○戦没者等の遺族に対する特別弔慰金支給法の一部改正について
(平成一一年三月三一日)
(社援援第二一号)
(各都道府県民生主管部(局)長あて厚生省社会・援護局援護課長通知)
戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律(平成一一年法律第一一号)の施行については、平成一一年三月三一日社援第八八四号をもって社会・援護局長から通知されたところであるが、同法による改正事項のうち戦没者等の遺族に対する特別弔慰金支給法(昭和四〇年法律第一〇〇号)に関係する事項については、さらに左記事項に留意し、その施行に遺憾のないよう取り扱われたく、通知する。
なお、この通知において次の表の上欄に掲げる法令は、それぞれ下欄のとおり略称する。
戦傷病者戦没者遺族等援護法(昭和二七年法律第一二七号) |
遺族援護法 |
戦没者等の遺族に対する特別弔慰金支給法(昭和四〇年法律第一〇〇号) |
特別弔慰金支給法 |
戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律(平成一一年法律第一一号) |
改正法 |
戦没者等の遺族に対する特別弔慰金支給法施行規則(昭和四〇年厚生省令第二七号) |
施行規則 |
戦没者等の遺族に対する特別弔慰金支給法施行規則の一部を改正する省令(平成一一年厚生省令第五三号) |
改正省令 |
記
第一 改正内容に関する事項
一 受給権者
改正法による改正後の特別弔慰金支給法に基づく特別弔慰金(以下「今回の特別弔慰金」という。)の受給権者は次のとおりであること。
(一) 弔慰金の受給権を取得した者
ア 平成七年四月一日までに遺族援護法に基づく弔慰金(以下「弔慰金」という。)の受給権を取得した者(次の(ア)から(ウ)までに掲げる弔慰金の受給権を取得した者とみなされる者を含む。以下同じ。)であって、同日において本人又は他の遺族が同一の死亡した者の死亡に関し公務扶助料、遺族年金その他の別紙に掲げる給付(以下「年金等」という。)の受給権を有していたが、同日から平成一一年三月三一日までにこれら年金等の受給権を有する者がすべて失権し、平成一一年四月一日(以下「基準日」という。)において年金等の受給権者がいないもの。
(ア) 昭和一二年七月七日から昭和一六年一二月七日までの間(日華事変間)に、公務傷病又は勤務関連傷病にかかり、これにより死亡した軍人、軍属又は準軍属の遺族で、仮に死亡した者が昭和一六年一二月八日以後に死亡したとしたならば弔慰金の受給権を取得したこととなるもの。
(イ) 昭和六年九月一八日から昭和一二年七月六日までの間(満州事変間)に公務傷病にかかり、これにより死亡した遺族援護法第二条第一項第一号に規定する軍人の遺族で、仮に死亡した者が昭和一二年七月七日以後に公務傷病にかかり、昭和一六年一二月八日以後に死亡したとしたならば弔慰金の受給権を取得したこととなるもの。
(ウ) 旧恩給法の特例に関する件(昭和二一年勅令第六八号)第一条に規定する内閣総理大臣の定める者に該当した軍人軍属(もとの陸海軍部内の判任文官等)で、当該死亡した者につき扶助料の受給権を有する者があったことにより弔慰金の受給権を取得できなかったもの。
イ 平成七年四月二日から基準日までに弔慰金の受給権を取得した者であって、本人又は他の遺族が同一の死亡した者の死亡に関し年金等の受給権を有していたが、基準日の前日までにこれら年金等の受給権を有する者がすべて失権し、基準日において年金等の受給権者がいないもの。
ウ 平成七年四月二日から基準日までに弔慰金の受給権を取得した者であって、本人又は他の遺族が同一の死亡した者の死亡に関し年金等の受給権を取得していないもの。
(二) 転給遺族
(一)に掲げる者が基準日において死亡し、国籍を喪失し、又は離縁により死亡した者との親族関係を終了している場合において、改正法による改正後の特別弔慰金支給法第二条第三項又は第二条の二の規定に該当する者。
