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○妊娠中毒症等にり患している妊産婦に対する療養の援護について

(昭和五三年七月七日)

(児発第四一三号)

(各都道府県知事・各政令市市長・各特別区区長あて厚生省児童家庭局長通達)

妊娠中毒症等にり患している妊産婦に対しては、療養援護費を支給し、その早期治療を促進することにより、妊産婦死亡及び周産期死亡の減少、未熟児等の発生の防止等を図つてきたところであるが、今般、申請手続等の簡素化を図ることにより、更にその徹底を期すこととし、昭和五三年度から別紙要綱により行うこととしたので、その実施に当たつては遺漏のないよう配慮されたい。

なお、本通知の実施に伴い、昭和三九年二月二八日厚生省発児第一八号厚生事務次官通知「妊娠中毒症にり患している妊産婦の療養に対する援護について」及び昭和四三年六月五日厚生省発児第一○○号厚生事務次官通知「妊娠中毒症にり患している妊産婦の療養に対する援護について」昭和三九年九月二五日児発第八五○号本職通知「妊娠中毒症療養援護費の支給について」及び昭和四三年六月五日児発第三五八号本職通知「妊娠中毒症等療養援護費の支給について」は廃止する。

別紙

妊娠中毒症等療養援護費支給要綱

一 目的

妊娠中毒症等の妊娠中の疾病は、妊産婦死亡や周産期死亡の原因になるばかりではなく、胎児の発育を妨げ未熟児や心身障害の発生原因となる等出生児に対する影響も著しく、また、分娩後も産婦に後遺症を残すことがあるので、早期に適切な医療を施すことが必要である。

このため妊娠中毒症等にり患している妊産婦に対し必要な援護を行い、早期に適正な療養を受けることを容易ならしめ、症状の重症化を防ぐことにより、妊産婦の死亡後障害等を防ぎ併せて未熟児及び心身障害の発生の防止を図ることを目的とする。

二 事業の内容

妊娠中毒症等にり患している妊産婦が必要な医療を受けるため入院した場合、その療養に要する費用の一部を支給(以下「援護費の支給」という。)するものとする。

三 実施主体

事業の実施主体は、都道府県及び政令市(特別区を含む。以下同じ。)とする。

四 支給対象疾病

援護費の支給の対象疾病は、妊娠中毒症、糖尿病、貧血、産科出血及び心疾患とする。

五 支給対象者

援護費の支給対象者は、第四に掲げる対象疾病にり患している妊産婦(妊娠中又は出産後一○日以内の女子をいう。以下同じ。)であつて、母体又は胎児の保護のため医療機関へ入院して必要な医療を受けたものであり、かつ、その入院の期間が七日以上のものとする。ただし、当該妊産婦が前年分の所得税課税額の年額三○、○○一円以上の世帯に属する者又は児童福祉法第二二条の規定による助産施設への入所措置を受けた者であるときは、支給対象者としないものとする。

六 支給基準

(一) 援護費の支給額は、当該妊産婦の属する世帯の前年分の所得に応じて、別表の援護費支給基準額表に定める額により算定した額(その額が当該妊産婦に係る医療費のうち自己負担すべき額を超えるときは、当該自己負担すべき額に相当する額)とする。ただし、入院期間が二一日を超える場合にあつては、二一日を限度として支給額を算定するものとする。

(二) 妊産婦の属する世帯の階層区分の認定については、別表のとおりとする。

七 援護費の支給の申請

(一) 支給対象者が援護費の支給を受けようとするときは、妊娠中毒症等療養援護費支給申請書に、妊娠中毒症等療養証明書及び関係証明書並びに母子健康手帳を添えて、当該妊産婦の居住地を管轄する都道府県(保健所を設置する市。以下同じ。)に申請するものとする。

なお、当該妊産婦が死亡し、又は引き続き入院している場合は、生計を同じくしていた配偶者又は親族において申請できるものとする。

(二) 前項の申請書を受理した都道府県は、母子健康手帳を審査のうえ、速やかに、これを当該申請者に返還しなければならないものとする。

(三) 援護費の支給申請は、当該妊産婦の入院による医療が終了した日以後三○日以内に、第一項に規定する手続に従い行うものとする。ただし、入院期間が二一日を超える場合にあつては、入院した日から起算して二二日目以後三○日以内に申請を行うものとする。

八 援護費の支給

(一) 都道府県は、速やかに援護費を支給するか否かを決定し、援護費の支給を決定した場合は、申請者に対しその旨通知するとともに、速やかに援護費を支給するものとする。

(二) 援護費の支給を行わないことに決定したときは、その理由を明らかにして、申請者に対し速やかに通知するものとする。

九 周知の徹底

本事業の実施に当たつては、医療機関はもとより、福祉事務所等の関係機関、母子保健推進員等に対し、その趣旨の徹底を図るほか積極的な協力を求めるとともに、地域住民に対しても周知徹底を図るものとする。

一○ 経費の補助

本事業に要する経費は、都道府県及び政令市の支弁とし、国は予算の範囲内において、別に定めるところにより補助するものとする。

一一 その他

本通知に係る各種様式等については、別添を参考とされたいこと。

別表

援護費支給基準額表

援護費支給基準額の区分

妊産婦が属する世帯の階層区分

基準額

加算基準日額

(入院期間が7日を超えた場合の1日当たりの加算額)

特別加算額

(入院中に手術療法等を受けた場合の加算額)

開腹

分娩誘発、その他

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

生活保護法による被保護世帯(単給世帯を含む。)

9,100

1,300

 

8,700

 

3,000

市町村民税非課税世帯

7,300

1,000

所得税非課税世帯

6,400

900

所得税の課税世帯の所得税年額30,000円以下の世帯

5,500

800

 

 

 

 

 

 

 

備考

1 この表の所得税の課税世帯の所得税年額30,000円以下の世帯とは、所得税法(昭和40年法律第33号)、租税特別措置法(昭和32年法律第26号)及び災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律(昭和22年法律第175号)の規定によつて計算された所得税の額をいう。

ただし、所得税額を計算する場合には、次の規定は適用しないものとする。

(1) 所得税法第92条第1項、第95条第1項、第2項及び第3項

(2) 租税特別措置法第41条第1項

(3) 租税特別措置法の一部を改正する法律(平成2年法律第13号)附則第13条

2 前年分の所得税又は当該年度の市町村民税の課税関係が判明しない場合の取扱については、これが判明するまでの期間は、前々年分の所得税又は前年度の市町村民税によることとする。

3 世帯階層区分の認定は、当該妊産婦の属する世帯の構成員及びそれ以外の者で現に妊産婦を扶養しているもののうち、当該妊産婦の扶養義務者のすべてについて、その所得税等の課税の有無により行うものである。

様式1

様式1の2

様式2