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○健康保険法等の一部を改正する法律等の施行について

(平成六年九月九日)

(厚生省発保第九〇号)

(各都道府県知事あて厚生事務次官通知)

健康保険法等の一部を改正する法律(平成六年法律第五六号)は、平成六年六月二九日に公布されたところであるが、改正の趣旨及び内容は次のとおりであるので、その周知徹底及び関係部局の連携を十分に図り、その実施に遺憾なきを期されたく、命により通知する。

第一 改正の趣旨

Ⅰ 改正の基本的な考え方

我が国の医療保険制度を取り巻く状況は、人口の高齢化の進展や疾病構造の変化、医療サービスに対する国民のニーズの多様化・高度化など、大きく変化している。こうした中、医療保険制度については、疾病、負傷に伴い発生する経済的不安の解消という基本的な役割を維持しつつ、医療サービスの質の向上や患者ニーズの多様化への対応を図ることが求められており、また、需要の増大している老人保健福祉サービスの充実を図ることが求められているところである。

必要な医療の確保とサービスの質の向上という課題に応えていくためには、保険料、税又は患者の自己負担にその財源を求めていかなければならない。人口の高齢化の進展等に伴い今後とも医療費等の増加が避けられない中で、国民の保険料や税に係る負担を適切な水準にとどめていくためには、国民の共通の財産ともいえる保険料等を財源とすることを基本としつつ、どこまで保険料等に依存するのか、あるいはどこまで自己負担を求めるのかという観点に立って、提供するサービスの種類や内容に応じた適切な財源構成としていくことが必要である。

今般の改正は、こうした基本的な考え方に立って、保険給付の範囲・内容等の見直しを行い、今日重要な課題となっている付添看護・介護の解消、在宅医療の推進及び入院時の食事に係る給付の見直し等を一体として行うものである。これにより、二一世紀に向けて医療保険制度を通じ、良質かつ適切な医療を、効率的かつ安定的に提供していくとともに、老人保健福祉施策の総合的推進を図ろうとするものである。

Ⅱ 主要な改正事項の趣旨等

1 付添看護・介護の解消

付添看護・介護は医療機関の従業員以外の者により看護・介護サービスを提供するものであるが、患者に重い保険外負担を生じさせているとともに、看護・介護サービスの質の確保という面でも問題を有しており、従来よりその解消を図ることが重要な課題となっていた。このため、今回、保険医療機関又は特定承認保険医療機関(以下「保険医療機関等」という。)が看護サービスを提供すべきものであることを法律上明確に位置付けるとともに、診療報酬においても従来の基準看護制度を見直して新たな仕組みを設ける等の措置を講ずることにより、患者に対する看護・介護サービスはすべて保険医療機関等の従業員が適切に行うこととし、すべての被保険者、被扶養者が等しく良質な看護・介護サービスを受けられるようにするものである。

2 在宅医療の推進

我が国では従来医療を提供する場として病院等の医療機関が中心となってきたが、国民の疾病構造が感染症中心から成人病中心へと変化し、長期間の療養生活を送る患者が増加している中で、家族とともに住み慣れた家で療養生活を送りたいという在宅医療に係るニーズが高まっている。

今般の改正は、こうした国民のニーズを踏まえ、在宅医療に係る法律上の位置付けを明確にし、診療報酬の評価の充実を図るとともに、訪問看護ステーションによる訪問看護事業の対象を、難病患者、末期のがん患者等に拡大することにより、在宅医療の推進を図ろうとするものである。

3 入院時の食事に係る給付の見直し

入院時の食事については、国民の生活水準の向上に伴い、質の向上や患者の選択の幅の拡大といったニーズが高まっている。一方、費用負担の面から見れば、食費は入院、在宅等において共通して必要となる費用であるが、入院と在宅等において負担の不均衡が生じている。

今般の改正は、医療保険の給付がこうした課題に適切に応えていくため、入院時の食事について給付の方式を改め、入院時食事療養費を創設するとともに、診療報酬を充実することにより、サービスの質の向上と、入院と在宅等との負担の公平化を図ろうとするものである。