二 国債の名称
第七回特別弔慰金国庫債券「い号」であること。
三 国債の発行日等
国債の発行日は平成一一年一〇月一日であり、償還金の支払は平成一二年から平成一七年までの毎年六月一五日であること。
四 留意事項
改正内容に関し留意すべき点は次のとおりである。
(一) 同一の死亡した者について、改正法による改正前の特別弔慰金支給法に基づく特別弔慰金(国債の名称は第六回特別弔慰金国庫債券。以下「改正前の特別弔慰金」という。)の受給権を取得した者がいるときは、今回の特別弔慰金は支給されないものであること。
なお、時効により改正前の特別弔慰金の受給権が消滅した者であっても、今回の特別弔慰金の受給権者にはならないものであること。
(二) 基準日までに弔慰金の受給権を取得した者であれば、基準日までに弔慰金の受給権の裁定を受けていることを要しないものであること。
また、時効により弔慰金の受給権が消滅した者であっても、弔慰金の受給権を取得した者に該当するものであること。
なお、弔慰金の受給権を取得する日は次のとおりであるが、一の(一)のアの(ア)に掲げる弔慰金の受給権を取得したとみなされる者については、昭和五〇年七月四日援護第一五五号厚生省援護局援護課長通知を参照のこと。
ア 制定当初の遺族援護法により受給権を取得した者については、昭和二七年四月一日(死亡した者の死亡が同日後であるときは、死亡の日)
イ 遺族援護法の改正各法により受給権を取得した者については、当該各法の適用の日(死亡した者の死亡が同日後であるときは、死亡の日)
(三) 基準日において年金等の受給権を有している者がいるときは、基準日までに当該受給権に係る裁定を受けているか否かを問わず特別弔慰金は支給されないものであること。
(四) 今回の特別弔慰金の受給権者が請求をしないまま基準日以後死亡したときは、当該受給権者の相続人が特別弔慰金の請求をできるものであること。
五 広報等による周知徹底
特別弔慰金を受ける権利は、基準日から三年間行使しないときは時効により消滅するので、積極的な広報等により今回の特別弔慰金の受給権者、支給内容、請求期間等の周知徹底を図り、時効による受給権の消滅防止に努められたいこと。
第二 請求手続に関する事項
一 添付書類
改正省令による改正後の施行規則第一条第二項、第三項及び第四項に定める書類は、概ね次のとおりであること。
(一) 弔慰金の受給権を取得した者(特別弔慰金支給法第二条第一項関係)
ア平成一一年四月一日における特別弔慰金を受けようとする者(以下「請求者」という。)の戸籍の抄本
イ 死亡した者の死亡の当時における死亡した者と請求者との身分関係を明らかにすることができる戸(除)籍の謄本又は抄本
ウ 戦没者等の遺族の現況等についての申立書(以下「現況申立書」という。)(様式第一号)
エ 年金等の受給権を取得した者がいるときは、その失権を確認することができる戸(除)籍の謄本若しくは抄本又は住民票の写し等
オ 請求者が死亡した者の配偶者であるときは、死亡した者の死亡の日から平成一一年三月三一日までの間における請求者の身分関係の異動を明らかにすることができる戸(除)籍の謄本又は抄本及び請求者の平成一一年四月一日における世帯全員の住民票の写し
なお、平成一一年四月一日において日本国外に居住しているために住民票の写しを提出することができない場合にあっては、「住民票の写しを提出できない旨の申立書」(様式適宜)に、請求者の平成一一年四月一日における同居者全員の氏名、請求者との続柄及び請求者との生計関係を記載の上提出させること。
(二) 日華事変又は満州事変に係る死亡した者の遺族(特別弔慰金支給法第二条第二項関係)
ア (一)に掲げる書類
イ 請求者が弔慰金の受給権を取得した者とみなされるために必要となる死亡した者の身分及び死因の公務性又は勤務関連性を認めることができる資料
ウ 請求者が死亡した者の死亡の当時において死亡した者と事実上の婚姻関係にあったものとして請求するときは、その事実関係を詳細に記した申立書及び手紙、写真等の事実関係を認めることができる資料
