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○児童扶養手当及び特別児童扶養手当に係る時効の解釈及び取扱い等について

(昭和四七年八月二五日)

(児企第三三号)

(各都道府県民生主管部(局)長あて厚生省児童家庭局企画課長通知)

今般、児童扶養手当及び特別児童扶養手当に係る時効について、従来より行なわれてきた解釈を改めることとし、これに伴い、所得状況届未提出者の取扱いを変更することとしたので、次の事項を了知のうえ、慎重かつ適切に事務処理を行なうよう努めるとともに、管下市町村(特別区を含む。)に対してもその旨周知徹底を図るよう指導されたい。

1 時効の解釈の変更について

(1) 児童扶養手当法(以下「法」という。)第二二条に規定する児童扶養手当(以下「手当」という。)の時効について、従来は、法第六条に規定する認定を受けた者(以下「受給者」という。)が、児童扶養手当証書(以下「証書」という。)の交付を受け、手当の支払期月が到来することによつて、手当の支払いを受けることができることとなり、その時点から手当の支給を受ける権利(以下「受給権」という。)の時効が進行するものとしていた。

しかし、手当の支払期月が到来すれば受給者は、法上手当の支払いを受けることができるものであつて、証書の交付を受けることは、郵便局の窓口において支払いを受けるために必要な手続きにすぎないものであり、今後は、受給者が証書の交付を受けているか否かにかかわらず、受給者が手当の支払期月の手当の支払いを請求しなければすべて時効が進行するものとしたこと。

この場合の時効の起算日は、児童扶養手当及び特別児童扶養手当の支払に関する規則(昭和三九年郵政省令第一五号)に定める支払開始期日である当該手当の支払期月の一一日であり、時効が完成するのは、当該支払開始期日の二年後の支払開始期日の前日が経過した時点であること。

なお、時効によつて受給権が消滅した場合には、当該消滅した受給権に係る月分の手当の債権も同時に消滅するものであること。

(2) 本通知で示した新しい時効の解釈は昭和四八年五月一日をもつて統一的に行なうこととし、昭和四八年四月三○日まではなお従前の例によられたいこと。

なお、これに伴い、昭和四八年五月一日をもつて、「児童扶養手当関係法令上の疑義について」(昭和三九年五月八日児企第三九号、各都道府県民生主管部(局)長あて本職回答)の(問25)中「また時効の起算日について。」及び「問25」の(答)中「時効については、時効は、現に手当の支払を受けることができることとなつた時点から進行することとなるので、所得状況届未提出のため、その支払が差し止められている(証書が交付されていない)限りは、時効の問題を生ぜず、証書の交付が行なわれたときに、すでに支払期日の到来している月分の手当がある場合においては、その月分の手当についてこの時効は、証書が当該受給者に交付された日から起算されることとなる。」を削ることとすること。

2 所得状況届未提出者の取扱いについて

(1) 所得状況届未提出者(以下「未提出者」という。)は、証書の交付を受けていないため、従来は時効の問題を起こりえず、その受給権は他に特別の受給資格消滅事由が発生しないかぎりそのまま存続するものとされてきたのであるが、今回の時効の解釈の変更により昭和四八年五月一日以降は支払期月到来後二年を経過した場合には時効により受給権を失なうこととなること。

(2) 未提出者の権利をできる限り保全するため、次の事項に十分留意し、必要な事務処理を確実に行なわれたいこと。

ア 未提出者の名簿を作成し、かつ、それに基づいて未提出者の追跡調査を行なうことにより、できうるかぎりその把握に努めること。

なお、昭和四六年度の児童扶養手当及び特別児童扶養手当担当者地区別打合会における指示に基づいて追跡調査を完全に実施し、すでに住所不明等が明らかになつている未提出者については、はがき等により一応の確認を行なつたうえエに示す手続きを行なつてもさしつかえないこと。

イ 昭和四七年一一月末日(沖縄県にあつては、昭和四八年一月末日)までに、昭和四六年以前の年(沖縄県にあつては、昭和四六年度以前の年度)の所得に関する所得状況届(昭和四七年六月(沖縄県にあつては同年九月)に提出すべき所得状況届までのもの)の未提出者に対して法第二九条第一項又は特別児童扶養手当法第二四条第一項の規定に基づいて所得状況届の提出を命ずること。

ウ 所得状況届提出命令は別紙様式による命令書を未提出者に配達証明により郵送することによつて行なうこと。

また、管下市区町村に対して当該提出命令をかけた未提出者名を連絡しておくこと。

エ 住所不明等の理由により、未提出者に当該命令書が到達しない場合には、民法第九七条の二の規定に基づく公示送達の方法をとること。

オ 所得状況届の提出を命じた未提出者から昭和四八年四月三○日までに所得状況届が提出されなかつた場合には、すみやかに法第一四条又は特別児童扶養手当法第一三条の規定に基づいて昭和四八年四月までの月分の手当について、その全額につき不支給処分を行なうこと。

不支給処分を行なつた場合には、その旨を受給者台帳に記載しておくこと。

(3) 昭和四八年五月一日以降は本通知に示す時効の解釈及び取扱いに基づいて未提出者についても処理することとする。

従つて、昭和四五年六月(沖縄県にあつては同年九月)に提出すべき所得状況届(昭和四四年(度)の所得が記載されるべきもの)が未提出である受給者については、昭和四八年五月一日以降は時効が完成していることとなるので、前記2の(2)のオに示す事務処理を行なつたうえ、職権により受給資格消滅の処理を行ない、その後においては、毎年九月一○日を経過した時点で当該年の二年前からの未提出者についてその受給権の時効が完成していくこととなるのでその都度職権により処理されたいこと。

(4) その他次の事項に留意されたいこと。

ア 受給者に対しては、今後もできうるかぎり所得状況届の提出を励行するよう指導するとともに事務処理上もそれに応じた体制をととのえ、未提出者についていやしくも、安易に時効による受給資格の消滅を待つことのないよう努められたいこと。

イ 厚生省報告例(昭和二六年厚生省訓令第五号)による第九一「児童扶養手当受給者」及び第九○「特別児童扶養手当受給者異動状況」の報告においては、時効の完成により受給資格を喪失した者は、それぞれ「喪失」の欄中「その他」に含めること。

(別紙)