4 出産・育児の支援

出産・育児についての支援を行い、子供が健やかに生まれ育つ環境づくりを推進するため、分娩に直接要する費用の他、出産前後に発生する費用の負担を軽減する出産育児一時金を創設し、大幅に給付額を改善するとともに、被用者保険について、育児休業期間中の保険料の被保険者分を免除することとした。

5 療養取扱機関等の廃止

規制緩和の観点から、国民健康保険法上の療養取扱機関、国民健康保険医等を廃止し、健康保険法上の保険医療機関、保険薬局、保険医等に統合するものである。

6 住所地特例の創設

社会福祉施設の所在する市町村の国民健康保険の負担が重くなるという医療費負担の不公平を解消するため、社会福祉施設の入所者であって措置により他の市町村から転入してきたものについては、当該地の市町村の国民健康保険に引き続き加入するという特例措置を設けるものである。

なお、国民健康保険の被保険者に係る老人保健法の適用についても同様である。

7 拠出金による老人保健施設の整備等

在宅医療を推進するとともに、老人医療費の中長期的安定を図る観点から、医療保険各保険者からの拠出金を財源として、老人保健施設及び老人訪問看護ステーションの整備等を行う事業を実施するものである。

8 老人保健福祉審議会の設置

高齢者の保健福祉サービスの在り方を総合的に審議するため、高齢者関係三審議会等を統合し、厚生省に新たに老人保健福祉審議会を設置するものである。

第二 改正の内容

Ⅰ 健康保険関係

1 保険給付に関する事項

(1) 付添看護・介護の解消

ア 入院時の看護については、保険医療機関等が自ら行う療養の給付として、これを健康保険法(大正一一年法律第七〇号)上明確に位置付けることとしたこと。

イ 患者負担を伴う付添看護・介護は、原則として平成八年三月三一日をもって禁止することとしたこと。この期間中経過的に認められる付添看護・介護は、診療報酬上付添看護・介護を行うことが認められている病院及び診療所における重篤、術後又は寝たきりの状態等にある患者に係るものとすること。

ウ 付添看護・介護の解消等に関する計画を策定しているなどの厚生省令で別に定める承認要件を満たすものとして都道府県知事の承認を受けた保険医療機関については、平成八年四月一日以降当該解消計画の終了の日まで付添看護・介護を認めるものとしたこと。

エ イ及びウにより、認められる付添看護・介護については、当該期間中、経過的に付添看護・介護に係る療養費が支給されること。

オ 今回の法律改正に合わせて平成六年一〇月に実施される診療報酬改定において、付添看護・介護の解消のため、現行基準看護制度を見直し、新看護体系・新看護補助体系を創設し、患者二人に看護要員一人の体制づくりを行うものとしたこと。また、付添看護解消計画を策定、実施している病院について、平成七年度末までの間に限り、加算を行うこととしたこと。

(2) 在宅医療の推進

ア 在宅医療については、保険医療機関等が行う療養の給付として、これを健康保険法上明確に位置付けることとしたこと。

イ 難病患者、末期のがん患者等、居宅において継続して療養を受ける状態にある者であって、その病状が安定している等の状態にある者に対し、看護婦(士)、保健婦(士)、准看護婦(士)、理学療法士又は作業療法士が療養上の世話その他の必要な診療の補助(保険医療機関、特定承認保険医療機関又は老人保健施設によるものを除く。)を行う事業を行う者であって都道府県知事の指定を受けたもの(指定訪問看護事業者)について、被保険者が指定訪問看護を受けた場合には、保険者は訪問看護療養費を支給するものとしたこと。

ウ 訪問看護療養費の額は、訪問看護に要する平均的な費用を勘案して厚生大臣の定めるところにより算定した費用の額の八割(厚生大臣の告示する日までの間は九割)としたこと。また、当該算定費用額から訪問看護療養費として支給される額を控除した額は、高額療養費の対象たる費用に含まれるものであること。

