添付一覧
○児童扶養手当法及び特別児童扶養手当法の一部を改正する法律等の施行について
(昭和四二年八月三一日)
(児発第五三三号)
(各都道府県知事あて厚生省児童家庭局長通知)
今般、児童扶養手当法及び特別児童扶養手当法の一部を改正する法律(昭和四二年七月二九日法律第九五号)が公布施行され、手当額の引上げ及び所得による支給制限の緩和等により、児童扶養手当制度及び特別児童扶養手当制度の内容の充実が図られた。
また、地方公務員災害補償法(昭和四二年八月一日法律第一二一号)及び公立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する法律の一部を改正する法律(昭和四二年八月一七日法律第一三六号)により、児童扶養手当法及び特別児童扶養手当法について、所要の改正が行なわれることとなつた。
さらに、これらの法律及び地方税法等の一部を改正する法律(昭和四二年五月三一日法律第二五号)の制定に伴い、児童扶養手当法施行令の一部を改正する政令(昭和四二年八月八日政令第二四三号)及び児童扶養手当法施行規則及び特別児童扶養手当法施行規則の一部を改正する省令(昭和四二年八月三一日厚生省令第三二号)が制定され、それぞれ公布の日から施行された。
以上の改正内容は次のとおりであるので、その趣旨の周知徹底を図るとともに、所要の事務処理に遺憾なきを期せられたい。
なお、地方公務員災害補償法については、同法が昭和四二年一二月一日から施行されることとなつているので、これに伴う児童扶養手当法施行規則及び特別児童扶養手当法施行規則の改正は、おつて行なわれる予定であるので申し添える。
第一 児童扶養手当法の一部改正
1 手当額の引上げ
児童扶養手当の月額は、従来、児童一人の場合は一、四○○円、二人の場合は二、一○○円、三人以上の場合は二、一○○円に三人以上の児童一人につき四○○円を加算することとされていたが、これが児童一人の場合は一、七○○円、二人の場合は二、四○○円、三人以上の場合は二、四○○円に、三人以上の児童一人につき四○○円を加算することに改められたこと(法第五条の改正)。
なお、手当額の引上げは、昭和四三年一月以降の月分の手当から適用されるものであり、昭和四二年一二月以前の月分の手当額は従前どおりであるので留意されたいこと(改正法附則第二条第一項)。
2 所得による支給制限の緩和等
(1) 支給対象者本人の所得による支給制限の緩和
支給対象者本人の所得による支給制限の限度額は、従来、二四万円にその扶養する児童一人につき四万円を加算した額であつたものが、二六万円にその扶養する児童一人につき六万円を加算した額に改められたこと(法第九条の改正)。
(2) 支給対象者の配偶者及び扶養義務者の所得による支給制限の緩和
支給対象者の配偶者又は扶養義務者に扶養親族等がない場合の支給制限の限度額を計算する際の基準となる給与所得の収入金額が四九万円から五七万円に引き上げられたこと(法第一○条の改正)。
なお、これに伴い、扶養親族が一人以上ある場合の限度額も、それぞれ引き上げられたが、それらについては別表を参照のこと。
(3) 災害特例に係る手当の返還条件の緩和
災害の特例により手当の支給を受けた者又はその者の配偶者若しくは扶養義務者に、災害を受けた年に所定以上の所得があつたことにより、手当に相当する金額を返還することとなる場合の所得の限度額が、所得による手当の支給制限の緩和と同様に緩和されたこと(法第一二条の改正)。
(4) 以上の(1)~(3)の支給制限の緩和及び手当に相当する金額の返還条件の緩和の規定は、昭和四一年以降の年の所得について適用され、昭和四○年以前の年の所得については従前どおりの支給制限等が適用されるものであるので留意されたいこと(改正法附則第二条第二項及び第三項)。
第二 特別児童扶養手当法の一部改正
1 手当額の引上げ
特別児童扶養手当の月額は、従来、一、四○○円に支給対象児童の数を乗じて得た額とされていたが、これが、一、七○○円に支給対象児童の数を乗じて得た額に改められたこと(法第五条の改正)。
なお、この手当額の引上げは、昭和四三年一月以降の月分の手当から適用されるものであり、昭和四二年一二月以前の月分の手当額は従前どおりであるので留意されたいこと(改正法附則第三条第一項)。
2 所得による支給制限の緩和等
支給対象者本人又はその配偶者若しくは扶養義務者の所得による支給制限及び災害の特例に係る手当に相当する金額の返還条件について、児童扶養手当法の改正と同様の改正が行なわれたこと(法第七条、九条及び一一条の改正並びに改正法附則第三条第二項及び第三項。なお、前記第一の2参照)。
第三 公立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する法律等の一部改正
