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○乳幼児のくる病対策について
(昭和三一年五月二五日)
(児発第三〇四号)
(各都道府県知事あて厚生省児童局長通知)
乳幼児のくる病対策については、一部都道府県において、既に実施されているところであるが、顕性のくる病のみならず潜在性くる病による乳幼児の保健上の障害が、看過できないことにかんがみ、くる病多発地域のみならず、他の地域においても乳幼児保健指導の一環として別紙要領により、乳幼児のくる病対策を推進されたい。
別紙
乳幼児くる病対策実施要領
第一 目的
乳幼児くる病対策は、顕性くる病並びに潜在性くる病の予防により右疾病によつて加重される乳幼児の肺炎、下痢腸炎等による死亡を減少せしめ、併せて身体障害の予防に寄与することを目的とする。
第二 方針
1 本対策は、主として乳児期並びに幼児前期の児童を対象とし、くる病疑似症のみならず、潜在性くる病をも考慮に入れて広汎な対策を実施する。
2 本対策は、従来実施している乳幼児の保健指導に際して、くる病の検診及び指導を行うものとし、多発地区においては特別な対策を実施する。
3 本対策の実施にあたつては、広報活動、衛生教育及び地域組織活動等あらゆる母子衛生活動を通じて、くる病予防の趣旨を徹底させる。
第三 実施方法
1 一般対策
(1) 保健所が実施する乳幼児検診において、従来の実施項目にくる病検診を加え、要すればX線検査を行つて、くる病の早期発見に努めること。
(2) 乳幼児健康相談並びに検診の際に、くる病が発見された場合は、生活並びに栄養指導を行うとともに、必要に応じて、引き続き家庭訪問等により指導を行うこと。
2 特別対策
(1) くる病多発地区について、季節的配慮を加えた検診及び指導を強化し、乳幼児くる病の発見と予防を徹底すること。
(2) 当該地区の地勢、気象、生活習慣等の条件を考慮し、地区全体としての予防について、適切な指導を行うこと。
(3) 本対策は、関係市町村、団体等の協力を得て実施し、将来は地区自体による自主的な活動が行われるよう指導すること。
3 検診上の留意事項
(1) 既往歴の調査にあたつては、特に生活環境、栄養等に注意すること。
(2) 診察にあたつては、主症状(頭蓋癆、念珠、骨端腫大等)のみならず、副症状(易汗性、貧血、大泉門異常開大、頭形異常、胸廓異常、腹部膨大等)に留意し、くる病の早期発見に努めること。
(3) 必要に応じ、手関節のX線撮影を実施すること。
4 指導上の留意事項
(1) 乳幼児の保育にあたつては、適切な戸外生活を行わせ、且つ必要あれば窓の改造を行う等日光(紫外線)の受照に関する指導をすること。
(2) 地勢、気象等の条件により、日光の紫外線が不足する地区においては、人工紫外線照射設備を利用するよう指導すること。
(3) 母乳栄養の際は、母性にビタミンD、カルシウム等の不足におちいらないよう、又、人工栄養の際は、ビタミンDの添加について留意するよう栄養指導を行い、更に正常する離乳を励行させ、ビタミンDに富む食餌を与えるよう指導すること。
(4) くる病多発地区においては、必要に応じ、ビタミンD剤の服用を勧奨指導すること。
5 本対策実施の結果について、別途定める様式により報告すること。