エ 被扶養者が指定訪問看護を受けた場合には、被保険者と同様、家族訪問看護療養費を支給することとしたこと。ただし、家族訪問看護療養費の額は、ウの訪問看護療養費の例により算定した費用の額の七割としたこと。

オ 訪問看護療養費又は家族訪問看護療養費については、保険者は訪問看護療養費又は家族訪問看護療養費として被保険者に支給すべき額に相当する額を指定訪問看護事業者に対して支払うこととしたこと。

カ 指定訪問看護の事業運営については、原則として指定老人訪問看護の人員及び運営に関する基準(平成四年厚生省令第三号)の例により実施することとしたこと。

キ 平成六年一〇月に実施される診療報酬改定において、在宅医療の推進に資するため、在宅患者への栄養指導、歯科診療、薬剤の管理及び指導などについて評価を行うとともに、訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法について新たに定めることとしたこと。

(3) 入院時食事療養費の創設

ア 入院時の食事については、療養の給付から分離し、入院時食事療養費を創設することとし、低所得者に配慮しつつ、患者が平均的な家計における食費を勘案した一定額(標準負担額)を支払うこととしたこと。

イ 標準負担額については、平成八年九月三〇日までの間の経過措置として、一般の患者については一日六〇〇円とし、市町村民税非課税であると保険者が認定した被保険者又はその被扶養者等(以下「減額対象者」という。)については、四五〇円(標準負担額の減額申請を行った月以前の一二月以内の入院日数(平成六年一〇月一日以降のものであって、減額対象者である期間に係るものに限る。)が九〇日を超える者については三〇〇円)とすることとしたこと。

ウ 減額対象者については、申請により保険者が認定することとしたこと。

エ 入院時食事療養費については、保険者は入院時食事療養費として被保険者に支給すべき額に相当する額を保険医療機関に支払うこととしたこと。

オ 保険医療機関及び保険医療養担当規則(昭和三二年厚生省令第一五号)を改正し、保険医療機関等は標準的な食事のメニューを用意し、患者から標準負担額の支払いを受けるものとしたこと。

また、保険医療機関等は、標準的な食事のメニューとは別に特別のメニューを用意した場合には、患者への十分な情報提供と患者の選択を前提に、別途支払いを求めることができるものとしたこと。

カ 特定承認保険医療機関における入院時の食事及び被扶養者の入院時の食事については、特定療養費及び家族療養費において、入院時食事療養費に準じて取り扱うこととしたこと。

キ 標準負担額は高額療養費の対象たる費用には含まれないものであること。なお、このような位置付けから、標準負担額を健康保険組合の附加給付の対象とすることは不適切であること。

ク 平成六年一〇月に実施される診療報酬改定において、入院時食事療養費に係る食事療養の費用の額の算定に関する基準を定めるとともに、食事の質の改善のため、適時適温の食事の提供に対する評価の充実を図るとともに、食堂における食事の提供などについて評価を行うこととしたこと。

(4) 出産育児一時金の創設

出産育児一時金及び配偶者出産育児一時金を創設し、その額は、出産前後の諸費用を総合的に勘案し、三〇万円としたこと。これに伴い、分娩費及び育児手当金並びに配偶者分娩費及び配偶者育児手当金は廃止することとしたこと。

(5) 傷病手当金及び出産手当金に関する改正

(三)の入院時食事療養に係る標準負担の導入に伴い、入院している被保険者であって、被扶養者のいない者に係る傷病手当金及び出産手当金の減額措置(一日当たり支給額を標準報酬日額の六割から四割に減額)を廃止することとしたこと。

(6) 移送に係る給付の見直し

移送に係る給付については、現金給付として、移送費(家族移送費)を創設することとし、その支給要件、支給額の算定方法を明確化したこと。

2 保健福祉事業の充実に関する事項

(1) 成人病の増大等疾病構造の変化に伴い、疾病の予防の重要性が一層高まっている状況を踏まえ、健康教育、健康相談、健康診査その他の被保険者及びその被扶養者の健康の保持増進のための事業を、保険者が本来行うべき事業として、その実施に努めるよう、法律上の規定の整備を行ったこと。

