添付一覧
○健康保険組合の予算編成基準について
(昭和三五年一一月四日)
(保発第六六号)
(各健康保険組合理事長宛厚生省保険局長通知)
標記については、昭和三五年一月一四日保発第一号をもって通達したところであるが、この基準を改正し、別冊のとおり定めたから、昭和三六年度分からこれにより編成されたい。
別冊
健康保険組合予算編成基準
(昭和35年11月4日保発第66号、最終改正令和3年12月24日保発1224第10号)
第1.一般事項
1 収入支出予算は、法令の定めるところによるほか、この基準によって編成すること。なお、毎年度の予算編成に関して、特に必要のある事項は、そのつど通知するものであること。
2 収入支出予算は、各組合において事業計画を策定し、その計画に基づいて作成するものとし、また、収入支出予算の計上にあたっては、一般勘定、介護勘定に区分し、合理的な基礎にたって算定すること。
なお、組合の事業に関するすべての収入金及び経費は、これを予算に計上し、その収入は、確実かつ適正に確保し、経費は、その目的を達成するための必要かつ最少の限度を超えて支出してはならないものであること。
3 収入及び支出は、会計年度所属区分(昭和35年4月19日保発第31号通達による。)に従い、すべてこれを予算に計上すること。
なお、過年度に属する収入又は支出が見込まれる場合は、その見込額を明らかにして、あわせてこれを予算に計上すること。
4 収入支出予算の区分については、「収入支出予算科目説明」(別添(1))によること。
なお、(款)財政運営安定資金については、「健康保険組合の中期財政運営の導入について」(平成4年12月2日付保文発第804号)を踏まえ中期財政運営を導入する組合のみ計上すること。
5 予算計上額は、1,000円単位とすること。
6 特定保険料率は、当年度において保険者が納付すべき前期高齢者納付金、後期高齢者支援金、病床転換助成関係事務費拠出金、日雇拠出金及び退職者給付拠出金の合算額(前期高齢者交付金がある場合には、これを控除した額)を、被保険者の標準報酬月額の総額及び標準賞与額の総額の合算額の見込額で除して得た率を基準として定めること。また、保険料免除者が存在する場合は、当該被保険者の標準報酬月額の総額及び標準賞与額の総額の合計額を除いて特定保険料率を算出すること。
7 予算の届出にあたっては、次の(1)の書類を添付すること。
ただし、中期財政運営を導入する場合は、(2)についても添付すること。
(1) 「収入支出予算概要表」(別添(2))
「前年度決算残金処分予定額内訳及び前年度末準備金保有率」(別添(2)別表(1))
「本年度末準備金保有率」(別添(2)別表(1)―1)
「病院診療所収入支出見込表」(別添(2)別表(2))
「直営保養所収入支出見込表」(別添(2)別表(2)―1)
(2) 「中期財政運営見通し」(別添(3))
8 予算の成立後に生じた理由によって、すでに成立した予算を変更しようとする場合についても、この基準に準拠して編成すること。
第2.収入の部
1 事務費の国庫負担金収入は、毎年度、別に通知する被保険者1人当たりの金額によって計上すること。
2 前年度繰越金の計上は、前年度決算残金について、準備金を健康保険法施行令第46条第2項及び同令附則第5条の規定によって積み立てる額以上積み立ててなお残余がある見込の場合には差し支えないものであること。
第3.支出の部
1 事務費(事務所費及び組合会費)の計上は、事業の円滑な執行が図れる適切な額とすること。
2 保険給付費は、法律改正等の影響、特例退職被保険者以外の被保険者及び特例退職被保険者の過去の実績等を踏まえ、実情に応じた算定方法により算出すること。
3 組合において不動産で保有している準備金は、減価償却し、償却分の準備金額について毎年度必要な額を予算計上すること。
準備金である建物の減価償却
ア 健康保険法第150条の規定による施設であって準備金を建物で保有している場合においては、毎年度定額法により減価償却をすること。
この場合における減価償却額の計算は次の算式により算出し、これを毎年度の支出予算に計上して、準備金に繰り入れるものとすること。
① 平成19年4月1日前に取得した建物
減価償却額=(取得価格-残存価格)/耐用年数
残存価格=取得価格の10%
② 平成19年4月1日以後に取得した建物
減価償却額=取得価格/耐用年数
(耐用年数経過時点に1円まで償却)
イ 前アにより減価償却をする場合における耐用年数は、「減価償却資産の耐用年数等に関する省令(昭和40年大蔵省令第15号)」の定めるところによること。
ウ 耐用年数の一部を経過した建物(中古建物)を取得し、その将来の残存耐用年数が明らかでない場合には前イで定める耐用年数から経過年数を控除した年数を当該建物の耐用年数とみなし、償却額を計算するものとすること。
4 組合において雇用する職員の退職金にあてるための退職積立金は、毎年度においてその必要額を予算に計上し、計画的に積み立てること。
5 保健事業費は、組合の実情に応じた事業計画に基づく所要額を予算に計上すること。
6 予備費は、突然の高額医療の発生等不測の事態に備えるため、過去の実績に基づき必要な額を予算に計上すること。
7 予算の執行段階である年度途中において、既定予算計上の根拠となっている事業計画を著しく変更することにより、新規事業等の経費が増加し、既定予算に著しく不足が生じる見込となる場合においては、予算の変更を要するものとすること。
なお、事業計画の変更を伴わない場合においては、予算科目の流用又は予備費の充当により、不足を補うことも差し支えないこと。
別添(1)
健康保険組合収入支出予算科目説明
(一般勘定)
収入の部
款 |
項 |
目 |
目の説明 |
1.健康保険収入 |
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1.保険料 |
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1.一般保険料 |
健康保険法(以下「法」という)第155条の規定に基づいて介護納付金の納付に要する費用以外のために徴収する保険料 |
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2.国庫負担金収入 |
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1.国庫負担金収入 |
法第151条の規定に基づく国庫負担の受入金 |
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3.徴収金 |
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1.徴収金 |
法第109条第2項及び第58条の規定に基づく徴収金 |
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2.調整保険料収入 |
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1.調整保険料 |
|||
1.調整保険料 |
法附則第2条第3項の規定に基づいて徴収する調整保険料 |
