添付一覧
○知的障害者に対する旅客鉄道株式会社等の旅客運賃の割引について
(平成三年九月二四日)
(児発第八一一号)
(各都道府県知事・各指定都市市長あて厚生省児童家庭局長通知)
知的障害者の福祉の向上については、かねてから特段の御配慮を賜っているところでありますが、今般、別紙のとおり知的障害者について旅客運賃の割引制度が適用されることとなったので、御了知の上、管下市町村、関係団体等に周知徹底を図るとともに、円滑な施行に特段の御協力をお願いいたします。
別紙
第一 割引の対象となる知的障害者
昭和四八年九月二七日厚生省発児第一五六号厚生事務次官通知「療育手帳制度について」により定められた療育手帳制度要綱に規定する療育手帳の交付を受けている者とする。
第二 介護者に対する割引
割引の対象となる知的障害者が乗車船する場合に本人の運賃について割引されるものであるが、特に次に掲げる知的障害者(以下「第一種知的障害者」といい、前記第一に掲げる者のうち第一種知的障害者以外の者を「第二種知的障害者」という。)が、乗車船する場合には、介護者についても割引がなされること。
なお、割引の対象となる知的障害者のうち、一二歳未満のものが定期乗車券を購入する場合は、特に障害の程度にかかわらず、介護者について割引がなされること。
(第一種知的障害者)
障害の程度が昭和四八年九月二七日厚生省児発第七二五号本職通知「療育手帳制度の実施について」の第三の1の(1)に規定する「重度」に該当する障害を有するとされた者
第三 割引の適用範囲
知的障害者が、単独又は介護者とともに、北海道旅客鉄道株式会社、東日本旅客鉄道株式会社、東海旅客鉄道株式会社、西日本旅客鉄道株式会社、四国旅客鉄道株式会社及び九州旅客鉄道株式会社(以下「旅客会社」という。)の経営する鉄道、航路及び自動車線並びに旅客会社線との間に連絡運輸の取扱いをする社線(以下「連絡社線」という。)を乗車船する場合に適用されること。
第四 割引区間
1 割引区間は、旅客会社及び連絡社線の各駅相互間とされているが、知的障害者が、単独で乗車船する場合には、旅客会社及び連絡社線の鉄道(軌道を含む。)、航路を営業キロが片道一〇〇キロを超える区間に限り割引の取扱いがなされること。
2 旅客会社及び連絡社線の自動車線を利用する場合は、介護付乗車、単独乗車の別を問わず乗車キロ程に関係なく割引の取扱いがなされること。
3 自動車のキロ程は、前記1のキロ程計算には算入されないこと。
第五 割引乗車券の種類
1 知的障害者に対して割引の取扱いがなされる乗車券の種類は、次のとおりであること。
(1) 普通乗車券
第一種知的障害者が単独又は介護者とともに乗車船する場合及び第二種知的障害者が単独で乗車船する場合に発売される。
(2) 定期乗車券
第一種知的障害者及び一二歳未満の第二種知的障害者が介護者とともに乗車船する場合に発売される。
(3) 回数乗車券(特別急行列車に対する急行回数乗車券を除く。)
第一種知的障害者が介護者とともに乗車船する場合に発売される。
(4) 急行券(特別急行券を除く。)
第一種知的障害者が介護者とともに、旅客会社の普通急行列車及び急行自動車に乗車する場合に発売される。
2 介護者に対し割引の取扱いがなされる乗車券類の種類は、前記1の規定により知的障害者が介護者とともに乗車船する場合に発売される乗車券類と同一であること。ただし、知的障害者に対して通学定期乗車券を発売する場合であっても、介護者に対して発売する定期乗車券は通勤乗車券に限られるものであること。
3 介護者が通学定期乗車券の使用資格者であっても、介護者に対しては通学定期乗車券は発売されないものであること。
第六 割引率
知的障害者及び介護者に対する割引率は五割(自動車線の定期乗車券にあっては三割)であること。ただし、小児定期乗車券に対しては旅客運賃の割引がされないものであること。
第七 割引乗車券類の購入
知的障害者は、療育手帳を発売窓口に提示し、行先、乗車券類の種類等を口頭又はメモの提示により申し込むことによって、割引乗車券類を購入するものであること。
第八 介護者
1 知的障害者が、第一種知的障害者又は定期乗車券を使用する一二歳未満の第二種知的障害者であるときは、知的障害者一名に対し、一名の介護者をつけることができるものであること。
2 前記1の介護者は、鉄道係員が介護能力があると認められるものであって、その購入する乗車券類の種類、乗車船区間及び有効期間が知的障害者と同一で、知的障害者の乗車券類と同時に購入されるものでなければならないものであること。
3 介護者の割引乗車券類は、知的障害者とその介護者とが、同一の列車、連絡船又は自動車により乗車船する場合に限って有効とされるものであること。
4 介護者の割引乗車券類に対する旅客運賃料金の払戻しは、知的障害者に対する乗車券類とその介護者に対する乗車券類とについて、ともに行う場合に限って取扱われるものであること。
第九 療育手帳の携帯
知的障害者は、乗降の際及び乗車船中は、療育手帳を携帯して、係員の請求があったときは、いつでも提示しなければならないものであること。ただし、本人の携帯が困難な場合には、介護者が携帯しても差し支えないものであること。
第一〇 実施期日
知的障害者に対する旅客運賃の割引は、平成三年一二月一日より実施されるものであること。