(2) 在宅医療の支援等、最近の保険者の保健福祉事業の取組の状況を踏まえ、保険者が、被保険者及びその被扶養者の療養若しくは療養環境の向上又は福祉の増進のために必要な事業を行うことができることを明確にするため、法律上の規定の整備を行ったこと。

3 保険料及び標準報酬に関する事項

(1) 育児中の負担軽減を図るため、育児休業等に関する法律(平成三年法律第七六号)及び地方公務員の育児休業等に関する法律(平成三年法律第一一〇号)に基づく育児休業の期間中について、平成七年四月一日より被保険者負担分の保険料を免除することとしたこと。

(2) 標準報酬月額の下限について、賃金水準の上昇等の実態を勘案して、八万円から九万二〇〇〇円に引き上げたこと。

(3) 健康保険法第六九条の七の特例被保険者の受給資格要件の緩和

労働時間の短縮等に伴い、健康保険法第六九条の七の特例被保険者(日々雇い入れられる特例被保険者)の受給資格の要件である保険料の納付期間について、二か月間に二八日から二六日に緩和することとしたこと。

Ⅱ 船員保険関係

1 保険給付に関する事項

(1) 付添看護・介護の解消

健康保険関係と同様の改正を行うこととしたこと。

(2) 在宅医療の推進

健康保険関係と同様の改正を行うこととしたこと。

ただし、船員法(昭和二二年法律第一〇〇号)第八九条に規定する療養補償に相当する訪問看護療養費並びに通勤による疾病又は負傷及びこれにより発した疾病に関する訪問看護療養費については、健康保険の訪問看護療養費の例により算定した費用の額の全額を給付することとしたこと。

(3) 入院時食費療養費の創設

健康保険関係と同様の改正を行うこととしたこと。

ただし、船員法第八九条に規定する療養補償に相当する入院時食事療養費並びに通勤による疾病又は負傷及びこれにより発した疾病に関する入院時食事療養費については、健康保険の入院時食事療養費の例により算定した費用の額の全額とし、これより標準負担額を控除しないこととしたこと。

(4) 出産育児一時金の創設

健康保険関係と同様の改正を行うこととしたこと。

(5) 傷病手当金に関する改正

入院している被保険者等であって、被扶養者のいない者に係る傷病手当金の減額措置を廃止することとしたこと。

(6) 移送に係る給付の見直し

健康保険関係と同様の改正を行うこととしたこと。

(7) 遺族年金(災害補償)に関する改正

平成七年四月一日より、遺族年金(災害補償)の遺族に含まれる子及び孫等の年齢要件について、一八歳に達した日以後の最初の三月三一日が終了したときまでに改めることとしたこと。

(8) 障害年金(災害補償)に関する改正

障害年金(災害補償)について、障害等級に該当しなくなって三年を経過した場合であっても、失権せず支給停止として取り扱うこととし、それ以降に障害が再度重くなった場合に、年金を受給できるようにしたこと。

