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○重度精神薄弱児扶養手当法等の施行について

(昭和三九年八月三一日)

(発児第一八一号)

(各都府県知事あて厚生事務次官通達)

重度精神薄弱児扶養手当法(昭和三九年法律第一三四号)は本年七月二日公布され、これに伴い重度精神薄弱児扶養手当法施行令(昭和三九年政令第二六一号)及び昭和三九年度において重度精神薄弱児扶養手当法に基づき都道府県及び市町村に交付する事務費に関する政令(昭和三九年政令第二六二号)は七月二七日、また、重度精神薄弱児扶養手当法施行規則(昭和三九年厚生省令第三八号)は八月二八日、それぞれ公布され、これらの法令のうち、重度精神薄弱児扶養手当の受給資格及び手当の額の認定に関する規定は公布の日から、その他の規定は本年九月一日から施行されることとなつた。

精神薄弱の状態にある者については、すでに児童福祉法又は精神薄弱者福祉法に基づき、精神薄弱児施設又は精神薄弱者援護施設を利用して行なう施設保護を中核として、種々福祉援護の施策が講ぜられているところであるが、精神薄弱児施設及び精神薄弱者援護施設、なかんずく重度の精神薄弱の状態にある者のための施設は、いちじるしく不足している状態にあることに鑑み、この重度精神薄弱児扶養手当制度は、重度精神薄弱児の福祉の増進を図る制度として、とりわけ重要な意義をもつものと考えられる。

この制度の大綱と特に留意すべき事項は、次のとおりであるので、関係事務処理の円滑かつ適確な実施に努めるとともに、広くこの制度の趣旨の周知徹底を図り、目的達成に万遺感なきを期せられたく、命によつて通達する。

一 目的

この法律は、家庭において介護されている重度精神薄弱児について、その生活の向上に寄与することを趣旨とした重度精神薄弱児扶養手当(以下「手当」という。)を支給することにより、その福祉の増進を図ることを目的として制定されたものであること。

二 重度精神薄弱児の定義

この法律上の重度精神薄弱児とは、もつぱら精神の発達遅滞という障害が原因となつて、日常生活において常時の介護を必要とする状態にある二○歳未満の者をいうものであること。

三 支給要件

この手当の原則的な支給対象者は、重度精神薄弱児を監護するその父又は母であつて、父母がないか、又は父母のいずれもが重度精神薄弱児を監護しないときは、その重度精神薄弱児を養育する父母以外の者が支給対象者となること。

父母又は養育者が、重度精神薄弱児につき、監護又は養育という手当の積極的支給要件を充足している場合であつても、重度精神薄弱児扶養手当は、当該重度精神薄弱児が所定の消極的要件に該当するときは、その重度精神薄弱児については支給されず、また、支給対象者たる父母又は養育者が所定の消極的要件に該当するときは、その父母又は養育者には支給されないこと。これらの消極的支給要件のなかには、それぞれ所定の範囲の公的年金又は遺族補償の給付を受けることのできることがとり入れられているので、児童扶養手当の場合と同様、関係機関との連絡を密にし、受給資格認定の適正を期せられたいこと。

四 支給制限

所得による手当の支給制限は、支給対象者本人の所得による支給の制限につき、当該支給所得限度額の算定に際して義務教育終了後二○歳未満の重度精神薄弱をも三万円加算の対象としていること以外は、児童扶養手当の場合と同様であること。

また、所得による支給制限を行なう場合の所得の範囲及びその額の計算方法も、児童扶養手当の場合のそれと同様であること。

五 手当額

手当の額は、支給対象者が監護し又は養育する支給対象重度精神薄弱児一人あたり、一月につき、一○○○円であること。

六 支給期間及び支払期月

手当の支給期間及び支払期月は、児童扶養手当の場合と同様であること。

七 請求手続等

受給資格及び手当の額の認定請求手続、手当支給事務処理機構等は児童扶養手当の場合の例によつており、また、不服申立て制度、受給権の保護、手当として支給された金銭に対する公課の禁止等は、児童扶養手当についても同様であること。