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○診療報酬点数表等の一部改正等実施上の留意事項について

(昭和四九年九月二六日)

(保険発第一〇六号)

(各都道府県民生主管部(局)・国民健康保険課(部)長あて厚生省保険局医療課長・歯科医療管理官連名通知)

健康保険法の規定による療養に要する費用の額の算定方法等の一部改正等については、本日付け保発第五七号をもって厚生省保険局長から都道府県知事あて通知されたところであるが、これが実施に伴う留意事項は次のとおりであるのでその取扱いに遺憾のないよう関係者に対し、周知徹底を図られたい。

なお、従前の通知で今回の一部改正に係る部分は廃止する。

おって、療養費払いの際の療養に要する費用の算定方法は、本年一〇月一日以降の診療分について、改正された診療報酬点数等によって算定するものであるから念のため申し添える。

第一 甲点数表に関する事項

1 深夜加算及び時間外加算の特例について

今回の点数改正により、初診時基本診療料及び再診時基本診療料並びに緊急手術及びこれに係る麻酔の深夜加算の規定を整理し、時間外加算の特例を設けたが、これらの取扱いは、次のとおりであること。なお、休日加算の取扱い並びに左記取扱い以外の深夜加算及び時間外加算の取扱いについては、従前と同様であること。

(1) 深夜加算について

深夜加算は、次の場合に算定するものであること。

ア 地域医療の確保という見地から救急医療対策の一環として設けられている施設又は輪番制による深夜当番医療機関等客観的に深夜の救急医療の確保のために、診療を行っていると認められる保険医療機関に受診した患者の場合

イ 深夜時間帯(午後一〇時から午前六時までの間)を自己の表示する診療時間としていない保険医療機関に、及び当該保険医療機関の表示する時間が深夜時間帯にまで及んでいる場合にあっては、当該表示する診療時間と深夜時間帯とが重複していない時間に急病等やむを得ない理由により受診した患者の場合

したがって、前記ア以外の理由により常態として又は臨時に当該深夜時間帯を診療時間としている保険医療機関に受診した患者の場合は該当しないものであること。

(2) 時間外加算の特例について

今回新設された初診時基本診療料及び再診時基本診療料並びに緊急手術及びこれに係る麻酔の時間外加算の特例の取扱いは、次の場合に算定するものとすること。

ア 当該特例の適用を受ける保険医療機関(以下「時間外特例医療機関」という。)とは、一般の保険医療機関が表示する診療時間以外の時間における救急医療の確保のため、国又は地方公共団体等の開設に係る専ら夜間における救急医療の確保のため設けられている保険医療機関に限られるものであること。

イ 別に厚生大臣の定める時間とは、当該地域において一般の保険医療機関がおおむね診療応需の態勢を解除し、翌日診療応需の態勢を再開するまでの時間であって深夜時間帯を除いた時間であること。

ウ 時間外特例医療機関における深夜加算の取扱いについては(1)のアに該当するものであること。

2 入院時基本診療料について

(1) 改正後の「看護、給食及び寝具設備の基準」による特二類看護を申請しようとする病院については、昭和三三年八月二五日保険発第五三号通知により示されている基準看護、基準給食、基準寝具設備実施承認申請書及び同添付書類に準ずる様式により承認申請書を提出させ、これによりその確認を行い承認するとともに当該保険医療機関及び関係団体等へ通知すること。

(2) 特二類看護の承認に係る前記(1)の手続き及び確認に相当の日数を要する場合にあっては、当該病院の申出により、とりあえず本年七月一日現在の定時報告又はその後の調査結果等に基づき特二類看護の承認を行って差し支えないこと。なお、この場合にあっても、事後速やかに承認申請書を提出させ、(1)による手続きをとるとともに、確認の結果特二類看護の承認基準に該当しない場合にあっては、当該承認を遡及して取消すこと。

(3) 改正前の特類看護は、今回の改正により特一類看護と名称変更が行われたことに伴い、特類の承認が行われている病院については、今後は特一類として取扱うよう通知すること。

3 削除

4 検査について

(1) 通則3.を新設し、検査にあたって、別に厚生大臣の定める特定検査用器材(昭和三三年六月厚生省告示第一七九号の別表一〇)を使用した場合の検査料は、従前の検査料の所定点数又は検査料の所定点数と特定検査用試薬料の所定点数を合算した点数に特定検査用器材の購入価格を一〇円で除して得た点数を合算した点数により算定することとしたこと。

(2) 通則3.の新設に伴い従前の通知中通則3.及び通則4.を、それぞれ通則4.及び通則5.と読み替えるものとすること。

(3) 区分「〇四一」非特異性凝集反応検査の「5.」ウイルス血清反応の新設に伴い、従前のこれに関する通知はすべて廃止し、次のように定める。

ア 当該検査の対象となるものは、インフルエンザウイルス、ポリオウイルス、アデノウイルス、ヘルペウイルス、ムンプスウイルス、日本脳炎ウイルス、エコーウイルス、コクサツキーウイルス及び肺炎マイコプラスマであること。

