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○つどいの広場事業の実施について
(平成14年4月30日)
(雇児発第0430005号)
(各都道府県知事・各指定都市市長・各中核市市長あて厚生労働省雇用均等・児童家庭局長通知)
近年の少子化、核家族化の進行に伴う家族形態の変化や、都市化の進展に伴う近隣との人間関係の希薄化により、子育て中の親が、子育てについて気軽に相談できる相手や仲間が身近な地域にいないなど、家庭や地域における子育て支援機能の低下が問題となっている。また、このような状況の中で、子育て中の親は、「密室育児」による孤立感、閉塞感を抱き、子育てへの不安や精神的負担感を増大させており、その結果、我が子を虐待に至らしめるケースにもつながりかねないなど、子育てへの負担感の軽減を図ることが喫緊の課題となっている。
このため、今般、別紙のとおり「つどいの広場事業実施要綱」を定め、平成14年4月1日から実施することとしたので、その円滑かつ適正な実施が行われるよう、貴管内市区町村、関係団体等に対し周知徹底を図るとともに、その実施にあたり遺漏のないよう指導されたい。
別紙
つどいの広場事業実施要綱
1 趣旨
つどいの広場事業は、主に乳幼児(0~3歳)をもつ親とその子どもが気軽に集い、うち解けた雰囲気の中で語り合い、交流を図ることや、ボランティアを活用しての育児相談などを行う場を身近な地域に設置することにより、子育て中の親の子育てへの負担感の緩和を図り、安心して子育て・子育ちができる環境を整備し、もって、地域の子育て支援機能の充実を図ることを目的とする。
2 実施主体
本事業の実施主体は、市町村(特別区を含む。以下同じ。)とする。
ただし、事業の運営の全部又は一部を適切な事業運営が確保できると認められる社会福祉法人、特定非営利活動法人又は民間事業者等(以下「社会福祉法人等」という。)に委託し、又は指定して事業を実施することができるものとする。
3 事業内容
つどいの広場(以下「広場」という。)においては、以下の4事業を実施するものとする。
(1) 子育て親子の交流、集いの場の提供
① 地域の子育て家庭の親とその子ども(以下「子育て親子」という。)に対して、気軽にかつ自由に利用できる場を、原則として、週3日以上開設すること。
② 開設時間については、子育て親子がいつでも利用したいときに利用できるよう時間帯に配慮すること。
(2) 子育てに関する相談、援助の実施
子育てに不安や疑問などをもっている子育て親子に対する相談、援助を実施すること。
(3) 地域の子育て関連情報の提供
子育て親子が必要とする身近な地域の様々な子育て支援に関する情報を提供すること。
(4) 子育て及び子育て支援に関する講習の実施
子育てに関心がある者や広場の利用者など、将来、子育て支援に関わるスタッフとして活動することを希望する者を対象として、月1回程度、子育て及び子育て支援に関する講習を実施すること。
4 実施場所
(1) 主に、公共施設内のスペース、商店街の空き店舗、公民館、学校の余裕教室、子育て支援のための拠点施設、マンション・アパートの一室など、子育て親子が集うに適した場所で実施すること。
また、実施場所の確保に当たっては、複数の場所で実施するのではなく、拠点となる場所を定めて実施すること。
(2) 広場のスペースは、概ね10組以上の子育て親子が一度に利用しても差し支えない程度以上の広さを有すること。
(3) 広場の設備は、授乳コーナー、流し台、ベビーベッド、遊具その他乳幼児を連れて利用しても支障が生じないよう必要な設備を有すること。
5 職員の配置
子育て親子の支援に関して意欲のある子育てアドバイザー(以下「子育てアドバイザー」という。)2名以上(非常勤でも可)を置くものとする。
(1) 子育てアドバイザーには、子育て親子の支援に関して相当の知識と経験豊かな者を配置すること。
(2) 広場には、子育てアドバイザーのほかに、子育てに関心のあるボランティアスタッフを活用することが望ましいこと。
なお、地域の実情により、子育てアドバイザー2名を配置する必要がない場合には、子育てアドバイザー1名とボランティアスタッフを配置して、事業に支障が生じない限りにおいて実施しても差し支えないものとする。
6 関係機関との連携
市町村及び事業の委託又は指定を受けた社会福祉法人等(以下「市町村等」という。)は、事業の実施について、福祉事務所(家庭児童相談室)、児童相談所、児童家庭支援センター、保健所、児童委員(主任児童委員を含む。)、保育所、児童館、医療機関等と連携を密にし、本事業が円滑かつ効果的に行われるように努めるものとする。
7 留意事項
子育てアドバイザーは、広場の利用者への対応には十分配慮するとともに、業務を行うに当たって知り得た個人情報については、業務遂行以外に用いてはならないこととする。
8 費用
(1) 市町村が実施する事業(委託を含む。)に対して、都道府県が補助する事業並びに政令指定都市及び中核市が実施する事業(委託を含む。)については、国は別に定めるところにより補助するものとする。
(2) 同一の広場に対する国の補助は、3年間を限度とする。
(3) 市町村等は、本事業を実施するために必要な経費の一部を、保護者から徴収することができるものとする。