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○特殊の事情の下において往診した場合の往診料の算定について

(昭和四〇年一〇月二〇日)

(保発第四二号)

(各都道府県知事あて厚生省保険局長通知)

医療機関のない地域の被保険者等が皆保険下等しく保険給付を受ける権利を保障されながら、受診の機会を逸するという実態にあるように見受けられることにかんがみ、診療報酬の面においてもへき地対策の一環として実情に即した往診料の算定方法を定めることとし、すでに昭和三九年五月二○日保発第一一号の二により、医療機関のない島に対して海路による往診があった場合の特別往診料の取扱いについて通達したところであるが、今回新たに医療機関のない地域に対する陸路による往診があった場合についても特別往診料を認めることとし、昭和四○年一一月一日から適用するものとする。

このため、この取扱いを左記のとおり「特別往診料の取扱要領」として定めたので、貴職におかれても、この取扱要領により、管内の該当地域については積極的に指定され、へき地の被保険者等の受診の機会の増大等医療面における改善がなされるよう特段の御配慮をお願いする。

なお、昭和三九年五月二○日保発第一一号の二の通達は、本通達をもって廃止する。

おって、すでに特別往診料の設定されている適用地域については、この取扱要領により指定されたものとする。

特別往診料の取扱要領

往診距離が片道一六キロメートルを超えて又は海路により第一の適用地域に往診した場合であって、第二の各号の一に該当する特殊の事情があったときの往診料は、第三の算定方法によって算定する。

第一 適用地域

次の各号の一に該当する地域であって、第二に掲げる特殊の事情のいずれかが一般的に存するものについて、都道府県知事が厚生大臣の承認を得て指定した地域とする。

なお、指定地域が指定要件を欠くに至ったときは、当局に内議のうえ、すみやかに地域の指定を取り消すものとする。

1 医療機関のない島の地域又は通例路程の大部分を海路による以外に往診することが困難な事情にある地域であって医療機関のないもの。(以下「一号地域」という。地域の単位は、原則として、島、部落又は小字とする。)

2 一号地域以外の地域であって、最寄りの医療機関からの往診距離が片道一六キロメートルを超えるもの。(以下「二号地域」という。地域の単位は、原則として、部落又は小字とする。)

第二 特殊の事情

1 定期に航行する船舶がないか、又は定期に航行する船舶があっても航行回数がきわめて少ないか、若しくは航行に長時間を要すること。

2 海上の状態や気象条件がきわめて悪いため、又は航路に暗礁が散在するため、若しくは流氷等のため航行に危険が伴うこと。

3 冬期積雪の期間通常の車両の運行が不能のため往診に相当長時間を要する事情にあること、又は道路事情がきわめて悪く、相当の路程を徒歩によらなければならないため、往診に相当長時間を要する事情にあること。

第三 算定方法

医科点数表にあっては往診料の項に定める算定方法に準じて算定した点数(五七〇点に「注1」、「注2」又は「注3」による点数を加算した点数)、歯科点数表にあっては歯科訪問診療料の項に定める算定方法に準じて算定した点数(六二〇点又は四三〇点にそれぞれ「注2」又は「注3」による点数を加算した点数)に、次の点数(一号地域については次の1の(1)及び(2)により算出した点数、二号地域については、次の2により算出した点数)を加算する。

なお、歯科点数表の往診料の取扱いは、従前通りとする。

1 一号地域に対する往診の場合

(1) 波浪時(波浪注意報の出ていたとき又は波浪により通常の航海時間のおおむね一・五倍以上を要したときとする。)であった海路につき海路距離が片道一キロメートル又はその端数を増すごとに所定点数に医科点数表にあっては「注2」、歯科点数表にあっては「注3」に規定する点数の一○○分の一五○を加算した点数

(2) 適用地域における往診に必要とした滞在時間(島に上陸したときから離島するまでの時間)について、甲点数表及び歯科点数表にあっては三○分又はその端数を増すごとに八点、乙点数表にあっては一時間又はその端数を増すごとに八・三点を加算する方法で算出した点数の一○○分の二○○に相当する点数

2 二号地域に対する往診の場合

往診のため保険医又は国民健康保険医が当該保険医療機関又は療養取扱機関を出発してから帰院するまでの往診時間について、甲点数表及び歯科点数表にあっては三○分又はその端数を増すごとに八点、乙点数表にあっては一時間又はその端数を増すごとに八・三点を加算する方法で算出した点数の一〇〇分の三〇〇に相当する点数