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○強度行動障害特別処遇加算費の取扱いについて

(平成一〇年七月三一日)

(障障第三六号)

(各都道府県・各指定都市・各中核市民生主管部(局)長あて厚生省大臣官房障害保健福祉部障害福祉課長通知)

標記については、平成一〇年七月三一日第四五一号大臣官房障害保健福祉部長通知「強度行動障害特別処遇加算費について」により行うこととされたところであるが、この実施に当たっては、次の事項に留意し、その適正かつ円滑な運営が図られるようご配慮願いたい。

なお、平成五年四月一日児障第二一号本職通知「強度行動障害特別処遇事業の取扱いについて」は廃止する。

1 実施施設の指定

強度行動障害特別処遇(以下「特別処遇」という。)を行う施設は、行動障害の軽減等の実績からみて、特別処遇の実施に十分な専門性と実績があると認められる施設であること。

また、指定施設においては、行動障害の軽減のための各種の指導・訓練を行うために必要な設備を設けるとともに、原則として昭和三九年三月一三日厚生省発児第三九号厚生事務次官通達「重度知的障害児収容棟の設置について」及び、昭和四三年七月三日厚生省発児第一〇七号厚生事務次官通達「知的障害者更生施設における重度知的障害者の処遇について」に基づき設置された重度知的障害児・者の重度棟と同様に、一人用居室及び二人用居室の収納設備等を除いた床面積は、一人用居室にあっては六・六平方メートル以上、二人用居室にあっては九・九平方メートル以上とすること。

なお、特別処遇加算費の対象者は、重度知的障害児加算費、重度自閉症児加算費、重度知的障害者加算費の支弁の対象外とする。

2 特別処遇対象者の基準等

(1) 指定施設において特別処遇を行うに当たっては、当該知的障害児(者)が、特別処遇加算費の対象であることを、児童相談所又は知的障害者更生相談所が判定して行うこととなるが、判定に当たっては別紙1の「強度行動障害判定指針」を参考とし、おおむね二〇点以上の知的障害児(者)を特別処遇の対象とすること。

(2) 特別処遇を行うに当たっては、前記の点数を参考にしつつ、本人の健康や障害の状態、家庭の状況等を総合的に判断し、援助の緊急度の高いものから優先的に特別処遇を行うよう配慮すること。

3 特別処遇の開始及び終了

(1) 特別処遇の開始

特別処遇の開始に当たっては、あらかじめ指導方針・内容等について個別プログラムを作成しておくこと。

また、特別処遇期間内の指導記録簿を整理し、特別処遇終了後のアフターケアに資するよう配慮すること。

(2) 特別処遇の終了

特別処遇期間の三年の限度以内においても、随時、障害の軽減が十分図られた時点をもって、一般棟又は重度棟への移行、他施設への措置変更、又は措置解除等を行うことによって特別処遇は終了する。

4 広域的総合調整について

特別処遇の実施に当たっては、指定施設、児童相談所、福祉事務所、知的障害者更生相談所等の関係機関で構成する検討の場を設ける等、都道府県、指定都市又は中核市内における一元的な広域的総合調整について配慮されたい。

5 指定施設の協議について

施設整備費の国庫補助を伴わない特別処遇実施施設の指定に当たっては、当分の間、別紙2「強度行動障害特別処遇加算費協議書」により予め当省に協議し、その承認を得るものとすること。

6 その他

(1) 指定施設は、他の指定施設との連携、情報の交換等に留意し、特別処遇加算費の効果的運営について随時検討すること。

(2) 都道府県は、指定施設より実施状況等について適宜報告を徴収するなどその実施状況等の把握に努めること。

別紙1

強度行動障害判定指針

強度行動障害の目安と内容例

行動障害の内容

行動障害の目安の例示

1 ひどい自傷

肉が見えたり、頭部が変形に至るような叩きをしたり、つめをはぐなど。

2 強い他傷

噛みつき、蹴り、なぐり、髪ひき、頭突きなど、相手が怪我をしかねないような行動など。

3 激しいこだわり

強く指示しても、どうしても服を脱ぐとか、どうしても外出を拒みとおす、何百メートルも離れた場所に戻り取りにいく、などの行為で止めても止めきれないもの。

4 激しいもの壊し

ガラス、家具、ドア、茶碗、椅子、眼鏡などをこわし、その結果危害が本人にもまわりにも大きいもの、服を何としてでも破ってしまうなど。

5 睡眠の大きな乱れ

昼夜が逆転してしまっている、ベッドについていられず人や物に危害を加えるなど。

6 食事関係の強い障害

テーブルごとひっくり返す、食器ごと投げるとか、椅子に座っていれず、皆と一緒に食事できない。便や釘・石などを食べ体に異状をきたしたことのある拒食、特定のものしか食べず体に異状をきたした偏食など。

7 排泄関係の強い障害

便を手でこねたり、便を投げたり、便を壁面になすりつける。脅迫的に排尿排便行動を繰り返すなど。

8 著しい多動

身体・生命の危険につながる飛びだしをする。目を離すと一時も座れず走り回る。ベランダの上など高く危険な所に上る。

9 著しい騒がしさ

たえられない様な大声を出す。一度泣き始めると大泣きが何時間も続く。

10 パニックのもたらす結果が大変なため処遇困難

一度パニックが出ると、体力的にもとてもおさめられずつきあっていかれない状態を呈する。

11 粗暴で相手に恐怖感を与えるため処遇困難な状態

日常生活のちょっとしたことを注意しても、爆発的な行動を呈し、かかわっている側が恐怖を感じさせられるような状況がある。

強 度 行 動 障 害 判 定 基 準 表

行動障害の内容

1点

3点

5点

1 ひどい自傷

週に1、2回

一日に1、2回

一日中

2 強い他傷

月に1、2回

週に1、2回

一日に何度も

3 激しいこだわり

週に1、2回

一日に1、2回

一日に何度も

4 激しいもの壊し

月に1、2回

週に1、2回

一日に何度も

5 睡眠の大きな乱れ

月に1、2回

週に1、2回

ほぼ毎日

6 食事関係の強い障害

週に1、2回

ほぼ毎日

ほぼ毎食

7 排泄関係の強い障害

月に1、2回

週に1、2回

ほぼ毎日

8 著しい多動

月に1、2回

週に1、2回

ほぼ毎日

9 著しい騒がしさ

ほぼ毎日

一日中

絶え間なく

10 パニックがひどく指導困難

 

 

あれば

11 粗暴で恐怖感を与え、指導困難

 

 

あれば

上記基準によってチェックした結果、家庭にあって通常の育て方をし、かなりの養育努力があっても、過去半年以上様々な強度な行動障害が継続している場合、10点以上を強度行動障害とし、20点以上を特別処遇の対象とする。

別紙2

強度行動障害特別処遇加算費協議書

都道府県・指定都市・中核市名

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1 指定施設の名称

2 指定施設の種別及び所在地

3 設置主体

4 経営主体

5 特別処遇の開始(予定)年月日

6 指定施設の状況(職員数、入所定員、在籍数、入退所の状況、入所者の状況等)

7 特別処遇にかかる職員の職種・氏名及び経歴等

8 指定施設の構造及び設備

9 特別処遇計画及び個別プログラム

10 添付書類

(1) 建物の配置図、平面図及び立面図

(2) 各室ごとの室名及び面積表

(3) その他参考となる資料