エ 請求者が死亡した者の配偶者、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹以外の三親等内親族(以下「三親等内親族」という。)であるときは、死亡した者の死亡の当時、死亡した者との生計関係を有していたことを認めることができる資料、及び請求者が死亡した者の葬祭を行った者であるときは、その事実を認めることができる過去帳、香典帳等の資料
(三) もとの陸海軍部内の判任文官等の遺族(特別弔慰金支給法附則第三項関係)
ア (一)に掲げる書類
イ 死亡した者の死亡に関し、扶助料の受給権を有する遺族があったことを認めることができる裁定通知書の写しその他の資料
(四) 転給遺族(特別弔慰金支給法第二条第三項及び第二条の二関係)
ア (一)に掲げる書類(オを除く。)
イ 弔慰金の受給権を取得した者が特別弔慰金支給法第二条第一項若しくは第二項又は附則第三項により弔慰金の受給権を取得した者とみなされる者であるときは、(二)のイ及びウ又は(三)のイの書類
ウ 死亡した者の死亡の当時における死亡した者と弔慰金の受給権を取得した者との身分関係を明らかにできる戸(除)籍の謄本又は抄本
エ 弔慰金の受給権を取得した者が死亡し、国籍を喪失し、又は離縁により死亡した者との親族関係を終了していることを認めることができる戸(除)籍の謄本又は抄本
ただし、弔慰金の受給権を取得した者が死亡した者の配偶者であって特別弔慰金支給法第二条第一項各号のいずれかに該当する者であるときは、その事実を認めることができる戸(除)籍の謄本、抄本又は住民票の写し
オ 請求者が特別弔慰金支給法第二条の二に該当する者であるときは、基準日において請求者よりも先順位の遺族がいないことを認めることができる戸(除)籍の謄本又は抄本
カ 請求者が特別弔慰金支給法第二条の二第一項に該当する者であるときは、死亡した者の死亡の日から平成一一年三月三一日までの間における請求者の身分関係の異動を明らかにすることができる戸(除)籍の謄本又は抄本、及び死亡した者の死亡の当時請求者が死亡した者との生計関係を有していたことを認めることができる資料
キ 請求者が三親等内親族であるときは、請求者が死亡した者の死亡の日まで引き続く一年以上死亡した者との生計関係を有していたことを認めることができる資料
また、請求者が死亡した者の葬祭を行った者であるときは、その事実を確認することができる過去帳、香典帳等の資料
(五) 相続人(特別弔慰金支給法第七条第一項関係)
請求者が特別弔慰金の受給権者の相続人であるときは、(一)から(四)の書類のほか、相続人であることを認めることができる戸籍の謄本又は抄本
二 請求同意書
(一) 特別弔慰金の受給権を有する同順位の遺族が数人ある場合、又は請求者が特別弔慰金の受給権者の相続人であって被相続人と同順位の遺族若しくは相続人が数人ある場合は、平成一一年改正特別弔慰金請求同意書(以下「請求同意書」という。)様式第二号)を提出させるものとすること。
なお、請求同意書の提出は、特別弔慰金の受給に関する遺族間の調整を図ることを目的としているものであるので、遺族間で極力調整の上、同順位者本人の署名・押印を得て提出するよう、請求者に対し十分な指導に努めること。
(二) 請求同意書の提出を要する場合であって、同順位の遺族等が次のいずれかに該当することによって請求同意書に署名・押印ができないときは、請求同意書に代えて「請求同意書を提出することができない旨の申立書」(様式第三号)を提出させるものとすること。
ア 行方不明の場合
イ 同意を拒否された場合
ウ その他
なお、ウに該当するときは、請求同意書を提出できない理由(ア又はイと同程度にやむを得ないと認められる事情。)について具体的に記載させるものとすること。
三 その他
(一) 一に掲げる戸籍書類について、そのいずれかによって、他に戸籍書類をもって確認すべき事項を同時に確認できるときは、その添付を省略して差し支えないこと。
