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○不動産の貸与を受けて保育所を設置する場合の要件緩和について

(平成16年5月24日)

(/雇児発第0524002号/社援発第0524008号/)

(各都道府県知事・各指定都市市長・各中核市市長あて厚生労働省雇用均等・児童家庭局長、厚生労働省社会・援護局長通知)

従来、国又は地方公共団体以外の者から不動産の貸与を受け保育所を設置することについては、「社会福祉法人の認可について」(平成12年12月1日障第890号・社援第2618号・老発第794号・児発第908号厚生省大臣官房障害保健福祉部長・社会・援護局長・老人保健福祉局長・児童家庭局長連名通知)のほか、「不動産の貸与を受けて設置する保育所の認可について」(平成12年3月30日児発第297号厚生省児童家庭局長通知。以下「旧通知」という。)に定めるとおりの取扱いとしてきたところです。

保育所を経営する事業が安定的、継続的に行われるためには、保育所の設置に必要な土地及び建物いずれについても、保育所の設置者が所有権を有しているか、又は国若しくは地方公共団体から貸与若しくは使用許可を受けていることが原則であって望ましいところですが、一方、待機児童の解消等の課題に対し、保育所の緊急整備が求められているところです。

そのため、今般、「規制改革・民間開放推進3か年計画」(平成16年3月19日閣議決定)等も踏まえ、地域の実情に応じた取組を容易にする観点から、これまでの取扱いを改め、国又は地方公共団体以外の者から不動産の貸与を受けて保育所を設置する場合においては、下記のとおり要件緩和を行うこととしましたので、貴職において適切な御配慮をお願いします。

第1 要件緩和の内容

1 既設法人が保育所を設置する場合

既に第1種社会福祉事業(社会福祉法(昭和26年法律第45号)第2条第2項第2号、第3号又は第4号までに掲げるものに限る。)又は第2種社会福祉事業のうち保育所を経営する事業若しくは障害福祉サービス事業(療養介護、生活介護、自立訓練、就労移行支援又は就労継続支援を行うものに限る。)を行っている社会福祉法人(以下「既設法人」という。)が保育所を設置する場合には、「国又は地方公共団体以外の者から不動産の貸与を受けて既設法人が通所施設を設置する場合の要件緩和について」(平成12年9月8日障第670号・社援第2029号・老発第628号・児発第732号厚生省大臣官房障害保健福祉部長・社会・援護局長・老人保健福祉局長・児童家庭局長連名通知)に定めるとおりの取扱いとして差し支えないこと。

2 既設法人以外の社会福祉法人が保育所を設置する場合

(1) 既設法人以外の社会福祉法人については、これまで都市部等土地の取得が極めて困難な地域において、施設用地の貸与を受けて設置することが認められていたが、これを、都市部等地域以外の地域であって緊急に保育所の整備が求められている地域にも拡大すること。

(2) 貸与を受けている土地については、原則として、地上権又は賃借権を設定し、かつこれを登記しなければならないこと。ただし、貸主が、地方住宅公社若しくはこれに準ずる法人、又は、地域における基幹的交通事業者等の信用力の高い主体である場合などのように、安定的な事業の継続性の確保が図られると判断できる場合には、地上権又は賃借権の登記を行わないこととしても差し支えないこと。

(3) 賃借料が、地域の水準に照らして適正な額以下であるとともに、安定的に賃借料を支払い得る財源が確保されていること。また、賃借料及びその財源が収支予算書に計上されていること。

3 社会福祉法人以外の者が保育所を設置する場合

(1) 社会福祉法人以外の者が保育所を設置する場合には、当該保育所の用に供する土地又は建物について、国及び地方公共団体以外の者から貸与を受けていても差し支えないこと。

(2) 貸与を受けている土地又は建物については、原則として、地上権又は賃借権を設定し、かつこれを登記しなければならないこと。ただし、次のいずれかに該当する場合などのように、安定的な事業の継続性の確保が図られると判断できる場合には、地上権又は賃借権の登記を行わないこととしても差し支えないこと。

① 建物の賃貸借期間が賃貸借契約において10年以上とされている場合

② 貸主が、地方住宅公社若しくはこれに準ずる法人、又は、地域における基幹的交通事業者等の信用力の高い主体である場合

(3) 賃借料が、地域の水準に照らして適正な額以下であること。

(4) 賃借料の財源について、安定的に賃借料を支払い得る財源が確保されていること。また、これとは別に、当面の支払いに充てるための①1年間の賃借料に相当する額と②1,000万円(1年間の賃借料が1,000万円を超える場合には当該1年間の賃借料相当額)を基本として、事業規模に応じ、当該保育所が安定的に運営可能と都道府県(指定都市・中核市を含む。)が認めた額の合計額の資金を安全性がありかつ換金性の高い形態(普通預金、定期預金、国債等)により保有していること。

(5) (4)②で認めた額については、地上権・賃借権の登記、賃貸借契約期間の長さ等施設使用の安定性の高さ、当該主体の総合的な財政力の高さ、公的補助による継続的な賃借料補助、これまでの施設の経営・運営実績等過去の安定性の高さ等を勘案し、賃貸施設であっても安定的に事業経営が認められる場合には、2分の1を目途とする範囲内で当該額を減額して差し支えないこと。

(6) 賃借料及びその財源が収支予算書に適正に計上されていること。

第2 施行期日等

この通知は平成16年5月24日から施行し、旧通知はこの施行に伴って廃止する。

なお、この通知は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第245条の4に規定する技術的な助言である。