イ インフルエンザウイルスのA型及びB型、ポリオイウルスのⅠ、Ⅱ、Ⅲ各型に係る当該検査の算定にあたつては、それぞれ一種類として取扱うものであること。

(4) 区分「〇七一」前庭機能検査の名称を平衡機能検査と改めるとともに、従前のこれに関する通知はすべて廃止し、次のように定める。

ア 「一」簡単なものとは、(一)上肢偏倚検査(遮眼書字検査、指示検査、上肢偏倚反応検査、上肢緊張検査等)、(二)下肢偏倚検査(歩行検査、足ぶみ検査等)、(三)立ちなおり検査(ゴニオメーター検査、単脚起立検査、両脚起立検査等)、(四)自発眼振検査(正面、右、左、上、下の注視眼振検査、異常眼球運動検査、眼球運動の制限の有無及び眼位検査を含む検査)が該当し、一回の検査において何種類行つても包括して一回につき二〇点を算定するものであること。

イ 「二」複雑なものとは、(一)頭位及び頭位変換眼振検査(フレンシエル眼鏡下における頭位眼振及び頭位変換眼振検査)、(二)温度眼振検査(温度による眼振検査)、(三)視運動眼振検査(運動式装置又はそれに準じた定量的方法により刺激を行う検査)、(四)回転眼振検査(電動式装置又はそれに準じた定量的方法により刺激を行う検査)が該当し、それぞれの検査について一回につき九〇点算定するものであること。

(5) 区分「〇七五」後頭下穿刺の乳幼児加算については、区分「五七七」の注の乳幼児加算によるとされている。しかし、今回処置及び手術の部の通則として新生児・乳児加算が新設されたことに伴い同区分の注につき所要の整理を行つたが、これにより、区分「〇七五」において新生児・乳児につき加算の適用が従前と異なることのないよう同区分につき所要の整理を行い、従前の取扱いと同様としたこと。

(6) 区分「〇八二―二」染色体検査が新設されたが、本検査にあたつては、実際に要した長さのフイルム代(カツトのためロスのある場合はそれに含める。)、実際に要した増感現像代及び引伸印画作成代を一〇円で除して得た点数を加算するものであること。

(7) 新設された区分「〇九九」特定検査用器材として前記告示の別表一〇に動静脈圧測定用カテーテル及び臓器内血液採取用カテーテルが定められたこと。

その取扱いについては別途通知するものであること。

(準用点数の改廃について)

(8) 区分「〇八九―三」十二指腸フアイバースコピー「一」十二指腸球部、「二」十二指腸乳頭部及びその肛側が新設され、その「法」として生検用フアイバースコープを使用して組織の採取をした場合は採取料として区分「〇七八」の「二」の所定点数を加算することとした。なお横行結腸、上行結腸及び盲腸フアイバースコピーは、本区分「〇八九―三」の「二」に準ずるものとし、胃と十二指腸球部など二部位以上を連続して検査した場合にあつては深部のものの所定点数のみによつて算定するものであること。

5 レントゲン診断について

(1) 通則2を新設し、レントゲン診断にあたつて、別に厚生大臣の定める特定レントゲン診断用器材(昭和三三年六月厚生省告示第一七九号の別表三)を使用した場合のレントゲン診断料は、レントゲン診断の所定点数に特定レントゲン診断用器材の購入価格を一〇円で除して得た点数を合算した点数により算定することとしたこと。

(2) 通則2の新設に伴い、従前の通知中通則2及び通則3をそれぞれ通則3及び通則4と読み替えるものとすること。

(3) 区分「一〇五」フイルムとして、レントゲン診断に使用したフイルムの費用の算定は、フイルムの購入価格を一〇円で除して得た点数により算定することとしているが、今回フイルムの購入価格(昭和三三年六月厚生省告示第一七九号別表二)を一部改正するとともに、新たに間接ブロニー(10cm×10cm)、オデルカフイルム(10cm×10cm及び7cm×7cm)、軟部組織撮影用フイルム(半切、大角、大四ツ切、四ツ切、六ツ切、八ツ切及びカビネ)及びロールフイルムの四規格一一種類を収載したこと。

(4) ロールフイルムの購入価格は、都道府県における購入価格によるとされているが、この算定にあたつては、実際に要した長さ(カツトのためロスのある場合はそれに含める。)を比例計算した価格とすること。

(5) 軟部組織撮影用フイルムを使用した場合の診断料、撮影料等の取扱いについては、別途通達するものであること。

(6) ロールフイルムは、血管撮影に対してのみ使用できるものとし、血管撮影以外に対する使用については、その都度通知するものであること。

(7) レントゲン診断に際して造影剤を注入する際の手技料については区分「一〇四」の注に規定されているが、次の場合についても造影剤注入手技料を所定点数に加算するものであること。

ア 動脈注入の場合は、区分「一二〇」動脈注射の所定点数

イ 点滴静脈注入の場合は

注入量が一〇〇ccを超える場合に限り区分「一二二」リンゲル液等の注射の所定点数(第五部注射の通則二及び通則三の適用がある場合にはこれらの通則により算定された点数とする。)

ウ 腰椎穿刺注入の場合は、区分「一二五」脳脊髄腔注射の所定点数

エ 卵管内注入の場合は、区分「〇五一」卵管通気・通水・通色素検査の所定点数

オ 気管内注入の場合は、区分「一二七」気管内注入の所定点数

カ メトラのゾンデによる気管支カテーテル法を行つた場合は、気管支鏡検査の所定点数

キ 観血手術を行つた場合は、当該観血手術の所定点数

なお、前記アからキまで以外の造影剤注入手技料については、その都度内議により別途通知するものであること。

(8) 新設された区分「一〇七」特定レントゲン診断用器材として前記告示別表三に脈管造影用カテーテル及び血管造影用ガイドワイヤーが定められたこと。

その取扱いについては別途通知するものであること。

6 注射について

区分「一二五」脳脊髄腔注射の乳幼児加算については、4の(5)と同様であること。

7 処置及び手術

(1) 通則5を新設し、新生児又は乳児に対して厚生大臣が定める処置及び手術(昭和三三年六月厚生省告示第一七九号の別表七)を行つた場合は、それぞれ所定点数に一〇〇分の一〇〇又は一〇〇分の五〇に相当する点数を加算することとしたこと。

