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○放課後児童健全育成事業の実施について

(平成一〇年四月九日)

(児発第二九四号)

(各都道府県知事、各指定都市市長、各中核市市長あて厚生省児童家庭局長通知)

児童の健全育成の推進については、かねてより特段の御高配を煩わしているところであるが、近年、少子化の進行、夫婦共働き家庭の一般化、家庭や地域の子育て機能の低下等児童を取り巻く環境は大きく変化してきており、児童をめぐる問題の複雑化・多様化に適切に対応することが困難になってきていることから、平成九年六月に児童福祉法(昭和二二年法律第一六四号。以下「法」という。)を改正し、児童家庭福祉制度を見直して、質の高い子育て支援の制度として再構築を図ったところである。

その中で、児童の健全育成施策の一つとして新たに法制化されたのが、放課後児童健全育成事業であり、平成一〇年四月一日から施行されることから、今般、放課後の児童の健全育成の向上を図るため、別紙のとおり「放課後児童健全育成事業実施要綱」を定め、同四月一日より適用することとしたので、その円滑かつ適正な実施が行われるよう、貴管下市町村、関係機関、関係団体等に周知徹底を図るとともに、その運用に遺憾のないようにされたい。

なお、本通知の施行に伴い、平成三年四月一一日児発第三五六―一号本職通知「放課後児童対策事業の実施について」は廃止する。

別紙

放課後児童健全育成事業実施要綱

1 趣旨

法第六条の二第六項の規定に基づき、保護者が労働等により昼間家庭にいない小学校に就学しているおおむね一〇歳未満の児童に対し、授業の終了後に児童厚生施設等を利用して適切な遊び及び生活の場を与えて、その健全な育成を図るものである。

2 実施主体

本事業は、法第三四条の七の規定に基づき、市町村(特別区を含む。以下同じ。)、社会福祉法人その他の者(以下「市町村等」という。)が、社会福祉事業法(昭和二六年法律第四五号)の定めるところにより行うものとする。

3 対象児童について

本事業の対象児童は、法第六条の二第六項の規定に基づき、保護者が労働等により昼間家庭にいない小学校一~三年に就学している児童であり、その他健全育成上指導を要する児童も加えることができるものであること。(以下「放課後児童」という。)

4 運営

本事業の運営は、次により行うものであること。

(一) 本事業の実施に当たっては、遊びを主として放課後児童の健全育成を図る者(以下「放課後児童指導員」という。)が配置され、放課後児童の受け入れができるものであること。

(二) 本事業は、児童館のほか、保育所や学校の余裕教室、団地の集会室などの社会資源を活用して実施すること。

(三) 法第六条の二第六項及び児童福祉法施行令(昭和二三年政令第七四号)第一条の規定に基づき、市町村等は、利用する放課後児童の健全な育成が図られるよう、衛生及び安全が確保された設備を備える等により、適切な遊び及び生活の場を与えて実施しなければならないこと。

(四) 本事業は、家庭との連携を図りつつ、適切な遊びを与えて、放課後児童の保護及び遊びを通しての健全な育成を行うものとすること。

(五) 市町村等は、法第五六条の六第二項の規定に基づき、実施に当たって、本事業を行う他の者との相互連携、放課後児童及びその家庭からの相談等地域の実情に応じた積極的な支援を行うように努めなければならないこと。

(六) 市町村については、法第二一条の一一の規定に基づき、放課後児童の本事業の利用に関する相談及び助言、地域の実情に応じた本事業の実施及び本事業を行う者との連携等により、放課後児童の本事業の利用の促進に努めなければならないこと。

(七) 市町村等は、放課後児童指導員に対する研修等を行い、適切な運営に努めるものとすること。

なお、都道府県においても、同様に放課後児童指導員の資質の向上に努めるものとすること。

(八) 市町村は、児童の保護者、児童委員、民間の児童健全育成ボランティア等の協力を得て本事業の支援に当たるものとすること。

五 費用

(一) 市町村が実施する事業(委託を含む。)のうち、放課後児童が概ね二〇人以上であって、社会福祉事業法第六四条第一項に規定する届出が行われているものに対して都道府県が補助する事業、または指定都市及び中核市が実施する事業(委託を含む。)のうち、同法第二条第三項第二号に規定する第二種社会福祉事業であるもの及び都道府県、指定都市、中核市が実施する放課後児童指導員の研修等事業については、国は別に定めるところにより補助するものとする。

(二) 市町村等は、本事業を実施するために必要な経費の一部を、保護者から徴収することができるものとする。

六 その他

(一) 本事業は、その目的を異にするスポーツクラブや塾等、その他公共性に欠けるものについては対象としないものであること。

(二) 本事業の実施主体は、政治的又は宗教上の組織に属さないものであること。