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2.財政調整事業繰越金 |
法附則第2条第3項の規定に基づいて徴収する調整保険料のうち、前年度に収納した調整保険料の繰越金 |
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3.繰越金 |
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1.前年度繰越金 |
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1.前年度繰越金 |
前年度歳計剰余繰越金 |
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4.繰入金 |
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1.準備金繰入 |
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1.準備金限度内部分繰入 |
法施行令第46条第2項及び同令附則第5条の規定に基づく積立金限度内部分で保険給付費の不足に充てるための繰入金 |
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2.準備金限度外部分繰入 |
法施行令第46条第2項及び同令附則第5条の規定に基づく積立金限度外部分の繰入金 |
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3.準備金不動産保有分繰入 |
規約(例)に基づき準備金を不動産として保有するための繰入金 |
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4.準備金不動産売払分繰入 |
準備金として保有していた不動産を売払した場合の繰入金 |
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2.退職積立金繰入 |
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1.退職積立金繰入 |
退職積立金からの役職員退職手当金支給のための繰入金(出向者の退職金を負担するための退職給与負担金支払のための繰入を含む) |
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3.別途積立金繰入 |
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1.別途積立金繰入 |
別途積立金からの繰入金 |
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4.保証金積立金繰入 |
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1.保証金積立金繰入 |
保証金積立金からの保証金(敷金)の返還のための繰入金 |
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5.組合債 |
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1.組合債 |
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1.厚生年金還元融資 |
厚生年金還元融資による組合債 |
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2.事業主融資 |
事業主融資による組合債 |
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3.(何々) |
(組合債の種類別に適宜「目」を設定するものとする) |
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6.寄付金 |
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1.寄付金 |
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1.何々寄付金 |
(寄付金の目的別に適宜「目」を設定するものとする) |
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7.国庫補助金収入 |
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1.国庫補助金収入 |
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1.高齢者医療支援金等負担金助成事業費 |
高齢者医療運営円滑化等補助金のうち支援金等負担助成事業分に係る受入金 |
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2.被用者保険運営円滑化推進事業費 |
高齢者医療運営円滑化等補助金のうち被用者保険運営円滑化推進事業分に係る受入金 |
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3.特定健康診査・保健指導補助金 |
特定健康診査・特定保健指導の実施に要する費用の国庫補助金(東京電力福島第一原発の事故による避難者の自己負担免除に要する費用の国庫補助を含む) |
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4.災害臨時特例補助金 |
東京電力福島第一原発の事故による避難者に対する一部負担金の減免に要する費用の国庫補助金 |
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5.高齢者医療制度円滑運営事業費補助金 |
糖尿病腎症重症化予防事業の実施に要する費用の国庫補助金 |
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8.特定健康診査等事業収入 |
|||
1.特定健康診査等事業収入 |
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1.特定健康診査一部負担金 |
法第150条第1項の規定による被保険者等への特定健康診査の実施に関する一部負担金 |
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2.特定保健指導一部負担金 |
法第150条第1項の規定による被保険者等への特定保健指導の実施に関する一部負担金 |
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3.特定健康診査相当法定健診受託料 |
高齢者の医療の確保に関する法律(以下「高齢者医療確保法」という)第21条第2項の規定に基づき、特定健康診査に相当する健康診断を労働安全衛生法等の事業者等から受託したことによる受入金 |