(二) 戸籍法(昭和二二年法律第二二四号)第一一七条の四の規定に基づき、磁気ディスクをもって調整された戸(除)籍に記録された事項の証明書が提出されたときは、戸籍の謄本又は抄本に代えて取り扱って差し支えないこと。
ただし、当該証明書では必要とする事項を明らかにできない場合は、これを明らかにできる戸籍の謄本又は抄本を提出させるものとすること。
(三) 一に掲げる戸籍書類について、死亡した者の本籍地が樺太等又は戦災地にあったこと等により戸(除)籍簿が滅失又は消失している場合にあっては、当該事実を認めることができる市区町村長の証明に添えて、戸籍書類の提出ができないことについての請求者の申立書及び当該戸籍書類により証明しようとする事実関係を明らかにすることができる親族の証言等の資料を提出させるものとすること。
(四) 請求者が、改正省令による改正後の施行規則第一条第一項に規定する戦没者等の遺族に対する特別弔慰金請求書(以下「特別弔慰金請求書」という。)を裁定機関に提出するときは、同条第二項、第三項及び第四項に定める書類のほか、戦没者等の遺族に対する特別弔慰金支給法第五条第二項の規定により発行する国債の発行交付等に関する省令(昭和四〇年大蔵省令第四一号)に定める「印鑑等届出書」を添付するものであること。
第三 裁定事務等に関する事項
一 市区町村から請求書類の進達を受けた居住地都道府県は、速やかに請求書類の受付及び電算処理を行うとともに、遅滞なく裁定都道府県にこれを送付するものとすること。
なお、従来、居住地都道府県で行っていた請求書類の整備は原則として必要としないものとすること。
二 戸籍の謄本、抄本又は住民票の認証年月日が、平成一一年四月一日以後であることを確認すること。
三 死亡した者の遺族が平成一一年四月一日までに弔慰金の受給権を取得した者であることの確認については、次の方法によること。
(一) 特別弔慰金請求書の「弔慰金(遺族国庫債券)受給者」の欄に受給者の氏名等が記載されているときはその裁定の事実につき、戦没者原票等の都道府県の保管資料により確認すること。
また、確認した結果、弔慰金の請求について却下処分がなされている場合であっても、その後に改正された遺族援護法の適用を受け、弔慰金の受給権を取得している場合もあるので、弔慰金の裁定に基づく特別弔慰金の受給権の確認には十分な注意を払われたいこと。
(二) (一)の調査により裁定の事実が確認できない場合は、次の方法によること。
ア 特別弔慰金請求書の「弔慰金(遺族国庫債券)受給者」の欄に裁定通知書記号番号の記載があるときは、その裁定の事実につき、裁定機関に文書をもって確認すること。
イ 太平洋戦争間における死亡した者の遺族
(ア) 日華事変以後に公務傷病又は勤務関連傷病にかかり、これにより太平洋戦争以後死亡した軍人、軍属又は準軍属の遺族で弔慰金の請求をしていない者については、弔慰金の受給権について援護課審査室と協議の上判断すること。
(イ) 時効により弔慰金の受給権が消滅しているときは、死亡した者が日華事変以後における在職期間内に公務傷病又は勤務関連傷病にかかり、これにより太平洋戦争以後平成一一年三月三一日以前に死亡したことを遺族、市区町村又は都道府県の保管資料により確認すること。
なお、死亡した者の身分が明らかな場合で、死亡した者の死亡に関し、死亡した者の除籍時の戸籍の謄本に「戦死」、「戦傷死」又は「戦病死」の記載があるときは、原則として公務上の傷病にかかりこれにより死亡したものとして取り扱って差し支えないこと。
(ウ) 死亡した者の身分について明らかでない場合は、もとの陸軍又は海軍関係の資料を移管された機関に文書をもって照会すること。
(エ) 死亡した者の死因の公務性について判断が困難な場合は、死亡届及び死亡診断書等の資料の有無を確認のうえ、調査経緯を明らかにした文書を添えて当職に照会すること。
ウ 日華事変に係る死亡した者の遺族