(2) 現行通則5と通則6とし、時間外加算等の規定の整理等を行つたが、その取扱いは第1の1の(1)及び(2)と同様であること。

(3) 通則5による新生児加算又は乳児加算は、通則6による時間外加算、休日加算、深夜加算及び特例時間外加算と重複して算定できるものであること。

(4) 前記(1)の適用範囲は、第一節に定める手術のみであつて、第二節、第三節、第四節及び第五節に対しては適用されないものであること。

(5) 前記(2)の適用範囲は第一節に定める処置及び手術のみであつて、第二節、第三節、第四節及び第五節に対しては適用されないものであること。

(6) 通則5の新設に伴い、従前の通知中通則6及び通則7をそれぞれ通則7及び通則8と読み替えるものとする。

(項目等の新設)

(7) 顕微鏡下手術を評価するため、左記のとおり区分の新設又は注の新設を行い、当該手術の算定にあたつては、新設区分の所定点数又は注の新設されたものについては所定点数の百分の百に相当する点数を加算することとしたこと。

注の新設 区分「三〇八―二」 喉頭ポリープ手術

区分及び注の新設区分「五六四」 下垂体腫瘍摘除術

〃       区分「五七二―二」 脳腫瘍摘出術

区分の新設   区分「五七二―三」 脳動脈瘤直接手続(柄部クリツピング)

〃       区分「五七二―四」 脳動静脈奇形摘出術

〃       区分「五七五―五」 頭蓋内血管吻合術

〃       区分「五八四―二」 脊髄血管腫摘出術

注の新設    区分「五九六」 角膜潰瘍手術

〃       区分「五九七」 角膜異物除去術

〃       区分「五九八」 ゼーミツシユ角膜切開術

〃       区分「六〇〇」 光学的虹彩切除術

〃       区分「六〇一」 緑内障手術

〃       区分「六〇二」 硝子体吸引術

〃       区分「六〇三」 前房穿開又は前房穿刺

〃       区分「六〇四」 白内障手術

〃       区分「六〇五」 硝子体置換術

〃       区分「六二一」 角膜切除術

〃       区分「六二二」 角膜点墨染色術

〃       区分「六二三」 角膜移植術

〃       区分「六二四」 角膜縫合術

〃       区分「六四四」 鼓室形成術

区分及び注の新設区分「六四四―二」 鼓膜形成術

〃       区分「六四七―三」 鎧骨手術(卵円窓開窓術を含む)

〃       区分「六四七―三」 鎧骨可動化手術

注の新設    区分「六四九」 内耳全摘除術

区分及び注の新設区分「六四九―二」 聴神経腫瘍摘出術(経耳的)

〃       区分「六五二―二」 内リンパ嚢開放術

注の新設    区分「六五三」 耳科的頭蓋内手術

(8) 冷凍凝固法による手術を評価するため、下記のとおり区分の新設又は注の新設を行い、当該手術の算定にあたつては新設区分の所定点数又は注の新設されたものについては所定点数の一〇〇分の一〇〇に相当する点数を加算することとしたこと。

区分の新設   区分「五三五―二」 子宮膣部冷凍凝固術

注の新設    区分「六〇六」の一 網膜剥離手術の裂孔閉鎖術

(項目の整理等)

(9) 区分「五〇五」会陰裂創縫合術 1.筋層に及ぶもの 2.肛門に及ぶもの 3.直腸裂傷を伴うものを区分「五〇五」分娩時会陰膣壁裂創縫合術 1.筋層に及ぶもの 2.肛門に及ぶもの 3.膣円蓋に及ぶもの 4.直腸裂傷を伴うものに項目の名称変更又は新設を行つたこと。

(10) 区分「五一一」膣壁縫合術を区分「五一一」膣壁縫合術(分娩時を除く。)に改めたことに伴い、従前のこれに関する通知については改正後の名称に読み替えるものとすること。

(11) 区分「五一三―二」子宮息肉様筋腫摘出術を区分「五一四」に改めたこと。

(12) 区分「五一四」子宮単純全摘除術を削除したことに伴い、従前のこれに関する通知については、区分「五一五―三」子宮全摘除術と読み替えるものとすること。

(13) 区分「五一五」子宮腫瘍手術 1.核出術 2.膣上部切断 3.子宮全摘除を区分「五一五」子宮腫瘍核出術、区分「五一五―二」子宮膣上部切断術及び区分「五一五―三」子宮全摘除術に改めたことに伴い従前のこれに関する通知については改正後の区分に読み替えるものとすること。

(14) 区分「五二五」子宮破裂手術 1.子宮摘除を伴うもの 2.その他のものを区分「五二五」子宮破裂手術 1.子宮全摘除を行うもの 2.支給膣上部切断を行うもの 3.その他のものと改めたこと。

