添付一覧
○精神薄弱者福祉法の一部を改正する法律の施行について
(昭和四二年九月一日)
(発児第一〇七号)
(各都道府県知事あて厚生事務次官通達)
精神薄弱者福祉法の一部を改正する法律は、昭和四二年八月一九日法律第一三九号をもつて公布され、本年一○月一日から施行されることとなつたが、その運用に関してはとくに左記事項に留意のうえ、遺憾のないよう取り扱われたく、命により通達する。
なお、この通達においては、精神薄弱者福祉法の一部を改正する法律を「改正法」と、改正法による改正前の精神薄弱者福祉法を「旧法」と、改正法による改正後の精神薄弱者福祉法を「新法」とそれぞれ略称する。
第一 改正の要点
一 援護の実施機関は、精神薄弱者を他の地方公共団体の設置する精神薄弱者援護施設に入所させようとするときは、従来の紹介の措置に代えて、援護の委託の措置をとることとしたこと(第一六条、第二○条、第二一条、第二二条、第二三条、第二六条及び第二七条の改正)。
二 従来、精神薄弱者援護施設については、法律上、種別が設けられていなかつたが、これを精神薄弱者更生施設及び精神薄弱者授産施設の二種類に分けることとしたこと(第一八条の改正及び社会福祉事業法の一部改正)。
三 援護の実施機関は、児童相談所長から通知のあつた一五歳以上の精神薄弱児についても、精神薄弱者援護施設に入所させるための措置をとることができることとしたこと(附則の改正及び児童福祉法の一部改正)。
第二 地方公共団体の設置する精神薄弱者援護施設に対する援護の委託の措置に関する事項
一 旧法による紹介の措置に代えて、新法では援護の実施機関が他の地方公共団体の設置する精神薄弱者援護施設に対して援護の委託の措置をとることができることとした趣旨は、地方公共団体間における費用負担の公平を図り、あわせて地方公共団体の設置する精神薄弱者援護施設の整備を促進することにあるので、各地方公共団体においては、この趣旨に沿つて精神薄弱者援護施設の整備については格別の意を用いられたいこと。
二 援護の実施機関が新法第一六条第一項第二号の規定により、他の地方公共団体の設置する精神薄弱者援護施設に対して援護の委託の措置をとつたときは、当該援護の実施機関に係る地方公共団体は、新法第二二条第二号又は第二三条第三号の規定により、その委託に要する費用を支弁しなければならないものであること。これに伴い、改正法の施行の際現に地方公共団体の設置する精神薄弱者援護施設に入所中の精神薄弱者であつて、当該施設の設置者たる地方公共団体の区域外に居住地を有する者については、その者の援護の実施機関が改正法の施行の日からただちに援護の委託の措置をとる必要があるので、関係地方公共団体においては、とくに、必要な予算措置を講ずる等遺憾のないようにされたいこと。
なお、改正法施行の際現に市町村立の精神薄弱者援護施設に入所している精神薄弱者で、居住地を有しないか、又は明らかでない者については、都道府県知事が援護の施設機関として援護の委託の措置をとることになるものであること。
第三 精神薄弱者更生施設及び精神薄弱者授産施設に関する事項
一 精神薄弱者援護施設を分けて、精神薄弱者更生施設及び精神薄弱者授産施設の二種類とすることとしたのは、最近、精神薄弱者に対する授産事業の強化推進が必要とされていることにかんがみ、精神薄弱者援護施設における授産事業の実施の根拠を明らかにするとともに、この事業の強化及びその運営の適正化を図ることを目的としたものであること。
二 精神薄弱者更生施設は、従来の一般の精神薄弱者援護施設に相当するものであるので、重度の精神薄弱者の処遇についても欠けるところのないよう充分配意されたいこと。
三 精神薄弱者授産施設は、従来、精神薄弱者援護施設の一種として運用上認められてきた精神薄弱者収容授産施設がこれに相当するものであること。
なお、通所による授産施設をも含むものであること。
第四 一五歳以上の児童の精神薄弱者援護施設への措置に関する事項
今回新たに、児童相談所長から通知のあつた一五歳以上の児童について、援護の実施機関が、精神薄弱者援護施設に入所の措置又は援護の委託の措置をとることができることとしたのは、最近、特殊教育の課程を終了した精神薄弱児等のうちには、精神薄弱者援護施設に入所させて、必要な指導及び訓練を受けさせることが適当と認められる者もあること等を考慮したものであるが、この措置の適正な実施を図るためには、関係機関の緊密な協力が不可欠であることにかんがみ、児童相談所、福祉事務所及び精神薄弱者更生相談所相互間の連携の一層の強化を図られたいこと。
第五 その他
今回の法改正においては、もつぱら精神薄弱者援護施設に関する事項について改正を行なつたのであるが、関係地方公共団体においては、専任の精神薄弱者福祉司の設置、増強、精神薄弱者更生相談所の整備、充実、在宅の精神薄弱者に対する援護の強化等についても一層の努力をされたいこと。
