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○母子世帯向公営住宅の建設促進について

(昭和四〇年六月一日)

(児福第二五号)

(各都道府県民生主管部(局)長あて厚生省母子福祉課長通知)

標記については、従来から母子福祉法及びこれが関係につき種々御配慮を煩わしているところであるが、本年度における母子世帯向公営住宅の全国供給計画戸数は前年度と同様一、五○○戸と決定されたので、母子家庭の住宅ニードが著しく高まつている実情にかんがみ、これに即した建設がなされるよう格段の御努力を煩わしたい。

なお、今般別添のとおり建設省より特定目的公営住宅の取扱い上の留意事項が示され、一定戸数を母子世帯向住宅として建設する方式を改め、一般公営住宅の中で一定戸数の枠を母子世帯向とすることとされたので、特に母子世帯向公営住宅の家賃の減免措置について、建設関係部局と十分連絡をとり、遺憾のないよう努められたい。

別添

特定目的公営住宅の取り扱いについて

(昭和四○年四月七日 住発第一○七号)

(各都道府県知事あて建設省住宅局長通知)

特定目的公営住宅(母子世帯向公営住宅、老人世帯向公営住宅、炭鉱離職者向公営住宅、特別低家賃公営住宅、引揚者向公営住宅をいい、以下同様とする。)は社会的に特殊な条件下にあり、住宅困窮度が特に高い者に対する社会福祉を増進することを目的とするものであり、今後特に重点的に推進する方針であるので、各事業主体はその社会的重要性を十分認識し、その供給に努力されるよう要望する。なお、この他事業主体において、これらに準ずる特定の目的のために公営住宅を供給する場合についても、この通達の趣旨に則り、取り扱われたい。

特定目的公営住宅は従来一般に特定の団地の特定の公営住宅を特定目的公営住宅として限定していたため、入居者の選考及び空家の取り扱い等について弾力的な運用が困難なうらみがあつた。今後は特定の公営住宅を特定目的公営住宅と限定して考えるのではなく原則として一般の公営住宅の中で特定の目的のために一定の枠を設けて募集及び入居の取り扱いを行うものとする。特定目的公営住宅の取り扱いについては、従来のそれぞれの通達に基づくほか、左記事項を特に留意の上、運用されたい。

なお、本件については厚生省及び労働省担当部局と打合わせ済である。

1 特定目的公営住宅の供給計画について

特定目的公営住宅の供給計画については、それぞれの関係部局との相互連絡、調整を密にし、住宅需要を適格には握し国全体の供給戸数(別添資料の1参照)をも勘案の上、長期的な供給計画に基づいて実施する。

なお、特定目的住宅の供給にあたつては、新規建設分だけでなく、空家入居等をも含めて弾力的に運用されたい。

2 入居者の募集及び選考について

(1) 特定目的公営住宅の入居に際しては、その選考する場合において、公営住宅法第一八条の規定により、当該世帯を住宅困窮度が著しく高いものとして優先的に取り扱うものとする。

(2) 入居者の募集及び選考については、それぞれの特定目的公営住宅の性格、その地域の住宅需要の実態等に応じ種々の方法が考えられようが、別添資料2を参照の上事業主体で適切と思われる方法を採用されたい。

(3) 特定目的公営住宅は、コミュニティ構成上、入居世帯の社会的孤立を防ぐために、特殊な設計の公営住宅等の場合を除き、一般公営住宅として建設したものの中に適宜分散入居させることが望ましい。

3 家賃の決定につて

特定目的公営住宅は、その性格上、家賃減免等の措置をとることが望ましいが、この場合、公営住宅設置条例による家賃決定額は、一般の公営住宅の例によるものとし、家賃の減免は、公営住宅法第一二条第二項の規定により、当該入居者について行なうよう措置するものとする。

別添資料

1 特定目的公営住宅の全国供給計画戸数は、建設省と関係各省との協議により決定するが、昭和四○年度はおおよそ次の供給計画戸数で実施する予定である。

母子世帯向公営住宅 一、五○○戸(厚生省)

老人世帯向公営住宅 一、五○○戸( 〃 )

炭鉱離職者向公営住宅 二、○○○戸(労働省)

特別低家賃公営住宅 希望により適宜決定(建設省)

引揚者向公営住宅    〃      (厚生省)

2 特定目的公営住宅入居者の募集及び選考

特定目的公営住宅入居者の募集及び選考については、その趣旨にかんがみ、特定目的住宅入居資格者で住宅困窮度の高い者から順に入居させることが望ましいので、できる限りそれぞれの住宅困窮登録者名簿(以下名簿という。)を設け、これにより選考するものとする。

名簿には所定の方法により、特定目的住宅に入居申込みのあつた資格該当者を補追し、既登録者から住宅困窮事情の変更の申出のあつた場合には実情調査の上、これを加除する等常に適切に現状はあくに努めるとともに選考にあたつては一定の選考基準を設け、その適正な執行を期さなければならない。

なお、名簿方式により難い場合におけるその他の方法の一般的な例を示せば次の通りである。

(1) 戸数枠を設けて公募する方法

(イ) 団地ごとに戸数枠を設けて公募する方法

団地ごとに特定目的公営住宅の戸数を明示して、一般公営住宅と同時に公募し、その戸数枠で選考する。この場合、特定目的公営住宅の入居希望者が募集戸数に達しない場合は、残戸数は一般枠として選考する旨、あらかじめ募集の際、明示しておくことが望ましい。

(ロ) 数団地の中の戸数枠の合計を明示して公募する方法

数団地同時に公募が行なわれる場合、特定目的住宅の戸数を団地ごとに明示せず、数団地の合計の戸数枠を明示して公募する。この方法は特定目的公営住宅の戸数枠の比率が比較的小さい場合は便利であるが、比率が大きい場合には特定の団地に集中して一般公営住宅とのバランスを失するおそれがあるので注意しなければならない。

(2) 抽せんによる当選率を有利にする方法

特に戸数枠を設けないで抽せんによる当選率を一般の入居希望者より何倍か有利に取扱うことを明示して一般公営住宅と同時に公募する。この場合は、特定目的公営住宅入宅希望者の実態が把握し難い場合に便利であるが、前年度等の公募の際の希望者について、特定目的公営住宅該当者の分析を行なつて適当な優先倍率を定めなければならない。