2 福祉事業の充実に関する事項

福祉事業について、健康保険の保健福祉事業と同様の改正を行うこととしたこと。

3 保険料及び標準報酬に関する事項

育児休業期間中の被保険者負担分の保険料の免除及び標準報酬月額の下限について、健康保険関係と同様の改正を行うこととしたこと。

4 その他

規制緩和の観点から、船員保険事務組合の指定に関する社会保険庁長官の権限の一部を都道府県知事に委任することとしたこと。

Ⅲ 国民健康保険関係

1 保険給付に関する事項

(1) 付添看護・介護の解消

健康保険関係と同様の改正を行うこととしたこと。

(2) 在宅医療の推進

健康保険関係と同様の改正を行うこととしたこと。

ただし、訪問看護療養費の額は、健康保険の訪問看護療養費の例により算定した費用の額の七割(退職被保険者本人八割、その被扶養者七割)としたこと。

(3) 入院時食事療養費の創設

ア 健康保険関係と同様の改正を行うこととしたこと。

イ 入院時食事療養費創設の趣旨から、都道府県若しくは市町村又は国民健康保険組合が標準負担額の全部又は一部を負担することは、不適切であること。

(4) 出産育児一時金の創設

出産育児一時金は、健康保険関係と同様の趣旨で、三〇万円を基準として、条例又は規約で定めるところにより給付を行うこととしたこと、これに伴い助産費及び育児手当金は廃止することとしたこと。

(5) 移送に係る給付の見直し

健康保険関係と同様の改正を行うこととしたこと。

2 保健事業の充実に関する事項

保健事業について、健康保険関係と同様の改正を行うこととしたこと。

3 療養取扱機関等の廃止に関する事項

(1) 国民健康保険法(昭和三三年法律第一九二号)上の療養取扱機関、特定承認療養取扱機関、国民健康保険医等を廃止し、健康保険法上の保険医療機関、保険薬局、特定承認保険医療機関、保険医等に統合することとしたこと。

(2) これに伴い、国民健康保険の被保険者が療養の給付等を受けようとするときは、保険医療機関、保険薬局又は特定承認保険医療機関について受けるものとしたこと。

4 住所地特例の創設に関する事項

社会福祉施設のうち次に掲げるものに入所する者であって、措置により他の市町村から転入してきたものについては、入所措置時に住所のあった市町村の国民健康保険に引き続き加入するという特例を設けることとしたこと。

なお、この特例措置は、平成七年四月一日以後に住所地の変更があった者について適用されるものであること。

(1) 児童福祉施設

(2) 身体障害者更生援護施設

(3) 精神薄弱者援護施設

(4) 心身障害者福祉協会の設置する福祉施設

(5) 養護老人ホーム又は特別療養老人ホーム

Ⅳ 老人保健福祉関係

1 保険給付に関する事項

(1) 付添看護・介護の解消

健康保険関係と同様の改正を行うこととしたこと。

ただし、法律改正に合わせて平成六年一〇月から実施される老人診療報酬改定において、老人病棟においては少なくとも患者三人に看護・介護職員一人以上の体制づくりを行うこととしたこと。

(2) 在宅医療の推進

平成六年一〇月から実施される老人診療報酬改定において、

ア 在宅末期がん患者を始めとした在宅患者に対する在宅ターミナルケアの推進、診療所の在宅支援機能の評価、病院又は老人保健施設と退院又は退所後のかかりつけ医、老人訪問看護ステーションとの連携強化

イ 老人訪問看護末期基本療養費、寝たきり老人退院時共同指導加算の新設による老人訪問看護ステーションの在宅療養支援機能の強化

ウ 薬剤師及び管理栄養士による訪問指導、訪問歯科診療等について評価を行うこととしたこと。

(3) 入院時食事療養費の創設

ア 健康保険関係と同様の改正を行うこととしたこと。

イ 標準負担額については、平成八年九月三〇日までの経過措置として、一般の患者については一日六〇〇円とし、市町村民税非課税世帯等に属すると市町村長が認定した者については四五〇円(標準負担額減額申請を行った月以前の一二月以内の入院日数(平成六年一〇月一日以降のものであって、減額対象者である期間に係るものに限る。)が九〇日を超える者については三〇〇円)、市町村民税非課税世帯等に属すると市町村長が認定し、かつ、老齢福祉年金の受給権者については一日二〇〇円とすることとしたこと。