(15) 区分「五三一―二」子宮頚管縫縮術の2.シロツカーラツシユ法を2シロツカー法又はラツシユ法に改めたこと。

(16) 区分「五四七」卵膜穿刺を、区分「五四七」卵膜穿刺(羊水過多症の場合)に改めたことに伴い、従前のこれに関する通知については廃止すること。

(17) 区分「五五三」鉗子挽出術を、区分「五五三」鉗子又は吸引挽出術に改めたことに伴い、従前のこれに関する通知は廃止すること。

(18) 区分「五六四」甲状腺腫摘出術を、区分「五六五」に改めたこと。

(19) 区分「五六五」バセドウ甲状腺切除術を、区分「五六五―二」に改めたこと。

(20) 区分「五七二」頭蓋内腫瘤摘出術を、区分「五七二」脳内血腫摘除術に改めたことに伴い、従前のこれに関する通知については、改正後の名称に読み替えるものとすること。

(21) 区分「五七七」後頭下穿刺については、通則として新生児・乳児加算が新設されたことに伴い、同区分の注につき所要の整理を行つたこと。

8 麻酔について

(1) 通則2.を新設し、新生児又は乳児に対して麻酔を行つた場合は、それぞれ所定点数に一〇〇分の一〇〇又は一〇〇の五〇に相当する点数を加算することとしたこと。

(2) 現行通則2.を通則3.とし、時間外加算等の規定の整理等を行つたが、その取扱いは、1の(1)及び(2)と同様であること。

(3) 通則2.による新生児加算又は乳児加算は、通則3.による時間外加算、休日加算、深夜加算及び特例時間外加算と重複して算定できるものであること。

(4) 前記(1)の適用範囲は、第一節に定める麻酔科のみであつて、第二節に対しては適用ないものであること。

(5) 通則2.の新設に伴い従前の通知中通則2.、通則3.、通則4.及び通則5.をそれぞれ通則3.、通則4.、通則5.及び通則6.と読み替えるものとすること。

(6) 通則2.に新生児加算又は乳児加算が新設されたことに伴い、区分「七〇六」マスク又は気管内挿管による閉鎖循環式全身麻酔(二時間まで)の「注2.」の加算のうち、「生後一箇月以内の乳児の手術」を削除したこと。

第二 歯科点数表に関する事項

1 深夜加算及び時間外加算の特例について

深夜加算及び時間外加算の特例の取扱いについては、第一の1と同様であること。

2 入院時基本診療料について

特二類看護の取扱いについては、第一の2と同様であること。

3 往診料について

往診料の取扱いについては、第一の3と同様であること。

4 指導料について

(1) 指導料は、初診時基本診療料を算定した日を起算日として二週間を経過した日以後又は前回指導料を算定した日を起算日として二週間を経過した日以後において「注1.」に示す療養上の指導が行われた場合にのみ算定するものであること。

(2) 指導料についてのその他の取扱いは従前どおりであること。

5 レントゲン診断について

フイルムの購入価格(昭和三三年六月厚生省告示第一七九号の別表二)を一部改正する。

6 麻酔について

吸入鎮静法は、笑気等を用いてゲーデル(Guedel)の分類の麻酔深度の第一期において歯科手術等を行う場合に算定するものであること。

7 歯冠修復及び欠損補綴

(1) 印象採得料について

ワンピースキャストブリッジの印象採得料は、一装置における支台歯とダミーの数の合計により算定するものであること。

(2) 監視料について

ア 他医で作成した欠損補綴物についての監視料の算定は、調整料を算定しない場合であつて当該初診の算定の日から二週間以上経過した日以後に必要があつて監視を行つた場合に行うものであること。

イ 監視料についてのその他の取扱いは従前と同様であること。

第三 乙点数表に関する事項

1 深夜加算及び時間外加算の特例について

今回の点数改正により、初診料及び再診料並びに緊急手術及びこれに係る麻酔の深夜加算の規定を整理し、時間外加算の特例を設けたが、これらの取扱いは、次のとおりであること。

なお、休日加算の取扱い並びに左記取扱い以外の深夜加算及び時間外加算の取扱いについては、従前と同様であること。

(1) 深夜加算について

深夜加算は、次の場合に算定できるものであること。

ア 地域医療の確保という見地から救急医療対策の一環として設けられている施設又は輪番制による深夜当番医療機関等客観的に深夜の救急医療の確保のために、診療を行つていると認められる保険医療機関に受診した患者の場合

イ 深夜時間帯(午後一〇時から午前六時までの間)を自己の表示する診療時間としていない保険医療機関及び当該保険医療機関の表示する時間が深夜時間帯にまで及んでいる場合にあつては、当該表示する診療時間と深夜時間帯とが重複していない時間に急病等やむを得ない理由により受診した患者の場合

したがつて、前記ア以外の理由により常態として又は臨時に当該深夜時間帯を診療時間としている保険医療機関に受診した患者の場合は該当しないものであること。

(2) 時間外加算の特例について

今回新設された初診料及び再診料並びに緊急手術及びこれにかかる麻酔の時間外加算の特例の取扱いは、次の場合に算定できるものとすること。

ア 当該特例の適用を受ける保健医療機関(以下「時間外特例医療機関」という。)とは、一般の保健医療機関が表示する診療時間以外の時間における救急医療の確保のため、国又は地方公共団体等の開設に係る専ら夜間における救急医療の確保のため設けられている保健医療機関に限られるものであること。