(ア) 日華事変間に公務傷病又は勤務関連傷病にかかり、これにより死亡した軍人、軍属又は準軍属の遺族で、年金等の受給権を有する者がいたが、平成一一年三月三一日までにすべて失権しているときは、年金等の裁定の事実及びその内容を都道府県の保管資料により確認すること。
なお、これにより確認できない場合は、年金等の裁定機関に受給者氏名、裁定通知書記号番号を明らかにした文書をもって照会すること。
(イ) (ア)により裁定の事実が明らかにならないときは、イの(イ)から(エ)に準じて取り扱うこと。
エ 満洲事変に係る死亡した者の遺族
(ア) 満洲事変間に公務傷病にかかり、これにより死亡した軍人の遺族で、年金等の受給権を有する者がいたが、平成一一年三月三一日までにすべて失権しているときは、年金等の裁定の事実及びその内容を都道府県の保管資料により確認すること。
なお、これにより確認できない場合は、年金等の裁定機関に受給者氏名、裁定通知書記号番号を明らかにした文書をもって照会すること。
(イ) (ア)により裁定の事実が明らかにならないときは、イの(イ)から(エ)に準じて取り扱うこと。
オ もとの陸海軍部内の判任文官等の遺族
(ア) もとの陸海軍部内の判任文官等の遺族で、扶助料の受給権を有する者がいたが、平成一一年三月三一日までにすべて失権しているときは、扶助料の裁定の事実及びその内容を都道府県の保管資料等により確認すること。
なお、これにより確認できない場合は、扶助料の裁定機関に受給者氏名、裁定通知書記号番号を明らかにした文書をもって照会すること。
(イ) (ア)により裁定の事実が明らかにならないときは、イの(イ)から(エ)に準じて取り扱うこと。
四 平成一一年四月一日において年金等の受給権を有する遺族の有無を現況申立書及び年金等の請求、裁定等に関する都道府県の保管資料等により確認すること。
なお、年金等の受給権を有する者であっても、請求又は裁定されていない場合もあるので、特に慎重を期されたいこと。
五 今回の特別弔慰金の受給権者となる者の順位の確認に当たっては、基準日において、死亡し、国籍を喪失し、又は離縁により死亡した者との親族関係を終了していないことを戸籍の謄本等により確認するとともに、次の点に留意すること。
(一) 請求者が弔慰金の受給権を取得した者である場合
配偶者であるときは、死亡した者の死亡後再婚すれば原則として特別弔慰金は支給されないが、死亡した者の遺族と再婚したとき、遺族以外の者と氏を改めない法律上の婚姻をしたとき又は遺族以外の者と氏を改める婚姻をしたにもかかわらず、死亡した者に子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹がないため弔慰金の受給権を取得したときに限り、特別弔慰金が支給されるものであること。
なお、死亡した者の死亡後遺族以外の者と事実上の婚姻関係にあった者で遺族援護法第三六条第一項第一号括弧内のただし書きの規定に該当することにより同号の順位で弔慰金の受給権を取得した者については、弔慰金の受給権を取得した当時、他に死亡した者の子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹があるときは、特別弔慰金の受給権者とはならないので、事実関係の確認に当たっては現況申立書及びその他関係資料により十分注意を払われたいこと。
(二) 請求者が転給遺族である場合
ア 死亡した者と生計関係を有していた父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹が請求者であるときは、死亡した者の死亡の当時、死亡した者と生計関係を有していたことについて現況申立書及び戸籍の謄本により総合的に判断して確認すること。