ウ 入院時食事療養費創設の趣旨から、都道府県又は市町村が標準負担額の全部又は一部を負担することは、不適切であること。

(4) 移送に係る給付の見直し

健康保険関係と同様の改正を行うこととしたこと。

2 療養取扱機関等の廃止に関する事項

国民健康保険法上の療養取扱機関等の廃止に伴い、所要の規定の整備をしたこと。

3 住所地特例の創設に関する事項

国民健康保険の被保険者に係る老人保健法の適用について、国民健康保険関係と同様の改正を行うこと。

4 医療保険各保険者からの拠出金を財源とした助成事業の実施

社会保険診療報酬支払基金は、医療保険各保険者から事業費拠出金を徴収し、平成一一年度末までの間次に掲げる老人保健関係業務を行うこととしたこと。

ア 老人保健施設の整備に対する助成

イ 老人訪問看護ステーションの整備に対する助成

ウ 福祉用具の研究開発及び普及の促進に関する法律(平成五年法律第三八号)に基づく指定法人(財団法人テクノエイド協会)が行う福祉用具普及モデル事業に対する助成

5 老人保健福祉審議会の創設

高齢者の保健福祉サービスの在り方を総合的に審議するため、厚生省の老人保健審議会、中央社会福祉審議会老人福祉専門分科会及び公衆衛生審議会老人保健部会を統合し、新たに老人保健福祉審議会を設置することとしたこと。

6 サービスの受け手の立場に立った老人保健福祉サービス提供体制の整備

老人保健福祉サービスの提供者は、サービスの質の評価等を通じて、常に受け手の立場に立ってこれを提供するよう努めなければならないこととするとともに、市町村が老人保健福祉サービス等に関する情報を提供する責務を負っていること及び老人介護支援センター等にこれらの情報提供業務を委託できることを明確にすることとしたこと。

Ⅴ 公費負担医療等各法関係

1 入院時の食費負担に関する事項

身体障害者福祉法等の各公費負担医療制度においては、それぞれの制度の趣旨を踏まえ、健康保険等における入院時の食事に係る患者負担の見直しに伴い、標準負担額相当額を公費負担の対象としたこと。

2 指定医療機関に関する事項

身体障害者福祉法等に基づく公費負担医療を担当する指定医療機関等の対象として、健康保険法に規定する指定訪問看護事業者及び老人保健法(昭和五七年法律第八〇号)に規定する指定老人訪問看護事業者を定めることとしたこと。

Ⅵ 社会保険診療報酬支払基金関係

1 訪問看護療養費(家族訪問看護療養費)の支払及び審査を社会保険診療報酬支払基金において行うこととしたこと。

2 老人保健法に基づく拠出金事業に係る事業費拠出金等を、社会保険診療報酬支払基金において徴収することとしたこと。

Ⅶ 施行に当たっての留意事項

1 今回の制度改正は、医療サービスの質の向上等の観点から保険給付の内容を変更するものであり、医療機関はもとより、保険者、被保険者、行政その他医療に関係する者が制度改正の趣旨及び内容について十分理解をして初めてその目的を達成できるものであることから、その周知徹底に努められたいこと。

2 今回の制度改正は、保健・医療・福祉に係る関係各部局の改正内容についての十分な理解と連携強化により初めてその目的を達成できるものであるが、以下の点について特に留意されたいこと。

(1) 付添看護・介護の解消については、保険医療機関の計画的な取組が必要であり、関係部局が十分な連携を図り、その円滑な実施について周知徹底及び適切な指導をされたいこと。

(2) 在宅医療の推進については、地域において提供される医療サービスと福祉サービスの連携強化が必要であり、関係部局が十分な連携を図り、その円滑な実施について周知徹底及び適切な指導をされたいこと。

(3) 入院時食事療養費制度の定着のためには、標準負担額の導入の趣旨について広く理解を得るとともに、追加的なサービスの提供に対する支払いに当たって患者に対して十分な説明を行うことなど保険医療機関等から患者への情報提供が不可欠であるので、関係部局が十分な連携を図り、その円滑な実施について周知徹底及び適切な指導をされたいこと。

Ⅷ 施行期日等

この法律及び関係政令等の施行は、平成六年一〇月一日からとすること。ただし、育児休業期間中の被保険者分の保険料免除に係る改正、保険者の保健福祉事業に係る改正等については平成七年四月一日から等とすること。