イ 別に構成大臣の定める時間とは、当該地域において一般の保健医療機関がおおむね診療応需の態勢を解除し、翌日診療応需の態勢を再開するまでの時間であつて深夜時間帯を除いた時間であること。

ウ 時間外特例医療機関における深夜加算の取扱いについては、(1)のアに該当するものであること。

2 往診料について

本年二月に診療報酬点数表の改正に基づき、従前の往診の注「四」の同一家屋内往診料の廃止をしたが、これにより同一患家内の二人目以降の患者を診療した場合の往診料は、別個に算定できず、同注「四」に該当する場合に限り算定することとなるので留意されたいこと。

3 検査について

(1) 通則三を新設し、検査にあたつて、別に厚生大臣が定める特定検査用器材(昭和三三年六月厚生省告示第百七九号の別表一〇)を使用した場合の検査料は、従前の検査料の所定点数又は検査料の所定点数と特定検査用試薬料の所定点数を合算した点数に特定検査用器材の購入価格を一〇円で除して得た点数を合算した点数により算定することとしたこと。

(2) 通則三の新設に伴い、従前の通知中通則三及び通則四を、それぞれ通則四及び通則五と読み替えるものとすること。

(3) 非特異性凝集反応検査の「ホ」ウイルス血清反応の新設に伴い、従前のこれに関する通知はすべて廃止し、次のように定める。

ア 当該検査の対象となるものは、インフルエンザウイルス、ポリオウイルス、アデノウイルス、ヘリペスウイルス、ムンプスウイルス、日本脳炎ウイルス、エコーウイルス、コクサツキーウイルス及び肺炎マイコプラスマであること。

イ インフルエンザウイルスのA型及びB型、ポリウオウルスのⅠ、Ⅱ、Ⅲ各型に係る当該検査の算定にあたつては、それぞれ一種類として取扱うものであること。

(4) 前庭機能検査の名称を平衡機能検査と改めるとともに、従前のこれに関する通知はすべて廃止し、次のように定める。

ア 「イ」簡単なものとは、(一)上肢偏倚検査(遮眼書字検査、指示検査、上肢偏倚反応検査、上肢緊張検査等)、(二)下肢偏倚検査(歩行検査、足ぶみ検査等)、(三)立ちなおり検査(ゴニオメーター検査、単脚起立検査、両脚起立検査等)、(四)自発眼振検査(正面、右、左、上、下の注視眼振検査、異常眼球運動検査、眼球運動の制限の有無及び眼立検査を含む検査)が該当し、一回の検査において何種類行つても包括して一回につき二〇点を算定するものであること。

イ 「ロ」複雑なものとは、(一)頭立及び頭立変換眼振検査(フレンツエル眼鏡下における頭立眼振及び頭位変換眼振検査)、(二)温度眼振検査(温度による目振検査)、(三)視運動眼振検査(電動式装置又はそれに準じた定量的方法により刺激を行う検査)、(四)回転眼振検査(電動式装置又はそれに準じた定量的方法により刺激を行う検査)が該当し、それぞれの検査について一回につき九〇点を算定するものであること。

(5) 後頭下穿刺の乳幼児加算については、手術の部の後頭下穿刺の注の乳幼児加算によることとされている。しかし、今回手術の部の通則として新生児・乳児加算が新設されたことに伴い同項目の注につき所要の整理を行つたが、これにより、検査の部の後頭下穿刺において新生児・乳児につき加算の適用が従前と異なることのないよう同項目につき所要の整理を行い、従前の取扱いと同様としたこと。

(5) 後頭下穿刺の乳幼児加算については、手術の部の後頭下穿刺の注の乳幼児加算によることとされている。しかし、今回手術の部の通則として新生児・乳児加算が新設されたことに伴い同項目の注につき所要の整理を行つたが、これにより、検査の部の後頭下穿刺において新生児・乳児につき加算の適用が従前と異なることのないよう同項目につき所要の整理を行い、従前の取扱いと同様としたこと。

(6) 染色体検査が新設されたが、本検査にあつては実際に要した長さのフイルム代(カツトのためロスのある場合はそれに含める。)、実際に要した増感現像代及び引伸印画作成代を一〇円で除して得た点数を加算するものであること。

(7) 新設された特定検査用器材として前記告示の別表一〇に動静脈圧測定用カテーテル及び臓器内血液採取用カテーテルが定められたこと。

その取扱いについては別途通知するものであること。

(準用点数の改廃について)

(8) 十二指腸フアイバースコピー「イ」十二指腸球部「ロ」十二指腸乳頭部及びその肛側が新設され、その「注」として生検用フアイバースコープを使用して組織の採取をした場合は採取料として臓器穿刺の「ロ」の所定点数を加算することとした。なお、横行結腸、上行結腸及び盲腸フアイバースコピーは、十二指腸フアイバースコピーの「ロ」に準ずるものとし、胃と十二指腸球部など二部位以上を連続して検査した場合にあつては、深部のものの所定点数のみによつて算定するものであること。

4 レントゲン診断について

(1) 通則二を新設し、レンドゲン診断にあたつて、別に厚生大臣の定める特定レンドゲン診断用器材(昭和三三年六月厚生省告示第百七九号の別表三)を使用した場合のレントゲン診断料はレントゲン診断の所定点数に特定レンドゲン診断用器材の購入価格を一〇円で除して得た点数を合算した点数により算定することとしたこと。