||
4.特定健康診査受託料 |
高齢者医療確保法第26条第1項の規定に基づき、他の保険者から受託した特定健康診査の実施に関する受入金 |
||
5.特定保健指導受託料 |
高齢者医療確保法第26条第1項の規定に基づき、他の保険者から受託した特定保健指導の実施に関する受入金 |
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9.病院診療所収入 |
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1.病院診療所収入 |
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1.組合員診療収入 |
法第63条第3項第3号の医療機関としての法第74条の規定による一部負担金及び被扶養者に関する診療収入 |
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2.員外診療収入 |
法第63条第3項第1号又は第2号の医療機関としての診療収入及びその他員外診療収入(法第74条の規定による一部負担金を含む) |
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3.指定居宅サービス等介護給付費収入 |
介護保険法第41条、第42条の規定による指定居宅サービス、及び同法第53条、第54条の規定による指定介護予防サービス介護給付費収入 |
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4.指定居宅サービス等利用料 |
指定居宅サービス、介護予防サービス利用規程による利用料 |
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5.雑入 |
病院診療所収入における診療収入、指定居宅サービス等介護給付費収入及び指定居宅サービス等利用料以外の諸収入等 |
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6.(何々) |
その他の収入がある場合は適切な名称を付し、適宜「目」を設けること |
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10.訪問看護事業収入 |
|||
1.訪問看護事業収入 |
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1.訪問看護療養費収入 |
法第88条及び法第111条の規定による訪問看護療養費収入等 |
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2.訪問看護ステーション利用料 |
指定訪問看護及び指定老人訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準第13条の規定による基本利用料等 |
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3.指定居宅サービス等介護給付費収入 |
介護保険法第41条、第42条の規定による指定居宅サービス、及び同法第53条、第54条の規定による指定介護予防サービス介護給付費収入 |
||
4.指定居宅サービス等利用料 |
指定居宅サービス、介護予防サービス利用規程による利用料 |
||
5.雑入 |
訪問看護療養費収入及び訪問看護ステーション利用料、指定居宅サービス等介護給付費収入及び指定居宅サービス等利用料以外の諸収入等 |
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6.(何々) |
その他の収入がある場合は適切な名称を付し、適宜「目」を設けること |
||
11.介護老人保健施設収入 |
|||
1.介護老人保健施設収入 |
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1.指定居宅サービス等介護給付費収入 |
介護保険法第41条、第42条の規定による指定居宅サービス、及び同法第53条、第54条の規定による指定介護予防サービス介護給付費収入 |
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2.指定施設サービス等介護給付費収入 |
介護保険法第48条、第49条の規定による施設介護サービス等介護給付費収入 |
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3.指定居宅サービス等利用料 |
指定居宅サービス、介護予防サービス、指定施設サービス等利用規程による利用料 |
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4.雑入 |
指定居宅サービス等介護給付費収入、指定施設サービス等介護給付費収入、指定居宅サービス等利用料以外の諸収入等 |
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5.(何々) |
その他の収入がある場合は適切な名称を付し、適宜「目」を設けること |
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12.前期高齢者交付金 |
|||
1.前期高齢者交付金 |
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1.前期高齢者交付金 |
高齢者医療確保法第32条の規定に基づく前期高齢者交付金 |
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13.財政調整事業交付金 |
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1.財政調整事業交付金 |
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1.組合財政支援交付金 |
法附則第2条第1項の規定に基づく交付金のうち組合財政支援交付金(組合運営サポート事業緊急支援助成金を含む) |
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2.高額医療交付金 |
法附則第2条第1項の規定に基づく交付金のうち高額医療交付金 |
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14.雑収入 |
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1.利子収入 |
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1.準備金利子 |
準備金から生ずる利子及び配当金等 |
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2.任意積立金利子 |
別途積立金、退職積立金等から生ずる利子及び配当金等 |