公立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する法律の一部を改正する法律及び公立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償の基準を定める政令の一部を改正する政令(昭和四二年政令第二五八号)が公布の日(昭和四二年八月一七日)から施行され、公立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する法律(昭和三二年法律第一四三号)に基づく遺族補償等の給付が年金化されることに伴い、同法に基づく年金たる補償を児童扶養手当法及び特別児童扶養手当法において公的年金給付として取り扱うこととされ、従来の六年間の不支給の措置は廃止されたこと。
ただし、これらの法令の施行の日現在において、現に改正前の同法令に基づく第一種障害給付を受けている者であつて、かつ、児童扶養手当又は特別児童扶養手当の支給を受けているものについては、この改正法令により、公的年金である障害補償年金の支給を受けることとなるが、この場合には、その者が当該児童を引き続き監護し、又は養育している間は引き続き児童扶養手当又は特別児童扶養手当が支給されることとされたこと。
第四 児童扶養手当法施行令の一部改正
地方税法の改正に伴い、所得による支給の制限に関する規定の整理を行なつたものであること。
1 第四条第二項第一号中「地方税法第二三条第一項第六号」が「地方税法第二三条第一項第七号」に、「同項第七号」が「同項第八号」に改められたこと(控除対象配偶者等の定義規定の条文移動に伴う改正)。
2 第四条第二項第二号中「一○万円」が「一二万円」に、同項第三号中「六万円」が「八万円」に、それぞれ改められたこと(青色事業専従者控除及び事業専従者控除の限度額の引上げに伴う改正)。
3 1及び2の改正後の政令の規定は、昭和四一年以降の年の所得による支給制限等に適用されるものであること。
4 1~3の改正事項は、特別児童扶養手当の所得による支給制限等の場合の所得の算定についても、特別児童扶養手当法施行令第二条の規定により、同様に適用されるものであるので留意されたいこと。
第五 児童扶養手当法施行規則及び特別児童扶養手当法施行規則の一部改正
1 児童扶養手当法施行規則の一部改正
(1) 第一条第二項第二号中「二四万円」が「二六万円」に改められたこと。
(2) 第一条第二項第三号イ中「地方税法第二三条第一項第六号」が「地方税法第二三条第一項第七号」に、「同項第七号」が「同項第八号」に改められたこと。
(3) 様式第一号、第五号、第六号及び第九号の裏面の注意中
ア 「公立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償制度の年金」が公的年金給付として加えられたこと。
イ 遺族補償を受けることができることにより、六年間不支給となる遺族補償の項から「公立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する法律による遺族補償」が削除されたこと。
ウ ア及びイに伴う字句の整理を行なつたこと。
(4) 様式第三号の裏面の注意中
ア 「一○万円」が「一二万円」に、「六万円」が「八万円」に改められたこと(注意の7)。
イ 「二四万円」が「二六万円」に改められたこと(注意の10のイ及びロ)。
(5) 規則第二六条第一項中「障害年金」が「障害年金(障害の程度が同法別表に掲げる一級に該当する者に支給されるものに限る。)」に改められたこと。
これは、児童の父が国民年金法の障害年金を受給していることにより、障害認定診断書等を省略してよい場合を一級の障害年金を受給している場合に限ることを明確にしたものであること。
2 特別児童扶養手当法施行規則の一部改正
児童扶養手当法施行規則の一部改正(ただし、第五の1の(5)の部分を除く。)と同様の改正が行なわれたこと(第五の1の(1)~(4)参照)。
別表
昭和41年の所得による扶養義務者及び配偶者の所得制限限度額一覧
扶養親族の数 |
収入金額 |
限度額 |
人 |
円 |
円 |
0 |
570,000 |
426,813 |
1 |
697,500 |
536,500 |
2 |
756,250 |
589,844 |
3 |
815,000 |
644,188 |
4 |
873,750 |
701,250 |
5 |
932,500 |
760,000 |
6 |
991,250 |
818,750 |
7 |
1,050,000 |
877,500 |
8 |
1,108,750 |
936,250 |
9人以上 |
略 |
略 |