なお、現況申立書で死亡した者との生計関係を有していたと申し立てている者であって死亡した者の死亡の当時、死亡した者と同一戸籍内にあった者については、特に疑義を生ずる資料がない場合に限り生計関係を有していたものとして取り扱って差し支えないが、これ以外の者にあっては「生計関係についての申立書」(様式適宜)及び事実関係を確認することができる資料の提出を求めた上で事実関係を確認すること。
また、請求者が基準日において遺族以外の者の養子になっているとき又は死亡した者の死亡の当時称していた氏を称していないときは、順位が下がることとなるので、当該事実を戸籍の謄本又は抄本及び現況申立書等により確認すること。
イ 三親等内親族が請求者であるときは、死亡した者との身分関係及び死亡した者の死亡の日まで引き続く一年以上生計関係を有していたことを現況申立書及び戸籍の謄本又は抄本により総合的に判断すること。
なお、現況申立書で死亡した者との生計関係を有していたと申し立てている者で死亡した者の死亡の当時、死亡した者と同一戸籍内にあった者については、特に疑義を生ずる資料がない場合に限り生計関係を有していたものと取り扱って差し支えないが、これ以外の者にあっては「生計関係についての申立書」(様式適宜)及び事実関係を確認することができる資料の提出を求めた上で事実を確認すること。
また、葬祭を行った者とは、一般的に喪主(喪主の配偶者を含む。)をいい、喪主を特定することができる資料の提出が得られない場合にあっては、現況申立書、死亡した者との身分関係、遺族構成、地方の慣習等を勘案して社会通念上妥当な者を葬祭を行った者とみなして差し支えないこと。
ウ 請求者よりも先順位の者がいないことを提出資料により確認し、裁定に過誤がないよう十分注意を払われたいこと。
六 裁定に誤りがあったことが判明した場合は当該裁定を取り消すとともに、既に請求者に国債が交付されているときは速やかにこれを回収し、最寄りの日本銀行本店、支店又は代理店に遅滞なく引き渡すこと。
第四 裁定報告等に関する事項
受給権の確認後は速やかに機械処理を行い、定期的な情報交換を介して可決裁定のみ(機械処理により自動的に抽出される。)を厚生省に報告すること。
なお、第七回特別弔慰金国庫債券の発行日は平成一一年一〇月一日であり、また、国債の記名加工等の処理に期間を要するため、国債の交付時期は裁定報告からは三ケ月から三ケ月半後となることを、あらかじめ請求者に説明し理解を得るよう取り計らわれたいこと。
別紙一
一 もとの軍人又は準軍人が、公務に起因して死亡した場合に、その遺族に支給される公務扶助料
二 軍人又は準軍人以外のもとの陸軍又は海軍部内の公務員(文官、警察監獄職員等)又は公務員に準ずべき者(準文官等)が、これらの身分を有していた間に公務に起因して死亡した場合に、その遺族に支給される公務扶助料
三 もとの陸軍又は海軍の部外の文官たる身分を保有したまま、「戦時又は事変に際し臨時特設の部局又は陸海軍の部隊に配属せしめたる文官補闕の件(明治三八年勅令第四三号)」の規定により、戦時又は事変に際して臨時特設の部局又はもとの陸軍若しくは海軍の部隊に配属されていた者がその配属されていた間に公務に起因して死亡した場合にその遺族に支給される公務扶助料
四 公務員又は公務員に準ずべき者が、連合国最高司令官により抑留又は逮捕され、その拘禁中に事故の責に帰することができない事由により負傷し、又は疾病にかかった場合において、これを裁判庁が公務のため負傷し、又は疾病にかかったものとみなし、これに起因して死亡したときに、その遺族に支給される公務扶助料
五 軍人軍属(遺族援護法第二条第一項に規定する軍人軍属をいう。以下同じ。)又は軍人軍属であった者が、今次の終戦に関連する非常事態にあたり責任自殺等によって死亡した場合に、その遺族に対し公務扶助料の年額に相当する年額をもって支給される扶助料
六 公務員又は公務員に準ずべき者が、日本国との平和条約第一一条に掲げる裁判により拘禁され、その拘禁中に死亡した場合で、厚生大臣がその死亡を公務上の負傷又は疾病による死亡と同視することを相当と認めたときに、その遺族に対し公務扶助料の年額に相当する年額をもって支給される扶助料
