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○知的障害者地域生活援助事業の実施について

(平成元年五月二九日)

(児発第三九七号)

(各都道府県知事あて厚生省児童家庭局長通知)

知的障害者の福祉の向上については、かねてから特段の御配慮を煩わしているところであるが、知的障害者の地域福祉対策の重要性にかんがみ、知的障害者が地域で生活を送ることができるための条件整備を図るため、今般、別紙のとおり「知的障害者地域生活援助事業実施要綱」を定め平成元年度から実施することとしたので、その適正かつ円滑な運営を図られたく通知する。

なお、貴管下市長及び福祉事務所を設置する町村長に対し、貴職から通知されたい。

別紙

知的障害者地域生活援助事業実施要綱

第一 目的

知的障害者地域生活援助事業は、地域の中にある知的障害者グループホーム(共同生活を営む知的障害者に対し、食事提供等の生活援助体制を備えた形態。以下「グループホーム」という。)での生活を望む知的障害者に対し、日常生活における援助等を行うことにより、知的障害者の自立生活を助長することを目的とする。

第二 運営主体

この事業の運営主体は、次の各号のいずれかに該当するものとする。

(一) 知的障害者援護施設等(知的障害者福祉ホームを除く。以下同じ。)の施設を経営する地方公共団体及び社会福祉法人等

(二) グループホームに対する支援体制の確立している地方公共団体及び社会福祉法人等であって都道府県知事が適当と認めたもの

第三 運営主体の選定等

運営主体の選定等は、次の手続きにより行うものとする。

1 この事業を運営しようとする者は、知的障害者グループホーム運営承認申請書(別紙様式一の別紙二)を都道府県知事に提出し、その指定を受けること。

2 都道府県知事は、申請者の知的障害者に関する自立促進の実績及び実施能力並びに運営しようとするグループホームの内容を十分審査して、指定するものとする。

なお、指定を行う場合には、当分の間、知的障害者グループホーム運営協議書(別紙様式一)によりあらかじめ厚生大臣に協議し、その承認を得ること。

3 運営するグループホーム数を増加する場合は、前記に準じて行うものとする。

第四 入居対象者

グループホームの入居対象者は、満一五歳以上の知的障害者であって、次に掲げる要件のいずれにも該当する者とする。

1 日常生活上の援助を受けないで生活することが、可能でないか又は適当でないこと。

2 数人で共同の生活を送ることに支障がない程度に身辺自立ができていること。

3 日常生活を維持するに足りる収入があること。

第五 グループホームの要件

グループホームについては、次の基準によるものとする。

1 定員

グループホームの定員は、四人以上とすること。

2 立地条件

(一) グループホームは、緊急時等においても運営主体が迅速に対応できる距離にあること。

(二) 生活環境に十分配慮された場所にあること。

3 建物の確保

原則として、当該運営主体が建物の所有権又は賃借権を有すること。

4 設備

(一) 日常生活を支障なく送るために必要な設備を有し、世話人が入居者に対し適切な援助を行うことができる形態であること。

(二) 個々の入居者の居室の床面積は、一人用居室にあっては、七・四m2(四・畳)以上、二人用居室にあっては、九・九m2(六畳)以上とすること。

なお、一居室当たり二人までとすること。

(三) 居間、食堂等入居者が相互交流することができる場所を有していること。

(四) 保健衛生及び安全が確保されていること。

5 世話人

(一) 一グループホームに、世話人を配置すること。

(二) 世話人は、知的障害者の福祉の増進に熱意があり、数人の知的障害者の日常生活を適切に援助する能力を有する者であること。

(三) 世話人は、グループホームの運営主体と委託契約又は雇用契約を結んだ者であること。

第六 グループホームの運営

運営主体は、次の業務を行うものとする。

なお、(二)、(五)、(六)の業務については、その全部又は一部を世話人に行わせることができる。

(一) 世話人の選定及び世話人の代替要員を確保すること。

(二) 入居者に対して食事の提供、健康管理・金銭管理の援助、余暇利用の助言等日常生活に必要な援助を行うこと。

(三) 緊急時の対応、職場等における問題への対応、財産管理等入居者に対し、(二)に掲げるもの以外の必要な援助を行うこと。

(四) 世話人の指導、監督、援助、研修を行うこと。

(五) 入居者の生活状況、食事の内容等に関する記録を行うこと。

(六) 入居者負担金を徴収し、それを適正に処理するとともに、これに関連する諸帳簿を整備すること。

(七) グループホーム運営にかかる会計に関する諸帳簿を整備すること。

なお、運営法人において、複数のグループホームを運営する場合にあってもひとつの会計で処理しても差し支えないものであること。

第七 援護の実施者

グループホームの入居に関する援護は、入居者の居住地(知的障害者援護施設等から直接入居する場合は、入所中に有していた居住地)を管轄する福祉事務所を管理する都道府県、市町村が行うものとする。

なお、都道府県知事又は市町村長は援護に関する事務をその管理する福祉事務所の長に委任することができるものとする。

第八 入居及び退去の決定

1 援護の実施者は入居を希望する者の申請に基づき、申請者の希望するグループホームの運営主体の意見を勘案するとともに、必要に応じ知的障害者更生相談所等の意見を聴き入居を決定すること。

なお、都道府県以外の援護の実施者が、入居を決定した場合には運営主体の所在する都道府県知事に報告すること。

2 運営主体は、入居者が退去を希望した場合又は入居対象者として適当でないと判断した場合は、当該入居者の援護の実施者に連絡し、連絡を受けた援護の実施者は十分な審査を行い、必要に応じ知的障害者更生相談所等の意見を聞き、退去の決定を行うこと。

なお、退去の決定を行った場合には、援護の実施者は運営主体の所在する都道府県知事に報告すること。

第九 入居者及び世話人の費用負担

家賃、飲食物費、光熱水費及びその他共通経費については、入居者及び世話人がそれぞれ負担するものとする。

第一〇 費用の支弁

援護の実施者は、知的障害者をグループホームに入居させた場合においては、当該グループホームの運営にかかる必要な費用を支弁するものとする。

第一一 経費の補助

国は、援護の実施者が第一〇により支弁した費用について、別に定めるところにより補助するものとする。

(別紙様式1)

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