(2) 通則二の新設に伴い、従前の通知中通則二及び通則三を、それぞれ通則三及び通則四と読み替えるものとすること。

(3) フイルム料として、レントゲン診断に使用したフイルムの費用の算定はフイルムの購入価格を一〇円で除して得た点数により算入することとしているが、今回フイルムの購入価格(昭和三三年六月厚生省告示第百七九号の別表二)を一部改正するとともに、新たに間接プロニー(10cm×10cm)、オデルカフイルム(10cm×10cm及び7cm×7cm)、軟部組織撮影用フイルム(半切、大角、大四ツ切、四ツ切、六ツ切、八ツ切及びカビネ)及びロールフイルムの四規格一一種類を収載したこと。

(4) ロールフイルムの購入価格は、都道府県における購入価格によるとされているが、この算定にあたつては、実際に要した長さ(カツトのためロスのある場合はそれに含める。)を比例計算した価格とすること。

(5) 軟部組織撮影用フイルムを使用した場合の診断料、撮影料等の取扱いについては、別途通知するものであること。

(6) ロールフイルムは、血管撮影に対してのみ使用できるものとし、血管撮影以外の対する使用については、その都度通知するものであること。

(7) レントゲン診断に際して造影剤を注入する際の手技料については造影剤使用撮影の注に規定されているが、次の場合についても造影剤注入手技料を所定点数に加算するものであること。

ア 動脈注入の場合は、第五部注射料の部の動脈注射の所定点数

イ 点滴静脈注入の場合は、一注入量が一〇〇ccを超える場合に限り、リンゲル液等の注射の所定点数と第五部注射料の通則四の所定点数を加算した点数(第五部注射料の通則二及び通則三の適用がある場合には、それらの通則により算定された点数とする。)

ウ 腰椎穿刺注入の場合は、第五部注射料の脳脊髄腔注射の所定点数

エ 卵管内注入の場合は、卵管通気・通水・通色素検査の所定点数

オ 気管内注入の場合は、第五部注射料の気管内注入の所定点数

カ メトラのゾンデによる気管支カテーテル法を行つた場合は、気管支鏡検査の所定点数

キ 観血手術を行つた場合は、当該観血手術の所定点数

なお、前記アからキまで以外の造影剤注入手技料については、その都度内議により別途通知するものであること。

(8) 新設された特定レントゲン診断用器材として前記告示別表三に脈管造影用カテーテル及び血管造影用ガイドワイヤーが定められたこと。

その取扱いについては、別途通知するものであること。

5 注射について

脳脊髄腔注射の乳幼児加算については、3の(5)と同様であること。

6 手術

(1) 通則四を新設し、新生児又は乳児に対して手術を行つた場合は、それぞれ所定点数に一〇〇分の一〇〇又は一〇〇分の五〇に相当する点数を加算することとしたこと。

(2) 現行通則四を通則五とし時間外加算等の規定の整理等を行つたが、その取扱いは第一の1の(1)及び(2)と同様であること。

(3) 通則四による新生児・乳児加算は、通則五による時間外加算、休日加算、深夜加算及び特例時間外加算と重複して算定できるものであること。

(4) 前記(1)の適用範囲は、第九部手術料の手術料に定める手術のみであつて、輸血料、ギブス料、薬剤料及び特定治療材料料に対しては適用されないものであること。

(5) 前記(二)の適用範囲は、第九部手術料の手術料に定める手術のみであつて、輸血料、ギブス料、薬剤料及び特定治療材料料に対しては適用されないものであること。

(6) 通則四の新設に伴い、従前の通知中通則五及び通則六を、それぞれ通則六及び通則七と読み替えるものとする。

(項目等の新設)

(7) 顕微鏡下手術を評価するため、左記のとおり項目の新設又は注の新設を行い、新設項目の所定点数又は注の新設されたものについては、当該手術の算定にあたつては、所定点数の百分の百に相当する点数を加算することとしたこと。

注の新設      喉頭ポリープ手術

項目及び注の新設  下垂体腫瘍摘除術

〃         脳腫瘍摘出術

項目の新設     脳動脈瘤直接手続(柄部クリツピング)

〃         脳動静脈奇形摘出術

〃         頭蓋内血管吻合術

〃         脊髄血管腫摘出術

注の新設      角膜潰瘍手術

〃         角膜異物除去術

〃         ゼーミツシユ角膜切開術

〃         光学的虹彩切除術

〃         緑内障手術

〃         硝子体吸引術

〃         前房穿開又は前房穿刺

〃         白内障手術

〃         硝子対置換術

〃         角膜切除術

〃         角膜点墨染色術

〃         角膜移植術

〃         角膜縫合術

〃         鼓室形成術

項目及び注の新設  鼓膜形成術

〃         鎧骨手術(卵円窓開窓術を含む。)

〃         鎧骨可動化手術

注の新設      内耳全摘除術

項目及び注の新設  聴神経腫瘍摘出術(経耳的)

〃         内リンパ嚢開放術

注の新設      耳科的頭蓋内手術

(8) 冷凍凝固法による手術を評価するため、左記のとおり項目又は注の新設を行い、新設項目の所定点数又は注の新設されたものについては、当該手術の算定にあたつては所定点数の一〇〇分の一〇〇に相当する点数を算定することとしたこと。

項目の新設 子宮膣部冷凍凝固術

注の新設 網膜剥離症手術の裂孔閉鎖術

(項目の整理等)