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3.支払余裕金利子 |
支払余裕金から生ずる利子及び配当金等 |
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2.施設利用料 |
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1.保養所利用料 |
保養所利用規程による保養所利用料 |
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2.体育館利用料 |
体育館利用規程による体育館利用料 |
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3.保健会館利用料 |
保健会館利用規程による保健会館利用料 |
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4.健康増進施設利用料 |
健康増進施設利用規程による健康増進施設利用料 |
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5.介護型ホーム利用料 |
介護型有料老人ホーム利用規程による介護型有料老人ホーム利用料又は利用にかかる保証金 |
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6.在宅療養支援事業利用料 |
在宅療養支援事業利用規程による在宅療養支援利用料 |
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7.施設賃貸料 |
所有する土地建物の賃貸料収入 |
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8.保健事業一部負担金 |
人間ドック、契約保養所、医薬品配布及び介護機器・用品支給等に関する一部負担金 |
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9.法定健診受託料 |
労働安全衛生法に基づく健診又はストレスチェック事業を事業主から受託したことによる受入金(8.1.3に属する収入を除く) |
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3.介護型ホーム入居一時金 |
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1.介護型ホーム入居一時金 |
介護型有料老人ホーム利用規程による介護型有料老人ホーム入居一時金 |
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4.返納金 |
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1.返納金 |
過年度における保険給付金の過誤払に関する返納金 |
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5.貸付金回収金 |
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1.貸付金回収金 |
結核病床建設費等のために貸付けた資金の回収金 |
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6.高額医療費貸付金回収金 |
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1.高額医療費貸付金回収金 |
高額医療費貸付事業により貸付けた資金の回収金 |
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7.在宅療養支援資金貸付金回収金 |
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1.在宅療養支援資金貸付金回収金 |
在宅療養支援資金貸付事業により貸付けた資金の回収金 |
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8.出産費貸付金回収金 |
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1.出産費貸付金回収金 |
出産費貸付事業により貸付けた資金の回収金 |
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9.不用財産等売払代 |
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1.不用財産売払代 |
不用の財産(土地、建物等)の売払代(準備金として保有している不動産の売払代を除く) |
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2.不用物品売払代 |
不用の物品(耐用年数が1年以上かつ取得価格が10万円以上の償却資産)の売払代 |
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10.雑入 |
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1.延滞金収入 |
法第181条の規定に基づく徴収金 |
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2.労働保険料収入 |
労働保険の保険料の徴収等に関する法律に基づく労働保険料(以下「労働保険料」という)の本人負担分収入 |
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3.補助金等追加収入 |
国庫補助金及び法附則第2条第1項の規定に基づく交付金の過年度分の追加収入や過年度拠出金が確定したことによる戻し金による収入 |
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4.雑入 |
第三者行為による保険事故に対する求償収入金等その他の雑入 |
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15.介護勘定受入 |
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1.介護勘定受入 |
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1.介護勘定受入金 |
介護勘定からの受入金 |
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何々 |
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何々 |
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何々 |
必要に応じ上記以外の科目を設けることができるものとする |