとすること。

ウ 入院料欄について

(ア) 病衣貸与加算を行つた場合は、(病)と表示するものとすること。

(イ) 二週間以内の入院時医学管理料を算定した場合には、「一月未満」の上欄に「二週間以内」と記入すること。

(ウ) 「一月未満」、「一月~三月未満」及び「三月以上」を「二週間を超え一月以内の期間」、「一月を超え三月以内の期間」及び「三月を超えた期間」とそれぞれ読み替えるものとすること。

(2) 乙点数表に係る診療報酬請求明細書(様式四)に関する事項

ア 再診料について

(ア) 時間外の「三○」及び休日・深夜の「一○○・一五○」を「四○」及び「一二○・三○○」とそれぞれ取り繕うものとすること。

(イ) 乳幼児内科再診料を算定した場合は、内科再診の「四三」を「五八」と取り繕うこととし、月の途中において内科再診料を算定することとなった場合は、点数欄に併せて算定して得た点数を記入し、摘要欄にその旨を記入すること。

イ 指導欄について

1のイと同様であること。

ウ 入院料欄について

1のウと同様であること。

2 調剤報酬請求明細書の記載要領

(1) 調剤報酬額欄の記載について

内服薬計量混合加算を算定した場合は、調剤報酬額欄に(計)と表示し、加算額を別に記載すること。

(2) 処方欄の記載について

処方欄の薬品名等の記載については、所定単位当たりの薬剤料が三五円以下の場合は、記載の必要がなく、また三五円を超え六五円以下の場合は、主剤のみを記入して差支えないこととされているが、次に該当する場合は、薬品名等を記入するものであること。

ア 自家製剤加算、麻薬毒薬加算及び内服薬計量混合加算のある場合は、当該加算の事由が明瞭にわかる範囲で、薬品名等を記入すること。

イ 同一の処方せんにより、二種以上の医薬品を調剤する場合であつて、第三の1により別剤として調剤料を算定する場合は、別剤として算定する事由が明瞭にわかるよう用法(例、一日三回食後服用等)等を記載すること。

3 国民健康保険関係の診療報酬請求明細書の記載要領については、前記1及び2における記載要領と同様であること。

第五 その他に関する事項

1 「整形外科機能訓練等の施設基準の承認に関する取扱い」(昭和四九年一月二五日保険発第八号。以下「通知」という。)の一部改正 略

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