(9) 会陰裂創縫合術 1.筋層に及ぶもの 2.肛門に及びもの 3.直腸裂傷を伴うもの を、分娩時会陰膣壁裂創縫合術 1.筋層に及ぶもの 2.肛門に及ぶもの 3.膣円蓋に及ぶもの 4.直腸裂傷を伴うもの に項目の名称変更又は新設を行つたこと。

(10) 膣壁縫合術を膣壁縫合術(分娩時を除く。)に改めたことに伴い、従前のこれに関する通知については改正後の名称に読み替えるものとすること。

(11) 子宮単純全摘除術を削除したことに伴い、従前のこれに関する通知については子宮全摘除術と読み替えるものとすること。

(12) 子宮腫瘍手術 1.核出術 2.膣上部切断 3.子宮全摘除 を、子宮腫瘍核出術、子宮膣上部切断術及び子宮全摘除術 に改めたことに伴い、従前のこれに関する通知については、改正後の項目に読み替えるものとすること。

(13) 子宮破裂手術 1.子宮摘除を伴うもの 2.その他のもの を、子宮破裂手術 1.子宮全摘除を行うもの 2.子宮膣上部切断を行うもの 3.その他のもの と項目の新設を行つたこと。

(14) 子宮頚管縫緒術の 2.シロッカーラッシュ法を 2.シロッカー法又はラッシュ法に改めたこと。

(15) 卵膜穿刺を卵膜穿刺(羊水過多症の場合)に改めたことに伴い、従前のこれに関する通知は廃止すること。

(16) 鉗子娩出術を鉗子又は吸引娩出術に改めたことに伴い、従前のこれに関する通知は廃止すること。

(17) 頭蓋内腫瘤摘出術を脳内血腫摘除術に改めたことに伴い、従前のこれに関する通知は、改正後の名称に読み替えるものとすること。

(18) 後頭下穿刺については、通則として新生児・乳児加算が新設されたことに伴い、同項目の注につき所要の整理を行つたこと。

7 麻酔について

(1) 通則2.を新設し、新生児又は乳児に対して麻酔を行つた場合は、それぞれ所定点数の一〇〇分の一〇〇又は一〇〇分の五〇に相当する点数を加算できることとしたこと。

(2) 現行通則2.を通則3.とし時間外加算等の規定の整理等を行つたが、その取扱いは、第一の1の(1)及び(2)と同様であること。

(3) 通則2.による新生児加算又は乳児加算は通則3.による時間外加算、休日加算、深夜加算及び特例時間外加算と重複して算定できるものであること。

(4) 通則2.の新設に伴い、従前の通知中通則2.、通則3.、通則4.及び通則5.をそれぞれ通則3.、通則4.、通則5.及び通則6.と読み替えるものとすること。

(5) 通則2.に新生児加算及び乳児加算が新設されたことに伴い、マスク又は気管内挿管による閉鎖循環式全身麻酔(二時間まで)の「注2.」の加算のうち、「生後一箇月以内の乳児の手術」を削除したこと。

8 入院料について

(1) 改正後の「看護、給食及び寝具設備の基準」による特二類看護を申請しようとする病院については、昭和三三年八月二五日保険発第五三号通知により示されている基準看護、基準給食、基準寝具設備実施承認申請書及び同添付書類に準ずる様式により承認申請書を提出させ、これによりその確認を行い承認するとともに、当該保険医療機関及び関係団体等へ通知すること。

(2) 特二類看護の承認に係る前記(1)の手続き及び確認に相当の日数を要する場合にあつては、当該病院の申出により、とりあえず本年七月一日現在の定時報告又はその後の調査結果等に基づき特二類看護の承認を行つて差し支えないこと。なお、この場合にあつても、事後速やかに承認申請書を提出させ、(1)による手続きをとるとともに、確認の結果特二類看護の承認基準に該当しない場合にあつては、当該承認を遡及して取消すこと。

(3) 改正前の特類看護は、今回の改正により特一類看護と名称変更が行われたことに伴い、特類の承認が行われている病院については、今後は特一類として取扱うよう通知すること。

9 入院時医学管理料について

入院時医学管理科の取扱いは、次のとおりであること。

(1) 入院の日とは、当該保険医療機関に入院した日をいうものであり、保険医療機関ごとに起算するものであること。したがつて、転医をした場合における転医先の保険医療機関については、新たに入院した日を起算日として入院期間の計算をするものであること。この点に関しては、健康保険法第四三条ノ八に基づく入院の際の一部負担金を負担する入院の日(当該傷病につき初めて入院の給付が行われた日を起算日とする。)とは取扱いが異なるものであるから特に留意すること。

(2) A傷病により入院中の患者がB傷病にかかり、B傷病についても入院の必要がある場合(例えば、結核で入院中の患者が虫垂炎で手術を受けた場合等)、又はA傷病が退院できる程度に軽快した際に他の傷病にかかり入院の必要が生じた場合においても、入院期間はA傷病で入院した日を起算日とするものであること。

(3) 削除

(4) 本院と分院とがそれぞれ別に保険医療機関の指定を受けている場合において、本院から分院又は分院から本院に療養上必要があって移されたときは、それぞれ新たに入院の日として起算するものであること。

