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○保育所分園の設置運営について

(平成一〇年四月九日)

(児発第三〇二号)

(各都道府県知事・各指定都市市長・各中核市市長あて厚生省児童家庭局長通知)

保育行政の推進については、かねてより特段のご配慮を煩わしているところであるが、今般、都市部等における待機児童の解消や過疎地域等における入所児童の減少等に対応するため、別紙のとおり「保育所分園設置運営要綱」を定めたので、その適正かつ円滑な運営を図られたく通知する。

なお、分園を設置しようとする場合は、あらかじめ当省に協議し、承認を受けられたい。

別紙

保育所分園設置運営要綱

一 目的

保育所分園は、児童福祉法(昭和二二年法律第一六四号)の規定に基づく保育所に分園を設置することにより、認可保育所の設置が困難な地域における保育の実施を図ることを目的とする。

二 設置経営主体

分園の設置及び経営主体は、本体となる保育所(以下、「中心保育所」という。)を設置経営する地方公共団体、社会福祉法人等とする。

なお、保育所を現に経営していない主体が分園を設置することは認められない。

三 定員規模

一分園の規模は原則として三〇人未満とするが、中心保育所の規模や中心保育所との距離等を勘案して一体的な運営が可能であれば三〇人以上とすることができる。

四 職員

中心保育所と分園のいずれもが、児童福祉最低基準第三三条に規定する職員を配置することとするが、嘱託医及び調理員については、中心保育所に配置されていることから分園には置かないことができることとする。分園においても入所児童の安全を確保する観点から常時二名以上の保育士を配置することとする。

五 管理・運営

分園の管理・運営は、中心保育所の所長のもとに中心保育所と一体的に施設運営が行われるものとし、中心保育所と分園との距離については、通常の交通手段により、三〇分以内の距離を目安とする。

なお、児童の処遇や保護者との連絡体制等を十分確保して、中心保育所の分園の開所時間に差を設けることが可能であること。さらに、構造、設備及び職員配置の観点から十分な機能を有している、又は他の社会福祉施設等との連携体制が整備されている場合にあっては、分園が夜間保育(夜間保育所の設置認可等について(平成一二年三月三〇日児発第二九八号)一(六)のとおり開所時間を原則として概ね一一時間とし、おおよそ午後一〇時までとすることをいう。)を行うことが可能であること。

また、「地方公共団体が設置する保育所に係る委託について(平成一三年三月三〇日雇児保第一〇号)に基づく委託に関する指針に即して公立保育所の分園を他の主体に委託することが可能であること。

六 構造及び設備

(一) 最低基準における取扱い

構造及び設備は、中心保育所と分園のいずれもが、児童福祉施設最低基準を満たしていることとするが、調理室及び医務室については中心保育所にあることから設けないことができることとする。

(二) 留意すべき事項

① 調理室及び医務室に関して(一)後段の取扱いとする場合にあっては、中心保育所の調理室の能力を十分勘案して衛生上及び防火上不備が生じることのないよう留意し、また分園において医薬品を備えること。

② 分園が夜間保育を行う場合は、仮眠のための設備及びその他夜間保育のために必要な設備、備品を備えていること。

③ これらに対応するため、各分園の運営に対して「特別保育事業の実施について」(平成一二年三月二九日児発第二四七号)の特別保育事業実施要綱中別添五「保育所地域活動事業実施要綱」により、夜間保育推進事業、保育所分園推進事業として補助できるものである。

七 費用の支弁及び費用徴収

分園にかかる費用の支弁及び徴収については、中心保育所と分園を合算した定員区分を適用し、「児童福祉法による保育所措置費国庫負担金について(昭和五一年四月一六日厚生省発児第五九号の二)」の第三及び第四により行うものとする。

ただし、これにより難い場合は、「分園を設置した保育所に係る保育単価について」(平成一二年六月八日児発第五八二号の五)によることができることとする。

八 施設整備

分園の施設整備及び設備整備については、「社会福祉施設等施設整備費及び設備整備費の国庫負担(補助)について(平成三年一一月二五日厚生省社第四〇九号)」による保育所の基準により行うものとする。

九 土地及び建物の取扱い

分園の土地及び建物については、設置主体が所有権を有しているか、又は国若しくは地方公共団体から貸与若しくは使用許可を受けていることを原則とするが、次の要件を満たす場合には、国又は地方公共団体以外の者から貸与を受けたもので差し支えないものとする。

(一) 継続的かつ安定的に事業が実施できる程度の期間について、その地上権又は賃借権を設定し、かつ、これを登記しなければならないこと。

ただし、事業実施に合わせ、登記を行うことができない特別の事情がある場合において、分園における事業運営が困難となった場合に中心保育所において保育を行うことができることなど適切な対応がとられている場合はこの限りでない。

(二) 賃借料が適正な額であり、その賃借料を支払い得る確実な財源があること。なお、賃借料については、「保育所運営費の経理等について」(平成一二年三月三〇日児発第二九九号)の一(四)により充てることができるものである。