添付一覧
○知的障害者に対する職場適応訓練について
(昭和四二年一二月六日)
(児発第七三二号)
(各都道府県知事・各指定都市市長あて厚生省児童家庭局長通知)
今般、雇用対策法施行規則(昭和四一年労働省令第二三号)の一部が改正され、知的障害者についても職場適応訓練の対象とされることとなり、この運用については「精神薄弱者に対する職場適応訓練の実施について(昭和四二年一〇月三日職発第五一五号)」をもって労働省職業安定局長から通知されているところであるが、知的障害者に対し職業訓練を行ない、その雇用を促進することは、知的障害者に対する福祉の見地からも望ましいことであり、これの円滑なる運用が期待されるので、左記事項に留意のうえ、関係機関、団体等に周知、徹底され、その取扱いに遺憾なきを期されたい。
記
第一 知的障害者に対する指導等について
1 知的障害者福祉司、児童福祉司等は、関係公共職業安定所と連絡協議のうえ、知的障害者(児)のうち、職場適応訓練を受けさせることが望ましいと思料されるものについて、できるだけこれの適用を受けるよう指導されたいこと。
2 かなりの作業能力を有しながらも、雇用されることが困難な知的障害者(児)であって職場適応訓練を受けることのできないものについては、在宅指導、職親委託又は知的障害者授産施設への入所等により、福祉の措置に欠けることのないよう配意すること。
なお、職場適応訓練の委託を受けた事業主を知的障害者福祉法に規定する職親又は児童福祉法に規定する保護受託者とすることは、その性格上差控えられたいこと。
第二 児童相談所及び知的障害者更生相談所の協力について
1 児童相談所及び知的障害者更生相談所は、公共職業安定所から、求職者の知能指数及び身辺処理能力に関する判定依頼があった場合には、業務に支障のない限り協力し、その結果を当該公共職業安定所に通知すること。
なお、通知の様式は、従来用いられている特殊学級編成にかかわる判定意見書等通常当該児童相談所又は知的障害者更生相談所で作成している判定書と同一のもので差し支えないこと。
また、通知したものに係る職場適応訓練の結果等について当該公共職業安定所から報告を求めておくこと。
2 児童相談所又は知的障害者更生相談所で相談、指導を受けている知的障害者(児)であって就職させ又は職場適応訓練を受けさせることが適当であると思料され、かつそれを希望するものについては、関係公共職業安定所と連絡協議のうえ、その旨及びその者の知能指数、身辺処理能力等を記載した判定書を作成し、当該公共職業安定所に通知すること。
第三 知的障害児施設等の施設長の協力について
1 知的障害児施設、知的障害児通園施設又は知的障害者援護施設に入所している知的障害者(児)のうち、就職又は職場適応訓練を希望する者については、そのものに係る措置機関又は援護の実施機関及び関係公共職業安定所と十分連絡、協議のうえ、当該施設の長が施設在籍証明書並びに知能指数及び身辺処理能力に関する意見書を作成し、当該公共職業安定所へ通知すること。
なお、施設において知能指数等が不明な場合には、児童相談所又は知的障害者更生相談所に判定を依頼し、その結果を添附すること。
2 職場適応訓練の適用を受けた知的障害者(児)は、当該訓練を受けている間、児童福祉法又は知的障害者福祉法の措置を継続のまま、施設から訓練を受ける事業所へ通勤させても差し支えないこと。
なお、知的障害児施設から通所して職場適応訓練を受ける知的障害児の場合、児童福祉法第六三条の二の規定により満二〇歳に達した後においても引き続きその施設に在所させることのできるもの以外は、満二〇歳に達したときをもって児童福祉法の措置は解除されるものであるから、念のため申し添える。
(参考)
精神薄弱者に対する職場適応訓練の実施について
(昭和四二年一〇月三日 職発第五一五号)
(各都道府県知事あて労働省職業安定局長通知)
標記については、昭和四二年九月二一日職発第四九三号をもって通達したところであるが、今般雇用対策法施行規則の一部を改正することにより、精神薄弱者に対して職場適応訓練を実施することとなり、これに伴ない職場適応訓練関係各種要領を別添1~5のとおり改正し、「精神薄弱者職場適応訓練対象者の認定基準および運用方針」を別添6のとおり定めたので御了知願うとともに、左記事項に留意のうえ、これが業務取扱いに支障のないよう取り計らい願いたい。
記
1 実施対象者
職場適応訓練実施対象者は、児童相談所、精神薄弱者更生相談所、精神衛生センターまたは精神衛生鑑定医の判定により精神薄弱者とされた求職者であって、職場適応訓練を受けることを指示されたものとする。
2 実施対象者の認定
(1) 精神薄弱者の判定
父兄、親族等より、精神薄弱者であると申出のあった求職者について公共職業安定所は児童相談所、精神薄弱者更生相談所に対し、当該求職者の判定を依頼し、判定書(様式は任意とするが、当該求職者の知能指数ならびに身辺処理能力に関する意見を記入したものであること。)の提出を求めることとする。
ただし、精神衛生センターまたは精神衛生鑑定医により、すでに精神薄弱者の判定を受けたものについては、その判定結果(前記判定書と同様の事項が記載されたもの)を求職者より提出させることとする。
(2) 対象者の認定
前記(1)の求職者について職場適応訓練を受けることが適当かどうかの認定は、当該求職者との面接相談の結果および別添6「精神薄弱者職場適応訓練対象者の認定基準および運用方針」に基づいて行なうものとする。
(3) 養護学校、特殊学級卒業者等の取扱いについて
精神薄弱児を対象とする養護学校、特殊学級に在学中の者もしくは卒業した者または精神薄弱児施設、精神薄弱児通園施設、精神薄弱者援護施設に入所中の者については、当該学校の長または、施設の長の証明書(当該学校、学級または施設に在職していること、もしくは、卒業したことの証明)および意見書(知能指数ならびに身辺処理能力に関する意見を記入したもの)を提出したものについても前記(1)の対象者とみなし、前記(2)により認定を行なっても差支えない。
3 その他
(1) 精神薄弱者に対する職場適応訓練の実施により昭和四二年度における職場適応訓練費補助金の額および職場適応訓練委託費の額に変更がみこまれる場合は、事前に業務指導課まで御連絡願いたい。
(2) 職場適応訓練の職種の選定にあたっては、労働省職業安定局編「精神薄弱者就業可能作業の検討」を参考とすること。
(3) 職場適応訓練を受ける精神薄弱者に対する訓練手当の支給については、おって訓練手当支給要領(昭和四一年七月二一日婦発第二六九号、職発第四四二号、訓発第一三七号通達別添)が改正されるものであること。
(注)
別添 略