(5) 一傷病により入院した患者が退院後、一旦治癒し若しくは治癒に近い状態までよくなり、その後再発して同一保険医療機関に再入院した場合又は退院後、退院の日の翌日から起算して六月以上(悪性腫瘍又は「特定疾患治療研究事業について」の別紙の第三に掲げる疾患に罹患している患者については三月以上)の期間同一傷病について当該保険医療機関を含むいずれの保険医療機関にも入院することなく経過した後に再入院した場合は、再入院の日を起算日として新たに入院期間を計算するものであること。

前記の場合を除き、一旦退院した患者が再び憎悪して同一保険医療機関に再入院した場合は、第一回の入院の日を起算日とすること。この場合においては、退院中の期間は入院期間には含めないものであること。

(6) 一傷病によりA保険医療機関に入院中の患者がB保険医療機関に転医し、更にA保険医療機関に転医再入院した場合

は、第一回に保険医療機関に入院した日をもって起算日とする。この場合においては転医中の期間は、入院期間には含めないものであること。

(7) 入院期間は暦月で計算するものであること。

例えば、二月一五日に入院した場合は三月一四日までが一月を経過しない期間であり、三月一五日から四月一四日までが一月を超え二月以内の期間、四月一五日から五月一四日までが二月を超え三月以内の期間であり五月一五日以降が三月を経過した以後の期間であること。

(8) なお、入院期間が一月未満の者が再入院した場合の入院期間の計算について、例示すれば次のようになること。

〔例〕

2月      3月  4月      5月

1日  25日  1日  1日  10日  1日

│―――│―――│―――│―――│―――│――――――

………・……………………………・…………………………

入│  退     │     再   │

入        外     入   入

院        来     院   院

院│  院     │         │

前図においては二月二八日が一月満了予定日であり、二月二五日退院であるから、一月経過までの残日数は三日間となること。したがって四月一〇日再入院の場合は四月一二日までが一月、五月一二日までが二月となること。

第四 調剤報酬算定表に関する事項

今回新設された時間外加算及び休日加算の取扱いは、次のとおりであること。

1 時間外加算

時間外加算が算定できる時間は、各都道府県の保険薬局における開局時間の実態、患者の来局上の便宜等を考慮して、社会通念上妥当と認められる一定の時間以外の時間をもって、時間外として取扱うこととし、その標準はおおむね午前八時前及び午後六時以降(土曜日の場合は、午前八時前と正午以降)及び休日加算の対象となる休日以外の日を終日休業日とする保険薬局における当該休業日とすること。

なお、時間外とされる場合においても、当該保険薬局が実態的に調剤応需の態勢をとり、開局時間内と同様な取扱いで調剤を行っているときは、時間外の取扱いはしないものであること。

2 休日加算

(1) 休日加算の算定の対象となる休日とは、日曜日及び国民の祝日に関する法律(昭和二三年法律第一七八号)第三条に規定する休日をいうものであること。

なお、一月二日及び三日は国民的にみて祝日に準ずる扱いであるので、休日として取扱って差し支えないこと。

(2) 休日加算は次の場合に算定するものであること。

ア 地域医療の確保という見地から、救急医療対策の一環として設けられている施設又は輪番制による休日当番保険薬局等客観的に休日における救急医療の確保のために調剤を行っていると認められる保険薬局で調剤を受けた患者の場合

イ 当該休日を開局しないこととしている保険薬局で、又は当該休日に調剤を行っている保険薬局の開局時間以外の時間(深夜を除く。)に、急病等やむを得ない理由により調剤を受けた患者の場合

したがって、前記ア以外の理由により常態として又は臨時に当該休日に開局している保険薬局の開局時間内に調剤を受けた患者の場合は該当しないものであること。

(3) 休日加算と時間外加算又は深夜加算との重複は認められないこと。

3 深夜加算について

深夜加算は、次の場合に算定できるほかは従前と同様の取扱いであること。

(1) 地域医療の確保という見地から救急医療対策の一環として設けられている施設又は輪番制による深夜当番保険薬局等客観的に深夜の救急医療の確保のために調剤を行っていると認められる保険薬局で調剤を受けた患者の場合

(2) 深夜時間帯(午後一〇時から午前六時までの間)を開局時間としていない保険薬局、及び当該保険薬局の開局時間が深夜時間帯にまで及んでいる場合にあっては、当該開局時間帯とが重複していない時間に急病等やむを得ない理由により調剤を受けた患者の場合

したがって、前記(1)以外の理由により常態として又は臨時に当該深夜時間帯を開局時間としている保険薬局において調剤を受けた患者の場合は該当しないものであること。

4 時間外加算の特例について

(1) 当該特例の適用を受ける保険薬局とは、一般保険薬局の開局時間以外の時間における救急医療の確保のため、国又は地方公共団体等の開設に係る専ら夜間における救急医療の確保のため設けられている保険薬局に限られるものであること。

(2) 別に厚生大臣の定める時間とは、当該地域において一般の保険薬局がおおむね調剤応需の態勢を解除し、翌日調剤応需の態勢を再開するまでの時間であって、深夜時間帯を除いた時間であること。

(3) 時間外特例薬局における深夜加算の取扱いについては、3の(1)に該当するものであること。

5 開局日及び開局時間の把握について

保険薬局の開設者が「保険医療機関及び保険薬局の指定並びに保険医及び保険薬剤師の登録に関する省令」に基づき行う保険薬局の指定申請の際に申請書等の余白に薬局の開局期日及び開局時間を付記させることとし、その把握に努められたいこと。