七 もとの軍人又は準軍人が昭和一六年一二月八日以後昭和二〇年一一月三〇日までの間に内地等で職務に関連して死亡した場合に、その遺族に支給される特別扶助料
八 もとの軍人軍属又は軍人軍属であった者が、在職期間中公務上の負傷又は疾病により死亡した場合に、遺族援護法によりその遺族に支給される遺族年金
九 日本国との平和条約第一一条に掲げる裁判により拘禁され、その拘禁中に死亡した場合で、厚生大臣がその死亡を公務上の負傷又は疾病による死亡と同視することを相当と認めたときに、遺族援護法によりその遺族に支給される遺族年金
一〇 もとの軍人軍属又は軍人軍属であった者が、今次の終戦に関連する非常事態にあたり責任自殺等によって死亡した場合に、遺族援護法によりその遺族に支給される遺族年金
一一 旧軍人等の遺族に対する恩給等の特例に関する法律(昭和三一年法律第一七七号)第二条第一項の規定により、遺族援護法第二三条第一項第一号に掲げる遺族とみなされた遺族に、同号の規定により支給されるいわゆる特例遺族年金
一二 本邦その他の政令で定める地域(遺族援護法第四条第二項に規定する事変地を除く。)における在職期間内に次に掲げる負傷又は疾病により、在職期間内又は在職期間経過後に死亡した軍人軍属又は軍人軍属等であった者(改正前の恩給法第二一条に規定する軍人及び準軍人並びにこれらの者であった者を除く。)の遺族に支給される遺族年金
(一) 昭和一二年七月七日から昭和一六年一二月七日までの間における事変に関する勤務に関連する負傷又は疾病
(二) 昭和一六年一二月八日以後における戦争に関する勤務に関連する負傷又は疾病
(三) 昭和二〇年九月二日以後における負傷又は疾病で厚生大臣が戦争に関する勤務に関連する負傷又は疾病と同視することを相当と認めるもの
一三 軍人軍属が遺族援護法第四条第五項に規定する事変地若しくは戦地における在職期間内に死亡し、又は軍人軍属等であった者が当該事変地若しくは戦地における在職期間内の行為に関連して当該事変地若しくは戦地において死亡した者の遺族に支給される遺族年金
ただし、当該死亡が大赦令(昭和二〇年勅令第五七七号)第一条各号、大赦令(昭二一年勅令第五一一号)第一条各号及び大赦令(昭和二七年政令第一一七号)第一条各号に掲げる罪以外の罪に当たる行為に関連するものであることが明らかでないと援護審査会が議決した場合に限る。
一四 軍人軍属が昭和二〇年九月二日以後遺族援護法第四条第二項に規定する戦地であった地域において在職期間内に軍人軍属たる特別の事情に関連して死亡し、又は軍人軍属であった者が同項に規定する事変地若しくは戦地又は同項に規定する戦地であった地域における在職期間内の行為に関連して同日以後当該地域において死亡した者の遺族に支給される遺族年金
ただし、前号と同様に援護審査会の議決が必要である。
一五 遺族援護法第二条第三項に規定する準軍属又は準軍属であった者が、公務上の負傷又は疾病により死亡した場合に同法第二三条第二項第一号に掲げる遺族に支給される遺族給与金
一六 昭和一二年七月七日以後に準軍属としての勤務に関連して負傷し、又は疾病にかかり、これにより死亡した準軍属又は準軍属であった者の遺族に支給される遺族給与金
一七 もとの陸軍又は海軍部内の有給の嘱託員、雇員、傭人、工員若しくは鉱員又はこれらの者であったものが公務上の負傷又は疾病により死亡した場合に、旧令共済組合等からの年金受給者のための特別措置法により国家公務員共済組合連合会から支給されるいわゆる旧令共済殉職年金
一八 もとの逓信省、鉄道省等の有給の嘱託員、雇員、傭人等がそれらの身分を保有したまま、もとの陸軍又は海軍に配属され、戦地又は事変地における勤務に従事し、その間の公務上の負傷又は疾病により死亡した場合に、逓信共済組合又は国有鉄道共済組合の権利義務を承継した郵政省共済組合若しくは日本電信電話共済組合又は日本鉄道共済組合からその遺族に支給される各省共済殉職年金
様式第1号
様式第2号
様式第3号