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○福祉手当制度の創設について

(昭和五〇年八月一三日)

(社第七四二号)

(各都道府県知事あて厚生事務次官通達)

重度障害者に対する福祉手当制度は、本年六月二七日公布された特別児童扶養手当等の支給に関する法律等の一部を改正する法律(昭和五○年法律第四七号)による改正後の特別児童扶養手当等の支給に関する法律(以下「法」という。)に基づき本年一○月一日から実施されることになつたが、これに伴い、特別児童扶養手当等の支給に関する法律施行令(昭和三九年政令第二六一号)の全部が改正され、特別児童扶養手当等の支給に関する法律施行令(昭和五○年政令第二○七号。以下「令」という。)が本年の七月四日に、福祉手当の支給に関する省令(昭和五○年厚生省令第三四号。以下「規則」という。)が本年八月一三日に公布され、それぞれ本年一○月一日から施行されることになつた。

この制度は、在宅の重度障害者に対する福祉の措置の一環として実施されるものであるが、制度の趣旨及びその内容は次のとおりであるので、この制度の実施に当つては、管下市町村及び関係機関に対し十分趣旨の徹底を図るとともに、その運営に遺憾のないよう、命により通知する。

一 趣旨

福祉手当制度は、在宅の重度障害者に対する福祉の措置の一環として実施するものであり、その重度の障害によつて生ずる特別の負担の一助として手当を支給することにより、重度障害者の福祉の向上を図ることを目的とするものであること。

二 支給要件

この手当は、精神又は身体に法別表第二に定める程度の重度の障害があるため日常生活において常時の介護を必要とする程度の状態にある日本国民であつて、法第一七条第三号又は規則第一条に定める施設に収容されていない者に対して支給されるものであり、また、令第六条に定める障害を支給事由とする給付を受けることができる者については、支給されないものであること。

三 手当額

福祉手当の額は、一人につき月額四、○○○円であること。

四 実施機関

福祉手当の支給機関(以下「実施機関」という。)は、受給資格者の住所地を管轄する福祉事務所を管理する都道府県知事又は市町村長であること。また、これらの実施機関は、福祉手当の支給に関する事務の全部又は一部をその管理に属する福祉事務所の長に委任することができるものであること。

五 受給資格の認定

(一) 福祉手当の支給を受けようとする者は、その受給資格について、その住所地を管轄する実施機関の認定を受けなければならないこと。

なお、受給資格喪失後再び支給要件に該当するに至つた場合も同様であること。

(二) 受給資格の認定請求は、規則第二条に定めるところにより、福祉手当認定請求書に所定の書類等を添付して実施機関に提出して行うものであること。

(三) 認定の請求は、この制度が実施される本年一○月一日以前であつても行うことができるものであること。

六 支給期間

福祉手当の支給は、原則として、受給資格者が認定の請求をした日の属する月の翌月から始め、手当を支給すべき事由が消滅した日の属する月で終わるものであること。

なお、制度の発足時における特例として、昭和五○年一○月一日において既に支給要件に該当する者が、同年一○月三一日までに認定の請求を行つたときは、同年一○月から手当の支給が開始されるものであること。

七 支払期月

福祉手当は、原則として、毎年一月、五月、九月の三期にそれぞれの前月までの分をまとめて支払うものであること。

八 所得による支給制限

福祉手当は、受給資格者又はその配偶者若しくは扶養義務者の前年の所得が扶養親族等の有無及びその数に応じて令第七条第一項に定める額を超えるとき又は同条第二項に定める額以上であるときは、その年の五月から翌年の四月までの一年間支給を停止するものであること。

なお、震災、風水害、火災等の災害により自己又は扶養親族等の住宅、家財等の財産について、被害金額が当該財産の価格のおおむね二分の一以上である損害を受けた場合は、その損害を受けた月から翌年の四月までの手当については、所得による支給制限につき特例が定められていること。

九 届出等

福祉手当の受給者は、定時の所得状況届のほか、氏名及び住所の変更並びに受給資格の喪失等について届出義務が課せられていること。

一○ 調査、資料の提供

実施機関は、必要に応じ、調査を行い又は資料の提供等を求めることができるものであること。

一一 不服申立

市町村長が行つた福祉手当の支給に関する処分について不服がある者は、都道府県知事に対して審査請求を行うことができ、また、当該審査請求についての都道府県知事の裁決に不服がある者は、厚生大臣に対して再審査請求を行うことができるものであること。

都道府県知事が自ら実施機関として行つた処分については、法第二七条の特例により当該都道府県知事に対して異議申立てを行うことができ、また、異議申立てに対する決定を経た後において厚生大臣に対し審査請求を行うことができるものであること。

一二 費用の負担

福祉手当の支給に要する費用は、その一○分の八を国が、一○分の二を都道府県市又は福祉事務所を設置する町村が負担するものであること。