○激甚災害発生に伴なう「激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律」第二〇条の適用措置についての取扱いについて
(昭和三九年八月一八日)
(発児第七二二号)
(各都道府県知事・各指定都市市長あて厚生省児童家庭局長通知)
激甚災害発生による特定地方公共団体に対する母子寡婦福祉資金の国庫貸付については、「激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律」(昭和三七年法律第五〇号。以下この通知において「法」と略称する。)第二〇条により実施されることとなつているところであるが、これが措置の適用を受けることとなる特定地方公共団体の決定については、特定地方公共団体として指定するための基準計算方式による算定の関連上当該激甚災害に係る本法適用による母子寡婦福祉資金国庫貸付けの実施時期が、相当期間遅れる場合も考えられるので、この場合における当該都道府県(指定都市及び中核市を含む。以下同じ。)に対する母子寡婦福祉資金の国庫貸付事務の取扱については、過去における災害発生の際の特別措置立法に基づく母子寡婦福祉資金の貸付基準(総人口に対する被災世帯数の割合が比較的多い都道府県(指定都市及び中核市を含む。以下同じ。))からして、一応法の適用を受けると推定され得る都道府県(指定都市及び中核市を含む。以下同じ。)で、当該激甚災害に伴なう国庫貸付を受けようとする場合の手続を次のとおり行なうこととしたので、各事項を十分留意のうえ、これが手続につき遺憾のないよう配意されたい。
1 国庫貸付金について
(1) 法第二〇条に定める当該災害に係る都道府県に対する当該被災年度及び翌年度における国庫の貸付金額は、当該特定地方公共団体が被災者に対する貸付分の財源として特別会計に繰り入れる金額の三倍に相当する金額(以下「特別国庫貸付」という。)とすること。
(2) この場合における特別国庫貸付金については、法第二〇条による当該災害に係る措置の適用がなされるまでの間の緊急国庫貸付分として、さしあたつて当該都道府県が被災者に対する貸付分の財源として特別会計に繰り入れる金額の二倍に相当する金額を貸付けるものとすること。
(3) (2)により貸付けた金額と特別国庫貸付金額との差額分については、法第二〇条の適用の決定がなされた後において当該災害に係る特別国庫貸付金として追加交付を行なうものとすること。
(4) (2)による貸付けが行なわれた都道府県であつて法第二〇条による当該災害に係る措置の適用について該当しないことが明らかとなつた場合には、当該災害に係る国庫貸付分として貸付けられた貸付金は、母子福祉法(昭和三九年法律第一二九号)第一四条第一項に基づいて貸付けられた貸付金として、処理するものとすること。
(5) (2)による国庫貸付金の貸付けを受けようとする場合は別紙様式(1)による申請書を、また、(3)による追加交付を受けようとする場合は、別紙様式(2)による申請書を厚生大臣に提出すること。
(6) 特別国庫貸付金の貸付けを受けた場合は、別紙様式(3)による貸付事業実績報告書を、当該災害発生年度の翌会計年度終了後四カ月以内に厚生大臣に提出すること。
(7) (6)による貸付け事業実績報告書を提出後、法第二〇条第二項の規定による特別会計への繰入れ(八分の一)を完了したときは遅滞なくその旨を厚生大臣に報告すること。
なお、同条同項の規定による国への償還(四分の一)は、国の債権の管理等に関する法律(昭和三一年法律第一一四号)に基づいて行なうものであるが、この国への償還措置は、貸付金財源の減少を伴うこととなるので、やむを得ない事情のない限り特別会計への繰入れ措置を行なうよう配意されたいこと。
2 被災者に対する貸付金の貸付けについて
(1) 特別国庫貸付金の貸付けを受けた場合は、被災者の貸付申請書にその者が被災者である旨の市町村長の証明書を添付させること。
なお、本法適用前当該災害について法第二〇条の適用すべき措置がとられた後に、被災者に対して貸付金の貸付けを行なつた場合にもこの証明書を提出させ、被災者に対する貸付けであることを明確にしておくこと。
(2) 特別国庫貸付金の貸付けを受けた場合には、被災者に対する貸付けとその他の者に対する貸付けとを明確に区分するため、貸付台帳、借用書等関係書類を別途編綴する等の措置をとられたいこと。
(3) 当該災害に係る生活福祉資金による災害援護資金の貸付けを受けた母子世帯に対する当該災害に係る母子寡婦福祉資金の貸付けは、重複して貸付を行なつて差し支えないこと。
別紙様式(1)
別紙様式(2)
別紙様式(3)